こんにちは、くららです。
本日無事に花組バウ・ワークショップ帆純まひろさん主演の『殉情(じゅんじょう)』の幕が上がりました。
おめでとうございます。
私は観劇できてませんでしたが、とっても評判が良いですね。
各報道機関の公演評を読みました。
この作品は、昨年花組バウホール公演『PRINCE OF ROSES』で演出家デビューした竹田悠一郎先生が、潤色・演出され、新演出にチャレンジされています。
若い竹田悠一郎先生ならではの、演出やセリフがとっても光っていたようです。
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ストーリーテラーの令和の青年はYouTuber!
タカラヅカニュースの稽古場情報に、竹田悠一郎先生と主演の帆純まひろさん、一之瀬航季さんが出演して、作品について語られていました。
その時に竹田先生が意味深なお話をされました。
竹田:「現代パートはそのままに残っているんですけど、佐助と春琴の関係性を身近にする役割を持たせたいなと思って、令和の若者が登場して、佐助と春琴の話を助けたいなと」
帆純さんと一之瀬さんが「メチャメチャ令和!」と相槌を打たれていました。
竹田:「そういう気持ちで若者(マモル【希波らいと】、ユリコ【美里玲菜】) と石橋教授(紅羽真希)を登場させています。そのへんを楽しみにしていただければと思います」
この令和の青年の役にとても自信をもっていらしっしゃるようでした。
「どんな青年が登場?」と楽しみにしていました。
それが何とYouTuberだったとは!メチャメチャ令和!ですね。
現代パートのマモルとユリコと石橋教授
1995年の宝塚初演の石田 昌也先生の脚本の時から、現代パートのストーリーテラーとして、マモルとその恋人のユリコと石橋教授が舞台に頻繁に登場していました。
現代パートのマモルとユリコと石橋教授が、ストーリーテラーを担うという、石田先生のお得意の、特徴的な演出です。
原作通りに、春琴と佐助の墓を見つける所からはじまります。
マモルとユリコが、墓を見つけて、その場に居合わせた郷土史研究家の石橋教授が、春琴抄のストーリーを説明していきます。
この作品は、1995年と2002年に絵麻緒ゆうさん主演で上演され、2008年にはバウ・ワークショップとして宙組の早霧せいなさんと蓮水ゆうやさん主演で再演されていました。
私は今回の作品の予習に、2002年の絵麻緒ゆうさん再演の映像を見ました。
雪組新トップコンビ披露公演(相手役・紺野まひる)でした。(トップは1作だけでしたが)
20年前の現代像
マモル役の音月桂さんと、その恋人のユリコはバイト仲間で、マモルの携帯メールの着信音がなると、ユリコが先にそのメールを読んだり、外国人の女の子の売店の店員が登場したり、というのが当時の現代感覚の演出のようでした。
20年前は、携帯メールの時代でしたね。
スマホが普及したのは、12年位前からです。そのため令和を象徴するものとは言えません。
令和の今を最も感じさせてくれるのは、YouTuberですね。
現代のマモル(希波らいと)は、郷土史を専攻する大阪の大学生のYouTuberという設定。
マモルとユリコが、佐助と春琴を題材にした動画をつくるストーリーを、本編の物語にはさんで、進行していくようです。
佐助が三味線に夢中になると、マモルはその映像表現に悩んだり、佐助と春琴の心がすれ違えば、マモルと一緒に動画を作るユリコ(美里)との仲もぎくしゃくするそう。
濃厚な物語の「佐助と春琴」と、令和を生きる「マモルとユリコ」の対比が面白く描かれ、リンクする部分もあったりして、興味深いストーリー展開になっているそうです。
客席にもとても受けていたとか。楽しみです。
三味線を生で弾くことにチャレンジ
主演の佐助役のお二人は、今回はあえて三味線を生で弾くことに、挑戦されているそうです。
過去の作品では、そういう挑戦は無かったそうです。
帆純さんは、そのチャレンジで佐助の気持ちがよくわかったと語られていました。
この生三味線も竹田先生の提案だったよう。
ハッピーエンドに説明は必要か?
