月組再開感想『グレート・ギャツビー』
こんにちは、くららです。
本日から再開した月組『グレート・ギャツビー』を観て来ました。

スポンサーリンク



観れないけど観たい人がいっぱい

まず劇場の外に、お財布を持ったサバキ待ちの方が沢山いらっしゃってビックリ!
何となくサバキの場所とされている場所には、層になって人が埋め尽くしていました。
その他の場所にも、チラホラ。

こんな沢山の方のサバキ待ちを見たのは、私は初めてでした。

7月16日~21日、7月29日~8月18日と公演中止となってしまって、残り4日です。それを含めて公演が出来るのは10日間だけになります。
「やっと幕が上がることになって、そりゃあ見たいよね」と、サバキは禁止されていることはわかっていても、お財布を握っている方々の気持ちは、十分すぎるほど伝わってきました。

待ちわびた舞台の幕がやっと上がることになって、居ても立っても居られなくて、劇場に足を運ばれた方も多かったのでしょう。
7月22日から7月28日まで、10公演上演されて、その評判は大絶賛でした。
なのに中止になってチケットは飛んでしまったので、再開時に「観たい」気持でいっぱいになるのも当然でしょう。

中止前も観ている私は、熱いファンの方々の前を申し訳なく思いながら通りました。

熱い迫力ある舞台

先日の、初日が2週間遅れた花組の舞台は、熱量、技量ともに磨きがかかって素晴らしかったと聞いていました。
3週間ぶりの再開の月組も、凄まじい爆発力で魅せてくれるだろうと思っていましたが、その期待以上の熱い迫力ある舞台でした。

今回、月城さんの歌がとっても多く、中止前から「良い声」で迫力ある歌声を聞かせてくれていました。
歌唱力も素晴らしいですが、今回のギャツビーでは、月城さんの声の良さをとっても感じました。

その歌声が、さらにパワーアップ!
最後の熱唱は、大劇場の屋根が吹っ飛ぶのでは、と思う程でした。

月城さんだけでなく、みんなの歌に熱さが加わっていて、中止前の声の何倍もの迫力を感じました。
公演中止中の月組生全員の想いが、この熱さに込められていました。

本来ならば、途中で3週間舞台が止まったら、心身ともに調子が落ちたり、テンションを保つのも大変だったと思うのですが、みんながパワーアップしていたことは、本当に凄いです。
さらに、技術のレベルもさらに高くなったいたように思いました。

そしてそれを感じ取った客席からの拍手の大きさに、観客の思いは表れていました。
爆竹拍手ではなく、各自が心からの拍手を舞台の方たちに送っていました。

フィナーレから、出演者の笑顔もより一層輝いていって、また客席からの拍手もヒートアップ。
とっても舞台と客席との一体感を味わえました。この一体感も宝塚の魅力です。

ネタバレになるのですが、今回の舞台で納得できたのは、ラストの海乃デイジーのギャツビーの墓への花のたむけ方です。
7月に観た時は、冷たい投げ捨てるような姿に少し疑問が生じたのですが、今回は冷たい表情を見せながらも、ギャツビーへの思いが伝わってきました。
見る側の私が変わったのか?海乃さんの演技がかわったのか、わかりませんが、その変化が面白いなと思いました。

月城さんは、その場の空気を感じながらナチュラルで深い演技をされます。
7月に2回観た時に、その時々でギャツビーの印象が違いましたが、今回も7月のギャツビーより、印象が違っていました。より説得力をもってギャツビーを受け止められ、愛おしくて切なくてたまりませんでした。
1回目に観た時に、「背中の演技の良さ」を感じないと書いていましたが、今日は月城さんの背中に哀愁がとっても漂っているように感じました。

組長さんと月城さんのご挨拶

開演アナウンスは、いつもと同じでした。
3日後の月曜日が千秋楽なので、カメラも入っていませんでした。

パレードの後に、いつものように幕が降り始めて、「千秋楽も近いので、ご挨拶は無いのかも?」と思っていました。
すると降りていた幕が上の方でピタリと止まりました。
「ご挨拶があるんだ!」客席から万雷の拍手が鳴り響きました。

光月組長さんのご挨拶

まず、光月組長さんから、公演中止のお詫びと励ましに対しての感謝のご挨拶がありました。
最後は、「この状況下で歩み続ける難しさを感じていますが、月組生一同精一杯つとめて参ります」と仰っていいました。

艱難辛苦」という言葉が浮かんできました。
艱難辛苦」は、光月組長さんと同期の元星組トップスターの紅ゆずるさんの『オーム・シャンティ・オーム-恋する輪廻-』のセリフの中の言葉で、退団公演の『GOD OF STARS-食聖-』でも使われていました。(コロナ禍と艱難は意味がちょっと違うかもしれません)

