こんにちは、くららです。
昨日雪組『蒼穹の昴』を観劇しました。
新人公演上演後に本公演を観ると、様々な発見があって面白いです。
今回、一番強く思ったのは、春児は朝美絢さんしかいない!
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春児は朝美絢の超はまり役
新人公演での一禾あおさんの春児も、ピュアな少年らしさにあふれていて、一生懸命生きながら成長していく姿を見て、こういう春児もありだなと思っていました。
しかし新人公演後に朝美さんの春児を見ると、やはり本物!!
大きな瞳をキラキラさせた、キュンとなるくらい可愛いさ満点の春児は、朝美さんにしか出来ません。
貧しい糞拾いの、飢えに苦しむ春児が、白太太から「途方もない希望の予言」を告げられ、あまりの絶望から信じ込むしかないと決めて、希望に向かってひたすら前向きに生きていき、予言通り西太后の側近になります。
原作では春児が主役ですが、宝塚版では彩風さん演じる梁文秀が主役なので、梁文秀を中心としてストーリーが展開していくため、原作の春児についてのエピソードの多くはカットされていて、春児の出番は多くはないです。
しかし朝美さんが演じることで、原作のままの春児が、宝塚の舞台に息づいています。
そして物語のはじめに、極貧の中の春児は「ちくしょう、ちくしょう、どうすりゃいいのさ、みんなに幸せあげたい」と銀橋を渡りながら歌います。
その春児がいじらしくて、愛おしくて…。
春児を応援する気持ちで一杯になります。
私の贔屓目も入っているでしょうが、深く感情移入できるのは、朝美さん演じる春児だからだと思いました。
「顔が綺麗で可愛い」ということも大きな要素かもしれませんが、それだけでありません。
ひたすら努力をつみ重ねて、今の位置に到達した朝美さんの前向きな泥臭いほどの歩みと、春児の歩みに重なる部分があります。
今回鍛錬が必要な京劇を見事に魅せてくれていることも。
そして物語の春児もそして朝美さんも、周りの人たちから愛される愛されキャラです。
少年役が適任のスター
新人公演の一禾あおさんも、少年役がとても似合っていましたが、朝美さんほどには、はまっていませんでした。
朝美さんの持ち味は、少年役でより生きます。そしてその演技が巧みで、少年にしか見えません。
今から8年前、2014年の新人公演『PUCK』の主演パックは、本役の龍真咲さんより、ずっとはまっていると思いました。
初演の妖精的なスターだった涼風真世さんのパックを、朝美さんのパックが受け継いでいる感じがしました。
それなのに次のバウ公演『Bandito』では、 髭のおじさんガスパレ・ピショッタ役。
「なんでよ~!」と心の中で叫びましたよ。
朝美さんの今までの歩み
『舞音-MANON-』で新人公演の2回目の主演をするものの、次の本公演 『NOBUNAGA〈信長〉-下天の夢-』では妻木(女性役)と森蘭丸。
その次の『グランドホテル』では、エリック/ラファエラ(女性役)の役替わりでした。
雪組に組替しての最初の本公演では、『ひかりふる路』で色濃い男役サン=ジュストを演じられて新境地開拓されたものの、ショー『SUPER VOYAGER!』では、望海風斗さんと組む酒場の女性役が魅力的でした。
2020年の『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の女性のキャロル役もピッタリはまっていました。
朝美さんの代表作は、キャロル役?と言ってもよいほどの適役でした。
そして昨年東上主演『ほんものの魔法使』での役は、少年っぽいアダム。
朝美さんは、色の濃いキザな男役を魅せて下さるものの、過去を振り返ると、少年役や女性役が印象的な傾向にあります。
そして『蒼穹の昴』の少年の春児役。最高にはまっていたので、この先ずっと「朝美さんの代表的な役」と言われることでしょう。
『蒼穹の昴』は初日から、素晴らしかったですが、さらに進化して壮大さが増し加わっています。
宝塚大劇場の初日があけても、一般販売のチケットは多数残っていましたが、「追加しよう」と本日見たら完売していました。
東京ではチケットがなかなか手に入らないと知人から聞きました。
きっと賞も受賞されるでしょう。
宝塚の大作として、宝塚史上に刻まれていくことは間違いないでしょう。
実直な彩風咲奈さんに、主人公の文秀はドンピシャとはまっていて、代表作と言われるでしょう。
しかし彩風さんの代わりに、この役を演じられるトップさんはいらっしゃるような。
しかし、朝美絢さんの春児のはまり度は、なかなか他の人では代えがたいように私は思います。
そして、今回の作品は、超長編小説をギュっと2時間半の舞台に詰め込んでいるので、登場人物が多く、見せ場が少ないです。
春児の出番も、従来の2番手の出番に比べると、少なめです。
しかし、朝美絢さんが演じるからこそ、「二番手」として存在していて、本当に心が動かされる良い役になっています。
『蒼穹の昴』は、文秀を演じられるトップスターと魅力的な少年役ができる「2番手」がいてこそ、再演できる作品のような気がします。
そして再演の際には、朝美絢さんのハードルは高すぎる、と言われるかも。
本当に大きな金字塔を打ち立てたられました。
フィナーレの景徳鎮燕尾
フィナーレでは、朝美さんは娘役さんたちの中心で、2番手男役スターとして景徳鎮をイメージした白地に青い柄の燕尾で踊られます。
その景徳鎮燕尾が可愛いすぎて、そして朝美さんが可愛く笑顔いっぱいで踊られているので、余計に幼く見えて、初日から「もっと格好良い衣装にしてよ」と思っていました。
何度見てもその思いは変わりません。
その直前の男役群舞では、黒の上下のチャイナ服にゴールドの薄い布を羽織って格好良くギザに踊られていました。
一転、可愛い景徳鎮のスーツは、原田先生や衣装デザインの有村先生が「少年・李春児」をイメージされたのでしょうか?
