雪組新人公演『夢介千両みやげ』感想
こんにちは、くららです。
雪組『夢介千両みやげ』新人公演を観劇しました。

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雪組『夢介千両みやげ』新人公演

101期が最初で最後の長の期でした。(縣千、日和春磨、琴羽りり、麻斗海伶)

新人公演担当演出は、生駒怜子先生
3年前の星組『GOD OF STARS ー食聖ー』が、新人公演初演出で、今回が2回目です。
前回の『GOD OF STARS ー食聖ー』に続いて、今回もコメディ。

演出もところどころ本公演と違っていて、笑いがいっぱい巻き起こる温かい舞台でした。
ラスト縣くんの「お手を拝借」の掛け声で、みんなで手拍子をするのは無いかな?と思っていたら新人公演でもありました。

その手拍子で「新人公演が無事に終わった!」という一体感をみんなで味わえて、掛け声をかけた縣くんの目からは涙が光っていました。

カーテンコールで、縣くんが
「お手を拝借の手拍子の波にのってくださるやさしさが、新人公演に対する皆様のお心なのだなと胸にとめて、これからも頑張っていきたい」と話されていました。

本当に良い新人公演でした。

しかしコメディの新人公演を観ると、経験を積んだ本役の方たちの素晴らしさをあらためて思います。

主な配役感想

夢介(彩風咲奈)……縣千(101期)

目鼻立ちがはっきりしているので、メイクでのっそりさを表現しようとしても、やはりイケメン度が勝ってしまうよう。縣くんの夢介は思っていた以上の男前でした。

高汐巴さんの和化粧に似ていて、昭和感あふれる真ん中が似合うキラキラスター。

のっそりとした、なまったイントネーションのセリフも笑いを誘っていましたが、彩風さんのような、夢介のヌボーとしていて、やさしくて腰が低くて、人間としてとっても器が大きい雰囲気を醸し出すのはやはり難しいよう。
縣くん色の夢介でした。

伊勢屋の店先で悪七に対して啖呵を切るところは、とっても男前で格好良く、縣くんは格好良いを前面に出してこそのスターなのだと思いました。

それじゃあ新人公演になっていないかもしれませんが、今回の公演、お芝居ショーともに縣くんが「次世代のスター」と強く押し出されている感じなので、格好良い夢介で正解なのかも、と勝手に思いました。(私の主観です)

歌は頑張っているなと思いました。本公演のショーの歌修業が効いているよう。

お銀(朝月希和)……華純沙那(106期)

研3になったばかりで初ヒロイン。
はじめはとっても緊張しているようでしたが、段々と油がのってきて、セリフも身のこなしもチャキチャキとしていて、押しかけ女房で嫉妬深くて情が深いお銀を上手に演じられていました。

声がきれいで活舌が良く緩急あるセリフまわしが良かったです。色気もたっぷり出ていました。
何をやってもチャーミングで、ヒロイン属性の娘役さんだと思いました。

とっても小柄ですが、他の組をみても「小柄な娘役さん」が抜擢され続けているので、次世代のヒロインは小柄傾向なのかな?と思っています。

総太郎(朝美 絢)……華世京(106期)

「なんせこの顔、この器量、もててしょうがない」という、ナルシスト的な二枚目半を生き生きと演じられていて、芝居心があって流石だと思いました。
まだ研3になったばかりですが、歌もお芝居も本当にお上手。

でも、本役の朝美殉さんのような愛嬌というか憎めないかわいさというか、心をひく魅力的なものはまだ感じられず、そのあたりは経験値なのだなと思いました。

配役になかった役

・三太の妹お鶴(花束ゆめ)…音彩唯(105期)
・三太の弟亀吉(莉奈くるみ)…琴峰紗あら(105期)
やはり、ショーのロケットのセンターで頑張っている105期のふたりに役がふられていました。

・岡っ引き走助(華世京)…霧乃あさと(106期)
霧乃あさとくんは華世京くんと同期です。
芝居も歌も堂々としていて、お上手でした。

106期の文化祭の芝居で、ある新聞社の記事にはダブル主演と書かれていて、もう一つの主演のモーリス役は霧乃あさとさんで、熱演が記憶に残っています。お芝居がお得意のよう。

