サルーテ!留依蒔世さん東京千秋楽公演
こんにちは、くららです。
『HiGH&LOW』『Capricciosa!!』東京千秋楽公演の配信を見ました。

『HiGH&LOW』は激しいアクションづくしの演目なのに、誰一人怪我をするこがなくてよかったです。
鍛えあげたタカラジェンヌの身体能力の高さをあらためてすごいなと思いました。

そして厳しいコロナ禍の中、月組の 『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』に続いて、今年の2つ目の東西完走本公演となりました。
本当に良かったです。

留依蒔世さん希峰かなたさん琥南まことさん惟吹優羽さん花城さあやさんの5名の方が退団されました。おめでとうございます。

その中でも、私にとって留依蒔世さんの退団は特別でした。
宝塚大劇場の千秋楽を観劇した時、留依さんへの拍手が本当に凄くて、留依蒔世さんに特別な思いを抱いているのは、私だけでは無いようです。

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留依蒔世さんについて

スカイステージの『Memories of 留依蒔世』で、宝塚大劇場での千秋楽の様子や、それまでの宝塚人生について語っていらっしゃいました。

その時のお話と「宝塚大劇場の千秋楽」と「東京での大千秋楽の様子」を交えながら、書いていきたいと思います。

ショーの中詰めで、カンツォーネ『オー・ソレ・ミオ』をスゴイ声量と歌唱力と巻き舌で熱唱された時は、大きな拍手が鳴り止みませんでした。
指揮の佐々田先生まで、指揮をやめて拍手をされていたそうです。
その大拍手にこたえて留依さんは挨拶のポーズをとっていらっしゃいました。

東京の大千秋楽でも、宝塚の時以上の大拍手が続いて、留依さんが最高の笑顔でお辞儀のポーズでこたえていらっしゃいました。

そしてフィナーレのエトワールの時も、凄い拍手で次の階段降りの人が歌い終わっても留依さんが袖にはけるまで拍手は鳴り終わりませんでした。

この大きな拍手が温かくて、一生忘れられないだろうなと仰っていました。

ロングトーンを伸ばし続けるのは、とてもキツイそうです。
でもありったけの気持ちを込めて客席を歌声で包みたいと思っていらっしゃるそうです。

その思いが客席にしっかり伝わるから、大拍手になるんですよね。

退団者がエトワールをされることはよくありますが、次の階段降りの方の歌をかき消すほど、大拍手がはけるまで続くことは、めったにないことです。

留依蒔世さんの大千秋楽のご挨拶

この宝塚人生、笑顔に溢れた日も、涙が枯れるほど泣いた日もありました。
それでも舞台に愛し、愛されたいと思い続けた日々。
上級生に導いていただき、下級生に沢山支えられ、同期とは同じ釜の飯を食べ、家族や友人にお客様にファンの皆様に、この上ない愛をいただき、ここまで育てていただいたからこそ、私は今日は幸せにこの日を迎えられましたまばゆいほどの、この大舞台に一生立つことは無いのかと思うと、寂しい気持ちはありますが、大好きな皆様とこの空間に生きられたこと、ここで得た経験は、私の人生を一生、支え続けてくれる宝物になりました。
留依蒔世の長い青春を共にしてくださった全ての皆様に感謝とありったけの愛を込めて、12年間、本当にありがとうございました。

留依蒔世さんのご挨拶への思い

宝塚大劇場の時は、「わたしらしく、エンターテインメントとしてお届けできないかな、笑ってもらいたいな」と言うのがあって、いざやってみると出演者もお客様も笑ってくれて、すごく幸せな空間になったなと自負され、ホッとされたそうです。

ご挨拶でまで笑いを取りたいと思うのは、流石尼崎出身の関西人

しかし大千秋楽のご挨拶は先ほど書きましたが、お笑いとは無縁のとても真面目な心に響いてくる内容でした。

その後、関西人魂の留依さんの本領発揮が待っていました。

個性が光った「留依さんの一言」

宝塚のカーテンコールの「退団者の一言」では、留依さんがやりたかった「俺たちは無限だ!」を退団者5人で叫んでいました。

東京では本当の最後なので、皆さんそれぞれ真面目に一言を話されました。

花城「この光景は一生忘れません」
惟吹「絆は永遠です」
琥南「この景色を一生忘れません
希峰「無事に派手に舞い散ることができました」

留依さんは、 関西人魂をここで魅せてくださいました。

「叫びたいことがございまして、私がです」と、まず仰いました。
そして下記のように叫ばれました。

終わりは新たな始まりを意味する。覚えてろよ!

