花組「うたかたの恋」 「ENCHANTEMENT」観劇感想 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

花組の初日を観てきました。
お芝居もショーも、お正月らしい豪華絢爛な舞台でした。
ミラーボールがお芝居でもショーでも大活躍していて、大劇場の素晴らしさを更に感じました。

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レビュー「ENCHANTEMENT(アンシャントマン)―華麗なる香水(パルファン)―」

まずショーについて書いていきます。

プログラムを見た時から、柚香さん、星風さん、水美さん中心の作品ということはわかっていました。実際に観てもそうでした。

永久輝さんは抑えた感じ。今回羽根も無くなっていました。

トップ柚香さん、2番手水美さん、その他路線スター6人(永久輝・帆純・聖乃・一之瀬・侑輝・希波)と言った感じ。
6人の中では、永久輝さんだけ衣装が少し良くて他の5人とは区別されていましたが。例えば水兵の衣裳でのネクタイが一人だけ赤色とか。ほんの少し。

6人は永久輝 > 聖乃 > 希波 > (帆純・一之瀬・侑輝)と言った印象を受けました。

娘役は、星空 > 美羽愛=都姫ここ。

都姫さんが退団されるので、ショーでの扱いは104期の2人は同等なのでしょう。

プロローグの銀橋歌い継
柚香 ⇒希波美羽・都姫 ⇒帆純・一之瀬・侑輝 ⇒華雅・春妃聖乃 ⇒ 永久輝星空 ⇒水美 ⇒星風

階段降りについて

エトワール 星空

希波・一之瀬・帆純・侑輝

聖乃

永久輝

水美(濃い水色衣装・白大羽根)

星風(濃い水色ドレス・白大羽根)

柚香(薄い水色衣装・白い大羽根&孔雀羽)

【並び】一之瀬・華雅副組長・聖乃・水美・柚香星風・永久輝・組長星空・帆純

【Wトリオ】
【男役】遼美来(106期)、月翔きら(106期)

【娘役】湖春ひめ花(106期)、美遥あゆ(106期)、七彩はづき(107期)、静乃めぐみ(107期)

エトワールの星空美咲さんの安定した美しい歌声が素敵でした。

水美さんは専科に異動されるので、最高の花道をつくって送られている印象でした。
その後もそれに見合うポストが用意されているのでしょう。

そして柚香さんと星風さんについては、「これがサヨナラ公演?」と思う程、二人の素晴らしい持ち味を生かした見どころが満載。
フィナーレのデュエットダンス以外にも、数多くのふたりのデュエットの見せ場がありました。(数えきれませんでした)

前回の星組でも、フィナーレで「礼・瀬央・暁」シーンがありましたが、花組では「柚香・水美・永久輝」シーン。今回黒燕尾は飾りのないオーソドックスなもの。

星風さんが、永久輝さん、水美さんとデュエットするシーンも。
水美さんは、星風さんを高速リフトされていました。
その後柚香さんも星風さんを高速リフトされて、こちらの方が長かったです。やはりトップコンビですから。

始まりは羽扇のエイトシャルマントが調香師のレイ(柚香)を瓶の中から誘い出す所からはじまりました。
レイが、魔法の香水を振りかけると目の前の世界が変わって、2階建てのメリーゴーランド風の豪華な香水棚が登場しました。実際にまわっていて始まりから、本当に豪華さにあふれていました。

衣装は加藤先生。シーンごとに色が統一されていて、その色の変化も楽しめました。

柚香さんのキャストボイスに「壮大な曲で爆踊り」というものがありましたが、これは柚香さん一人の爆踊りシーンでした。このシーンは柚香さんならではのしなやかなダンスで、とっても素晴らしくて印象的でした。代表作と言われるものになるでしょう。
そして星風さんは女神のようなディーヴァで印象的でした。歌が更にお上手になった印象でした。

柚香さんと水美さんの濃厚な絡みのシーンも、もちろんありました。

柚香さんのキャストボイス「貴族(水美と聖乃) 禁断の戯れ」は、男役同士では無く、聖乃さんが美女の貴婦人でした。
聖乃さんが女性になると絶世の美女!
二人がクルクルと回る盆の上で踊るので、鼻筋の通った美しい二人の横顔の美男美女ぶりにも見惚れしてしまいます。

野口先生というと男役さんの女装。
もう一人の女装は、ダルマ姿の希波らいとさんでした。
178cmの長身のハツラツとしたダイナミックなボディは見応えがありました。
そしてプロローグの直ぐ後でしたが、希波さんの登場からロケットダンスになっていきました。(これも前回の星組と同じです)
センターの希波さんに合わせて、センターに身長の高い男役さんが揃ったので、このロケットも見応えがありました。

柚香さんのキャストボイス「NYマドドンモンロー爆誕」。マドドンモンロー(星風)の衣裳は本物と同じ。風でスカートをなびかすシーンもありました。登場の仕方も予告通り奇抜。

