星組『眩耀の谷/Ray』について思うこと
こんにちは、くららです。
今日は星組公演「眩耀の谷/Ray」をライブ配信で見ました。
宝塚大劇場の時より人数が20人余り減っていますが、出演者のパワーでよりエネルギッシュで心に響くものがありました。
「眩耀の谷」の作品の持つメッセージ性は、コロナ禍の今にピッタリのものです。

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「眩耀の谷」のメッセージ性

昨日スカイステージの星組公演初日の特別番組で、「作・演出・振付」の謝珠栄先生が下記のように話されていました。

人間って古代の昔から同じことのあやまちを繰り返しているんだなあ。それを乗り切って、人間って一つずつ賢くなるんだねということも改めてわかった。、
でも今度神様が、また違う試練を与えられているけれど、わりとポジティブな方向でみることができる、何か乗り越えることができるという、礼さんの最後の言葉じゃないけれど、命さえあれば何でも乗り越えていくことができると、私は信じています。

新型コロナウィルスと全世界が闘っています。さらに豪雨などの自然災害も多く発生し、大きな地震も起きるかもしれないという話もあり、現在かつて経験したことのない社会不安の中にあります。
しかし謝先生が、「私は信じてます」と仰ったときの温かい慈悲に満ちた笑顔に、とても励まされました。

謝先生は、公演プログラムに下記のように記されていました。

この美しい地球が存在する限り、あらゆる生物と共に生きて行かねばならない我々人間は、命の尊厳に対しもっと深く考えねばいけないし、和を以って共存しなくてはいけないと思う。(引用:公演プログラム)

「眩耀の谷」は謝先生が、初めて物語の脚本を手掛けられた作品です。
在日華僑(客家)の出で、ご自身のルーツを元にした作品も発表されている謝先生の厚い思いが込められたものです。
期せずして現在の世界を襲っているコロナ禍に、メッセージ性のあるこの作品が上演されることは、とても意義深いと思います。

丹礼真の最後の言葉

このお話は、礼真琴くん演じる丹礼真が汶族をはじめとした周りの人たちとの関わりを通して、人間的に成長していき、最後に下記のような言葉を話します。

丹礼真の最後のセリフ
人は命さえあれば、生きてさえいれば、何事も成し遂げることができる。
また新しい大地を命を育むことが、人として生まれてきたものの使命ではないか。
そうやって祖先の地を生き抜くために努め、今の我らがいる。
言葉があり、語り合うことができるのに、権力で押さえつけようとする愚かな者たちのために、大切な命を捨てることは無い。
戦は避け、新しい天地を求めていけ。」それは、天からの言葉だ。

そして「生命をつなぐ」という主題歌になります。

後の世に 繋ぎ残すのは 
天より贈られし この生命たち
戦いは もう見たくない
守るべきものは 尊き命 (引用:公演プログラム)

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真琴くんをはじめ星組生たちの成長と進化

真琴くんは、初日の挨拶で下記のように話されました。

我々はこの期間中、一人ひとり自分を見つめ直し、すべきことを見つけ、自分と戦ってまいりました。
そして新たな思いを胸にこうして、強い思い、強い覚悟をもって戻ってまいりました。(引用:初日挨拶)

宝塚大劇場公演中に、2月29日から公演が中止となり、千秋楽だけ上演できましたが、東京に出向いて舞台稽古をやり終えた所で、長期の公演中止となったそうです。
お披露目公演がそんな形で中止となって、宝塚に戻ってくる時は、どんなに無念だったことでしょう。

それからの4カ月間で、「眩耀の谷」の丹礼真を演じる真琴くんは、丹礼真のように人間的に成長して、頼もしいトップスターとしてドーンと舞台に存在していました。
それは、真琴くんだけでなく、星組生全員です。
真琴君は「我々は」という言葉で表現していました。

公演が再開することになっても、お稽古場では、ソーシャルディスタンスをはじめとして、徹底的な感染予防対策に努めなければならないことで、なかなか思うように稽古も進まなかったと思います。
下級生は2チームに別れての出演となったため、役や出番が変わって、あらたに取り組まなければならなかった人もいたでしょう。
当たり前に出演出来ていた公演に、自分が出演できない、また仲間が出演できないという残念さも、辛さも大きいものだと思います。

