『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』初日感想
花組初日観てきました。心に訴えてくる作品なので、ネタばれしないように書きます。

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明日海さんのビジュアルが最高
プログラムの表紙は、ポスターよりさらに儚く美しさが際立ち憂いをおびた近寄りがたい雰囲気でした。
幕があくと、プログラムの写真でみたまんまの“青い薔薇の精”が登場。
普通は写真と違って当たり前ですが、ビジュアルで絶対裏切らないのが明日海さんの真骨頂!

スカイステージ等の映像は、薔薇の精が青っぽすぎたことに少し違和感がありましたが、舞台での美しさは映像とは違って最高の美しさです!
本当に“人間離れした美しさ”は、美形すぎる上に研究しぬく明日海さんでしか魅せられないものだと再認識しました。エドガーやトートのように。

そして「青い薔薇の精」だからといって、着た切りスズメではありませんでした。
最後の白い薔薇の精が一番素敵で、印象的でした。

見終わった感想
「ハンナのお花屋さん」を見終わった時のピュアな感動がさらに増幅したような感じ。
心の深層にドーンと訴えてくる作品です。
芝居の最後に何を感じるかは、一人ひとり違うと思います。

“A Fairy Tale”は“あるおとぎ話”という意味だそうで、そういう雰囲気からはじまるので、メルヘン好き、ディズニー好きな方には、スッと受け容れやすいと思います。そういう点で私にはピッタリでした。
ダサク」という声も聞こえてきました。それは受け手の感性で違うのでしょう。

植田景子先生は、いつも一つのテーマに絞って訴えていらっしゃいます

“デジタル化が進んだ今こそ、人間が忘れてはならない、創造性や感受性の大切さを再確認する時ではないでしょうか”

“目で見えるもの”に振り回され、“目の前の現実”しか見えなくなりがちですが、そんな大人たちに、子供のころに出合ったどこか温かく懐かしいおとぎ話、夢や想像の世界と戯れる心、そしてそれらを読み聞かせてくれた人とのことを思い出してほしいという願い”

ラストシーンが素敵

植田景子先生が制作発表会で「ラストシーンが皆様の一生の宝物として残るようにと思っています」と仰っていましたが、まさにそう受け止めることができました。
ラストにかけて、舞台上にほとんどの出演者が登場して、先日までの星組公演と同じ「大円団」
一部エリザベートのラストシーンと似た、黄泉の国に上がっていく「一人エリザベート」状態。
明日海さんの歌い上げも圧巻でした。

「美しすぎる」「魂のこもった芝居上手」「ずば抜けた歌唱力」この三つが揃った明日海さんだからこそ、この役が演じられたと思います。
ビジュアル、実力、こだわりにおいて唯一無二

先の星組公演の『GOD OF STARS-食聖-』の主演を紅ゆずるさんしか演じられないように、『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』の主演は明日海さんしか演じられない!
聖乃あすかちゃんが新人公演で演じますが、彼女は「ポーの一族」のエドガーを、自分色で演じました。そういう感じでは演じられるでしょうが、そのまんまは絶対無理。
男役17年、トップスター5年半の集大成です。

花組懸念事項が払拭されたのでは?

華優希ちゃんがはまり役
シャーロット役の華優希ちゃんのお芝居がとても良かったです。
7歳から老婆まで巧みでした。
老婆での声の演技の使い分けに「役者魂」を感じました。

宝塚の公式ホームページの植田先生のインタビューで下記のように仰っていました。

心のある芝居ができる人だと感じていました。自然な演技ができています。本当に心根が素直で、何事にも一生懸命です。そのひたむきさ、素直さが周りの人に“愛しい”という気持ちを抱かせる、人間的な魅力を感じます。今回は“芝居で魅せる華優希”をどこまで引き出せるか、という点が、私自身にとってもチャレンジであり、とても楽しみです。」

ファンのはなちゃんへの反感が大きいですが、今日のお芝居を観て、植田先生の仰っていることは真実だと思いました。
植田先生は中々娘役さんを誉められません。その植田先生がここまで期待されているのですから。

ハーヴィの柚香光君が新境地開拓
わりとアクの強い役が多かった中、今回はごく普通の青年を好演していました。
しかも歌が歌えていました。銀橋でかなり長く歌っていた時も。
本当に見た目とは違って、中身はまじめな人だと感じます。真摯に役に向き合っているのでしょう。
明日海さんからの「花組の引継ぎ」を感じさせるシーンもありました。
次期トップスターということで、明日海さんから謙虚に一生懸命引き継いでいこうとされているのを感じます。

世間では「次期トップコンビが不安」とか言われていますが、全然大丈夫だと確信しました。

白い薔薇の精……聖乃 あすか
ほのかちゃんの体型が細くないとか言われていますが、白い薔薇の精、シュッとしていてカッコ良かったです。
シャーロットの幻[9歳]…都姫 ここちゃん、シャーロットの幻[11歳]…美羽 愛ちゃんと共に、セリフの無い踊りで表現する役でした。

印象に残った登場人物

・Mysterious Lady[謎の貴婦人]…乙羽 映見
「貴婦人」としての気高い品があって、歌唱力も素晴らしかったです。
今まで、目立つ役が与えられなかったことを残念に思いますが、退団公演で美声をとどろかせて下さり、とても存在感を残してくださって良かったと思います。

ニック・ロックウッド…水美 舞斗
老け役はありませんでした。奥様にひそかに恋心を抱く純朴な青年役。
歌も、ダンスも披露して、「ニコニコ」の笑顔が素敵でした。
昨日瀬戸かずやさんがスターカレンダー入りして、「花組2番手」と印象づけられましたが、芝居では、マイティの方が印象的な良い役だったと思います。

・おこげちゃん(明日海さん愛猫)似のぬいぐるみが出ていたとか?

長くなったので、ショーについては、次のブログに書こうと思いますが、階段降りの順番だけ記しておきます。

シャルム階段降り
エトワール芽吹

聖乃・飛龍・帆純

優波・綺城

城妃

水美 肩羽根

瀬戸 肩羽

柚香 2番手羽根



明日海

でした。
マイティは、瀬戸さんと同じ肩羽根をつけて、男役4番目の一人降りでした。
嬉しかったです。

シャーロット(華優希)の夫役が羽立光来くんが凄く悪い役で印象的でした。

 
振り付けの大石裕香さん、装置の松井るみさん、いつも植田先生の作品で見事な手腕を発揮されています。
フラワーコーディネート 櫻井忍さん ということ。
舞台の光景が美しいのも、植田作品の特徴で惹きつけられます。

この作品は本来の「宝塚作品」とは、全く趣が違うので、多分賛否両論あるのでは無いかと思います。
私のような者には、とても心温まる、ノスタルジックな作品良作であると感じました。

今日は「宝塚の殿堂」に行こうと思って、いつもより1時間以上前に行きましたが、その前にキャトルレープで買い物をしようとすると、待ち行列で30分以上かかり、結局殿堂に行けませんでした。こんなに待ち行列に遭遇したのは初めてです。入口近くからずっと壁沿いに行列ができているのです。
今日の当日券もとても多くの方が並ばれたようで、「始発前」でなければならないとか、異常事態のような、明日海さん人気スゴイですね。

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