こんにちは、くららです。
昨日『バロンの末裔』『アクアヴィーテ!!』午後4時30分公演を観劇しました。
ライブ中継、ライブ配信は12月4日(土)16:30公演です。
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『バロンの末裔』についての感想
幕開き前にケルト音楽が流れて、スコットランドの世界に誘われます。
「はるかなる大地」「恋心」「I Wish」など高橋城先生の楽曲が25年前のまま色あせることも無く素敵な調べで、この楽曲の良さもこの作品の魅力です。
真風さん演じるローレンスと、エドワードと、潤花ちゃん演じるキャサリンは「3角関係」です。
エドワードとキャサリンが実は相思相愛なのですが、ローレンスのために、ふたりは理性で恋愛感情を封印し、お互いの幸せを願って別々に生きる道を選んでラストになります。
切ない部分もありますが、出演者みんなの根底に愛があって、誰も不幸にせず前向きに生きようという爽やかな印象で終わります。
テンポよくお話が進んでいき、クスクスと笑いが起きるシーンもあって沢山笑いましたが、コメディではありません。
正塚先生らしい心の機微が情感豊かに描かれていて、大人っぽくてお芝居が巧みな真風・潤コンビにピッタリの作品でした。
貴族の時代の終焉が描かれていましたが、時代は絶えず移ろっていて、今はコロナで、そういう社会の流れも前向きに受け止めていこうというメッセージも感じました。
配役について
真風さんの2役
双子の兄ローレンスのシーンから始まりました。
・兄ローレンス
フェルゼンのような濃茶のロングの鬘で、声のトーンで兄弟を演じ分けていました。
ローレンスの口調は、普段の真風さんの優しいゆっくりな喋り方がさらに強調された語尾が長めのゆっくりモード。
真風さんの軽妙な少々とぼけた演技で、クスクスと笑いが起こります。
・弟エドワード
リーゼントの従来のイケメン真風さん。
ローレンスとの対比で、とって凛々しくて存在感があって、立っているだけで超格好良い!男役としての色気がさらに増したように感じました。
キャサリンの潤花ちゃん
デコルテがとても綺麗なので、どのドレスも素敵に着こなされていて美しかったです。
ダンサーだった風花舞さんの役なので、ダンスシーンも多く魅せてくれました。
抑えた演技が続いた後、「雉撃ちの丘」でのエドワードと心を開いて熱い思いを吐露し合った時の涙は情感豊かな潤花ちゃんの自然な涙のように思いました。女優さんだなと思いました。
リチャードの桜木みなとさん
エドワードの軍隊での友人で、自分の夢の実現のためにエドワードから借金したいと思っているちゃっかり者。
2枚目半的な存在で、スコットランドのボールトン家に恋人のヘレンと押しかけてきます。外見は軍服とスーツが良く似合う2枚目です。
恋人のヘレンは山吹ひばりちゃん(105期)。
「シャーロックホームズ」の新人公演では、声がヒロインとしてどうかな?と思ってしまいましが、シャキシャキとした明朗快活な女の子のヘレン役は、声も含めてひばりちゃんにピッタリでした。美人で可愛くて小顔で歌がとってもお上手です。
桜木・山吹の息がピッタリ合ったコンビ。歌声の相性も良く、フレッシュさのあるエネルギーに満ちたコンビでした。
瑠風輝さんのウィリアム
父親から事業を引き継いだばかりの銀行の若き頭取。
スタイルの良い長身にバリッと着こなしたスーツが格好良く、筋を通す正義感にあふれた好青年。
セリフも歌もパワーがあって、真ん中に立つと華が出る男役さんだと再認識しました。
ショーの歌が抜群の抜群で「瑠風輝の時代」到来?という予感がしました。
ウィリアムの秘書の鷹翔千空さんのブリンクリー
鞄を抱えこんだり、内またで座ったり、眉を八の字にまげたり、「気弱なオドオドとした秘書」ぶりが板についていて、徹底した役作りで良い味を出していました。
「ブロッコリー」と突っ込まれるためにブリンクリーという名前のような。突っ込まれている時の不憫な表情が良いです。