雪組は文化祭の主演経験者が毎年配属されています。
雪組は文化祭の主演経験者(ヒロイン経験者もピンクで)
104期 御剣海(星組)、蒼波黎也(雪組)
105期 稀惺かずと(星組)、紀城ゆりや(雪組)音彩唯(雪組)
106期 華世京(雪組)、大瀬いぶき(雪組)、霧乃あさと(雪組)
107期 白綺華(雪組)
雪組に集中しすぎのような所がありますが、主演経験者はみな、今回の新人公演でも活躍していました。

主な男役さんたち

三太(和希 そら)……一禾あお(102期)

座敷の場面で音声トラブルがありましたが、動じることなく地声で対応されていました。
落ち着いた芝居に安定感がありました。少年に見えにくいのは、セリフの内容的に仕方がないのかも。

悪七(綾 凰華)……紀城ゆりや(105期)

お顔が綺麗なので和物化粧がとっても似合っていて、超ハンサムなイケメンでした。
迫力あるセリフがよかったです。

金の字(縣 千)……聖海由侑(103期)

本役の縣くんに比べると小柄で線が細いですが、キリリとした男前。
縣くんのような遊び人感は、あまり漂っていませんでした。

お白洲シーンでは、セリフが明瞭で高笑いもぴたっと決まっていたので、本公演の縣くんの時に起こる笑いはそんなに起こっていませんでした。

無難な出来だったと思いますが、縣くんの時のように笑いは起こった方がいいのか?悪いのか?
このあたり生駒怜子先生のセンスなのでしょうか。

斎藤新太郎(諏訪さき)……壮海はるま(103期)
新人公演の中でもベテランという雰囲気で、武士の清廉な佇まいと良い声にほれぼれしました。
「剣客」というキャラが立っていて格好良かったです。

一つ目の御前(真那春人)……蒼波黎也(104期)
真那春人さんのコピーでしたが、凄みがあってコミカルで、ストーリーの良いアクセントになっていました。

嘉平(汝鳥伶)……真友月れあ(102期)
見た目は老けきれていませんが、セリフの言い回しや立ち姿が汝鳥伶さんそのものでビックリ。
とってもお上手でした。スゴイなと感動するほど。

市村忠兵衛(桜路薫)……日和春磨(101期)
新人の霧乃あさとくんと銀橋を渡るお芝居が良かったです。長の期として、新人さんたちを頑張ってまとめてこられたのだなと思いました。

猪崎(星加梨杏)……麻斗海伶(101期)
本役の星加さんと同じ長身で、ニヒルな抑えた演技で格好良かったです。最後に頭が爆発してネギが刺さっているのも本公演と同じで、この落差がたまりません。

主な娘役さんたち

浜次(妃華 ゆきの)……夢白 あや(103期)
ひとりだけ飛びぬけて芸達者で安定感抜群。
色気があふれて小股が切れ上がった芸者さんそのものでした。
凄味さえありました。

『心中・恋の大和路』で遊女の梅川を演じる予行演習だったのかな。
お化粧がもう少し上達すると言うことなし。

お松(野々花ひまり)……花束 ゆめ(103期)
不器量メイクをしてお芝居も訛りもお上手でしたが、ヒロイン的な華がなく、本役の野々花さんのようにヒロインの経験値は必要なのだなと思いました。

お糸(夢白 あや)……愛陽みち(104期)
動きも本役の夢白さんのコピーそのままで可愛かったです。声がきれい。

春駒太夫(愛 すみれ)……有栖 妃華(102期)
「歌の人」という認識でしたが、ていねいにお芝居をしていて、しっかり笑いもとっていて、良かったと思いました。

縣くんがご挨拶の中で
「この空間に、笑顔の花が咲いたらいいなと思っておりました」と、話されました。
コメディというだけでなく、新人さんたちの頼もしい演技を見て、客席にも笑顔の花がいっぱい咲いていたと思います。

木曜日は東京で宙組『NEVER SAY GOODBYE』の新人公演です。
宝塚大劇場では残念ながら上演できませんでしたが、木曜日に無事に上演出来て、東京宝塚劇場にもいっぱい笑顔の花が咲きますように。

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