終盤、春琴は台所に忍び込んだ賊によって沸騰した湯を顔に浴びせかけられ、顔にやけどを負ってしまいます。
春琴は、やけどを負った自分の醜い顔を佐助にだけは見られたくないと強く思っていました。
そして、佐助は春琴の思いをくみ取って、自ら縫針を眼球に突き刺して失明します。
春琴は、自分の気持ちを理解してくれたことに感謝し、ふたりは師弟関係を越えて、ついに心を通わせ合います。
光がさす中で、佐助は春琴と同じ盲目の世界に来れたことにこの上ない幸福を感じ、2人は目を閉じ幸せそうに抱き合ってハッピーエンドとなります。
過去の作品で気になったこと
先日2002年の映像を見て気になったのは、このシーンの後、現代パートメンバー3人が、愛についていろいろと語ることです。
ここは、何も説明せず、観客の心に委ねたら良いのにと思いました。
それまでのお芝居の熱演が、遮られるような気がしたからです。愛の解釈など人それぞれだと思いますし。
その後、短いフィナーレがついていて、スモークの中で、佐助と春琴が幸せそうに微笑み合って、歌と日舞のデュエットをして、ご挨拶に繋がっていました。
宝塚では、この幸せいっぱいのデュエットシーンがあるからこそ、ハッピーエンドがより盛り上がります。
春琴抄をこんなハッピーエンドで終わらせるのは、宝塚だけでしょう。そこが宝塚らしさですね。
竹田先生は、お芝居の熱演のハッピーエンドの後に、現代パートの人たちに喋らせるでしょうか?
このあたりどのような演出になっているか、とても興味があります。
評価についての感想
私は見ていませんが、各報道機関の評価を少しだけまとめてみました。
佐助の帆純まひろさん
兵庫県出身なので、ナチュラルな船場言葉が物語に引き込んでくれ、華やかな容姿に、短髪に着物姿がよく似合っていたそう。
webの写真を見て、短髪に着物姿にスターとしての華があって、とても格好良いと共に一途な愛に生きている佐助らしさも漂っていました。
落ち着いた抑えた芝居で、峻烈で傲慢な言葉を浴びても揺らぐことのない、佐助の愛の深さが表現されていたそうです。
春琴の朝葉ことのさん(103期)
東京公演を休演されていたので心配していましたが、バウヒロインとして、お元気に復帰されて良かったです。
ごう慢で圧の強い難役を確かな芝居心で演じられていたそうです。
東京都ご出身なのに、大阪の船場言葉が美しく、耳に心地よかったとか。
やはりお芝居がとても巧みで、何でもきちんとこなせる優秀な娘役さん。
新人公演のヒロイン経験が無いので、こうしてバウホールでヒロインを経験して、これから益々活躍されていくことでしょう。
芸者のお蘭役の詩希すみれさん(103期)
所作の美しさが物語に奥行きをもたらしていたそう。
小股の切れ上がった綺麗な芸者さんだったろうなと想像できます。
利太郎の峰果さん
雑穀商の道楽息子で春琴に好意を抱いている役。
しつこさとおちゃめさを絶妙なバランスで演じ、作品に軽やかさを加えていたそう。
悪役でありながらも憎めない感じが、佐助の誠実さを引き立たせていたとも。
2002年版では、専科の箙かおるさんが演じられていました。
峰果さんが今回大きな役に初チャレンジされて、評判がよくて良かったです。
マモルは出世役
現代の若者マモルを演じた希波らいと君も、目を引き、スター性が輝いていたようです。
2002年版で、マモルを演じた音月さんは、鬼のダンスのシーン等でも目立つ活躍をされていました。
希波らいと君も、同じように多分活躍されているのでしょう。
過去にマモル役を演じたお二人は、トップスターに就任されています。
1995年
マモル……湖月わたる(元星組トップスター)
2002年
マモル……音月桂(元雪組トップスター)
2008年宙組ワークショップ
マモル……凪七瑠海/澄輝さやと
一之瀬さん主演でマモルを演じるのは、鏡星珠(106期)くんです。
前回の花組 『巡礼の年』新人公演で2番手水美舞斗さん演じるショパンに抜擢され、見事に演じられました。
花組の新公学年内の最有望株は、希波らいとくんと鏡星珠くんで間違いないと思います。
あと、大きな役は千吉役です。
帆純さん主演では、天城れいん(104期)くんが演じます。
『元禄バロックロック』の新人公演で、聖乃あすかさんのタクミノカミを好演されていました。
一之瀬さん主演では、太凰旬(102期)くん。
太凰くんは、『巡礼の年』新人公演で永久輝さん演じるサンド役を好演されていました。
そして『巡礼の年』新人公演で主演をつとめた侑輝大弥(102期)くんは、本日初日の全国ツアーに出演されます。
活躍の場が用意されているのでは?と思います。
花組は新人公演の中止が続いていたので、今回ワークショップで、多くの若手さんたちに活躍の場があって本当に良かったと思います。
特に『殉情』は日本物で、大阪が舞台なので、丁稚と番頭ナンバーなど、新人さんたちにまで見せ場が沢山あります。
花組生一丸となって、それまでのリベンジの思いも込めて、頑張られたことでしょう。
本日は花組全国ツアー初日です。
こちらも東京公演が長期に渡って中止だったので、更なる熱い舞台を魅せてくださると期待しています。
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