花組『鴛鴦歌合戦』感想
こんにちは、くららです。
初日に続いて、本日午後の友の会優先公演を観劇しました。
最後に柚香さんのご挨拶がありました。

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友の会優先公演での柚香さんのご挨拶

柚香「お芝居では温かい笑い声をたくさん頂戴し、ショーでは手を振っていただいたりして…」と両手を振りながら話されました。

客席から手を振るというのは、シボネー・コンチェルトで柚香さんが下手端の壁でしばし佇んでいる時に、客席に向かってリアクションされて、お客さんが手を振った時のことかな?と思います。公の場で話されると、これから客席からのお手振りが増えていきそうな気もします。

柚香さんがシボネーで銀橋に出た時は、1列目のお客さんを釣っていらっしゃいました。今回の公演前方席は神神席になりそうです。心の準備を。

「初日から2日目で、どんどん好きな場面が増えていってます」とも仰っていました。
私自身も、見慣れて2回目で好きなシーンがいっぱいできました。お芝居、ショーともに中毒性があります。

カーテンが降り切るまで、大きな羽根を背負いながらも、腰をかがめて手を振ってくださるサービス精神旺盛の柚香さんでした。柚香さんのフレンドリーさも、公演を重ねるごとに加速していっているように感じます。

『鴛鴦歌合戦』について

初日だけ客席の反応が過敏で、笑いが特別だったりしますが、『鴛鴦歌合戦』は2日めでも、客席から沢山の笑いが起こって、客席も出演者たちも更に笑顔になる、温かくてハッピーなミュージカルでした。

初日より、お芝居のテンポがさらに良くなっていてビックリ!相変わらず永久輝さんのバカ殿っぷりがチャーミングでした。

初日は、永久輝さんがラストの決めセリフで「おしどり歌がっさん」とかんでしまって大笑いが起きました。カーテンコールのご挨拶でも、柚香さんが話を振られていました。

今日は、最後のセリフ大丈夫かな?と聞いていたら、セリフが変わっていて、『鴛鴦歌合戦』では無かったような…。(私の勘違いだったらごめんなさい)

初日に大うけしすぎて、変更されたのかな?舞台は生もの、日々の変化、進化も楽しい流れだなと思いました。

『鴛鴦歌合戦』のタイトルに合わせた演出変更

『鴛鴦歌合戦』というタイトルは、即席につくられた映画のものなので、主演の浅井礼三郎(柚香) とお春(星風)の関係が鴛鴦という感じでもなく、唐突感があるなと感じていました。

演出の小柳先生もそう思われたのか、『鴛鴦歌合戦』のタイトルに説得力がある内容が付け足されていました。

まず、花咲藩の城下町で3年ぶりに歌合戦が開催されることになって、町は大いに盛り上がっているという設定になっていました。

更に宝塚版で追加したお家騒動にからんでの『鴛鴦の香合』がキーアイテムでした。早々に貧乏浪人の柚香さんがそれを持っていることがわかるので、話の筋がとってもわかりやすい。

小柳先生のこだわりを、とても感じました。

チョンパで始まり、和物ショーのようなプロローグとフィナーレ

チョンパで始まると、銀橋に柚香さんと星風さん。舞台と大階段に色とりどりの傘をもった花組生たちがズラリ。

原作の映画では最後に皆が傘を手にして歌い踊っていましたが、それをプロローグにもってきたようです。

大階段を使ってミラーボールもまわって、華やかな傘を使った和物ショー的なプロローグでした。

銀橋でトップコンビが歌った後、舞台上で美羽さんと星空さんが歌い、大階段のパレードのように、永久輝さんが一人で歌いながら階段を降りてきて、次に「朝葉さん・綺城さん・帆純さん」、最後に「春妃さん・聖乃さん」。そして柚香さんと星風さんが舞台袖から登場して、また傘を持ってみんなで歌って踊って華やかなプロローグでした。ここに名前があがった人たちが、スターメンバーでしょう。

そして瓦版売りのふたり(一之瀬・侑輝)から、お芝居の本編が始まりました。ラスト柚香さんと星風さんがめでたく結ばれ、ハッピーエンドの大団円。

その後には、小劇場でのフィナーレのような主要な役の人たちが銘々にご挨拶する演出もありました。

柚香さんと星風さんの最後の銀橋では、柚香さんの下駄タップも拝めました。これも見もののような気がします。

楽曲について

「歌合戦」と言う題名通り、憎めない色濃いいろんなキャラクターたちが、映画で歌われていた原曲を、次々に歌い継いでいました。

1939年の映画で、当時としてはジャズやタンゴなど洋楽を使って、モダニズムな親近感のある楽曲と絶賛されたようです。

それから約84年たって、歌詞に時代感があることは否めませんが、思わず口ずさんでしまうような素敵な楽曲ばかりで、帰り道には、それらの数々が、頭の中でリフレインしていました。

これらの楽曲を、私のようなオールド世代は、何の違和感もなく受け容れられますが、そうでない方もいらっしゃると思います。ここは大きく意見が分かれるところでしょう。

今の時代の大人は歌わないような、心がパッと明るくなるような楽曲を当時の方たちは歌っていて、温故知新としても、ありかなと私は思いました。

登場人物について

とにかく柚香・浅井礼三郎が格好良い

ムシリ鬘で、下駄に着流しで、こんなに格好良い浪人姿、宝塚で初めてお目にかかったように思いました。(ムシリ鬘は何となく宝塚の男役さんには似合わない印象がありました)

