「ブエノスアイレスの風」大阪初日感想
こんにちは、くららです。
暁千星くん主演『ブエノスアイレスの風』梅田ドラマシティ公演の初日を観てきました。

東京では休演日をはさんで2回見ただけですが、2回目の方が深まっていることを感じました。その時も1回で確実に進化していました。

10日に東京千秋楽を終えて、大阪の初日が18日。その間約1週間。
大阪ではものすご~くお芝居が深化していて、驚嘆するほどでした。

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深化した大阪の「ブエノスアイレスの風」

正塚先生の作品のセリフの特徴は、「ああ」とか「そう」とか助詞で心情をあらわすことです。
東京ではニコラスの心情がややみえにくい感じがしていましたが、今回物語が動いていく後半は、「熱いニコラス」として演じていて、迫力、緊迫感があるとともに、心情がとても伝わってきました。

しかし熱が増しても演技は自然体なのが「正塚作品の男役」で、ありちゃんも正塚作品の男役の真骨頂を魅せてくれていました。

また、ありちゃんの大人の男度がさらに増していて、憂いのある表情、佇まい所作、などなど「暁千星のもの」になっていました。

私の先入観が多分にあると思うのですが、東京での観劇の時は紫吹淳さん的なところを見つけては、「ありちゃん紫吹風でイケてる」と思ったりしていましたが、もうそんな先入観は飛りはらって見ました。
似せているという領域ではなく、暁千星の男役芸だと思いました。

ポケットに片手を入れて佇んでいる後ろ姿に、男の哀愁を漂わせているありちゃんの格好良さと言ったら…

同じ梅田ドラマシティの北翔海莉さん主演『THE MERRY WIDOW』(2013年)で、北翔さんに翻弄されていた可愛い丸メガネの子が、こんなに立派になってドラマシティで主演をはっているなんて、と感慨深い思いさえわいてきました。
話が横道にそれてしまいました。ごめんなさい。

ご挨拶でありちゃんが
「東京が終わってから今日の初日までの間にお芝居をもう一度見直してブラッシュアップしました」
と話されていましたが、お芝居の創り込みを徹底的にされたのだろうなと思いました。

音響面でも梅田ドラマシティの方が、臨場感があるような。
歌は、ありちゃんと晴音アキさん2人だけ担当されていますが、どちらも深みのある歌のうまさが更に際立って聞こえました。

東京公演を休演していた天愛るりあちゃんは、元気に復帰されていました。

大千秋楽まで、まだまだ舞台は進化、深化し続けるように思います。

心に残った出演者たち

蓮つかささんと結愛かれんちゃん
他のペアで踊られていたりもしますが、蓮・結愛コンビのタンゴは、「ブエノスアイレスの風」が吹いている風格さえ感じられ、この作品の格を上げていると思いました。

武器商人の蓮さんの存在感と滑舌と響き渡る声の良さは特別で、芝居上手な風間くんと丁丁発止のやりとりをしていて、見ごたえがあります。

蓮さん結愛さんのお二人は、今回役の出番は少ないですが、「芝居の月組」を支えている存在なのだと思いました。

晴音アキさんのフローラ
晴音さんの歌声は東京よりさらに深みとまろやかさが加わったように思いました。

初演では専科の矢代鴻さんでした。
宝塚きってのシンガーで、味わい深い歌声で、魂に響く歌を歌われる方です。

再演の星組では、歌上手な音花ゆりさんがフローラを演じられ、素晴らしい歌声でしたが、矢代鴻さんと比較される方も多かったです。
晴音さんの場合も、矢代鴻さんと比較するのではなく、晴音さんの歌として聞いたら、とても心情がこもっていて素晴らしかったと思います。

106期和真あさ乃くんは車泥棒の所でセリフがあって、なかなか上手で、これから新人公演でも役がついていくのだろうと思います。

大瀬いぶき君のバンドネオン弾きが場に馴染んでいて、舞台で見かけると目がそちらにいきます。最下級生の107期生ですが、風格があります。

同じく107期の「若様」こと一輝翔琉くんは、ダンスでいつも目がひかれます。

ありちゃんと同期の清華蘭さんは、アバズレの姉役が印象的で、いい味出しているなと思いました。最後の並びでも真ん中近くにいらして、娘役さんでは3番目の上級生になります。どの組も若返っていることを感じました。

