花組『フィレンツェに燃える』観劇感想
こんにちは、くららです。
花組全国ツアー公演『フィレンツェに燃える』『Fashionable Empire』の初日を観劇してきました。

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スチールについて

朝、スチール写真が公開されました。⇒スチール

柚香さんが髭の長男の役

柚香さんに髭!!
えっー!と一瞬なりました。
見慣れてくると、端正なお顔なのでお似合いだと思いました。

今回柚香さんと水美さんは兄弟で、柚香さん演じるアントニオは、落ち着いた品行方正な貴族の青年。
それに対して、水美さん演じるレオナルドは、野性的な熱血漢。
性格が正反対です。その対比を際立たせるために、柚香さんが髭をつけられたのかな?と思いました。
初演の汀夏子さんは髭をつけていませんでした。

今回イタリアが舞台なので、髭の男役さんが多かったです。
でも、水美さん永久輝さん聖乃さんたち路線男役さんは髭をつけていませんでした。

柚香さんは抑えた繊細な演技で、静かでノーブルなアントニオを演じられていました。
今まで見たことの無い、自制心が強くて物憂げな柚香さんでした。新境地開拓といった感じでした。

水美さんは奔放な次男のレオナルドを、のびのびとイタリア男らしく演じられていました。色っぽい。

星風さん演じるパメラを巡って、兄弟間で思いが交錯したりする時もありましたが、最後まで強い兄弟愛で結ばれていました。

ラスト、弟が義勇軍に入るため旅立っていく時に、互いに自分の首にかけているペンダントを交換し合います。
その時水美さんが号泣されていました。

公演プログラムに初演の舞台写真が5枚掲載されていましたが、アントニオレオナルドの2人は同じ大きさで掲載されていました。
汀さんと順みつきさんは4学年も離れていて、その当時汀さんはトップスター歴も長かったです。
しかし柴田先生は、順みつきさんにトップスターと対等の役をあてられたのですね。

水美さんも大きな役にふさわしい活躍をされていました。

白いドレスの星風まどかさんにビックリ

星風さん演じるパメラは、元酒場の歌姫で4回も年上の人との結婚歴のある未亡人設定です。

大人っぽい役と思っていたので、スチール写真が白いドレスであることに驚きました。

特に、前回の『巡礼の年』も白いドレスのスチールでした。次の『うたかたの恋』も、既に先行画像が白いドレスです。

観劇して、この白いドレスには、意味があることがわかりました。

そして星風さんのパメラのスチールは、目力があり一筋縄ではいかない女の強さが表現されています。流石です。

柴田先生の作品の特徴は、さまざまな人間関係が絡み合っていることです。

四角関係

主要な4役

兄のアントニオ……柚香光(パメラを好きになるが諦める)

弟のレオナルド……水美舞斗(アントニオを守るためにパメラと関り、好きになる)

パメラ未亡人……星風まどか(アントニオを好きになるが、アントニオのために諦め、レオナルドと暮らす)

アンジェラ……星空美咲(幼なじみでアントニオに恋している)

この作品の主要4役(柚香・水美・星風・星空)は、作品のテーマが詰め込まれた主題歌「愛のエレジー」を、お芝居のはじめ終わりに歌います。

『フィレンツェに燃える』は、愛の二面性をテーマに描かれています。

その原点の「愛のエレジー」が、ストーリーのはじめと終わりにあることが、とても興味深かったです。

この作品については、柚香さんが初日のご挨拶の中で語られていました。

「柴田先生が描かれる愛の世界は普遍的で感傷的で複雑で、はかなく、愛に生きる人間の強さも弱さも全て凝縮されている作品」と観客にアピールした。引用サンスポ

始まりは、白いスーツの柚香さんが登場して、白いスーツの水美さんが加わり、そして娘役二人も白いドレス。そして「愛のエレジー」を歌います。

ラスト、アントニオの元をレオナルドが旅立った後、その衣装のままの兄弟と白いドレスの娘役二人「愛のエレジー」を歌います。(厳密に言うと、柚香さんが主演なので、「愛のエレジー」の後、一人になって幕が降りました。)

「フィレンツェに燃える」は、1975年の柴田先生の初期の作品です。この作品を礎に、その後様々な柴田先生の名作が産み出されていきました。あの作品も、この作品も、「フィレンツェに燃える」の設定に似ていると感じられるものが多くあります。

そしてパメラアンジェラという女性の対局にいるような二人を、白いドレス姿で登場させて、主題歌を歌うことも、柴田作品ならではの魅せ方であり、いろんな感情がわき上がってきます。

ベテラントップ娘役の星風まどかさんと新進娘役の星空美咲さんの対比も面白かったです。

星空さん星風さんに続く存在感や技量を持っていらっしゃることにも関心しました。
そして星空さんの舞台メイクがとても良くなっているように感じました。
星風さんのアドバイスがあったのかな。

柚香さんと星空さんの芝居シーンも多く、星空さんが少し大きい感じがしましたが、お似合いでした。

実際のパメラのお芝居の登場シーン
パメラは派手な衣装で、舞踏会に華やかに色っぽく登場して、多くの男性を惹き込んでいきます。
ここが、パメラの経歴設定の本領発揮といった感じでした。

しかしこの作品の中で、パメラは自分本位な勝手な人間としては描かれていません。
愛する人の幸せを願って身をひいていくピュアな女性です。

このあたりが柴田先生の作品の真骨頂だと思います。

話がわかりにくいような?

