『ザ・ジェントル・ライアー』 配信感想と星組の今後

こんにちは、くららです。
『ザ・ジェントル・ライアー』 の配信を見ました。

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ありがたかったライブ配信

私が期待していたほどコメディではありませんでしたが、クスッと笑い続けながら、テンポの良い展開を楽しみました。
『Ernest in Love』と同じく、原作がオスカー・ワイルドの大団円のハッピーミュージカルなので、最後はとっても幸せな気持ちになり温かいものが残りました。

ビクトリア朝時代の豪華で華やかなドレスやスーツなどの衣裳、舞台セットなどがとっても宝塚らしくて、目を楽しませてくれました。

バウホール公演は中止になってしまいましたが、素敵な作品がお蔵入りせず、無事に上演できて、配信で楽しめる世の中であることに感謝しました。

音波みのりさんと、天路そらさんが全日程休演されていることは、誠に残念でした。
次の大劇場公演『めぐり会いは再び』『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』では、星組生全員が元気に出演できますように。

この公演は、3月に文化祭を上演する108期生の初舞台公演でもあります。
星組公演の初日4月23日頃には、コロナの感染の心配も収まっていることを、明るい春がやってくることを期待して待ちたいと思います。

登場人物たちについて

アーサー【ゴーリング卿】……瀬央ゆりあ

原作では綺城さん演じるロバートが主役ですが、宝塚版では瀬央さん演じるアーサーが主役となっています。
ストーリーを変更しているわけでは無いので、綺城さんのロバートの存在感は大きく、アーサーはそんなにインパクトの無いしどころのない役どころです。

しかし、瀬央さんの美男子ぶりスター性で堂々と主役として存在していました。
この時代の衣裳を次々に素敵に着こなしていて、気品あるビジュアルの良さが魅力的でした。
歌唱力もさらに上達されて歌声が心地よかったです。

『ロミオとジュリエット』のティボルト、『柳生忍法帖』の漆戸虹七郎と、悪役チャレンジが続いていましたが、やはりせおっちの持ち味は、あふれ出る人間性。

アーサーは「プレイボーイ」と言われながらも、その実恋に奥手。
「嘘つき」と言いながらも、本音をポロリと言ってしまうような不器用でピュアな人物。
せおっちには、こういう憎めない役柄がピッタリです。そして温かさが伝わってきます。

少し「顔芸気味?」と以前気になっていた点も、目の演技という印象で気にならなくなりました。

今回は3人のヒロイン相手に、それぞれ接し方が違っていて、心情がとても上手く表現されていて、面白かったです。本当に芝居上手!

95期戦線は未だに決着がついていませんが、こうして1作1作それぞれのスターさんが成長されている姿をみると、劇団はどうしていくつもりなのだろう?と思うだけです。

暁千星くんが組替してくるのは『めぐり会いは再び』の次の公演です。
せおっちは2番手(目)になるでしょうし、これだけ実力を蓄えていたら、ありちゃんが簡単に先輩を超えることはできないような…。

ロバート……綺城ひか理

長身に髭と燕尾がとってもお似合いで、レッドバトラーを彷彿させるようなイケオジでした。
苦悩する様さえ哀愁をおびて色気がありました。
今後の狙うべき新路線を開拓されたような。

瀬央さんと同じで、良い人感があふれているので、誠実なロバートにピッタリでした。

「ナウオンステージ」では、105期の下級生2人(稀惺かずと、詩ちづる)と一緒にトークしていました。
優しい先輩としてトークを盛り上げていて、素のあかさんも「いい人」感満載でした。

素晴らしい歌唱力ときめ細かい演技力で、今後の活躍も期待いっぱいです。

3人のヒロイン

ガートルード……小桜 ほのか

小桜ほのかちゃんの青いドレス姿が華やかで、着こなし、ドレス捌きも完璧でした。
どの音域もバッチリで、温かくて美しい歌声は、耳福です。
適格な芝居力、魅せる技術力、気品、etc。

トリプルヒロインという設定だったので、ヒロインとして完璧に出来上がっているなと、特に感じました。

ローラ【チーヴリー夫人】……紫りら

アーサーの取り巻きのバズルドン卿夫人を演じる予定だったところ、音波みのりさんの代役として、とても頑張っていらっしゃいました。

音波さんは、1月27日の「ナウオンオンステージ」の撮影に演されていたので、代役は急遽だったのかなと思えます。

音波さんは、「愛を信じきれない女性、皆を引っ掻き回す悪女として作っている」と話されていました。
役を深くつくりこんでいって、いざ開幕というところで休演になってしまって、どんなに残念な思いをされたことだろうと思います。

紫さんは可愛いお顔立ちなので、眉山を高く、アイラインも強く描いて悪女に見えるように、まずメイクで押し出され、艶っぽい声で、場を引っ掻き回すヒール役を見事に演じられていました。
ラストの去り際のアーサへの一言が、哀愁が滲んでいてとってもインパクトがあって心に残りました。

相手役の瀬央さんが同期だったので、はじめからがっつり役に取り組めたでしょうか。「同期」という何にも代えがたい強い絆があったことは、急な代役という大変な状況の中、助けになったでしょう。

短い期間に、代役を本役のように見事にこなすことのできる紫さんの役者魂は素晴らしいなとただ感動でした。

アーサーの取り巻きの夫人は、当初は3人でしたが、紫さんが代役に入られたため、澪乃桜季さんと紅咲梨乃さんのお2人になっていました。
はじめから2人だったと思う程それが自然で、臨機応変に対応される凄さに感動しました。

