番手ごまかしについて考える
こんにちは、くららです。
昨日は星組『1789-バスティーユの恋人たち-』で話題が持ちきりでした。
前回も書きましたが、初演が上演された頃の月組は、2番手からの3人の番手ぼかしされていました。

今回は、その頃の番手ぼかしと現在の番手ぼかしについて考えていきたいと思います。

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2014年~2016年の月組「番手ぼかし」状況

『1789-バスティーユの恋人たち-』の3人のスターの状況

ポスター掲載……龍真咲、愛希れいか +凪七瑠海(89期)美弥るりか(89期)珠城りょう(94期)

歌唱指導……美弥るりか

階段降り……珠城りょう→美弥るりか→凪七瑠海(香盤順)

東宝版を観劇して

東宝版のロベスピエールは、主役のロナンの次、2番目の位置
東宝版の『1789-バスティーユの恋人たち-』を2018年に新歌舞伎座で何度か見て、ロベスピエールが男性の2番目の位置であることに気がつきました。

ロベスピエール⇒ダントン⇒デムーランという順番。
革命派が先で、貴族・王族のアルトワは、その次でした。
(群集劇なので、順番に宝塚ほどの意味はないかもしれませんが。)

再び宝塚の映像を見て

再び宝塚の月組の映像を見ると珠城さんのロベスピエールが、「2番手」だと思いました。

【ロベスピエールのボディーパーカッションの見せ場】
まず、珠城さん演じるロベスピエールが力強いボディーパーカッションを見せ、歌った後、みんなが足を踏み鳴らして続いていきます。このシーンはロベスピエールの圧倒的な見せ場です。宝塚でこんな業を見るのは初めてで、とても感動しました。

この力強いボディーパーカッションは、現在の星組では、暁千星さんが適任だと思ったので、昨日ロベスピエール候補を暁さんにしました。)

【革命派の先頭】
2幕冒頭、客席からの登場も、ロベスピエールが先頭だったと思います。

立ち位置も、珠城さんがセンターが多かったことに気づきました。

珠城さんは当時研8だったので、観劇している時に、目だった活躍をされているとは思っても、2番手だったとは全く思いもしませんでした。後から、そういう認識で見ると、確かに2番手の位置だったなと思えるのですが。

その頃の私の心境

私は、美弥るりかさんがトップになると思い込んでいました。

2014年1月美弥るりかさん中心の『New Wave!-月-』が、前年12月の望海風斗さん中心の『New Wave!-花-』に続いて上演されました。
同期の望海さんと同じように、美弥さんも上がっていくと思って月組を見ていました。

しかし後になって、『New Wave!-月-』を見てみると、美弥るりか、宇月颯、鳳月杏、珠城りょうの4人が主要メンバーでしたが、美弥さんに負けないくらい珠城さんの見せ場がありました。この頃から絶賛売り出し中だったのですね。

『1789』の前の『PUCK(パック)』 について

公演の順番は、『PUCK』⇒『1789』です。

『PUCK』で珠城さんボビー役を演じていました。

初演では2番手だった天海祐希さんが演じていた役です。

後から考えると、「凪七瑠海・美弥るりか」のお2人より、まさに2番手の役でしたが、当時は「凪七さん美弥さんが上」と思っていたので、珠城さんが2番手の役を演じられても、そのように全く思えませんでした。

併演『CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-』
あらためてショー場面を見ると、実質的な番手は珠城さんが「凪七瑠海・美弥るりか」以上なのだと感じました。
しかし階段降りは、「エトワール:海乃美月」→「煌月爽矢・宇月颯・紫門ゆりや・鳳月杏」→「星条海斗・珠城りょう・沙央くらま」→「凪七瑠海・美弥るりか」→愛希れいか→龍真咲

『PUCK』と『1789』の間の別箱では、『Bandito(バンディート)-義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』で珠城さんは主演されていました。
バウホールと日本青年館で上演されたので、初東上主演でした。

バウホール主演は、2013年5月、『月雲(つきぐも)の皇子(みこ)』で、その年の12月に天王洲銀河劇場で再演されています。

この段階で、凪七さんはバウ主演1回、美弥さんとの東上W主演1回。

美弥さんは凪七さんとの東上W主演1回だけでした。

珠城さんの方が経験値が上でしたが、珠城さんが学年が若すぎるので、トップの道を進んでいかれるとは、思ってもいませんでした。

『1789』以降、珠城さん2番手からトップまで

『舞音-MANON/GOLDEN JAZZ』
・階段降り2番手+2番手羽根

『激情-ホセとカルメン/Apasionado!!III』全国ツアー初主演
・トップ+トップ羽根

『NOBUNAGA〈信長〉-下天の夢/Forever LOVE!!』(龍真咲さん退団公演)
・主な配役入り(波線上)
・階段降り2番手+2番手羽根

2016年9月5日トップ就任。

珠城さんの2番手時代は2作と言われていますが、階段折りや羽根に反映していないものの、『PUCK』と『1789』も2.5番手ぐらいだったなと後から考えると思います。

珠城さんは研9でトップスターに就任されました。随分前に天海祐希さん研7就任という記録がありましたが、誰も想像していなかったことなので、当時私は「何故美弥さんが上がらない?」という気持ちだったので、珠城さんの昇格に気づくことができませんでした。

トップ就任の射程圏内に入って初めて、階段降りが2番手の位置になり2番手羽根を背負われました。

番手ぼかし中は、階段降りや羽根には「年功序列」が反映されるようです。

珠城さんは研3で「THE SCARLET PIMPERNEL」の新人公演の初主演をしてから、5回の新人公演主演の経験があります。
研6で「月雲の皇子」でバウホール初主演が大成功して、早期トップ就任の道に舵取られていったのでしょう。