瑠風・鷹翔コンビは、今回は「2枚目・3枚目コンビ」で印象的です。
亜音有星さんのヘンリー
ボールトン家の新人雑用係の少年。敬語が使えない純朴な少年で笑顔に愛嬌があるので、登場するたびに客席の心を奪い、根っからのスター性があるなと思いました。
最後脚の長い格好良いボーイ姿で登場して機転もきいて、ヘンリーの成長も描かれています。
目立って活躍していた娘役さん
一番は「2番手娘役」として活躍していた山吹ひばりちゃんですが、先に書いたので省きます。
マーガレット/イングリッド……水音志保(101期)
マーガレットは、ボールトン家のメイドで、可愛さと美しさがその中で際立っていました。
イングリッドは、ウィリアムの銀行の客で、大口の預金に繋がるかもしれないとウィリアムが力を入れているところに、ウィリアムの父親の凛城きらさん演じるトーマスがやってきて、その美しさにデレデレになってちょっかいを出してきます。
月組では、イングリッドはベテランの美原志帆さんが演じられていました。
水音志保さんは、「夢千鳥」での好演を経て、演技派としてお芝居でも活躍の場が与えられるようになったのだなと思いました。
2年前の宙組全国ツアー 「Nice Guy」の“生贄”では、水音志保さん「少女」に大抜擢されていました。 それまで本公演や新人公演で抜擢されていなかったので、とっても可愛いダンサーの水音志保ちゃんと印象に残りました。娘役としては抜擢が遅いですが、これからも益々活躍されそうで、楽しみです。 |
シャーロットの愛未サラさん(105期)
月組ではベテランの夏河ゆらさんが演じられた、トーマス(凛城きら)の秘書兼愛人で、キツイセリフもさらっと流す色濃い騒がしい役です。
出番も多いですが、見事に演じられていました。
「ナウオン」で凛城さんが芸達者ぶりをほめていらっしゃいました。165cmの長身の美人さん。
『Délicieux!』では、歌手としても活躍されていました。
同期の山吹ひばりちゃんが抜擢されているので、役つきは遅かったですが、これからの活躍も楽しみです。
アンナ/レイチェルの栞菜ひまりちゃん(103期)
アンナはボールトン家のメイドで、レイチェルはヘンリーの妹で、可愛く演じていました。
栞菜ひまりちゃんはショーで、「トップコンビ、2番手コンビ」で踊る時の4人口の1人に抜擢されていました。以前は夢白あやちゃんが踊っていたところです。
大抜擢でしたが、場慣れしていないのか、ちょっと印象が薄かったです。
可愛い娘役さんですが、新人公演のヒロインを経験しなければ、真ん中感は出しにくいのかなと思いました。
『アクアヴィーテ!!』について
「写真撮影が終わってから、スマホ、携帯の電源をお切りください」という注意アナウンスがされていたので、カバンの中からスマホを出して「撮影しなきゃあ」と撮りました。こういうアナウンスは初めて聞きました。
「アクアヴィーテ」は、真風さんのソロダンスのシーンも増えて、「真風さんの格好良いショー」という印象がより強くなったように思いました。逆に言うと2番手の芹香さんの存在感が強かったのですね。
熊本出身の真風さんの九州・沖縄地方の凱旋公演なので、真風さんカラーが強く押し出されているのでしょう。
歌もダンスも抜群の桜木みなとくん
歌って良し、踊って良し。
潤花ちゃんとのダンスでは、リフトもされていました。
瑠風輝くんの歌唱力が最高
もえこちゃんの熱唱は、2箇所ありました。
声が良くて抜群の歌唱力で、望海風斗さん、礼真琴さんの域に達する上手さだと思います。
「ウィスキーはお好きですか」の甘い3人のセリフのシーンも、トップバッターで照れずに頑張っていました。押し出しが強くなったように思います。
スタイルも抜群に良いので、これからの更なる活躍に期待したいです。
和希そらくんの役にチャレンジした鷹翔千空くん
瑠風輝くんと同じく、男役としてのスタイルは抜群に素敵です。
白い羽根のついたタコ足ドレスにハットの女性