ありちゃんのご挨拶

組替について

この梅田での千秋楽を終えると、次の日からありちゃんは星組生です。
とうとうありちゃんの組替カウントダウンがはじまってしまいました。

暁:「千秋楽に組替となります。舞台をお届けしたい気持ちと終わって欲しくない思いがあります」
と正直な心情を話してくれました。

ファンも、星組で新しいありちゃんの活躍の場が待っていることがわかっていても、「月組の暁千星」でなくなることが、とっても残念で寂しいです。

ありちゃんのゆるふわご挨拶

カーテンコールになると、ゆるふわのありちゃんに戻ってしまう、芝居の格好良さとのギャップは、梅田でも東京公演と変わらずでした。

カーテンコール2回目

警戒ありちゃん
出てきて「ありがとうございます」と言った後、東京初日にありちゃんだけが飛び出して来て皆が出てこなかったのを思い出したのか、みんな整列しているのに「あっ」と声を出して、「上手が何かしてくるのでは?」とキョロキョロ不審なありちゃんでした。なかなかご挨拶がはじまりませんでした。

東京公演での「何かされる」という経験からこの挙動不審になってしまったのでしょう。
何もサプライズらしき事は起こりませんでした。

初めてこの光景を見た方は、ありちゃんはなんでテンパっているのだろう、と思われたかな?

カーテンコール3回目

一人ぼっちアゲイン

ありちゃんの期待に応えて(?)、誰もついて出て来なくて、舞台の上で一人寂しく立つありちゃんでした。
そんなありちゃんに客席は大きな拍手を送りました。

「えっー、東京でもこう一人に。本当にみんな、いつもこう一人にされちゃう。2回されているんだからいい加減に慣れろよって感じなんですが」
と自分で自分に突っ込むありちゃんでした。

素のありちゃんは本当に可愛くて、さっきまでのザ・男役のニコラスはどこに行った?と思ってしまいます。

暁:「無事に幕が開いたことが本当に嬉しいです」

「みんなー」と、出演者全員を呼ぶ掛け声は元気いっぱいです。
主演なのでお芝居中に舞台の上に一人は良くあったと思いますが、素のありちゃんのままだと一人は苦手のようです。

彩海せらくんを紹介
暁:「今回新しく組替して来たあみちゃん。関西では初お披露目ということで、キラキラして新しい風を吹かせてくれて、馴染んでくれています」

組替が控えているありちゃんにとって、組替して来たあみちゃんは、特別な存在でしょう。
「ナウオン」では、組替の先輩として学ばせてもらっているという感じのことを話されていました。

お芝居中は、ありちゃんが、あみちゃんに8回ほど蹴りを入れて、ボコボコにするシーンがあります。
こんな暴力的なシーンは宝塚ではなかなかありません。

お芝居を見ている時は、お話に夢中なのでそんなことは感じませんが、稽古場で初対面だった二人がこういうシーンを演じているというのは、なかなかの関係性ですね。
きっとありちゃんとあみちゃんの間には、同じ組替者同士という以上に深い絆が結ばれていることでしょう。

ラストのスタンディングオベーション

ありちゃんは晴れ女?

暁:「東京の初日、東京の千秋楽、今日の初日とお天気が晴れて。お天気に祝福されていると思います。帰る時は暗くなっているかもしれませんが、足元にお気をつけてお帰りください」
で幕となって終わりでした。

大千秋楽は5月26日(木)15:30公演です。
その時も晴れたら良いですね。いやお天気はそんなに関係ないですね。
大千秋楽までみんな無事に駆け抜けていけますように。

「ブエノスアイレスの風」の配信は、5月22日(日)16:00からです。

月組のもう一つの「Rain on Neptune」舞浜アンフィシアター公演は、5月21日(土)16:00からです。

月組の配信は、土日と2日間続きます。

現在雪組の東京本公演と月組の二つの別箱公演が上演されています。
5月20日の星組公演は予定通り上演されるでしょう。

これからどの公演のチケットも無駄になることがありませんように。
これからずっと、宝塚に当たり前の毎日が戻ってきますように。

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