朝美さんの魅力爆発『海辺のストルーエンセ』観劇感想
こんにちは、くららです。
昨日『海辺のストルーエンセ』を観て来ました。

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配信で見逃がしたリベンジ

2月11日に配信で見たものの、途中いねむりをしてしまったので、記憶が非常に曖昧でした。「メガネの朝美さんが、とっても格好良かった」ことだけは覚えています。
この居眠りは作品のせいではありません。月組の初日にはじまり、雪組の名古屋御園座、また月組、そしてOSKと怒涛の7日間の観劇三昧を過ごしたせいで、疲れ切っていたからです。

配信を見ようと椅子に座ると、いつのまにか舟をこいでいて、「イケないイケない」と目を覚ますのですが、またいつのまにか眠ってしまいの繰り返しで、結局ストーリーの細部がよく理解できませんでした。
そのリベンジにと、作日はしっかり見てきました。

とっても良くできた作品だと思いました。
何よりも主演の朝美さんの様々な魅力が満載!

東京では、お稽古期間が足らない中、やっと初日の幕が上がったと聞きました。
大阪では東京の公演とその間のお休み期間を経て、24日が初日でした。その間進化され続けたのでしよう。
大阪での舞台の完成度は、かなり上がったのではないでしょうか。在阪の各新聞社のweb記事でも、朝美さんをはじめとして、作品が絶賛されていました。

朝美絢さんの魅力が爆発!

「顔が良い」が朝美さんの形容詞のようになっていますが、朝美さんの魅力は容姿だけでなく巧みな演技力歌唱力

もちろん吸い込まれるような美貌は健在でした。主演なので特にその美しさは際立っていました。

「二面性」の3乗くらい複雑な矛盾する感情を併せ持つ人物を、実に巧みに多彩に演じられていました。目の細かい演技や表情が、その時々に違って、まとわれている空気感が変わります。表現力が本当に豊か。

あるシーンでは、「ポスターのヨハンが登場した」と思いました。それぐらいシーンごとに表情が心情や状況にあわせて変化していました。

野心が暴走するシーンでは、朝美さんの強い眼力、迫力ある声量で、強いヨハンが、パワフルにリアルに演じられていました。こういう面も朝美さんの持ち味ですよね。

野心家のように見えて、実は純粋な心を失っていないヨハン。

最後のシーンでは、床に突っ伏したり、泣きながら、複雑なヨハンの心情を見せてくれ、心が痛かったですが、その根底にはヨハンのやさしさを感じました。

胡散臭い人物を演じながらも、嫌な感じがしないのは、朝美さんに人間味があるというか、人間力があるからだとも思いました。

美弥るりかさん風味を感じた部分も

診察シーンでは、『All for One』での世紀の色男アラミス神父の懺悔タイムを思い出しました。アラミス神父を演じていたのは、美弥るりかさん

アラミス神父のように、妖の香りを漂わせながらの女性の扱いもお手の物のストルーエンセ先生!

朝美さんは月組時代に美弥さんからいろいろなことを学ばれていました。美弥さんのそういう面を出されているのかなと思いました。

望海風斗さん

朝美さんが雪組に組替して一番影響を受けたのは、当時のトップスターの望海風斗さんでしょう。

奇しくも、ドラマシティ上の梅田芸術劇場メインホールで、望海風斗さんは『ドリームガールズ』の座長公演を上演中です。朝美さんは同じ屋根の下で、主演の舞台を務められて嬉しいのではないかなと思いました。

望海さんと朝美さんに感じる共通点は歌唱力と人間力。

朝美さんの歌唱力は、上達され続けています。

はじめの方のシーンで、女性か男性か分からない影ソロが流れました。美しい歌声で、「誰が歌っているのだろう?」と、とても気になりました。

最後の床にうつぶしたシーンで、朝美さんからその歌声が聞こえてきました。朝美さんが歌われていたんだ!と感動。

男役の低い声で歌われるよりも、そのままの歌声で歌われる方が、心により響いてきます。

『ODYSSEY』のトップコンビのデュエットの影ソロ“Colors Of The Wind”も少し高めの歌唱が本当に素晴らしかったと記憶しています。

衣装と髪型がピッタリ
朝美さんには、中世の貴族のロングジャケットが良く似合います。
様々なデザインのスタイリッシュなジャケットが、端正な美貌に映えていました。

そしてロングの黒髪が、美しい瞳に映えて、顔まわりがシュッとなって、とてもお似合いでした。

指田先生は、朝美さんの素敵な所を魅せることを徹底されていたと思いました。
それにこたえて朝美さんの魅力は大爆発していました。

青木朝子先生の楽曲も素晴らしい
覚えやすい主題歌に、フレンチロック風の音楽。叙情的な曲や、不安をかきたてる曲など。バラエティ豊かな楽曲にも惹きこまれました。

王クリスチャン7世…縣千

序盤、自暴自棄で暴れている時も、そうならざるおえなかった背景が感じられ、その後の変化も葛藤も、繊細に表現されていて、お芝居が上達されたなと思いました。そして何をやっても、持ち前の愛嬌が滲み出ているところがスターだなと。

歌が少ない中、縣さんには歌が多く用意されていて、縣さんへの期待を感じました。頑張ってね。

ブラントを演じた諏訪さきさんは、安定した実力派で、ストーリーに厚みを加えていました。

孤独な王妃カロリーネ…音彩唯(105期)