シンメトリーの黒いショートカットの鬘でした。和希さんの金髪美人の印象が残っていたので、「なんで?」と少し期待ハズレ。ご自分では工夫してその鬘を選ばれたのでしょう。
スタイルはとても良いのですが、女性らしさが少し感じられませんでした。
お隣のアルカミスト役の寿つかささんの金髪女性がとても綺麗だったので、余計に鷹翔さんの黒髪のフィーストダイナマイトは分が悪かったように感じました。
ウィスキーボンボンの鷹翔さんのダンスもお上手なのですが、和希さんに比べてパンチに欠けていた印象をもちました。
本公演の時はその人に合った人選だと思いますが、今回は自動的に番手が繰り上がっての役付きなので、和希さんと鷹翔さんは身長も違い、売りも全く違うので、この二役は鷹翔さんの持ち味に合っていなかったように感じました。
最初は合っていなくても、日々工夫して進化させていかれるので、配信の頃には鷹翔さんの持ち味がいかされたものになっているのでは?と思っています。
ヴィヴァシャス・ホースの亜音・山吹コンビ
本公演では瑠風さん夢白さんのところを、亜音有星くんと山吹ひばりちゃんの華のあるコンビが担当していてキラキラオーラに満ちていました。
ホワイトホースのロケットは12人だけでしたが、振付が工夫されていて空間が埋まって華やかでパワーがみなぎっていました。
男役105期の二人の芸達者
8人のモルトが、全国ツアーでは二人になりましたが、個性あふれる二人なので空間が充分うめられていました。
105期の大路りせくんと泉堂成くんです。頼もしい存在です。
ふたりはロケットでも頑張っていました。
優希しおんくんのロフティドリームは圧巻!
「ダウンタウンビースト」のロフティドリームは優希しおんくん。
退団前の実羚淳さんの印象が強烈でしたが、ずば抜けた身体能力の優希さんは柔軟なダンスと跳躍が素晴らしくて、実羚さんとは全く違うロフティドリームでした。
可愛い小動物のようで、男役の女装という感じは無く女性的なしなやかな目を見張るダンスでした。
他のシーンでも、優希さんが踊っていると一人だけピシバシとキレが際立っています。
専科異動して初出演の凛城きらさん
中詰めにグラスを3人に渡すために「リンリラキン」と登場して、「大阪最後の夜なんだから」とウィンクして、ステップ踏みながら帰っていかれました。自分で盛り上げながら登場してくるのも、間が難しいと思いますが、お上手でした。「サプライズ登場」と言うのはこのことで、後は何もありませんでした。
ショーの場面でもいろいろと活躍されていましたが、フィナーレの黒燕尾には専科生なので出演されていませんでした。そのあたり線引きがあるのですね。
デュエットダンス
聞きなじみのある映画「ゴースト」の“Unchained Melody”。
桜木みなとさんの熱唱が素敵でした。
潤花ちゃんの珍しい衣装というのは、ホットパンツに後ろにだけサテンのロングスカート付いたもので、色はサーモンピンクで、真風さんと合わせていました。
明るい雰囲気の潤花ちゃんには、ホットパンツで脚が出るデュエットダンスの衣裳も目新しくて良かったです。
『アクアヴィーテ!!』は大好きなショーで、男役さんのダンスがとにかくカッコ良い、宝塚の醍醐味が満載されているショーです。『バロンの末裔』も先に書いたようにとても良い作品です。
宝塚の王道的な2作品に、男役の魅力が増し続けている真風さんが真ん中なので、全国ツアーに最適だと思います。宝塚の虜になってしまう方も多いのではないでしょうか?
梅田での最後の公演だったので、何か真風さんからご挨拶があるかと思いましたが、「大阪最高やったでぇー」だけでした。
各地で方言で「〇〇最高〇〇」と表現されるのでしょうか?
次の公演は、真風さんの出身地熊本で、11月25日木曜日に2公演あります。
12月9日の沖縄の千秋楽まで、無事に駆け抜けていってください。
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