宝塚史上の「95期異変」
こんにちは、くららです。
今年も終わりが近づいてきました。

勢いのある95期

私は約4年前からこのブログを書いています。
ずっと「95期重用」が続いていて、昨年暮れは「2022年は95期以降の3番手の活躍の年になる?」と勝手に予想して書いていましたが、95期の勢いはやむことがありません。
2023年の「宝塚の顔」である宝塚スターカレンダーには、95期の男役7人が掲載されました。男役13人のうち95期が7人で、半数以上の54%です。

95期を赤字にしてみました。多いですね。
[表紙]永久輝せあ舞空瞳
[1月]礼真琴
[2月]瀬央ゆりあ海乃美月
[3月]暁千星潤花
[4月]真風涼帆
[5月]朝美絢
[6月]月城かなと
[7月]水美舞斗
[8月]芹香斗亜
[9月]柚香光
[10月]桜木みなと星風まどか
[11月]鳳月杏
[12月]彩風咲奈

先日77期の成瀬こうきさんのことを書きました。
成瀬こうきさんは研10の時にご自分の進退について考え、専科行きを希望されました。どの組に行っても同期と競合してしまうという理由から。

従来の宝塚の流れでは、同じ組で男役10年を越えた同期を二人推していくということはありませんでした。
下級生では同期のライバルがいることはよくありますが、研10を迎える頃には、各組推すスターは限定されます。

それは小劇場の「単独主演」からわかります。
W主演は別として、単独主演を同じ組の同期で複数人した例は無いと思います。(時期がずれればあるかもしれませんが)

しかし95期は小劇場の単独主演者が、とっても多い!

95期の軌跡

研10の初バウホール主演(2018年度)

進退を考えやすい研10バウ初主演を任されたということは、「これからも頑張って欲しい」という劇団からのメッセージだったと思います。

特に組内にトップ候補の同期がいる状態で、バウ主演がまわってきた水美さん瀬央さんは今までの宝塚の歴史の中では例が無かったことです。

雪組 朝美絢 『義経妖狐夢幻桜』バウ初主演(3月~4月)

花組 水美舞斗『Senhor CRUZEIRO!』バウ初主演(5月)

星組 瀬央ゆりあ『デビュタント』バウ初主演(10月)

………
月組 月城かなと『THE LAST PARTY』東上初主演(6月~7月)、バウ初主演『銀二貫』初主演(研7)

宙組 桜木みなと『相続人の肖像』バウ初主演(研7)、『パーシャルタイムトラベル』2回目バウ主演(研9)

研13初東上主演(2021年度)

東上主演というと、更に狭まったスターしか担当できませんが、95期は7人も経験しています。

雪組 朝美絢『ほんものの魔法使』東上初主演(5月~6月)

花組 水美舞斗『銀ちゃんの恋』東上初主演(8月~9月)

星組 瀬央ゆりあ『ザ・ジェントル・ライアー 』東上初主演(2022年2月)

この3人は、バウ主演も東上主演も連続した時期に行っています。

………
月組 月城かなと 研13でトップスター就任。(コロナが無ければ研12での就任でした)

宙組 桜木みなと『壮麗帝』東上初主演中止(2020年8月)、『カルト・ワイン』2回目東上主演(2022年6月7月)。

桜木さんは宙組のスターが詰まっていたので番手は上がりませんでしたが、主演の経験値は4人(水美、朝美、瀬央、桜木)の中では一番多いです。(バウ主演2回、東上主演2回)

こうして振り返ると、劇団は結構はやくから「7人推し」を決めていたことがわかります。
2014年NOTTVのタカラジェンヌがエスコート役になって、8時間芸能人のゲストをもてなす「100%宝塚」と言う1時間の番組がありました。その番組に月城、水美、朝美、瀬央、桜木の5人が2回ずつ出演しました。このあたりから95期のイケメン推しが始まったと私は記憶しています。

