タイの僧侶たちがはじめに登場ということで、僧侶と言うとツルツル頭をイメージしていましたが、衣で頭を覆っていて、宝塚には通常はツルツル頭の人は出現しませんね。(それはお芝居の方も同じですね。沢庵和尚や月城演じる又八が修行僧になっても髪の毛はありました。コレが宝塚とショーの僧侶を見て納得しました)
真っ赤な衣装を着た少年デプチャイ(蘭世惠翔)が銅鑼を鳴らして、ショーが開幕します。少年デプチャイは通し役で途中まで出番が多いです。
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蓮の花を持った舞姫たちが銀橋にズラリと並んだところでパッと照明が明るくなって“チョンパ”でキラキラ満載の『レビュー・エキゾチカ』の幕が開きます。
冒頭からゴールドを基調にきらびやかな王宮をイメージしたセットに大階段まで使われていて、このショーは始まりから終わりまで豪華絢爛な舞台装置も特徴です。
そして衣装もゴールドと色鮮やかな配色が多く、さらに頭に被り物まで加わっているので、異国情緒にあふれ、神秘的で、幻想的で…
タイの伝統的な音楽も取り入れられていて、日本のなつかしい音楽に通じる郷愁もあって、洋物ショーとは違うオリエンタルなエキゾチックさに魅了されます。
トップコンビお披露目のショー
珠城りょうと美園さくらの新トップコンビの大劇場お披露目公演なので、二人の“花”の結婚式があります。
お芝居の方では、すれ違いカップルだったため、珠城・美園コンビの新たな門出を祝福する場があってヨカッタ!
素の美園さくらちゃんは、一風変わっていて自己主張が強い女の子というイメージがあったのですが、舞台の上ではひたすら健気に役をつとめていて、その健気さ初々しさに心が打たれました。いつも微笑みを忘れていなかったことも素敵でした。
ザ・トップ娘役だった愛希れいかちゃんの後釜だからなのか、2番手娘役海乃美月ちゃんがショーだけ休演のためなのか、美園さくらちゃんには娘役冥利につきるシーンが沢山用意されていました。
退団する響れおな君、玲実くれあちゃん、音風せいや君3名で銀橋渡のシーンもあり、その他にも餞別的なシーンが用意されていて、退団者にやさしい宝塚です。
美弥るりか退団の特別仕様が嬉しい
非常に惜しまれて退団する美弥るりかの扱いは、今回特別仕様だったと思います。
エキゾチックで妖しく儚げな美弥るりかには、今回のショーの雰囲気にとてもマッチしています。
龍真咲と明日海りおが、『トップ準トップ』として舞台に立っていた時期がありましたが、
今回のショーでは、珠城りょうと美弥るりかの立ち位置は、『トップ準トップ』といっていいでしょう。
二人の素足での「プーア(蓮の花)」デュエットダンス
珠城・美弥の二人の一番の見せ場です。
この公演プログラムのト書きでは、二人に「ファムラック1」「ファムラック2」という名前がついているのですが、
大きな蓮のもとに、愛の巡礼ファムラックが現れる。激しく狂おしく官能的に踊る二人…やがてファムラックは眠りに溶け込んでいく。
とありました。
愛の巡礼と言う言葉は、美弥ちゃんの最後のバウホール主演公演「アンナカレーニナ」の千秋楽で、美弥るりかを表現するために使われた言葉ではないですか。
「愛の巡礼」という言葉からイメージされるのは、オスカル。宝塚でもフェアリー的な男役です。
大介先生は涼風真世のファンで美弥ちゃんもそうです。その共通点から敢えてここに「愛の巡礼」という言葉が使われたのでしょうか。
フェアリー的な美弥るりかには、この場面の衣装や雰囲気がとても似合っていました。
月組を引っ張ってきた二人が、励ましたり、慰めあったり、必要としあい、今まで培ってきた二人の関係があらわされていました。
最後は再び蓮の花の中に溶け合っていくことに、「終わり」が暗示されていることを感じました。
こういう男役同士のデュエットダンスは、今まであまり見たことがありませんでしたが、二人の関係性だからこそ出来た印象的なこのショーの一つの山場だと思います。
中詰めの「シャル・ウィ・ダンス」も、それぞれが個性をもって歌い踊ります。
美弥ちゃん特有の歌い方の「シャル・ウィ・ダンス」は絶品でした。
月組の素敵なイケメンたち
『ルンム(若さ)』と表現された月城かなとと暁千星のムエタイ(タイの国技の格闘技)の場面は二人の対比がコメディ調であらわされていて楽しいです。
ヘタレなれいこちゃんとオレオレのありちゃんな組み合わせ。
二人の普段の関係性はどうなのかな?
月城かなと君は超美形なので、オーバーアクションで顔を崩すだけで、大きな笑いがとれます。
暁千星のすごさに魅了
中詰、暁千星は高いジャンプを交えながら軽やかに難しそうなステップ踏んで銀橋を渡っていきます。
常人では決してできない「天才ありちゃんのダンス力」の証明。
ありちゃんの女装がセクシー!
そしてありちゃんのショートパンツに網タイツがとっても素敵で、脚の長さにビックリ!
また音楽同好会でじゅりさんに言われていたように、鍛えられたピチピチの太ももが魅力的。
ショーの中では「四角関係?」になってしまうのですが、女の強さをしっかり出していく、ホレボレする女役でした。
今回、芝居もショーもありちゃんの成長ぶりが、衝撃的なほどうれしかったです。
これからスターの座へ一直線かな。
美しい月城かなと
ありちゃんのアクロバット的な銀橋渡の後に続いて普通に歌いながら銀橋を渡ったので、歌はとても上手でお顔も特別美しいのに、場をかっさられた後の静けさを感じてしまいました。
ビジュアル、歌、芝居は申し分なく、後足りないのはダンス力だけ?
全てが完璧なスターはいませんから、今のれいこちゃんで十分だと思います。
色の濃いキャラクターを演じるのに長けていて、今回はお芝居でもショーでもコメディ要素の部分が、本当に面白く光っていました。
エキゾティックな色の濃い男役もお似合いで、美弥ちゃんの後を継ぐ「麗人」としてさらに磨きがかかっていくでしょう。
水上マーケットの水夫に扮した風間柚乃がボートの上で歌っていました。
やはり歌唱力と表現力が抜群です。
なぜか昭和の風味が漂う男役さん。これからさらに味のある男役さんになっていくでしょう。
特筆すべきは、ニューハーフレビュー女王輝月ゆうまさんがセリ上がってきてからの歌のうまさ。
低い音程からソプラノまで完璧。
「雨に唄えば」のリナ復活というか、もっと雰囲気のある美しさでした。
「性別は~」という歌詞の内容から、ニューハーフと分かるだけで、笑いをとるというより、ただ「スゴイ!」と感心するだけでした。
月組の芸達者さんの多さには、観劇するたびに感動するだけです。
珠城さんの素晴らしい所
フィナーレの最後に、タイが舞台のミュージカル「王様と私」の挿入曲での珠城・美園のムーディーなデュエットダンスがあります。
珠城のさくらちゃんに対する包容力は素晴らしいです。
そしてリフトの高さと回転数も。
今まで愛希れいかちゃんと鍛えてきたので、宙組の真風さんより珠城さんの方がリフトの見せ方は上でしよう。
わぁースゴイ!と感動します。
男役としてのたくましさ、骨太さも、素敵だと思います。
こうしてブログを書きながら、タイショーにもう一度行ってみたくなりました。
中毒性のある魅力のあるショーです。
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