ショーの目立つ活躍所は少し控えめな永久輝さんでしたが、舞台の上ではとってもイキイキされていました。

スチール写真も、三白眼と眉間のしわでメチャメチャ攻めている感じの格好良さです。

スチール写真

この公演で、華雅りりかさん、春矢祐璃さん、都姫ここさん、花翔ひかりさんが退団されますが、柚香さんと退団者4名のシーンもありました。

「うたかたの恋」について

幕が上がると、真っ赤に彩られた大階段に白い軍服姿のルドルフと白いドレスのマリーがいて、ミラーボールが回って荘厳な雰囲気の中、主題歌を二人が歌いあげて、「大劇場でしか見れない」奥行きのある「うたかたの恋」がスタートしました。

30年ぶりの大劇場での再演で、私は全国ツアーの作品をいろいろと見ていました。それらに比べて、芝居が「本物」という印象。
今回演出の小柳先生が「届く芝居とは…」と追及されたそうですが、たしかにそれぞれの登場人物の心情がしっかり伝わってきました。

例えば、ルドルフの皇太子妃ステファニーは今まではツンツンと怒っているだけの印象でしたが、春妃うららさん演じるステファニーは、そうせざるを得ない心の葛藤が伝わってきました。

星風さん演じるマリーも地に足の着いた、しっかり物事を考えて強い意志をもって生きている女性でした。

何と言っても、柚香さん演じるルドルフの演技が誰よりも深みがありました。
「エリザベート」で演じられている儚げなルドルフの延長線上にいて、ルドルフの抱える闇が手に取るように感じられました。
酒場で絶望している柚香ルドルフに、何と色気があったことか。マリーに対しては「はいからさんが通る」の少尉のようで。今まで柚香さんが演じてきたいろいろをまとめ込んだような「人間ルドルフ」でした。

ルドルフとマリーは、今までの作品のようにイチャイチャしていなかった所からも「究極の愛」の中にいる愛の深さを感じました。
小柳先生脚色の巧みな演技の追求によって、内面を浮かび上がらせ、上質な愛の物語になったように感じました。
有村淳先生の衣装も、とても素敵でした。

永久輝さん演じるフェルディナンド大公を、「3人の皇子(柚香、水美、永久輝)」の一人として出番を増やして、深く描き加えていました。
そのため、史実ではまだ二人は出会っていませんでしたが、フェルディナンド大公の「恋人」として、ソフィー・ホテック(美羽愛さん(104期))を登場させていました。

そしてフェルディナンド大公は、ラスト近くにルドルフを逮捕しにくる役に変更になっていました。
その時に今までなかったセリフが加えられていました。フェルディナンド大公のやさしさにあふれていました。

それを受けてルドルフが「後は任せたよ」的なセリフをフェルディナンド大公に言います。

このセリフのやり取りは、昔の宝塚では「退団者が引き継ぐスターに告げていた」よくあるパターンでした。

今作で柚香さんは退団するわけではありませんが、このセリフを聞いて、ちょっと「ドキッ」としてしまいました。
永久輝さんは今回2番手の役を演じているわけでもありません。

有名なラストシーン
舞台いっぱいにスモークがたかれて、白い軍服のルドルフとウエディングドレスのマリーが踊ります。「雪のマイヤーリンク」という名シーンは、そのままでした。

そのシーンの龍季澪さん(101期)と108期の花海凛さん影ソロが素晴らしかったです。
花海さんは文化祭では、歌のソロでも活躍され、お芝居A班のヒロインでした。入団成績は3番。花組には有望な娘役さんが沢山いらっしゃいますね。
龍季澪さんは、ショーのフィナーレのデュエットダンスの影ソロでも美しい歌声を聞かせて下さっていました。アメリカのご出身なので英語の発音が本物。

今回のお芝居ショー共に、初日から既に出来上がっているような印象をもちました。まだまだ深められてもっともっと面白くなっていくと思いますが、初日から満足感でいっぱいでした。

そして今回永久輝さんの扱いが下げられているように思いましたが、花組で活躍してきた水美さんが最優先されるのは当然なのでしょう。

そして今回のお芝居、ショー共に柚香さん星風さんの代表作になることは間違いないと思いました。

お正月から素敵な作品を観ることが出来て幸せでした。

柚香さんがご挨拶の中で、1月1日の夜にみる夢が初夢だと仰っていました。柚香さんの初夢談義面白かったです。スカイステージで放送されるかな?

そして1月30日の千秋楽の日が、ルドルフとマリーの命日だそうです。奇遇ですが運命を感じますね。

1月30日まで完走できますように。新人公演も上演できますように。

明日、明後日も花組を観劇予定です。再度確認してから、もう少し詳しい感想を書きますね。

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