本公演での月組新進娘役戦線
こんにちは、くららです。
昨日観た月組公演は、「宝塚友の会貸切公演」でした。

次々と復活中

貸切公演の「最後のトップスター挨拶」が久しぶりにありましたよ!
「皆さまお元気ですか?」と、珠城さんの笑顔いっぱいのお手振り付きのご挨拶から始まりました。

コロナ禍で「貸切公演の最後のご挨拶」も中止になっていましたが、この月組公演から復活のようです。

出演者の人数制限も撤廃され、組子全員と専科さんの総勢79名出演の舞台が復活しています。
減らされた人数では、櫛の歯が欠けたような物足りなさがありましたが、出演者たちで埋め尽くされた最後のパレードは圧巻でした。サヨナラ公演ということで、出演者からのパワーもさらに熱をおびています。

お芝居でもショーでも、従来通りの「人海戦術」が、特に巧みに取り入れられているように感じました。
そしてどちらも作風がオーソドックスなものなので、「昔ながらの宝塚」が戻って来た!と嬉しかったです。

新人公演も月組公演から復活です。
初日に珠城さんがご挨拶の中で、そのことに触れられ「プレッシャーをかけている」という言葉を使いながらも、「下級生の活躍の場」が戻ってくることを、心から喜んでいらっしゃるようでした。

今日は次の宙組新人公演の主な配役の公表がありました。

シャーロック(真風 涼帆) アイリーン(潤 花) ジェームズ(芹香 斗亜)
亜音 有星(103期) 山吹 ひばり(105期) 鷹翔 千空(101期)

主演とヒロインは、予想通り 男役は103期、娘役は105期と若返りましたね。
2回の新公主演経験のある鷹翔千空くんが、2番手男役を演じることで締めていくのでしょう。

1年間余り新人公演が中止になったことで、「100期の新公出演救済策」がとられていますが、やはり「長の期」を経験するための救済策のようです。
宙組100期の1番は優希しおん君です。「長の期の長」として、全体をまとめていかれることでしょう。

配役の妙、月組の新公学年娘役さんたち

上田先生の脚本、配役は素晴らしいの一言につきます。
そして新公学年の娘役さんたちも、それぞれ絶妙に配役されていました。

新公学年の有望娘役さん

・天紫 珠李(101期)
・結愛 かれん(101期)
・蘭世 惠翔(102期)
・白河 りり(103期)
・きよら 羽龍(104期)
・詩 ちづる(105期)
・一乃 凜(106期)

第三場 冬の京(好色な高師直と侍る女たち)

足利将軍家の執事悪名高い高師直(紫門ゆりや)は、武力を笠に暴挙の限りをつくしながら、好色家なので、武家の皇族や貴族など高貴な血筋の女性も強引に手中におさめていました。
そんな高師直に侍っているのが湯浴みの侍女の、白河りりちゃんきよら羽龍ちゃん詩ちづるちゃん一乃凛ちゃん

蘭世惠翔ちゃん演じる北朝の帝の姪の祝子は、高師直の囲われ者の女たちから「脱いで裸になれ」と命令されながらも、従うことができず戸惑い抵抗しながら泣き崩れるさまを巧みに演じていました。

きよら羽龍ちゃんは、冷たい表情で祝子の打掛を脱がしていたり。
詩ちづるちゃんは、高師直に抱かれて体を触られながら、色っぽい目つきをしていたり。
4人の娘役さんたちは、それぞれ様々なところで、普通では無い、独特の色に染まった、取り憑かれたような演技をしていました。
蘭世惠翔ちゃんだけ、この異様な場になじめず嘆いている女性でした。

「武力に屈して囲われ者になった北朝の公家の女」と「武力を制して南朝を支配する公家」の対比
このシーンで、祝子に「脱いで裸になれ」と説得していたのは、「高師直に囲われている公家の女」の白雪さちかさんと晴音アキさんでした。

このお二人は、他の場面では「南朝の公家大納言の四条隆資と左大臣の二条師基」(男役)を演じていました。

南朝の公家の役を娘役が演じることは、力の無い弱い存在の象徴として説得力があってピッタリでした。
そして武力優先の北朝では公家の女は武将の囲われ者公家優先の南朝では公家が武将を支配という対比を、同じ役者が演じていることで、上田先生の言わんとする主張を感じました。

美園さくらちゃん演じる南朝の弁内侍は、北朝の高師直に仇討ちをするため、敢えて高師直の手中に収まろうと京に向かっている途中で、珠城さん演じる正行に助けられるのでした。

北朝の饗庭氏直と花一揆

足利尊氏の側近の饗庭氏直役結愛かれんちゃん
饗庭氏直が率いる「花一揆」は、下記の3人が演じました。
・蘭世 惠翔(102期)
・羽音 みか(103期)
・菜々野 あり(102期)