あまりに早いトップ就任コースだったので、その道のりに私は全く気づきませんでした。凪七さんと美弥さんの番手の決着がつかないのかとも思っていました。
私は「思ってもいませんでした」という表現をここまでに何回書いたことでしょう。それぐらい、ぼかしの意味していることがわかりませんでした。

珠城さんの早期抜擢は、結局珠城さんを苦しめる結果になったので、これからこういう早期抜擢は控えられていくのでは?と思います。

2014年頃まで、珠城さんに続いて暁千星さんが破格の抜擢を受けていましたが、現在は学年並みの抜擢に抑えられています。
珠城さんを苦しめてしまったことを踏まえているのかなとも勝手に感じています。

最近の番手ボカシについて

最近は、誰が上がるスターかが、はっきりわかっています。

永久輝せあさん
花組に組替してVISAのイメージガールに就任したことから、永久輝せあさんが花組トップスターになるだろう、ということは誰もが認識していることだと思います。

暁千星さん
星組に組替した暁千星さんも、組替早々、スカイステージの「夢の音楽会#2」で、元星組のレジェンド柚希礼音さんとデュエットとトークをしたことからも、星組トップスター就任予定で、組替したことがわかります。

しかし組替をしたからと言って、番手が上がっているわけではありません。
以前は、上げるべきスターは、急ビッチに上げられていました。
上げることに消極的なのは、95期のスター7人が強いからだと私は思っています。

コロナ禍というマイナス要素も加わって、既に大きな人気を集団として獲得できている95期のスターを優先することは理解できます。

トップスターは、ある面孤独だと言われます。
頂点を究めれば、仲間意識が強い宝塚であっても、そういう面はあるでしょう。

そういう中にあって、同じ組の同期のスターの存在は、大きな助けでしょう。
柚香光さんも礼真琴さんも、トップスターのスタート時点では、上級生2番手の瀬戸かずやさん(花組)と愛月ひかるさん(星組)がいらっしゃいました。

そのお二人が退団されたので、トップのお二人にとって、同期の水美舞斗さん(花組)、瀬央ゆりあさん(星組)の存在は貴重なのだと思います。

さらに、水美さんと瀬央さんは、スターとしても将来性がとてもあります。他の組に同期のスターがいるため、組替することが難しいのが難点です。

こういう理由があって、永久輝せあさん、暁千星さんを次期トップスターと位置づけしながらも、決着がなかなかつけにくいように思います。

花組の今後は?

永久輝さんについては、つい最近「歌劇11月号」の表紙を飾ることがわかりました。
これは、来年には2番手に昇格することが意味されていると思います。
同期の綺城ひか理さんが花組に組替することになったので、永久輝さんが花組のトップスターに、いつか就任されることは間違いないのでしょう。

現在2番手の水美舞斗さんが人気があって、まだまだ先が楽しみなスターなので、「2番手経験者」という今までなかった特別枠で専科に異動されて、活躍されるのが最善なのかな?と私は、勝手な希望のような憶測を書きました。

「2番手経験者」なら、どこかでトップ就任という道も残っているような気がしますし。

専科の凪七瑠海さんが全国ツアーで主演をつとめるという、新しい道が開かれたので、専科に大きな希望があるように感じています。

轟さんは年に2回は別箱の主演をされていました。
その轟さんが退団されたので、専科生が別箱主演をする機会もあるのでは?と勝手に思っています。

VISAのイメージキャラクターの音月桂さんの例

雪組2番手だった彩吹真央さんが、トップスターの水夏希さん退団の1作前に2番手で退団されました。
その後音月桂さんは、水さんの退団公演で1作だけ2番手をつとめて、トップスターに就任されました。
音月さんは彩吹さんの4年後輩でした。

この人事は、ファンの大きな反感をかいました。更に音月さんのトップ就任1作目の「ロミオとジュリエット」の相手役がWヒロインで、当時騒がれていた期の研1さんの抜擢だったこと。さらに『仮面の男』の作品が物議をかもしたこと等もあって、歌唱力抜群の期待の男役さんだったのに、トップ就任後4作2年という短さで音月さんは退団されてしまいました。

彩吹さんの場合、花組で春野寿美礼さんがトップ時代に2番手をつとめていた所、トップ候補の1期後輩真飛聖さんが組替してきたので、雪組に組替して、水夏希さんがトップ時代に2番手をつとめていました。
水さんが退団される1公演前に退団されました。

花組で1期後輩の真飛聖さんに押し出される形で雪組に組替されているので、現在の花組の状況とは全く違います。
でもファンにとっては、2番手で退団されることは、とても残念だったと思います。

彩吹さんと音月さんは年齢差(7歳差)も大きかったですが、水美さんと永久輝さんは同い年なので、水美さんには退団しない道を選んで欲しいなと、私は勝手に思っています。

星組の今後は?

暁さんが組替した星組では、3期先輩の瀬央ゆりあさんと「番手ぼかし」が絶賛継続中です。
来年の本公演の演目が『1789』ということから、まだまだ番手ボカシは続いていくのかな?と思ってしまいます。

瀬央さんを頑なに2番手にしないで、暁さんと同位置にしています。
それが2番手に昇格して、2番手羽根を背負った水美さんと違う所です。

お人柄が良くて誰とでも仲良くできる瀬央さんは、星組でまだまだ活躍して欲しい存在なのかもしれません。

現在の番手ボカシが、平和に人事が流れていくための手段なのなら、このまま平和裏に進んで決着していったら良いなと思います。
衝撃は受けたくないので、穏便な人事がとられていくことを願っています。

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