月組「桜嵐記」新人公演感想
こんにちは、くららです。
昨日の月組の新人公演「桜嵐記」の感想を書きたいと思います。
昨晩は、いろいろと所要があって疲れてしまって書けませんでした。

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やっと再開された新人公演は、本公演にも負けない大熱演で、新人公演とは思えない、芝居の月組らしい完成度でした。

出演者たちがこの日をどれだけ待っていたことか、全身全霊で舞台にぶつかっていて、終始胸が熱くなりました。

そしてこの日を待ち続けた客席も熱く、万雷の拍手が鳴り響きました。
また、本公演と同じように、すすりなく声が多く聞かれました。客席の感涙からもレベルの高さがわかります。

新人公演演出担党は熊倉飛鳥先生

「新人公演担当」として初めての先生のように思います。

本公演では、至る所で、上から横から沢山の桜吹雪が舞います。新人公演では、控えられるのかな?と思っていましたが、本公演と同じように多くの桜が舞っていました。他もほぼ上田先生の本公演の演出通りでした。

ただ一つ違ったのは、ラストの出陣式の正行と後村上天皇の台詞

珠城さんは「皆さま、お別れを」でしたが、

礼華さんは、「皆さま、出陣いたします」でした。

暁千星くんは 「戻れよ!」でしたが。

彩路ゆりかくんは 「生きろよ!」でした。

これからの花開いていく新人さんたちのために、「死に軍」前提の本公演のサヨナラ仕様ではなく、「これから」頑張っていく新人さんたちを応援する言葉に変更されたのですね。

壮一帆さんサヨナラの2014年6月24日の雪組新人公演

「一夢庵風流記 前田慶次」の新人公演では、お芝居ラストの壮一帆さんの「散らば花のごとく」のセリフが、
月城かなとくんで「まもなく満開ぞ!」に変更されていました。
れいこちゃんが、このセリフの通り大成して、次期月組トップスターとして、大きく花を咲かせていこうとしています。

主演3役について

楠木正行【珠城 りょう】…礼華 はる(101期)
小顔で178センチの長身で、和物が似合うかな?と思っていましたが、堂々たる若き武将姿でした。

出だしは緊張していましたが、すぐに安定して、よく通る低い声が良く、押し出し強く演じていました。
ポーカーフェイスというか表情が出にくいお顔立ちですが、朴訥とした誠実な武将らしさの良い持ち味になっていました。
真っ直ぐな熱い芝居が正行にピッタリでした。本公演の珠城さんには、静と動がありますが、ばるくんは「動」押しという感じでした。

弁内侍【美園 さくら】…きよら 羽龍(104期)
滑舌が良く、鈴を転がしたようなよく通る声はヒロインにぴったりで、情感のこめられた歌声も美しく、いつまでも聞いていたい思いでした。
お芝居も上手で、復讐心に満ちていた女性の心の変化を、巧みに演じていて、儚げな女性らしさと凛としているところが共存しているところが良いです。

圧倒的な歌唱力と情感のこもったたおやかな芝居力。
ショーではダンサーとして大活躍していますし、「3拍子そろった実力」としては、若手1番のような気がします。

楠木正儀 【月城 かなと】… 彩音 星凪(101期)
ヤンチャで天真爛漫で軽さのある演技がとても正儀の個性を浮き出させていて、良かったです。 歌唱力が上達していました。
整った顔立ちで目がきいているところが良く、やはりハンサムさんは舞台で華があり、活きます。
月城かなとくんのように河内弁に長けていないためか、河内弁のイントネーションは少し控えめでした。

「長の期」100期が大活躍

楠木正儀(晩年)【光月 るう】…風間柚乃(100期)
冒頭、下手からせりあがってきて「南北朝時代へ、そして新人公演へようこそ!私緊張しております。」と軽妙にご挨拶をされましたが、「緊張」の所で笑いが起こっていました。大半の方が「あなたが緊張するはずがないでしょ」と思った笑いだったような。

声が通って滑舌も良いし、老けた化粧でも美男子で、到底新公演学年とは信じられない存在感ですが、一人での説明台詞の時は、少し緊張されていたように思えました。
物語終盤の晩年の弁内侍との芝居になって、従来の芝居上手な良さが戻っていました。
彩音くんの若い正儀の河内弁は今ひとつでしたが、おだちんの河内弁は、自然で様になっていて、老けた落ち着いた声も、たたずみ方も、所作も完璧で、光月組長の代役として本公演にいつ出演しても何の問題もない流石の出来だと思いました。

高師直【紫門ゆりや】…蘭 尚樹(100期)
紫門ゆりやさんと同じような、徹底的な悪役メイクで、見た目もバッチリ。
芝居も、悪どさ、狡猾さに満ちていて、貫禄があり、ドスの利いた声で、紫門さんに負けないインパクトのある高師直でした。
最後の新人公演を有終の美で飾られました。そして「長の期」の真摯なご挨拶も良かったです。

阿野廉子(楓 ゆき)…桃歌 雪(100期)
本役の楓さんに負けないぐらい威厳と気品があって、説得力のあるお芝居がとても良かったです。
今まであまり馴染みがありませんでしたが、これから「スカイ・ナビゲーターズ」としても活躍されます。歌もお上手です。