ただ、大野先生が柴田先生を尊敬するあまり、原作にあまり手を加えられず、話がわかりにくかったように思いました。

カーニバルの中で、重要な話が展開していきます。
私はあらすじを知っていたので、話の展開についていけましたが、何も知らない初見の方には、全部を理解するのは難しい部分もあったかもしれません。

「タカラヅカニュース」のスカイレポートで、仮装カーニバルの設定だということを聞いていたので、納得できましたが、カーニバルも何でこんな格好をしているのか、訳がわからない方もいたことでしょう。

カーニバルが始まったら、「もはやショー」という感じでした。

そしてパメラの最期が、銃声とレオナルドの「パメラ!!」という絶叫だけで終わります。私にはわかりにくかったです。

原作は「オテロは倒れ際にパメラを刺して死んでいく」という設定のようでした。

目では楽しめるお芝居なので、こういう作品もありかもしれません。

第三の男が格好良い

オテロ(パメラの元恋人で憲兵隊の将校)……永久輝せあ(麻実れい)

パメラ(星風)は、トップ、2番手の兄弟に想われただけでなく、さらに永久輝せあさん演じる憲兵隊の将校のオテロにまで想われていました。3人の男性に愛されるなんて、トップ娘役冥利ですね。
初演では麻実れいさんが演じていました。

永久輝さんの「VISAのメッセージ」によると、オテロはヴェローナで冷酷な人物として知られていて、その力を期待され、引き抜かれて憲兵隊の将校としてフィレンツェにやってくるそうです。
パメラの元夫・クレメンティーナ侯爵の死の真相を暴く名目で、パメラを執拗に追い詰めていく。

オテロのパメラへの想いは、もはや歪んでしまって、パメラを苦しめるネタとなっていきます。

永久輝さんの出番はとても後です。そして短い。
永久輝さんは、憲兵隊の帽子を格好良く被って、軍服姿で鋭い三白眼でにらみをきかせてクールに登場します。
帽子を脱ぐと、赤毛の前髪パーマがとても良く似合って格好良い。

『ドン・ジュアン』のラファエルビジュアルを思い出しました。

咲乃深音ちゃん演じるマチルドが恋人ですが、恋人に対してもとっても冷たい。
そのひねくれた感じも、格好良い。

「こんな永久輝せあを見たかった」と思う人は多いはず。

咲乃マチルドは酒場の歌姫となり、「チャオ、チャオ」と歌を聞かせてくれ、とっても健気。
この歌の間の、永久輝オテロの佇み方もとっても格好良いです。
何故か薄い光しか当たっていないので、余計に目を凝らして見てしまいます。これも作戦なのかな?

そして舞台は5月のカーニバルになっていきます。
カーニバルの真最中に、オテロはパメラを見つけ、公爵殺しについて問い詰めます。
そこにレオナルド(水美)がやって来て、2人はフェンシングでの決闘をすることになります。
二人の決闘シーンも迫力があって、格好良かったです。

オテロは刺されて死んでしまいます。

ここからが、本日話題になっていることです。

死んでしまったオテロは舞台の上手に横たわったまま、賑やかなカーニバルが繰り広げられていきます。
はじめはマチルドが、オテロの横で嘆き悲しんでいましたが、マチルドもその場を去っていきます。

死体が横たわったまま、カーニバルは続いていました。
死体になった永久輝さんの横顔はとても綺麗でした。

この死体放置演出なのか?カーテン内に収まらなかったミスだったのか?意見がわれています。

カーテンよりちょうど外側だったので、私は演出だと思いました。
マチルドの去り方も演技ぽかったです。

この正解がわかるのは、明日の舞台ですね。

大きな役は、主要4役と永久輝さんかな。

バイトも含めた出番はいっぱいあります。聖乃さんさえバイトされていました。全国ツアーは大忙しです。

階段降り

エトワール 咲乃深音(101期)

星空美咲(105期)・侑輝大弥(102期)

聖乃あすか(100期)

永久輝せあ(白3番手羽根、青スパンコール衣装)

水美舞斗(白大羽根、銀スパンコール衣装)

星風まどか 白大羽根)

柚香光(白トップ羽根+雉 白スパンコール衣装)

羽根と衣装は、本公演と同じでした。

柚香さんのご挨拶

「無事の完走を願いまして」と、花組ポーズを「秋が来たぞー!」の掛け声に合わせて行いました。
「素晴らしい秋になりますように」と仰っていました。

面白かったのは、花組ポーズの説明を柚香さんがされる時に、客席にわかりやすいようにと、真剣になるあまり、終いには客席に背を向けてレクチャーしてくれようとしましたが、大きな羽根とナイアガラが柚香さんの背中についているので、全く見えません。

羽根で何も見えないことを、永久輝さんが笑いこけていて、花組の雰囲気の良さが伝わってきました。

ショーの感想も書きたかったのですが、また長くなったので、次回にします。
お芝居が少しわかりにくいと書きましたが、段々とわかりやすくなっていくとも思います。

初日の舞台が無事に上がって、出演者も客席も本当に幸せいっぱいでした。
どうか11月3日の千秋楽まで絶対に完走できますように。

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