そして粋でいなせな立ち振る舞いも素敵で、何でも柚香色に格好良く色っぽく染めあげてしまう、柚香さんの男役力には脱帽です。女の人にもててもてて仕方ないのもうなづけます。それでいて女性に対しては不器用という堅物さも更に魅力的。

山寺で子どもたちに剣を教えていて、礼三郎と剣の稽古をする子どもたちは、初配属の研1さんたち8人でした。

色濃い一癖も二癖もあるキャラクターたちの中で、礼三郎だけ誠実で芯の通った大人で、放つ色が違っていて、一際トップスターとしての存在感が輝いていました。そしてラストの世間に流されない主張に説得力がありました。

剣の腕が立つ礼三郎なので、大立ち回りでは無敵の強さで、バッサバッサとキレキレにダンスを踊るかのようにやっつけていて、爽快感もありました。

主演が格好良いだけで、宝塚ではどんな話でも成立します。とても心温まるコメディなので、ヒットするだろうと思います。

初々しい町娘 お春の星風さん

骨董好きの傘貼り浪人(和海)の娘で、礼三郎の長屋の隣に住むお春を演じる星風さんは、とっても初々しくて、トップ娘役さんとして5年以上のキャリアを感じさせない瑞々しさでした。

間がとても上手で、口癖の「チェッ!」が、江戸っ子娘らしくて、話題になっていますね。「チェッ!」という言葉さえ可愛く感じられるのは、ヒロインの可憐さがあるからこそ。

永久輝・バカ殿が楽しすぎる

青天にちょんまげが良く似合っていて、肩に力が入っていない軽妙な演技で、突き抜けた明るさと馬鹿さの、嫌みのないチャーミングな殿様でした。

やり過ぎるほどやっても羽目をはずさない所が、品があって和物の雪組で育ってきた永久輝さんの魅力だとも思います。

見ているだけでハッピーが伝わってきて、このバカ殿様のカラっとした明るさが、この作品をさらに楽しい娯楽作品に仕上げている印象をもちました。

バカ殿が女性を気に入る言葉に「腰の丸みのちょうどよい」という表現を使います。女性が聞くとイラッとしそうな表現ですが、簡単にわかりやすく使うには妥当だったのでしょう。

初めてお春を見て、バカ殿はずっとお尻に視線を向けながら、「良いぞ、気に入った」とお尻のカーブの手振りをしながらこの言葉を使って、いやらしさが無いのは、永久輝さんが演じているからもあるでしょうか。

聖乃・秀千代も負けていない

殿の弟の秀千代を演じる聖乃さんも、永久輝さんに負けないほど振り切れていて、自分の恋のために地団駄をふむような、甘ったれな末っ子ぶりが最高に良かったです。

秀千代付きの小姓の空丸を演じる美空真瑠さんが、芸達者でしっかりしていて、とっても存在感がありました。このストーリーをハッピーエンドで終わらせる重要な任務をになっていました。

美空さんは新人公演で、永久輝さんのバカ殿を演じます。とっても期待しています。

おとみ役の星空さん

星空美咲さんは、芝居上手で歌上手で、声がかわいいので、高慢ちきな金持ちのお嬢様をかわいく見事に演じられていました。お春の星風さんと喧嘩ソングで渡り合うところも負けていませんでした。どんな役でも完璧に演じられる実力の高さを感じました。
丁稚の三吉に説教されて、三吉にコロッと心変わりするのは唐突すぎましたが、これもコメディだからかな。

丁稚の三吉で大活躍の天城さん

希波らいとさんの休演で、天城れいんさんが三吉を代役で演じています。実直で腰が低くて、いつも深々と礼をして去っていく姿が可愛いく好演されていました。

人物相関図では、三吉からおとみにがあります。恋しているということでしょう。天城さん演じる三吉は子どもっぽい「丁稚」として演じられているので、ご主人のおとみさんに実直に仕えているだけで、恋心は全く感じませんでした。おとみも子どもっぽい「丁稚」に惚れる要素が無いように思えました。

希波らいとさんが演じていたら、それまでの役者としての経験値やオーラで、仕える身でありながら恋心を抱いていることの表現や、おとみが惚れる要素を見せることが出来たのかもしれません。

おとみは三吉に説教された時に、三吉に惚れたように見えましたが、その後イチャイチャもしていなかったので、二人の恋は成就したのかどうかはわかりません。

天城さんは、今回新人公演の主演もされます。そちらのお稽古も本当に大変だと思います。主演の経験をしたら、おとみとの関係性ももう少し大人っぽく演じられるようになるかもしれません。頑張って欲しいなと思います。

初日から変化を感じたのは、藤尾(美羽)の父で丹波守(永久輝)の家臣である遠山満右衛門を演じている綺城ひか理さんの演技の押し出しが強くなっていたことです。良い人ばかりの中で、娘の幸せを願うばかりに、計算高くてやや腹黒い役ですが、バカ殿様と仲良く歌って踊っている姿を見たら、悪い人には思えません。

夏祭りの楽しいシーンがあります。その中でひょっとこおかめのお面の男女の日舞が素晴らしいです。お面を取ったら舞月さん糸月さんでした。さすが名取さんです!

『鴛鴦歌合戦』は、コメディで笑って楽しいだけでなく、各々受け止め方が違うと思いますが、気づきを与えられる内容だとも思います。千秋楽の8月13日(日)まで期間があるので、何度か観劇して変化も楽しみたいなと思っています。

ダラダラと書いていたら、またまた長くなってしまいました。ショーでも沢山発見がありました。次回はショーについて書きたいと思います。

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