「プロミセス、プロミセス」トップスターへの試金石?
こんにちは、くららです。
「プロミセス、プロミセス」セディナ貸切公演を観て来ました。

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開演前に幕が上がってチャックの部屋が登場すると、オペラグラスをあげてある方向を凝視する方が多数。

2階のベットの中にキキちゃん(芹香斗亜)が、スタンバイしているからです。
1階に強いライトが当たっているため、ベット周辺はあまり良く見えませんでした。

11月13日土曜日に幕が上がって、11月18日木曜日が千秋楽なので、お休みの日は無く、6日間10公演。
東京公演は11月30日火曜日から12月7日火曜日。1日お休みがあって、7日間12公演。

とても短い公演なのに、映像が残らないとは本当に残念ですね。
「ルサンク」は、雪組の「20世紀号に乗って」では発売されましたが、「プロミセス、プロミセス」はどうなのでしょう?
公演ライブCDの発売が予定されているので、CDを楽しむためにも発売して欲しいですね。

今回も、キキちゃんは膨大な台詞の量と歌で熱演されていました。初日より歌の迫力が増し、さらにお芝居のテンポも良くなったように感じました。

トップスターへの試金石?

膨大な台詞の量と言うと、紅ゆずるさん主演の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を思い出します。

退団後に紅ゆずるさんが、MBSラジオ「ありがとう浜村淳です」に出演された時に、かなり挑戦した思い出として、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』でのお話をされていました。

「キャッチ・ミー・イフ・ユ・ーキャン」
天才詐欺師フランク・アバグネイルの自伝をもとに、映画化され大ヒットした作品を、ミュージカル化した作品です。

開幕して、紅さん演じる若き天才詐欺師フランク・アバグネイルは、35分間一人でしゃべり続ける所から始まっていました。

一人でストーリーテラーのように、35分喋り続けるという舞台は、宝塚ではなかなかありません。

稽古期間がとっても短かったので、台本を初めてもらって5日後に1幕を通すというハードスケジュールだったそうです。

『これを覚えなかったら死ぬ!絶対覚えなきゃああかん!私が覚えなきゃあ絶対だめだ!』と叩き込んで叩き込んで、5日間ほとんど寝ないで、35分間の一人芝居のセリフを覚えられたそうです。

2015年6月~7月に上演された紅さん主演の東上作品でした。

もう1本は、北翔海莉さんの新生星組がスタートして全国ツアーが上演されていました。

柚希礼音さんの退団後は紅ゆずるさんがトップスターを継ぐと思われていた所、北翔海莉さんが専科から星組に異動してトップスターに就任されました。
紅さんは2番手継続となって、背水の陣のような思いで、この作品に臨まれたのかな?と、そのお話を聞いて私は勝手に思いました。

この作品は紅さんのコメディセンスが活かされた、紅さんならではの、笑いっぱなしの楽しくてジーンとするコメディミュージカルでした。

しかし、海外ミュージカル(ブロードウェイ作品?)ということで、映像にも音源にも残りませんでした。
そのため「サヨナラショー」で、「キャッチ・ミー・イフ・ユ・ーキャン」からの曲が2曲歌われて大感激でした。

劇団の内部事情は全くわかりませんが、紅ゆずるさんにとって「キャッチ・ミー・イフ・ユ・ーキャン」が、トップスターになるための試金石だったと思います。

「プロミセス、プロミセス」も同じように、芹香斗亜さんにとってトップスターになるための試金石のようなものなのかな?と感じています。

長期計画の宝塚では、既に数年先に渡っての人事計画はあるのでしょうが、それを遂行する前に、目に見える形での試金石が必要なのでしょうか?

