こんにちは、くららです。
星組『1789』新人公演を配信で見ました。
新人公演担当は、谷貴矢先生。8年前の月組『1789』の時と同じ。見所満載の本編2時間30分を、1時間45分にカット・編集するのは、大変だったと思います。歌が中心にカットされた印象でした。
雪組の『蒼穹の昴』の時のような、大胆な演出変更はありませんでした。
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稀惺かずとさんのご挨拶
タカラヅカニュースの「新公トーク」で主演の稀惺かずとさんが
「東京の新人公演1回に向けて、ロナンの魂の叫びを、新人公演メンバーで一丸となってお客様にお伝えできるようがんばります!」と話されていました。
1回限りの新人公演、出演者たちの気迫がこもったレベルの高い熱い舞台でした。特に歌唱面の充実を感じました。
本編も良かったですが、最後の稀惺かずとさんのご挨拶に心打たれました。
最初のご挨拶
稀惺「『1789』という大作で新人公演の主演をさせていただくことに、大きな不安と責任で潰されそうでした。そして不器用すぎる自分が嫌で、何度も何度も逃げ出したくなりました。熱いご指導をくださいました先生方。不器用な私に手を差し伸べて下さる上級生の方々。大切なかけがえのない同期。支えてくれる下級生。何より礼さんの温かいお言葉があって、今日を迎えることができました。
この幕が上がる瞬間まで、とても不安で怖かったのですが、幕が上がり、お客様の温かい拍手と眼差しをいただいた時に、その不安が喜びに変わる瞬間を、本日体験させていただけました。本日は誠にありがとうございました」
正直にマイナス面の感情を語られたことに驚きました。
「1789」が大作というだけでなく、「宝塚歌劇団を作った小林一三氏の玄孫」ということで、新人公演の初主演に対して、特別な期待や視線が向けられて、そのプレッシャーも大きかったと思います。
それらをはねのけてしっかり実力を発揮され、コネなど関係ない本物のスターであることが、今回の新人公演で証明されたように思います。
ご自分のことを「不器用」と表現されましたが、ロナンは演技も歌もダンスも素晴らしい出来でした。稀惺さんの安定した実力の高さに驚く程でした。
そして何よりも真ん中が似合うキラキラとしたスター性、華を感じました。
最後のカーテンコールのご挨拶
稀惺「今日こうして新人公演の舞台を終え、ホッとした気分と同時にとても悔いの残る、自分の課題を見つけることができました。ロナンのようにいつも困難にぶち当たりながら、不器用だけど必死に生きることしか出来ない私ですが、皆様にこうして支えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本日は誠にありがとうございました」
向上心が強いからこそ、終わった瞬間から「悔いの残る」気持ちがあるのですね。ここでも「不器用」と言う言葉を使われました。
目指す所が高くて、自分にとても厳しくて、今日まで文字通り必死にお稽古をされてきたのだと思います。「努力」という点でも、人並外れた特別なものをお持ちのよう。
持って生まれた実力とスター性に努力が加わって、さらにスター街道を邁進していかれるように思います。
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印象に残った役
ロナン(礼真琴)……稀惺かずと(105期)
最初にお顔が映った時に、メイクが今までと違う感じがして「ロナン?」と一瞬思いました。
階級の一番下の底辺の農民らしさを出すために、眼光鋭く、険しめの表情で、役づくりを徹底されているというのが第一印象でした。粗雑な動きなどにも、らしさが表現されていました。
しかし話が進むにしたがって、持ち味のロイヤル感が漂ってくるようになりました。
礼さんがトップスターに就任されてから、とにかく歌の難易度が高くて、しかも歌の量が多いので、「歌」が新人公演主演者たちにとって、鬼門のように感じていました。
しかし稀惺さんは難なく全曲歌いこなされていて、歌声が耳に心地よかったです。喉もケアしながら努力してこられたのでしょう。
またお芝居がとっても上手で、センスを感じました。
技術面で最高峰の礼真琴さんの役を演じることが、全組の中で一番技術面のハードルが高いことだと思いますが、今回稀惺さんは、初主演でその高いハードルを乗り越えられて、本当にすごいことだと思います。
そして、最後の白い衣装が一番似合っていて、まさに宝塚のプリンスだと思いました。柔らかいフェアリー的な雰囲気もお持ちです。
まさに宝塚スターの申し子のような方だと思います。
舞台ではスターだったのに、最後のご挨拶になると、研5の新公初主演者らしい初々しさとかわいさがあふれていて、そのギャップに、応援したくなるファンも増えるのではと感じました。私もその一人です。