様々な制限の中でも、自分たちを見つめ直したり、目的意識、責任感など意識の改革があったと思います。

そういう大きな苦難、苦悩を乗り越えて、舞台に立っている星組生たちは、5カ月前に宝塚大劇場に立っていた頃より、みんな良い方向に進化していたように感じます。
役は一層深められ、濃くなっていました。
何より笑顔が今まで以上に輝いていました。

礼真琴くんの進化
全般に出演者は、生オケではなく録音で歌うことに慣れていなくて、歌う時に今一つ歌えていないと思われる点がありました。特にテンポの速い楽曲で。
しかし礼真琴くんだけは、録音のオケであろうが、テンポがはやかろうが、何も関係なく完璧な感動の歌唱力!
お芝居から歌になっていく自然さが以前もスゴイなと思っていましたが、休止期間を経て、さらにさらに歌唱力全般の向上を感じました。

一人だけとんでもないセリフ量と歌の量ですが、自然体でくどさが全く無い歌い上げかたなので、歌がとても心地よく、いつまでも聞いていたくて、耳がとても幸せです。

ダンスも人並み外れた巧みさで、引きの場面で真琴くんがわからなくなっても、ダンスの巧みさですぐにわかります。
舞空瞳ちゃんとペアで踊ると、天才同士の舞で、ずっと感動の連続です。
黒燕尾の男役群舞も一糸乱れない揃い方なのは、真琴くんの指導力が大きいのだと思います。

舞空瞳ちゃんの進化
舞空瞳ちゃんの瞳花のお芝居の表現力が、とても進化していました。母性が感じられ、目の不自由な人らしさが伝わってきました。
しかし目に力が入ってせっかくの可愛いお顔が崩れて見えるのは残念でした。
瞳花の優しさ、強さも自然に伝わってきて、憑依したダンスにはさらに進化を感じました。
娘役らしい可愛らしさがさらに増していて、ピンクが良く似合う。ヒロイン力の進化もスゴイと思います。

愛月ひかるさんの進化
私は大劇場で観劇した時の記憶で、昨日の番手についての感想を書いていましたが、愛ちゃんの存在感がズ~ンと増していました。

芝居ではクセのある役を色濃く演じていました。
出番が少ないのは仕方ないことで、以前は「S14 亜里の地の一角」でのほんの僅かな出番にインパクトがありませんでしたが、今回は短くても強い印象に残りました。

ショーでも大人っぽい立派な立ち姿に目を奪われます。
2番手羽根の愛ちゃんは、自信に満ちたオーラがあり、スターとして大きく進化されているように感じました。

昨日の瀬央ゆりあさんとの違いは、羽根だけと書いたことを撤回します。あいちゃんごめんなさい。

元々星組は熱いパワフルな組で、新生星組ということで5カ月前からパワフルでしたが、今回の舞台は20人出演者が減っても、舞台に向ける熱い思いでパワーが炸裂していました。

一人ひとりみんな「マイナスと思える状況」を乗り越えて、ひと回りも二回りも成長されていました。
逆境をプラスに転換できるタカラジェンヌの前向きさとパワーには、本当に敬服します。

今の状況についつい沈みがちになりますが、前向きのパワーであふれている宝塚は、本当に元気と幸せの発信地だと思います。

『Ray‐星の光線‐』の瞳(眼球)について

『Ray‐星の光線‐』は、まばゆい映像の演出が凝っています。中村一徳先生らしいですね。
ショーのオープニングとエンディングで映し出される瞳(眼球)は、誰のものかご存知ですか?
礼真琴くんの右目だそう。
今度見る時は、「こっちゃんの目」と意識して見てくださいね。
幕がおりてから映し出される演出も新しいですね。


今日から『FLYING SAPA -フライング サパ-』の初日の幕も開きました。

3月末の東京遠征を中止にしてから4カ月。梅田で先に上演されることになったので、明日観劇予定です。
上演されても「謎???」が残るようで、「新しい宝塚」が展開?楽しみにしています。

今日から宝塚の公演が3組も上演されるようになりました。
宝塚が上演されているワクワク感、幸せですね。
どの公演も無事に千秋楽を迎えることができますように。

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