皆様乾杯のご用意をお願いいたします。
皆様のご健康とご多幸をお祈りしまして『サルーテ!!』

イタリア語で乾杯は salute 「サルーテ」です。
完走できて卒業できて、乾杯したい気持ちでいっぱいだったのですね。

それを受けての真風さんの話が面白かったです。
「ホントにみんなだった?あずさ一人じゃなくって?」と他の退団者に確認していました。真風さんのこういうところに、やさしいお人柄とユニークさが出ていて楽しい。

「あーちゃん」という愛称は「あずさ」からだったのですね。

大千秋楽に「サルーテ」できるなんて、最高ですね。

留依蒔世さんありがとう!

留依蒔世さんのこと

私には忘れられない留依さんの思い出があります。

2019の花組バウ公演『Dream On!』の後半の公演(綺城ひか理・飛龍つかさがメインキャスト)を観劇した時に、私のすぐ前の通路側の席で留依さんが一人で観劇されていました。同期の綺城さんが主演。

当時のバウホール公演のショーは、「これでもか!」というくらい客席降りがありました。
綺城さんは留依さんの側を通るたびにタッチしていましたが、留依さんが立ちあがって二人で一瞬抱き合っている時もありました。
「同期愛だなぁ」という思いで眺めたものです。

綺城さんはお得意の歌を沢山披露されていました。

しかしこのバウホール公演、最初は「綺城ひか理・飛龍つかさが主な出演者」と発表されたものの、前半は水美舞斗さんが特別出演することになりました。

ポスターが公表されると、中央には水美さんがデーンと位置されていて、綺城さんと飛龍さんは小さくその上下で、ポスターで見る限りは主演には見えません。

結局、前半は水美さんが主に活躍されて、後半は綺城さんと飛龍さんが主に活躍されるショーでしたが、綺城さんや飛龍さんファンには物足りなさが残ったのでは?

『Dream On!』は、95期の水美さんの強さを認識する公演だったように、私は受け止めました。その後の95期の隆盛を物語る一つだったように思います。

留依さんはその頃『オーシャンズ11』に出演中で、宝塚の公演が終わった直後でした。
『オーシャンズ11』は役が多いので、歌手のマイク役で活躍されていました。
しかし他の本公演では留依さんの3拍子揃った実力はあまりいかされていませんでした。

その年の2月の轟さん主演バウ公演『パパ・アイ・ラブ・ユー』のレズリー役、その1年前の『不滅の棘』のハンス役と、小劇場公演では活躍される時もありましたが。

私はこのブログをはじめた時(2019年2月)に、「和希そらくんを使って欲しい」とまず書きました。
そして、目の前で綺城さんとハグしている留依さんを見て、和希そら君と同じくらい実力派の、「使われなくてはモッタイナイ貴重なスターさん」と何回かブログに書いていました。

その時に下記のものを記していました。

【RISING STAR GUIDE 2017掲載メンバー】オレンジ退団者
95期 水美舞斗、輝月ゆうま、月城かなと、朝美絢、瀬央ゆりあ、桜木みなと
96期 優波慧、紫藤りゅう、和希そら
97期 矢吹世奈(退団)、綺城ひか理、蓮つかさ、永久輝せあ、留依蒔世
98期 暁千星、綾凰華、天華えま、瑠風輝

2017年に4学年に渡っての「若手スター」を掲載した本が発売されましたが、「95期推し」がドンドン進んでいって、96期以降のスターが不遇傾向になっていきました。

留依蒔世さんの退団はとても残念ですが、「95期推し」が驀進していった影響もあると思います。

宝塚に入ってくる方たちが目指しているのは、やはりトップスターや、それに準じるスターだと思います。
しかし頂点や頂点に近いスターになれるのは、ほんの一握りの人たちだけ。

95期を重用すれば、他の期に影響が出てくるのは仕方ないことのように感じます。

幸せに退団された留依蒔世さん

留依さんは、不遇傾向な時期もありましたが、最後は「本当に良い役に恵まれたなと思います」と仰って、幸せに退団していかれました。

留依さんは新人時代に、ケガで半年あまり休演されました。
復帰後2016年6月、バウ『Bow Singing Workshop~宙~』で圧倒的な歌唱力で客席を魅了されました。
・「誰も寝てはならぬ」(トゥーランドット)
・「僕は怖い」(ロミオとジュリエット)