紅ゆずるさんは、過酷なスケジュールの中で、「キャッチ・ミー・イフ・ユ・ーキャン」公演を成功に導き、トップスターの道を進んでいかれました。

芹香斗亜さんも、膨大な台詞とナンバーの数々を見事な形で魅せてくれ、周りの出演者たちのチームワークも良く、「プロミセス、プロミセス」は大成功と言って良いでしょう。

軽妙に笑いをとりながらお話を回していけるスターはなかなかいません。宝塚で一番のコメディアンヌと言っても良いでしょう。
そして、難しいバカラックのソロからデュエットまでの数々ナンバーを、伸びやかな歌声でじっくり聞かせることのできるスターもなかなかいません。ロングトーンも素晴らしかったです。

紅さんが「キャッチ・ミー・イフ・ユ・ーキャン」で壮絶なチャレンジをされたのと同じように、芹香さんにとって、「プロミセス、プロミセス」は、壮絶なチャレンジだったのでは、と思います。

何より滑舌がとても良くなっていたのを感じました。
ずっと喋り続けていらしても、聞き取れない言葉がありませんでした。

台詞の量もトータルすると、「キャッチ・ミー・イフ・ユ・ーキャン」の紅ゆずるさんのものより多いかもしれません。

今回はアドリブは少なめ

セディナ貸切公演なので、それに関してのアドリブがあるかな?と思っていましたが、ありませんでした。キキちゃんが最後のご挨拶で触れられただけでした。

キキちゃんの作品は、慣れてくるとアドリブが連発しますが、ブロードウェイ・ミュージカルということで、脚本通りが重視されているようです。

アドリブが出るのは留依蒔世さんに対して

2幕、はじめに留依蒔世さんは、女役のマージとして登場します。(愛海ひかるさんの代役)
セクシーでワイルドでパワフルで、フクロウのコートを着ているちょっと変わった女性。引き締まった脚がとにかく綺麗。

マージはとっても自由に演じられていて、チャックのお部屋に入ったら、上目遣いでぶりっ子風になっていたら、

チャック(芹香)「色んなキャラクターが出てくるなあ〜」、客席も大爆笑。
その時マージは、頭の上で手でお花が開くポーズでおチャラけていました。

そのしばらく後、留依さんは、リージェントに革ジャンで、フランのことを心配してとても怒っている柄の悪い兄として登場。

チャック「フクロウのコート持ってたりしませんか?フクロウのコート…(段々と怖くて小声になっていく)」
カール「フクロウじゃねぇ!!」と超威圧的。

初日から、「マージとカールは同じ人が演じている?」を匂わせるアドリブは何かしら入れているようです。

そして代役の留依さんのマージは、その時々を自由に演じても良い設定になっているのかな?何が出てくるかわからない面白さがあります。

1幕のアンサンブルも留依蒔世劇場。
初日の感想でも書きましたが、アンサンブルでの留依さんのハッチャケぶりが楽しいです。メガネをかけた会社員は特に。風色日向くんも留依さんの影響をうけてか、存在感が増していました。ふたりはタイプライターで遊んでいました。風色日向くんもやはり只者では無い?

目が離せないゲイの若翔りつくん
二幕冒頭、怪しげなバーで、チャックとマージのやり取りが舞台の下手で行われています。その時上手やや後方ではバーの客たちが小芝居をしています。
強烈な印象なのは、片耳ピアスの男役の格好の若翔りつくん。歩き方、仕草からゲイであることは一目瞭然。クセが強すぎて目が追ってしまって、気になって仕方なかったです。下手ではチャックとマージが良い味を出し合ってお芝居していて、そっちに集中したいのに。

バーテンダーの真名瀬みらくんも、パーマに片耳ピアスで、色気があって、女の子とイチャイチャしているチャラさサが、「真面目な真名瀬くん」という印象を吹き飛ばしてくれました。

輝月ゆうまもさんも、味のある演技で、芹香斗亜さんとの相性が抜群。神戸出身同士という近さもあるのかな。
高身長がいかにもアメリカの紳士的で、包み込むような安心感のある存在感は全体を締めていらっしゃいました。
配役の巧みさをとても感じました。

そして配役の巧みさと言えば、ミス・オルスン役の瀬戸花まりさん。
持ち味と役がピッタリ合っていて、すごく説得力があります。
そして元愛人で上司が同期の和希そらさんなのも、妙に面白い組み合わせでした。

和希そらさんは、役を演じている時は、にやりともしません。
そのためご挨拶で一列に並んだ時の笑顔が眩しいです。
「そら組のそら君」である時間が、一日一日過ぎていっています。

「プロミセス、プロミセス」を観劇して、芹香斗亜さんがトップスターになることは間違いないだろうなと、私は勝手に思っています。

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