可憐で手足が長くお人形さんのようなビジュアル。ロココ調の輪っかのドレスがとてもよく似合います。澄んだ美しい声と確実な歌唱力。そして感情の豊かな表現力。透明感があって、ヒロイン適性がとても高い娘役さんだと再認識しました。

心を閉ざした序盤から、徐々に心がひらかれ、恋をして変化していく様子をとてもわかりやすく表現されていました。お芝居も巧み。

本来は陽のエネルギーのあふれた人なのだろうなとも感じました。

その他の役

コロス的な禁断の愛が素敵なエッセンス
召使女の白綺華さん(107期)男爵の苑利香輝さん(108期)が、恋人同士で、背景に居たり、時々お話に絡んでくるのが、お洒落な演出。
ふたりの温かみまある恋人同士が、とても微笑ましく存在したいました。
冒頭、召使女の白綺華さんの美しいソロから始まります。
白綺華さんは、2年前の音楽学校の文化祭で、「清く正しく美しく」のソロを10分近く一人で歌い上げた人。107期の首席で演劇A組のヒロインでもありました。
華優希さんに似ていて柔らかい雰囲気の娘役さんです。必ず新人公演のヒロインに抜擢されることでしょう。

三美神
女官 ホルスタイン伯爵夫人の妃華ゆきのさん(96期)
女官 ビューロー男爵夫人の天咲礼愛さん(103期)

女官 ゲーラー夫人の麻花すわんさん(104期)

天咲礼愛さんだけ、ちょっと雰囲気が違いました。
お姉さんが1期上の天愛るりあさんです。月組5人のエトワールの一人です。

可愛い娘役さん
侍女エリザベート…華純沙那(106期)

王太子 フレゼリク…星沢ありさ(107期)

素敵なフィナーレ

ガラッと本編と違った雰囲気からスタートしたものの、芝居の楽曲が使われているので、本編の余韻もありました。特にデュエットダンスは。みなと先生の振付。

華やかなキラキラした黒燕尾の朝美さんは、眩しいスター性を発揮されていました。

デュエットダンスの朝美さんと音彩さんは、最高にお似合いでした。
朝美さんがひざまずいて、音彩さんの手にキスをしたり、このあたり本編のよう。
もう最高に幸せな空間でした。

この作品はフィナーレがあって救われた印象を持ちました。

指田珠子先生と栗田優香先生

栗田優香先生

2014年、宝塚歌劇団に入団

2021年、宙組バウホール公演『夢千鳥』で演出家デビュー。

2022年、宙組『カルト・ワイン』で初東上公演の演出。

2023年、月組公演『万華鏡百景色』で大劇場演出デビュー予定。

指田珠子先生

2014年、宝塚歌劇団に入団

2019年、星組『龍の宮(たつのみや)物語』で演出家デビュー

2022年、花組『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』で初東上公演の演出。

2023年、雪組『海辺のストルーエンセ』で2回目の東上公演の演出。

お二人は同じ時に入団されました。演出家デビューが指田先生はコロナ禍前の2019年11月。栗田先生はコロナ禍真っ只中の2021年4月。コロナの影響でデビューの時期に差が生じたのだと思います。

同時入団の女性演出家で、良作で華々しいデビューを飾られ、ファンから期待されています。

指田先生の朝美さん主演『海辺のストルーエンセ』を見て、主演の朝美さんを最高に輝かせ、出演者全員に適材適所の活躍の場を与え、魅せ所をを心得ていらっしゃると思いました。宝塚の演出家に求められるのは、まずこの部分だと思います。

海辺を舞台にしたセットの色使いや、趣向を凝らした衣装など、指田先生のこだわりが随所にあって、このまま大劇場で膨らまれることもできるのでは?とも思いました。

そして指田先生のセリフには、反芻したくなるような不思議な趣があります。私はそういうところも好きです。

「栗田先生に続け」と大劇場演出デビューをされても良いのでは?と勝手に思いました。

朝美さんのカーテンコールでのご挨拶

「本日、診察も無事に終了いたしました。明日は休診日です。先生もみんなも休みます。皆様も良い日となりますように祈っております」

ストルーエンセ先生も出演者のみなさんも、のんびり過ごすことができたでしょうか。千秋楽は3月2日(木)、あと3日間です。どうか完走できますように。

この公演では王太后 ユリアーネ・マリーエを演じている愛すみれさんは、芝居中無表情で演技をされています。

芝居が終わってフィナーレになると、どんな役の方でも笑顔を魅せてくださいますが、愛さんはフィナーレでも終始無表情で踊られていました。

さらにご挨拶で一列に並んだ時も無表情を貫かれていました。隣の奏乃組長が話かれるように顔を向けても。

しかしカーテンコールの幕が降りかかった時に、奏乃組長が顔を向けると満面のはちきれんばかりの笑顔になり、両手でバイバイのお手振りをされていました。

私はこの舞台を観たのは初めてなので、他の時はどうだったのか知りませんが、タカラジェンヌには笑顔が一番似合います。まして愛すみれさんのように愛嬌のある方には特に。笑顔の愛すみれさんを最後に見れて良かったと思ったカーテンコールの終わりでした。

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