『エル ハポンイスパニアのサムライ』新人公演感想
こんにちは、くららです。
宙組『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』の新人公演を観劇してきました。
新人公演担当は、本公演と同じ大野拓史先生でした。

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主要メンバー3人が、102期2名103期1名という新世代の新人公演でしたが、歌唱レベルが高くて、演技力も確かで、頼もしいものでした。
いつも宙組は、超若手を重用しながらもレベルが高いのが素晴らしい!
でも主要メンバーが若いためか、今回はチケットが色々と余っていたようで、サバキの方もいました。最近の新人公演では珍しい。

蒲田治道・風色 日向(真風 涼帆)

・102期生 入団時成績6番。音楽学校文化祭主演経験者。
・『オーシャンズ11』の 新人公演では、ライナス(本役:和希そら)
・愛称、ひなこ。キキちゃんとそらくんからは「風の色は何色」と呼ばれ、現在の愛称は「ナニイロ」が多いよう。

突然の抜擢と言ってもよいものでしたが、その期待に演技力、歌唱力、立ち回りや所作などで、100%こたえられていたと思います。緊張していたと思うので、初主演としては。
声が良く、押し出しがあって、お化粧も映えていて、175センチの長身がいかされて、長髪の真風さんの衣装が良く似合っていました。
童顔なので大人っぽさに欠ける所がありますが、立ち居振る舞いで努力されていました。
175センチということですが、他の誰よりも高く感じます。
こんな「秘密兵器」が宙組に眠っていたのか!と嬉しい驚でした。

カタリナ・花宮 沙羅(星風 まどか)

・102期生 入団時成績4番。
・『オーシャンズ11』では、本公演の初エトワールを務め、新人公演では、3ジュエルズのルビー役で美声を披露。

「歌える娘役」として美声を轟かせ、聴かせてくれました。きれいな声なので、とても聴いてて心地よいです。
セリフがクリアで滑舌がよくて、台詞がとても聞き取りやすく、お芝居も上手で、今回の新人公演でのピカイチの輝きでしょう。
『元々の声が高い方なので、本役のまどかちゃんの低めのトーンで大人っぽいお芝居を学びたい』と「公演プログラム」に書かれていましたが、高い声に天真爛漫さがあふれていて、良かったと思います。特に高音が透き通っていてきれいなので、持って生まれた美声を大切にして、真彩希帆ちゃんのような存在になれるのでは、と思いました。

同期コンビの主役&ヒロイン。
互いに言いたいことを言い合って研鑽できる、同期ならではの良さがあると思います。
2人のデュエットも素敵でした。

アレハンドロ・亜音 有星(芹香 斗亜)

・103期生。入団時の成績は27番。音楽学校文化祭主演経験者。星組99期生蒼舞咲歩の妹。
・『オーシャンズ11』新人公演ではベネディクト(本役:桜木みなと)を演じ、堂々とした演技と歌の迫力には驚くほどでした。
本公演では、まどかちゃん演じるカタリナの旦那さん「パメラ」の声を担当。優しい顔したイケメンですが、「声がカッコイイ!」とも話題になっています。

新公2回目の大きな役ですが、もはや安心して見ていられるほど。お芝居も立ち回りもしっかりしていて素敵でした。

拳銃の名前キキちゃんVERSIONが、新公では、予想していた通りキョロちゃんVERSIONに。

「こいつの名前はなぁ、キョロちゃんって言うんだぜ。お前らキョロキョロすんな!」

予想通りな上に、「キョロキョロすんな!」がついていたので、客席大爆笑でした。

本公演でキキちゃんは安定して笑いをとっていますが、流石に研3のキョロちゃんには荷が重い!
間の良さを感じる時もありましたが、キキちゃんが男役13年の経験値と存在感、持ち前のコメディセンスで演じている役なので、全くその辺りが及ばないのは当然かと。
堂々とした演技力と中くらいの歌唱力、お芝居のセンスがある人です。
舞台上でキラキラとした華があるのが、宙組では珍しい逸材。
新人公演主演が巡ってくるのも、そんなに遠くないのでは、と思っています。
(『オーシャンズ11』から私はファンになって、本公演でもつい目で追ってしまうイケメンです。)

期待の105期生 藤乃…山吹ひばり(遥羽らら)

・105期生、入団時の成績は9番。・音楽学校文化祭主演経験者、
・入団時より「娘役で一番美人で有望」とファンからも注目され、本公演のショーではWトリオを務めています。