月組の『グレート・ギャツビー』は、開幕時から月組生の頑張りで素晴らしすぎる最高傑作になっていました。なのに、突然中止になつてしまった、それを披露することのできない悔しさ、苦しみは、月組生にとってどんなに残酷なものだったかと思います。

現在コロナ禍という終わりのない困難に直面して苦しみ悩みながらも、精一杯頑張って舞台に臨んでくださっていること、本当に感謝だと思いました。

月城さんのご挨拶

次に月城さんがご挨拶をされました。(ノートに書き留めようとしましたが、速かったので、ちゃんと書けませんでした。ニュアンスです。)

皆様、本日は誠にありがとうございました。
月組の月城かなとでございます。

今日ようやく再開することが出来て、皆様にお会いできて嬉しく思っております。

中止期間中にいただいた励ましのお言葉、温かいお心、本当にありがとうございました。

あと4日ではありますが、皆様のお気持ちを無駄にしないように、一回一回大切に公演して参りたいと思います。

中止のためご観劇出来なかったお客様とは、またこの劇場でお会いできますことを楽しみにしております。

厳しい状況が続いていますが、月組生一丸となって精一杯頑張っていきたいと思います。
今後とも宝塚歌劇団をよろしくお願いいたします。

いつもは、月城さん独自のユニークな楽しいご挨拶をしてくださいますが、今回は真摯なご挨拶だけでした。

このご挨拶は、再開して劇場で観劇できている者ではなく、公演中止で観劇できなくなったお客様にも伝えたかったことだと思いました。

再演は無理かな?

「またこの劇場でお会いできること」と月城さんが仰いましたが、ほとんどの人は今後宝塚大劇場で月城さんに会えても、『グレート・ギャツビー』の舞台を観ることはできません。
22日にライブ中継、ライブ配信がありますが、生の舞台ではありません。

月組の休止期間中に、2008年9月の瀬奈じゅんさん主演の『グレート・ギャツビー』の映像を何度か見ました。
大劇場版になって、何が違うかと言うと、舞台装置と衣装の豪華さなどの世界観です。さらに今回の追加シーンによって、私にはとても面白くなったように感じました。

3作目で、宝塚版の『グレート・ギャツビー』の完成形ができたと思いました。

コロナ禍から、宝塚の舞台は節約主義に入ったことは感じています。しかし月組の『グレート・ギャツビー』はVISAが協賛しているので、お金をふんだんに使った久しぶりの贅沢な舞台です。

こんなに費用をかけた舞台が宝塚大劇場で短期間に終わってしまうのは、本当にもったいないと思います。

月城さんはギャツビー役者、そして代表作になる

愛する人の愛をとりもどすため、どんなこともする「見果てぬ夢をみている」ギャツビーのような男性は、世間一般にはいません。どうせ架空の人物と思ってしまいますが、月城ギャツビーを見ると、こういう人もいるかも、と現実味があるのです。それは月城さんの個性と技量と容姿に、ギャツビーがすっぽり嵌ったからでしょう。

そして、ギャツビーが好きになり、応援したくなります。更にピンクのスーツをもナチュラルに着こなせる男役さんは、なかなかいません。

過去の2作ではそういう思いにならなかったので、月城さんはギャツビー役者で、はまり役だと思うのです。

『グレート・ギャツビー』は、月城かなとの代表作、と言われるようになると私は勝手に感じています。

西の民の救済を

東京宝塚劇場で完走できることを心より願っています。

東京は完走できたとしても、多くの西のファンがこんな素晴らしい作品を観ることが出来ていないのは、本当に残念だと思います。

剣幸さん主演の月組『ME AND MY GIRL』は大好評だったため、半年後も再演されました。
月組は、次の本公演は『応天の門』『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』の上演が決まっています。
その次の本公演で『グレート・ギャツビー』が再演されたら良いのにと、勝手に思っています。
また、東京で今度完走されても、『グレート・ギャツビー』の再演は喜ばれるような気がします。何度でも見たくなる作品です。そして月城さんのその時々の変化が面白い!

今日劇場に、観劇できない人が多く集まっていたことも、『グレート・ギャツビー』の訴求力だと思います。
私は東京の観劇はしないので、今回が『グレート・ギャツビー』の最後の観劇でしたが、もし1年後(それ以上後でも)に再演されたなら、大喜びで何度も観劇に行くと思います。

まず、『グレート・ギャツビー』が22日に無事に千秋楽を迎えることができますように。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
ランキングに参加しています。ポチッとバナーをクリックしていただけると嬉しいです♪
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村
いつも応援してくださってありがとうございます。

twitter


スポンサーリンク