そして「コロナ禍」という何ともしがたいパンデミックに襲われて、スターそれぞれの人気に加えて、「95期」という集団で人気のある「95期」が更に特別な存在になったのだと思います。
それで、7人全員が東上主演をして、さらに出版物やカレンダーの扱いがよくなっていきました。

2023年の宝塚スターカレンダーの掲載だけでなく、2022年の「歌劇誌」の表紙も、95期の6名が飾りました。
表紙の半数を、同じ期の男役さんが占めるなんて、全くなかったことです。

何事も「過去の例」や「常識」で考えますが、宝塚史上で「95期」は特別な存在なので、いろいろと異変が起きて当たり前なのかな?と新しい年を迎える前に思っています。

「礼真琴×柚香光」売り出し作戦

2014年のレビュー本で語られていたこと

2014年のレビュー本で、「100th Special Talk スター絢爛」というスターさんたちのトークページがありました。その一番最後に当時研6だった「礼・柚香」トークが掲載されていました。

宝塚100周年の年。
星組の礼真琴さんは『かもめ』でバウ初主演。(5月~6月)
花組の柚香光さんは『ノクターン 』でバウ初主演。(6月~7月)

バウ初主演について二人でトークしていましたが、レビュー本はその直後の発売でした。2人のトークは無理やりギリギリに載せたのだろうなと私は勝手に思いました。
二人は宝塚100周年のレビュー本に何としても載せたかった貴重なスターだったからでしょう。

その後も二人はほぼ同時期に経験値を重ねていきました。二人は全く「売り」が違います。真逆と言ってよいスター性です。そしてそれぞれが魅力に満ちています。

面白いのは、二人とも「れい」という芸名なこと。
さらに二人がトップスターに就任したのが「れいわ(令和)」元年でした。

令和2年からパンデミックに襲われていくとは誰も考えていませんでしたが。

同時期にステップアップした二人の軌跡

星組の礼真琴さん『阿弖流為-ATERUI-』東上初主演。(2017年7月~8月)
花組の柚香光さん『はいからさんが通る』東上初主演。(2017年10月)(

星組『THE SCARLET PIMPERNEL』から、礼真琴さん2番手。(2017年3月~6月)
花組『ポーの一族』から柚香光さん、2番手。(2018年1月~3月)

花組『メランコリック・ジゴロ/EXCITER!!2018』で、柚香光さん全国ツアー初主演。(2018年11月~12月)
星組『アルジェの男/ESTRELLAS~星たち~』で、礼真琴さん全国ツアー初主演。(2019年5月)

礼真琴さん、2019年10月14日付で星組トップスターに就任。
柚香光さん、2019年11月25日付で花組トップスター就任。

2014年に二人が続いてバウホールの主演をした頃から、将来の星組と花組のトップスターの流れは出来ていたのかな?と勝手に思っています。
下記は3年前に書いていた記事です。

トップスターの候補と定めてとても長いスパンで育成されてきたことを、この二人の過程を見て思いました。もちろん計画通りには進まないイレギュラーなこともあるでしょう。「礼・柚香トップスター育成」は大成功だったと思います。

新しいことにチャレンジしていく時に、同期の存在はとても力と助けになっただろうと思います。

月城さんが月組に組替したのも、トップスター候補として考えられていのでしょう。

そしてその時にトレード組替になった朝美さんは、現在は誰もが一番に考えるトップスターに近い位置にいらっしゃいます。

通常なら「一つの期からそんなに沢山スターは生まれないだろう」という常識論がありますが、95期だけは現在に至るまでの過程が全く常識外だったので、「宝塚史上の異変」と言っても良いと思います。

礼さんと柚香さんは全くタイプが違うと書きましたが、月城さんもまた全然二人と被っていなくて、個性的で魅力的です。

95期の他のスターさんたちも、それぞれ被らない個性と売りがあるのが良い所だと思います。

昨年末の私は「95期からそんなに沢山トップスターは誕生しないだろう」と思っていましたが、今の私は常識というか既成概念を追っ払って、「わからないぞ」と思うようになりました。
これからどんな展開になっていくのでしょうか。

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