緊張していたためか、はじめは所作が学芸会風で、せっかくの美しい役なのに勿体なかったです。
「はるみち様」と言い続けるのも情感がこもっていなかった。遥羽ららちゃんがお上手なのだと改めて感じました。
和物のお化粧も今一歩で、本来のお顔の美しさがいかされていませんでした。
回想シーンを演じる難しい役なので、経験値の無い研1さんには難しかったのでしょう。次回に期待です。

99期は実力者揃い

99期は、今回が最後の新人公演となりますが、「長の期」として、安定感が抜群。
本公演と変わらない芝居の上手さで全体を締めていました。
西九郎…瑠風 輝(若翔 りつ)
貫禄と渋さで、蒲田治道の先輩さが全く自然。味がある演技が素晴らしい。

ドン・フェルディナンド…希峰 かなた(英真なおき)
悪徳ぶりが光り、敵役を楽し気に演じている余裕を感じました。
本公演の英真さんは身長が低いので、その感覚と共に役のイメージが頭の中にすり込まれているので、「小さく無い」ことに始めのうちは違和感がありました。完全に私側の問題ですが。

いつも思うことですが、お衣装部さんの身長差があっても、衣装の調整が自由自在にできるテクニック、まるでマジックのようです。
本役さんと新公出演者の身長差がある時に、衣装は大丈夫?と思ってしまうのですが、大概大丈夫なのですね。

レルマ公爵…澄風 なぎ(凛城 きら)
落ち着き有る振る舞いで、場を締めていました。

100期生

藤九郎…優希 しおん(和希 そら)
持ち前の身体能力を活かして、憧れの「和希そら」くんの役をいきいきと演じていました。歌が無い役だったから余計に良かったのかも。男前でした。

道化ニコラ…天彩 峰里(綾瀬 あきな)
ピンクの衣装に道化師のピンクのお化粧が似合っていて、表情や動きも可愛く、役に徹していました。
歌えるじゅりちゃんに全く歌わせないのは勿体ないと思いましたが、下級生が経験値を重ねるためには仕方ないのかと。本公演で歌唱力がいかされる役に巡りあえますように。

101期生

エリアス…鷹翔 千空(桜木 みなと)
新人公演主演2回や、外箱、バウで経験値を重ねているので、存在感が抜群。
本役さんと薔薇の扱い方が違っていたり、そういう本役との違いも安心して観れる安定感があり、役づくりも変えていて、余裕が感じられます。

103期

支倉常長……なつ颯都(寿 つかさ)
一度新人公演2番手を経験しているので、堂々とした落ち着いた演技が、もっと上級生のように感じられました。

王妃マルガレーテ……夢白 あや(美風 舞良)
美しいドレス姿で気品があって綺麗でしたが、笑顔だけの役は面白味が無く、脇役では光らないタイプのように見えました。
真ん中で、お芝居をすることが似合う人なのでしょう。

はる…栞菜 ひまり(天彩 峰里) 
本役のじゅりちゃんに似せて、そのまんまの可愛い演技でした。

104期生

道化セバスティアン…真白 悠希(留依 蒔世)
本役のあーちゃんには及びませんが、歌もお上手で道化師の面白さが感じられました。芝居のセンスがある人。

102期、103期の健闘

雪組・彩海せら君、星組・天飛華音君に続いて、風色日向くんは、今年3人目の「102期新人公演初主演者」でした!
娘役では星組の舞空瞳ちゃんがトップ娘役に就任、続いて潤花ちゃんが健闘していて、今回「美声の歌える娘役」として花宮沙羅ちゃんが大活躍。

103期では、今回は脇役にまわったものの、夢白あやちゃんが頭角をあらわし準備を整えつつあり、前回の月組の新人公演では、白河りりちゃんがヒロインを務め「美声の歌える娘役」として活躍しました。
亜音有星くんもそのうち新人公演主演を経験するはず、と私は勝手に思っています。

2020年の一番最初の雪組の新人公演については、主要メンバーに彩海せら君が入っているものの、新しさが感じられないものでした。
しかしその後は、新人公演の主要メンバーに、102期、103期、104期、105期という、若いメンバーが抜擢されていく可能性が高いと思っています。

出演者全員が「精一杯頑張ってチャレンジ」している新人公演は、観劇するだけでパワーの塊がもらえます。
新人公演のお稽古は本公演の終演後に夜遅くまでやる過酷なものだと聞いています。
そうやって、若い人たちが頑張って、新人公演で素晴らしい結果を残していっている宝塚は不滅だなあといつも思います。

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