2016年7月~10月、『エリザベート 』黒天使 、新人公演:フランツ (本役 : 真風涼帆)
歌えるフランツとして大絶賛されました。

2017年、「王妃の館」で、北白川右京(本役:朝夏まなと)新人公演初主演。

寿組長さんが大階段の挨拶の準備中に、退団者の紹介コーナーで「好きだった役」を紹介されました。

留依さんの好きだった公演と役

組長さんが紹介された言葉を「」内に。
『Memories of 留依蒔世』で語られたことを青字で記しました。

・新人公演『エリザベート』のフランツ

・新人公演『王妃の館』北白川右京

2020年『FLYING SAPA-フライング サパ-』のタオカ。
「それまでの経験を生かして、男役の域を越えた役でしたが、役者として生きていると実感できた公演でした」

題材がSFで個性的な役で、上田先生に「男役」では無く「男」を演じてと言われたそう。一役者ですと胸をはって言えるようになった役です。

2021年『夢千鳥』の恩地孝四郎と紺野陽平。
「お芝居の楽しさをあらためて感じ、心が動き続けて苦しいほどの作品でした」

何日間しか出来なかったけど、そんな中でも演技をさせてもらっているという喜びを凄く感じた作品で、栗田先生が今まで個性的な役が多かったから、スキっと二枚目で優しくて人間的な役をやらせたかったと言って下さった。お芝居って心から楽しいなと思える稽古場で大好きな作品ですね。

『プロミセス、プロミセス』 カールとマージ
「思いがけず男女2役となり、貴重な経験でした。全てがエキサイティングでお客様の笑い声が今でも忘れられません」

急遽マージを演じることになって、本質の部分でマージと一致した部分があったのでスッと入っていける部分もあって、私って女役も出来るんだという自信になった。芹香さんとのアドリブ合戦が楽しくて、2役を演じることで役者として幅を広げることが出来た

2022年『NEVER SAY GOODBYE』 ラ・パッショナリア
「舞台人として新たに気付かされ、学ぶことが沢山あり、本当に光栄でした」

和音(初演)さんの印象が凄くあったので、これをやれたら本望だなあと言うのがあって、歌は追求し続けているもので、女役なら自分の音域を全部使えるので、女役をやりたかった。あの歌をロングランでやっていける喉を試すことができて、財産になった。

『カルト・ワイン』チャポ
「男役の集大成のような役で、カンパニー一丸となって作ったこの作品は私にとって最高の楽しい楽しい思い出です」

とても集大成にふさわしい役をいただいて、今までのありとあらゆる経験を全部仕えた役だったし、退団を目前に良い役をもらて本当に良かった。
みんなにいろいろアドバイスしたり、少しでも自分の魂をみんなに分けたいなという思いもありながらやっていたので、凄く充実した公演でした。

この後は、『Memories of 留依蒔世』だけで語られていたことです。

『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』
またボス役で、孔雀にはカルトワイン組が多くて、最高の孔雀ファミリーに恵まれて、最後に真風さんと1対1で戦えさせていただくという大変光栄な場面もいただいて、宝塚人生に悔いなしですね。

『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』
宝塚の男役は、ショースターであるのも男役の一つで、ショーでしっかり男役をつとめあげて辞めたいというのも理想だったので、ショーで伊達男を演じつつ、見せ場も沢山いただいて、最後にエトワールもさせていただいて。

本当に良い役に恵まれたなと思います。

宝塚とは
宝塚は、私に経験をくれた場所というのが一番ふさわしい言葉。
人と人が向き合い、物事を解決していったり、自分が成長していったり、舞台、芸事、人との関わり、宝物が沢山詰まった所。

留依さんのこれから

留依さんの卒業のお花は、宝塚では紫色のカラーでしたが、東京は白のカラーでした。
「終わりは新たな始まりを意味する」と叫ばれていましたが、卒業後「新たな始まり」が待っているのしょう。

お話を聞いていたら、ご卒業後も、お得意な歌を舞台で聞かせていただけるような気がします。
自分の音域を全部使える女役なら、宝塚の時よりも更に磨きがかかった歌になりそう。

圧倒的な歌の実力者にふさわしい、活躍の場が待っていることと思います。
活躍を期待しています。

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