研13の男役さんに、少年をイメージして、あえて景徳鎮の衣装をつくられるなんて、ちょっと不思議で、不満です。
フィナーレぐらい、男役らしく格好良く魅せてくださったら良いのに。
しかしこの少年らしさが朝美さんのこれからの売りになっていくのでしょうか?
今後の役が少し心配?
朝美さんは、誰よりも男役らしさキザさを追求されてきた男役さんだと思います。
しかし、今回「大役春児」を演じられたことで、この線を強く打ち出していかれるのでしょうか?
次回東上主演『海辺のストルーエンセ』は、どんな作品になるのか?
小さな町医者ヨハン・ストルーエンセは、新しい考えを広め、いつか大きな世界で活躍したいという野心を抱きながら、その美貌と賢さ、エレガントな立ち振る舞いを武器に、専属医として王達に近づき、異国に慣れず王と不仲の王妃マチルデに惹かれていく…
「デンマーク王妃と国王の侍医との禁断の恋」は、デンマークではよく知られた実話だそうです。
それを題材にした映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』のキャッチコピーは、
デンマークで「最もセクシーな男」が演じる、実話に基づく王室の歴史的スキャンダルでした。
映画ではストルーエンセのことを「最もセクシーな男」と表現されていたので、朝美さんもその線から大きくそれることは無いでしょう。
ちなみにこの映画でストルーエンセを演じていたのは、マッツ・ミケルセン。
彼は『007/カジノ・ロワイヤル』では冷徹な悪役を演じていたそう。
宙組で演じられる『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』は、映画とは関係なく、イアン・フレミングの小説「007/カジノ・ロワイヤル」が原作ですが、面白い繋がりだと思いました。
今回の少年役春児が当たり役だったからと言って、朝美さんに少年役が続く訳ではないようです。「少年役系が続く?」という心配は不要のようです。
今回の反動で、う~ンとセクシーでキザなストルーエンセを演じられるかもしれませんね。
そして、もしトップスターに就任されたら、『PUCK』の思い出再演もあるかもしれません。観てみたいです。
でも現在の宝塚の人事は先が読みにくい状態なので、正2番手の朝美さんがトップに就任されるか?まだ確信がもてません。
朝美さんはフェアリー系路線?
初演の『PUCK』で主演した涼風真世さん(元月組トップスター)は、フェアリータイプの男役と言われていました。
フェアリー系は、小柄で女役もできることが条件のよう。
他には、朝海ひかるさん(元雪組トップスター)。
音月桂さん(元雪組トップスター)。
明日海りおさんもそうですね。
『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』で退団されました。
昭和までたどれば、安奈淳さん、汀夏子さんかな。
汀さんは、「炎の妖精」と言われていて、小柄ですが男気のある熱い男役さんでした。
お二人は本公演の『風と共に去りぬ』でスカーレットを演じられました。
安奈さんは女役を演じたその公演で退団されました。
「女役での退団」は、ファンの方には衝撃だったと思いますが、安奈さんは長引くベルばらブームの中で、よほど辞めたかったのでしょうね。
話がそれてしまいました。
現役のタカラジェンヌの中では、やはり朝美さんがフェアリー系路線だと思います。
今回の春児はピュアな少年でしたが、朝美さんの男役の持ち味は、ピュアな感じでは無く、ちょっと色のついたギラギラ系。
なので、美少年であっても、魔性の美少年が似合いそうな気がします。
そういう作品が巡ってくると良いですね。
新公後の観劇で感じたことを書こうと思っていましたが、朝美さんの話だけで長くなってしまいました。
それほど朝美さんの春児は素晴らしすぎました。
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