『チェ・ゲバラの感想』が途中のところに台風についてのブログを書いてしまったので、中断していましたが、続きを書きます。
『チェ・ゲバラ』をパワフルな魂に訴えてくる作品に仕上げたのは、主演の轟悠さんの熱演があったからこそですが、月組生が対等に対峙した演技をしていたことも欠かせません。
芝居の月組の本領発揮といった作品でした。そして原田諒先生の配役も描写も絶妙でした。
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カストロ役風間柚乃の大健闘
月城かなとくん休演により、おだちん(風間柚乃)がカストロを演じることになりました。
カストロはゲバラの朋友で実際は2歳ゲバラより年上だったとのこと。
おだちんは、「エリザベート」のルキーニの、「武蔵」の本位田又八と、代役で本役に引けを取らない素晴らしい結果を残していたので、おだちんなら大丈夫だろうと抜擢され、そこに大きな期待があったのだと思いますが、期待は簡単に乗り越えたという感じでした。
実際に舞台を観て、29期の学年差があるおだちんが、ここまで堂々と演じ、轟のゲバラと渡り合える存在感と味を出せるとは、驚きでした。
一歩もひけをとっていません。ゲバラと同じような指導者としてのカリスマ性さえ感じました。
そして得意の歌唱力が十二分にいかされていました。お芝居だけでなく、朗々と歌い上げることができるのは、素晴らしい!
終演直後の突撃レポートで、轟さんが「絶対研6じゃなくて研16ぐらいじゃないかな」という程、堂々とした骨太な厚い演技でした。
まだ新人公演学年ですが、轟さんの仰るように「男役10年」を越えた即戦力の男役さんといっても良い逸材。
天紫珠李のアレイダは元男役だからこその役
反政府の地下活動をやっていた大学生が一人で山を登り軍資金を届けたり、共に銃をもって闘ったり、男役をしていた長身の肢体と身のこなしがピッタリでした。
お芝居も歌も、まだまだですが、今回は役がじゅりちゃん(天紫珠李)に近づいてきたともいえるほどの適役でした。それをこなせていたかは、まだ途上でした。
お化粧は以前よりは上手になっていましたが、娘役としては今一歩。彼女をみていると男役から娘役への転向は、そんなに簡単ではないのだと感じます。
男役から転向して期待の娘役さんだと思うので、轟さん率いるチームで重要な役を担った経験が今後の活躍に繋がると良いと思います。
少年役のきよら羽龍ちゃんは只者では無い
エリセオ・ガルシアという少年役で、顔に泥を塗って少年役に真摯に徹していました。やはり芝居が巧みで、今後娘役として抜擢されていくのかな、と思います。
ゲバラが「頭で考えること」考えるという行為の重要性をを少年ガルシアに伝えます。 ゲバラが、グアテマラで殺されたのは、そこの住民が圧政下の劣悪な状態でも「考えることをしなかった」から。 このあたりにも、考えさせられることがありました。 ゲバラが少年役のきよら羽龍ちゃんに一生懸命伝えていたことが印象的でした。 そして役を生きているきよら羽龍ちゃんは、さらに印象に残りました。 |
ガルシアの兄役は、まゆぽん(輝月 ゆうま)。キューバの大らかな農夫役ですが、ゲバラの活動に加わっていきます。
短いながら、ソロがあって印象的でしたが、もっと活躍して欲しい人。(役名のないその他大勢では活躍していました)
反政府軍ミゲル役の蓮つかさは光る存在
ミゲルの病気によってゲバラとカストロが出会うという重要な役どころ。男くさいゲリラ仲間の中では、一人だけ毛色の違う役で、心が開けない繊細で拗らせて悩む青年の表現など流石で、実力者だなと思いました。男臭さにあふれる髭の男たちの中で、色白なやさおとこの毛色の違うれんこんくん(蓮つかさ)の存在が話に厚みを加えています。
バチスタ付の軍人ルイス・ベルグネスの礼華はる
政府に仕えながらも、苦境にたたされたダンサーのレイナ(晴音アキ)を助けたり、反政府軍に加担する心優しい青年を、長身のぱるくん(礼華はる)が好演していました。
多分こんな大役は初めて。作りこめば作りこむほど訴えてくる役。この役が元々風間柚乃くんだったのかも?と思いました。おだちんが演じたら、その存在感がさらに際立ったようにも思います。
礼華はるくんと関係のある晴音アキちゃん演じるレイナは、蓮つかさ演じるミゲルの妹です。この話の中で、ダンサーとして娘役では華のある存在で、少ない出番ながら印象に残る役でした。
その他の印象に残る方たち
悪役二人
大統領バティスタ…光月るう 見た目は普通ぽいが、心の中は俗的な金の亡者の身勝手さが良く出ていました。
話の中では「反バティスタ」と良く出てくるのに、そのバティスタはどんな大物悪党かと思ったら、こんな小物で、小物感を漂わせているのも役づくりでしょう。
ニューヨークのマフィア…朝霧真 金の力で牛耳っている悪ぶりが、顔の雰囲気などの個性にとてもマッチしていて「黒さ」が象徴されていました。
この悪役二人は、イゲル村でゲバラが最後に処刑される場面でも、別の役として登場していました。
ゲバラは自分を撃つ兵士にも言葉をかけ、印象的なシーンですが、この二人がそこでも「悪」として存在していて、面白い配役だと思いました。
ゲバラの友人エル…千海華蘭 はじめに客席から登場して客席にもからみ、爽やかな明るさが、重苦しい物語の清涼剤のような感じでした。
若い役に見えながらも轟悠のゲバラと友人という関係もうなづける存在感があり、若くみえても研14で確かな演技力が話をひきしめます。ゲバラに影響を受けて祖国に
ニューヨークタイムズの記者…佳城葵 冒頭では、観光客を演じていましたが、第三者的のストーリーテラー的な感じも担っていました。何を演じても芝居達者。
イケメンの若手たち
蒼真せれん98期生。愛称は「うっちー」
ゲリラ仲間に、ヒゲのモジャモジャの超イケメンがいました。月城かなとくんばりの美形で長身。「稽古場ニュース」にも登場していた蒼真せれんくん!98期生ということで、今まで暁千星くんの影にかくれて、あまり目立つ役は無かったように思います。
お芝居にまだ慣れていないようでしたが、気の強いゲリラたちの中では、髭もじゃもじゃに似つかわしくないやさしさがあふれる演技が感じ良かったです。
イケメンで長身でやさしい笑顔、これから注目していきたいと思います。
瑠皇りあ103期生。愛称「ルオリア」
顔の綺麗な子だなと、視線を奪われました。これから抜擢されていく予感。
『ON THE TOWN』組ですが、101期の彩音星凪君も舞台でキラキラと輝いていて素敵でした。そのうち抜擢されるかな?と思っています。
100期の風間柚乃くんは、もえ新公をする必要がないほど出来上がっているので、これから101期以降で抜擢されていくでしょう。
『チェ・ゲバラ』は、轟さんと拮抗するぐらい月組生の頑張りが半端なく感じられる素晴らしい舞台でした。
この舞台の成功が自信となり、一人ひとり轟さんから学んだことも多く、この経験が次の舞台にきっと生かされ、さらに良くなっていくと思います。
今月の終わりごろには、『I AM FROM AUSTRIA』の集合日があるとか。制作発表会もあるようです。
月城かなとくんの元気なお姿を見るのも楽しみです。
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