メイベル……詩 ちづる

月組から星組に組替してきて初出演で、いきなり「トリプルヒロイン(実質瀬央さんの相手役)」に抜擢されたので、一番注目して見ました。

「ナウオン」で、メイベルの力強さ、明るさを表現したいと話されていましたが、バッチリ表現されていて、メイベルという人物像を手に取るように繊細なところまで理解できました。芝居巧者です。

新しい組にやってきて、初めての大きな役に挑戦するのは、どんなにプレッシャーだったかと思いますが、105期の同期、稀惺かずとくん、鳳花るりなちゃん、星影ななちゃん、彩夏こいきちゃんが一緒で、同期の支えは力になったと思います。

そして「ナウオンステージ」には、稀惺かずとくんと2人で初出演のフレッシュ同期コンビとして、一緒にトークしていました。

また歌については、月組時代から影ソロなどで活躍されていて、お上手なことは知っていましたが、歌のソロも美しい声で聞かせてくれてました。

でも舞台化粧より、「ナウオンステージ」の素化粧の時の方がより可愛く思いました。
まだ研3なので、自分の長所を活かすメイクを学んでいく必要があるのでしょう。

105期の4人の期待の娘役さんの1人です。(星空、音彩、山吹)
次はちづるちゃんが『めぐり会いは再び』新人公演のヒロインに抜擢されるでしょうか?

星組男役のホープの2人

新人公演の主演に抜擢されるかな?と予想されている二人がこの公演で活躍していました。
105期の稀惺かずとくんと雪組への組替が決まっている102期の咲城けいくんです。

トミー……稀惺かずと

メイベルに求婚し続ける、ロバートの秘書です。
映画も小説も名前は出てくるけれども登場しない役だそうですが、宝塚版では、出番が沢山あります。
それだけに、どのようにも作れるので、役作りが難しく、コミカルなところをどう見せるか課題と「ナウオン」で話されていました。

綺麗な整ったお顔立ちなのは知っていましたが、映像に一人で映し出されるとより美形でした。
しかし美形なのに、一番のコメディ担当でした。

爽やかなイメージですが、お父様(松岡修造さん)に負けない熱さにあふれていました!
キラキラした強い眼差しからもそれが伝わってきます。

ふられても、ふられてもめげない一途なトニーの熱さが可愛い。

しかし決定的にメイベルにふられたラストシーンでは、白いハンカチ咥えて階段でずっこけて、吉本ばりの身体をはった演技に大笑いしました。

研3でここまで吹っ飛んだ熱い演技ができるなんて。
歌のソロもお上手でした。

これだけ舞台度胸があって、情熱があるなら、いきなりの新人公演主演もOKな気がしました。
『めぐり会いは再び』は、稀惺くんのためにあるような気が先走っています。

ド・ナンジャック子爵……咲城けい

咲城けいくんも「爽やかなイケメン」という印象だったのですが、覆してくれました。
「組替する咲城けいくんは?」と注目されている方も多いはず。

前髪をウネウネさせた金髪にお髭のフランス人。
女好きで、キザりまくりの濃~いキャラクター
開襟もしていたような。

同期の水乃ゆりちゃんと、空気がよめない不倫カップル?
水乃ゆりちゃんのレディ・マークビーも、とっても空気がよめない人。
うさんくさいド・ナンジャック咲城と一緒になると、二人で何かをしている。

最後は水乃ゆりちゃんにビンタされて、ふたりの関係は終わっていました。

濃~い役を見せてくれていたのに、
フィナーレになるとバリバリのイケメンダンサー。
3番手の目立つ位置で踊っていました。
スタイリッシュでキレキレのダンス!
何度見もしたくなる格好良さでした。
これから人気が出そうです。

さんちゃんが次の新人公演の主演かな?と組替が発表された頃は思っていましたが、稀星かずとくんの弾けっぷりに気持ちが変わりましたが、さんちゃんも超弾けているので、やはりどちらかはわかりません。

ふたりとも新人公演だけでなく、本公演でも活躍の場が与えられるかもしれません。

星組同期カップル
105期 稀星かずと×詩ちづる
102期 咲城けい×水乃ゆり
95期  瀬央ゆりあ×紫りら

同期ならではの絆の深さを感じました。

フィナーレ

スパニッシュ(イギリスのお話なのにフィナーレは国境を超えるようです。格好良さ最優先のよう)
はじまり 綺城ひか理さんセンター
長身でシュッとしていて格好良かったです

懐かしい「エクレールブリアン」のボレロの衣装でした。
瀬央さんだけ格好良い水色の衣裳なのですが、色彩が合っていないような気がしました。

トリプルデュエットダンス
瀬央+水乃、小桜、詩

水乃ゆりちゃんが音波さんのポジションに入っているようでした。
ゆりちゃんのデコルテは誰よりも美しく、ドレスになるとひと際美しいです。

瀬央+詩 デュエットダンスだけ、回転リフトがありました。
小柄な詩ちゃんはリフトしやすいのかな?
それとも「ラブラブ設定」の恋人カップルだからかな?
詩ちゃんと組むと瀬央さんの包容力がう~んと増しているように見えます。

初日でも千秋楽でも無いので、瀬央さんのカーテンコールでのご挨拶はとっても簡潔でした。

瀬央:「皆さま、そして画面の前の皆さま、この作品を見て少しでも笑顔になっていただけたら幸いです。本日は誠にありがとうございました。」

簡潔でしたが、とても伝わってくるものがありました。
今回の公演は宝塚バウホールの公演が全公演中止になり、KATT神奈川公演の上演に当たっては休演者も出て、とても複雑な心境の中で頑張っていらっしゃると思います。

観客の笑顔のために舞台を頑張ってくださっていること、本当に有難いと思います。

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