ダントン(天華えま)……碧音斗和(104期)
休演から7月29日に復帰されました。新公に間に合って良かったです。
お稽古期間はあったのかな?と勝手に心配していましたが、革命家たちの中で一番レベルが高くて安定感抜群。
表情作りが上手で男っぽくて色気があって、また歌も本当にお上手!首席入団の実力者です。
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アルトワ伯(瀬央ゆりあ)……紘希柚葉(103期)
「新公トーク」でもカラーコンタクトつけて出演されていました。念入りに役創りをされていて、凝った派手な怪しげなメイクに仕草。色気があってネチッとしたいやらしさのある、本役の瀬央さんとはまた違う雰囲気のアルトワ伯でした。長の期として安定感と貫禄があります。
ペイロール(輝月ゆうま)……大希颯(105期)
175cmの長身を生かした迫力があって、クセを強く出して演じられていました。声がよくて歌が上手な実力者。今回はとっても貫録を感じました。
105期の稀惺かずとさんのライバルとして、今後も活躍していかれるでしょう。
ラマール(碧海さりお)……世晴あさ(104期)
178cmの長身でとっても存在感があって、表情が豊かで、いちいちやることがユニークで、空気を制していました。芝居巧者な方だなと、いつも注目しています。
ラマールの手下の二人も、ユニークなボスの下頑張っていました。
トゥルヌマン(大希颯)……世奈未蘭(107期)
デムーラン(暁千星)……御剣海(104期)
暁さんにメイクをしてもらったのかな?と思うくらい、雰囲気が似ていました。その他諸々も暁さんに寄せていた感じ。
立ち姿が格好良く華があり、ダンスのキレも良いので、さらに注目したい男役さん。
フェルゼン(天飛華音)……馳琉輝(108期)
昨年の初詣モデル、初舞台直後の新人公演から、代役がついたり、抜擢されています。
イケメンで、立ち姿が美しく貴公子然としていて、役にピッタリ、お芝居もお上手。
これから更に抜擢されていくでしょう。男役初詣モデルは強し!
ロベスピエール(極美慎)……凰陽さや華(106期)
突然の大きな役だったので、滑舌や声はこれからですが、スッとした佇まいがイケメンでした。爽やかな印象の男役さん。
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歌上手な娘役さんたち
オランプ(舞空瞳) …… 詩ちづる(105期)
可憐で相手役を立てるヒロイン力があって、何においても安定感が抜群。いつトップ娘役に抜擢されても大丈夫な感じ。
ハモリが綺麗でした。ソロも聞きたかったですが、上手なことはわかっているのでカットされたのでしょう。
アントワネット(有沙瞳)……瑠璃花夏(103期)
鬘とドレスが似合っていて立っているだけで匂うように美しくて、王妃としての威厳にも満ちていました。
情感豊かで、「神の裁き」のソロが素晴らしかったです。「全てを賭けて」がカットされていたのは、残念。
本公演でのかわいいシャルロットとのスゴイギャップ。何でも出来る娘役さん。
「長の期の長」としてご挨拶をされました。
先日の花組新人公演でヒロインかつ「長の期」のご挨拶をされた朝葉ことのさんを思いました。
実力派娘役として、お二人は花組と星組で「娘2」的な位置で、それぞれ活躍されていくのでしょう。
ポリニャック(白妙なつ)……星咲希(103期)
瑠璃さんの同期の星咲希さんの歌声も圧巻でした。声も綺麗。
星咲さんも鬘とドレスがとてもお似合いで品があって、愛希れいかさんの舞台姿に似ていると思いました。
ソレーヌ(小桜ほのか)……鳳花るりな(105期)
歌が本当に上手で、地声歌唱がとても良かったです。
リュシル(詩ちづる)……乙華菜乃(106期)
ヒロイン然としていて、可憐で可愛かったです。
シャルロット(瑠璃花夏)……綾音美蘭(104期)
クルクルとした目で、表情が可愛く変化して、はつらつとしていました。
こうして書き上げてみると、星組新人公演メンバーのレベルの高さを感じます。特に新人公演のヒロインに、いつ抜擢されても良い娘役さんが渋滞中です。男役さんも揃っていますね。
そして稀惺かずとさんの受け止められ方が、今夜から変わったのでは?と感じています。
「小林一三氏の玄孫」「松岡修造氏の娘」という家系の肩書がはずれて、「星組の有望なトップスター候補」という単体になったような。
風間柚乃さんも、宝塚音楽学校入学から入団数年めまでは、『故夏目雅子さんの姪』という肩書をつけて報道されていましたが、今やそういう肩書を目にすることはなくなりました。
稀惺かずとさんの今後を楽しみに見守っていきたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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