楠木久子 (香咲 蘭)……夏風 季々(100期)
退団される香咲蘭さんの役を退団する季々ちゃんが熱演されていました。
母親としての威厳はありましたが、元々可愛い容姿なので老けた迫力のある演技は難しかったように感じました。

大田佑則【春海 ゆう】…空城 ゆう(100期)
四条隆資 【白雪 さち花】… 妃純 凛(100期)

100期生が特別措置で出演されましたが、「長の期」としてお芝居全体を締める役割を担っていらっしゃいました。
「長の期」を経験できたことは、これからの宝塚人生にいかされることでしょう。

その他配役

後醍醐天皇【一樹 千尋】…真弘 蓮(104期)
圧のある声で、堂々と難役をこなされていました。
これから先が楽しみな下級生です。

ジンベエ【千海 華蘭】…柊木 絢斗(102期)
からんさんと同じ大阪出身なので、ネイティブな河内弁も良く、芝居上手で、人情味あふれる人柄が伝わってきました。
からんさんの独特の軽妙さは、年季の入った上級生にならなければ出せないものなのだなと思いました。

楠木正成(父)【輝月 ゆうま】…大楠 てら(102期)
輝月ゆうまさんが立っているのかと間違えるほど、佇まいも似ていて存在感があり、芝居が良かったです。
「楠木の歌」も情感がこもっていてお上手でした。

楠木正時(次男)【鳳月 杏】…一星 慧(102期)
178センチの長身で、朴訥な雰囲気が、3兄弟の中で一番普通な正時であることに合っているように感じました。

後村上天皇【暁 千星】…彩路 ゆりか(103期)
暁千星くんの姿、話し方を、そのままコピーして演じている感じでしたが、よく通る高めの声が役に合っていて、品がありました。

足利尊氏 【風間 柚乃】…瑠皇 りあ(103期)
髭をつけても、華のあるイケメンで、プリンス感があふれていました。
風間くんのような貫録はありませんが、華のある存在感が輝いていました。
(私が注目しているから、余計にそう思ったのかもしれません)

一平太(楠木の郎党)【颯希 有翔】… 毬矢 ソナタ(103期)
退団される颯希さんが「楠木の歌」を2回歌われ、心に響きますが、毬矢ソナタ君もお上手でした。

「美園さくらミュージックサロン」で活躍していた瑠皇くん、毬矢くんは、月組の若手ホープだなと思いました。

大田百佑(英 かおと)…遥稀 れお(105期)
イケメンで長身の遥稀くんにも目を惹かれました。今後の活躍に期待です。

娘役さんたち

弁内侍(晩年)夏月 都…天紫 珠李(101期)
落ち着いた老け役がとてもお上手でしっとりしていて、「芝居上手」だなと、あらためて思いました。
これだけ芝居力があったら、本公演での活躍の場は広がりそうです。

仲子(白雪 さち花)…結愛 かれん(101期)
名子(晴音 アキ)… 蘭世 惠翔(102期)
ふたりとも色っぽくて、芝居上手で、美しくて。妖艶さでは本役さんを超えているように思いました。

祝子(蘭世 惠翔)… 詩 ちづる(105期)
終始うつむき気味だったので、あまりお顔が見えず、地味な感じでした。本公演の湯浴みの侍女の役の方が印象に残りました。

中宮顕子(天紫 珠李)…白河 りり(103期)
出陣式前日の庭のシーンの影ソロを担当されていました。少し緊張気味でしたが、きれいな歌声です。
本公演の方はプログラムにお名前が記載されていないので、誰が歌っているのかな?と気になっています。
正行の詠んだ和歌の返しの歌を詠むところなどをはじめ、少々早口気味なところが残念でした。

饗庭氏直(結愛 かれん)…菜々野 あり(102期)
本公演の花一揆でも凛々しい顔つきですが、饗庭氏直はさらに凛としていて、とても存在感がありました。

弁内侍(少女)【きよら 羽龍】…美海 そら(104期)
ロケットでも目を惹く美海そらちゃんは、お芝居もお上手でした。

103期の白河りりちゃん、105期の詩ちづるちゃんが、今回ヒロインを演じたきよら羽龍ちゃんと共に「月組の有望3人娘」として期待されていますが、今回はヒロインを演じたおはねちゃんが一躍最前線に踊り出たような印象をもちました。

新人公演の三兄弟は、 長男正行:礼華はる(178cm)、次男正時:一星慧(178cm)、三男正儀:彩音星凪(173cm) 、父親 正成:大楠てら(180cm)と、驚くべき長身親子の中、母親役の久子:夏風季々ちゃんは、160cmです。ヒロインのきよら羽龍ちゃんも161cm。

身長差17センチの主演カップルのラブシーンは、ピッタリ寄り添っていて違和感はありませんでしたが、やはり差は感じました。

超長身の男役さんと小柄な娘役さんのという、ちょっと不思議な月組新人公演でした。この身長差の新人公演は、これからも月組では続いていくのでしょうか?

何はともあれ、新人公演が復活して、本当に良かったです。
次の宙組、雪組と無事に続いて上演していけますように。

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