こんにちは、くららです。
星組全国ツアーの感想の続きを書いていきたいと思います。
『モンテ・クリスト伯』は、9年前の宙組の時より、お芝居がとても面白くなっているように思いました。
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『モンテ・クリスト伯』について
個性的な星組生のそれぞれの個性が光っている
主演の礼さん演じるエドモンには、大きく分けて二つのチームが関わっています。
エドモンに罪を着せ貶める【悪役チーム】。
エドモンの復讐の対象になります。
もう一つは【密輸船チーム】。
孤島の監獄のシャトー・ディフから抜け出したエドモンは、密輸船に助けられます。
そして、乗組員だったベルツッチオ(暁)やルイジ・ヴァンパ(天華)は、やがてエドモンの部下になっていきます。
【悪役チーム】 ダングラール… 輝咲玲央 フェルナン… 瀬央ゆりあ ヴィルフォール… 綺城ひか理 |
【密輸船チーム】 ベルツッチオ(乗組員)……暁千星 ルイジ・ヴァンパ(船長)……天華 えまムハンマド(乗組員)……蒼舞咲歩(99期) ハッサン(乗組員)……夕陽真輝(101期) アリ(乗組員)……鳳真斗愛(102期) |
初演の時は【3悪役チーム】の方の印象が強かったですが、今回の星組版は印象が逆転しました。
密輸船チームの暁さんと天華さんがストーリーテラーをしているので、親近感を抱きやすいからだと思います。
そして「ナウオンステージ」で語られていましたが、乗組員の蒼舞、夕陽、鳳真が個性的で面白すぎます。
特に蒼舞さんが!(ありちゃんは稽古中に面白すぎて笑ってしまうので、見ることができなかったと話されていました)
蒼舞さんが醸し出す、あの真剣な面白さは必見です。
そんなこんなで、【密輸船チーム】の印象が強烈です。
それに対して悪役チームは、演技派別格専科の輝咲さんを始めとして、瀬央さん、綺城さんです。悪の凄みと迫力がスゴイ。
瀬央さんが、フェルナン役は先生から「お客さんに嫌われたら成功」と言われたそうで、
「ナウオン」で、「私のことを嫌ってください」と話されていました。
瀬央さんの悪役ぶりも素晴らしかったです。
ラストシーンは髪型まで凝っていて、悪の華がキラリと光っていました。
しかし今回は、これらの敵役が2番手的な感じでもなく、それぞれの個性のぶつかりを楽しむ舞台でした。
個性を尊重している星組ならではのお芝居の面白みがありました。
そして真ん中の礼さんの演技がスゴイです。
長期に投獄されて髪も髭もボサボサで伸び放題のボロボロの姿。
そして憎悪に燃える、復讐の鬼のモンテクリスト伯となり、また騙すための変装も色々として、声色も変えて熱演。
激しい怒りと憎しみの感情をほとばしらせる姿が圧巻です。
見せ場はメルセデス(舞空)との命をかけた立ち廻りシーン。
舞空瞳ちゃんとのコンビも3年目になり、二人の掛け合いも見事です。
母性あふれる舞空瞳ちゃんの演技も素晴らしいです。
それに礼さんの素晴らしい歌の数々が加わるのですから。大感動は間違い無し。
最後はハッピーエンドになるのが、宝塚らしさ。
この物語のテーマは「復讐」だけではなく「虚しさ」「寛容」そして「希望」だそうです。
宝塚らしい、心に染みいる余韻と感動を残してくれる作品だと思いました。全国ツアーでここまでの深い作品はなかなかありません。
未来のトップスターとトップ娘役?