長身の蘭世、羽音の二人と小柄の菜々野という組み合わせが面白いです。
結愛かれんちゃんの「饗庭氏直」は、美少年武士で、セリフもありました。
蘭世、羽音、菜々野の「花一揆」は、有名な兜に梅の花を挿した若武者姿では無く、饗庭氏直と同じ普通の武士姿でした。
娘役の化粧のまま、衣装と髪型が「男役」の姿だったので、男役さんとは違いが明らかでした。

この饗庭氏直と「花一揆」の3人が目立っていたのは、第9場Bの死者の回想シーンで、死んでいった者の周りを「エリザベート」の黒天使のごとく、赤い衣装で「血の猿楽」として舞っていたところです。とても印象的でした。
この4人が「血の猿楽」であることにも、上田先生の深い意味があるのだろうなと思いました。

4人の娘役さんの子ども役

・弁内侍【少女】 きよら 羽龍(104期)
・楠木正行【少年】白河 りり(103期)
・楠木正時【少年】詩 ちづる(105期)
・楠木正儀【少年】一乃 凜 (106期)

少女役の弁内侍と楠木3兄弟が出場するシーンは、全く別でした。
弁内侍のきよら羽龍ちゃんは、先に書いた「血の猿楽」が出演した「第9場Bの死者の回想シーン」に出演しました。
死んでいく父親の日野俊基のもとに駆け寄り長らく覆いかぶさった後、深い悲しみの演技をしていました。

楠木3兄弟の少年時代は、四条畷の戦いの途中、幼い頃の父親との思い出のシーンとして出現しました。
幼い少年たちの純朴な演技が、死を前にして戦っている状況との対比で、心が打たれます。
特に父親役の輝月ゆうまさんの演技が良いので、3人たちの演技も回を重ねるごとにさらに良くなっていくような気がします。

1人で少女役の弁内侍を演じていたきよら羽龍ちゃんは、憑依型の演技派だと思いました。

天紫珠李ちゃんは新公学年ですが、中宮顕子という暁千星くん演じる後村上天皇の后役で、「娘役3番手」という感じなので、新進娘役戦線からは外れている感じです。

きよら羽龍ちゃんは『Dream Chaser』でスゴイダンサー

『Dream Chaser』では、きよら羽龍ちゃんは主要なダンサーとして大活躍していました。

このショーの一番の難関と思われるのは、ミロンガ(タンゴの舞踏会)だと思います。
安寿ミラさんの振付で、アルゼンチンタンゴ風の難しい足技をスゴイ速度で踊ります。
このメンバーが下記5組が、月組のダンサーでしょう。
・珠城りょう×海乃美月
・鳳月杏×天紫珠李
・暁千星×夏風季々
・千海華蘭×きよら羽龍
・英かおと×晴音アキ

きよら羽龍ちゃんは、顔の表現も色っぽく踊っていたので、全然下級生に思えませんでした。ショートカットがお似合いです。
夏風季々ちゃんは退団なので、様々なシーンで活躍していました。

この中で娘役一のダンサーは、やはり海乃美月ちゃんでしょう。幕開きからリフトされていたのもスゴイです。
そして天紫珠李ちゃん。途中珠城さんとすご業を見せてくれるシーンもありました。

きよら羽龍ちゃんは、音楽学校の文化祭でもバリバリ踊っていたので、これから益々主要ダンサーとしても活躍していくことでしょう。
歌、芝居も特に秀でているので、月組の中で現在一番有望というと、やはりきよら羽龍ちゃんだと思います。

詩ちづるちゃんも推されていますが、外箱で抜擢され続けていたきよら羽龍ちゃんに比べて、別箱経験が少ないので、これから経験を積む必要があるでしょう。
詩ちづるちゃんのとろけるようなお顔の可愛さは、今までいなかったタイプなので、貴重だとも思います。

次の別箱は、風間柚乃くん主演のバウホール組と博多座のプレお披露目公演組に分かれます。
きよら羽龍ちゃんは、ダンサーとして『Dream Chaser』に必要な気もします。
しかし、本公演の『Dream Chaser』はダンスが多いですが、月城さんは歌がお得意なので、ショーの内容が変わりそうな気もします。

詩ちづるちゃんは、経験値のためにバウヒロインかな?とも思います。
きよら羽龍ちゃんも外箱ヒロイン経験がないので、きよら羽龍ちゃん優先のような気もします。
白河りりちゃんの美しい歌声も素晴らしいので、「白河、きよら、詩」戦線は変わりないよう。そして新しく一乃凜ちゃんも加わっています。
蘭世惠翔ちゃんも芝居が上手で歌も得意。がんばって欲しい娘役さんです。
切磋琢磨しながら、優秀な娘役さんが育っていくのでしょう。

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