前回の『めぐり会いは再び next generation』で、双子の「カストルポルックス」を演じていた105期の稀惺かずとくんと詩ちづるちゃんが、この作品でも目立つ活躍をしていました
アルベール……稀惺かずと
エドモンとメルセデスの息子役。
宙組では、新人公演の主演をつとめた愛月ひかるさんが演じていました。
稀惺くんは芝居上手なので、真っ直ぐな気持ちがとても伝わってきました。
爽やかな青年の役がとても似合います。
お芝居の冒頭では、エドモン(礼)のダミー役も演じていました。背中の演技も上手でした。
今回ショーのダンスシーンでもいろいろと活躍されていました。
3拍子揃った活躍をされていて、実力派の路線男役さんです。
エデ姫……詩ちづる
ギリシャの王女でしたが、フェルナン(瀬央)によって奴隷に身を落とされます。
そんなところを、モンテ・クリスト伯(礼)は助け、フェルナンに復讐するための切り札として、エデ姫を手元に置いていました。
エデ姫のドロドロの復讐心、心の葛藤など上手に表現されていました。
幼く見える可憐な容姿ながら、芯はとっても強くて頼もしい娘役さんです。
ショーでは、有沙瞳さんと共に「A」表記で、フィナーレの階段おりにも入っていたので、これからも活躍も約束されているように感じました。既に1回新人公演のヒロイン経験があります。
「稀惺・詩」の同期生コンビでの、 新人公演主演もあるのかな?と感じました。
暁千星くんが加わり、星組の体制も若返っていきそうな感じがします。
『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』について
昨日は暁千星くんのシーンを中心に書きましたが、今回は本公演と変わった役の方について書きたいと思います。(時間が経ったので、かなり忘れてきました。)
・道化トリオのフロレ(華雪りら(退団)) → 二條華(100期)
二條華さんはお芝居では、ヴァランティーヌ(綺城の娘)で活躍していました。
・ニンジン娘の瀬央さんの相手役(有沙瞳(休演)→綾音美蘭(104期)
全国ツアーでは歌のシーンはありませんでした。とってもキュートでした。
パティオ祭り ボニータでの(音波みのり(退団)) → 彩園ひな(101期)
とても体が柔らかくて色気があってダンスがお上手でした。お芝居ではエデ姫に仕えるシンシアでした。
代役について
中詰めの礼さんと美穂さんの歌バトルのような所、他数か所、有沙瞳さんパートのところを、紫りらさんが代役で歌っていらっしゃいました。
プログラムに、紫りらさんのお名前表記のところもありました。
そのため紫さんが沢山歌っていらっしゃいます。
瀬央さんの東上主演『ザ・ジェントル・ライアー』でも、紫さんが急遽代役で素敵に役を仕上げていらっしゃいましたが、紫さんのような実力者が控えている宝塚は素晴らしいですね。
「ナウオン」で有沙さんのお話も出ていたので、この収録の時は有沙さんの休演が決まっていなかったと思われます。開幕直前の休演だったのかもとれません。残念な思いをされていることでしょう。
お芝居の有沙さんの代役の都さんも、堂々と素晴らしく演じられていました。
有沙瞳さんと紘希柚葉さんが、全国ツアーのどこかの力復帰できると良いなと思います。
ご挨拶でも「ナウオン」でも語られていましたが、4月の宝塚の時は、初舞台生も加わり100人以上いて、東京宝塚劇場では星組生と108期の組配属の子が加わっただけで、大分減って、今回はそこから半分になったそうです。(35人、現在2名休演中)
礼「その分一人ひとりの出さなきゃあならないパワーと責任が段々増えていってるなかで、皆が一つのものを創り上げるメラメラとしたパワーを感じるので、一人ひとりの出すエネルギーというものを見ていただけたらなと思います」
星組の熱さ、エネルギーは、人数が減っても全然変わりありませんでした。
礼さんのおっしゃるように、星組には一致団結した熱さがあります。
舞空瞳ちゃんおススメ
「男役さんが中詰めに一列に並ぶ所。人数が減ったとは思えない、ゾクゾクする盛り上がり、全国のお客様もワッーとなられると思います」
本当にそうです!ずっとワクワクしながら見ていますが、男役さんが一列に居並ぶと、何であんなに魅力があふれてゾクゾクするのでしょうか。
今回は瀬央さんの全国ツアー初デビューで、スリル満点だとか。
瀬央さんのそういう気取らない温かさが、みんなを和ませてくれるのでしょうね。
星組初デビューの暁千星さんも、そういう瀬央さんに心が癒されているのではないでしょうか。
星組全国ツアーの千秋楽は9月21日(水)です。
私はあと梅田で1回、地方で1回観劇予定です。
9月21日まで絶対完走できますように、切に切に願っています。
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