月組『FULL SWING!』観劇感想と人事
こんにちは、くららです。
月組大劇場公演の『FULL SWING!』の感想を書いていきたいと思います。

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月城かなとさんの売りは歌と芝居

新しいトップのお披露目公演のショーに、そのスターの「売り」が打ち出されます。
「ダンス」は、花組の柚香光さん、雪組の彩風咲奈さん。
「歌とダンス」は、星組の礼真琴さん、と言った感じに。

月城かなとさん売りは、お芝居だと思います。

「歌」の月城かなと
幕開き、黒のソフト帽と金のトレンチコートに身を包んだれいこさんが、月をイメージした大きな赤いリングの向こうにせり上がって来て、「shooting the moon(月を射る)」を歌うところから始まります。

ショーの間、何曲もれいこさんの歌唱シーンがあります。「My Way」を歌うシーンも!

そしてフィナーレの冒頭も、月をイメージした大きな紫のリングの向こうに、れいこさんが大階段の中央に板付いていて、歌うシーンから始まります。

(れいこさんは大階段を降りた後に、大きなリングをピョンと飛び越えます。つまずかないかな?と毎回ヒヤヒヤしてしまいます。フィナーレにこのリング必要なのでしょうか?)

何曲歌われていたでしょうか。れいこさんのJAZZの歌声は、ソウルフルで耳に気持ちの良く響いてきて、どれも本当に良かったです。

「芝居」の月城かなと
お芝居したてのシーンが2つありました。

第4景「Le Cafe~ジャンゴに捧ぐ」
軍服姿のよく似合うキリリとしたれいこさんが拝めます。
物憂げなれいこさんの表情の変化がストーリーを語ってくれます。

戦場で恋人を思っていると、いつのまにかパリのカフェにいて、恋人の海乃美月さんと、感情あふれるセクシーなダンスを踊り…。

公演プログラムと「歌劇」の座談会の内容で話を理解できました。

話の内容が理解できなくても、二人の醸し出す雰囲気がとってもアダルトで素敵です。

第6景 「ミッドナイトイン巴里」
れいこさんは、白地に縞模様のスーツの暗黒街の男。このストライプのスーツはギャングの定番です。
れいこさんが変な流れで宝石を手に入れると、宝石を奪おうとする鳳月さん演じるボスとその情婦の海乃さんの罠にかかってしまって、結局宝石を取られて悔しい思いをすることに。

赤いスパンコールのスカートの海乃さんは悪女設定で、鳳月さんと三角関係と思いきや、しかけられた罠。

結局手玉に取られて騙されてしまって、悔しがるれいこさん。少々格好悪いところもありますが、そんなれいこさんも魅力的。

「芝居の月城かなと」には、芝居巧者の海乃美月さんがピッタリです!

そしてダンスの得意な海乃さんが、軽やかに踊ることで、二人のダンスも映えます。

博多座公演を観て、月城・海乃コンビの相性の良さを感じましたが、更にお披露目公演で感じました。
二人をコンビニにした劇団は、人事の妙を知り尽くしていますね。

月組の新体制の布陣がはっきりわかるショー

はじまりのシーンで、月城さんが金色のトレンチコート、鳳月杏さん、暁千星さん、風間柚乃さんが銀色のトレンチコートを着ていました。

冒頭から「新しい月組はこの4人が主要メンバーですよ」とバーンと打ち出されて、それがこのショーの基本形です。

トップスター……月城かなと(95期)
2番手……鳳月杏(92期)
3番手……暁千星(98期)
4番手……風間柚乃(100期)

この4人が歌えるので、ジャズをとっても心地よく聞くことができます!

風間さんのパワフルな、はずした歌い方に、とっても本格的なジャズらしさがあります。主演のバウ「LOVE AND ALL THAT JAZZ」の経験がいかされていました。

しかし、終始テンポがはやいので、手拍子を入れようとしたら、裏で打つのがいいのか、どのタイミングがいいのか、迷ってしまいます。
これは回数を重ねたら手拍子が合ってきて、楽しめるようになると思います。

羽根より「公演プログラム」の方が人事を語る?

3番手羽根は頻発しない

暁千星くんが羽根を背負わなかったことが話題になっていましたが、私は今回はこの形が自然だと思いました。

小粋でお洒落で大人っぽいJAZZの世界観のショーには、大羽根の次はモフモフの肩羽根が、合っていたと思います。

ファンは目に見えるものに心がとらわれがちです。
フィナーレの羽根の大きさは、とってもわかりやすいので、それで人事を計ろうとしますが、ショーを観れば、「暁千星推しています!」が一貫していることがはっきりわかります。

彩風咲奈さんが「3番手羽根」を背負ったのは、早霧せいなさん退団公演の『Dramatic “S”!』の時1回だけです。
早霧せいなさんお披露目公演の『ファンシー・ガイ!』では、彩凪翔さんが彩風さんの後に階段を降りられました。その次の博多座公演から、逆転して彩風さんが彩凪さんの後に階段降りるようになり、雪組3番手でしたが、羽根を背負ったのは早霧せいなさんトップ時代の最後の公演だけでした。

最近は「3番手羽根」に対してとても慎重になっています。

期待に100%こたえていた暁千星くん

歌にダンスにホント大活躍で、ダンスが素晴らしいのはみんな知っていることですが、歌もさらに上達して安定感がありました。
お芝居も空気を変える存在感があって貫録さえ感じました。殻を破っていっています。

公演プログラムに、暁千星さんが鳳月杏さんとほぼ同じ「2番手」のサイズで掲載されていたことは、それまでの2分の一サイズの「3番手~」から出世したことを物語っていると思います。

これから2人推し?

2022年、月組暁千星くん花組永久輝せあくん対のような形で上げていくのだと思います。
1人推しでは逆風が強いから、2人推しで。

東上主演公演
永久輝せあ主演 花組『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』
3月25日~4月14日 梅田ドラマシティ/東京建物 Brillia HALL

暁千星主演 月組『ブエノスアイレスの風』
5月3日~5月26日 日本青年館ホール/梅田ドラマシティ

95期の礼真琴くん、柚香光くんも、ほぼ同じタイミングで同じようなステップアップをしながら、トップスターに昇りつめてきました。

紅ゆずるさんと明日海りおさんは続けて退団されたので、礼真琴くんと柚香光くんは続けてトップに就任しました。

通常トップスターが続けて退団されることは無く、各組によって状況が違います。

2人がトップスターに就任する時期は違うでしょうが、同じ方向に向かって進んでいることは間違いないでしょう。

ありちゃん(暁千星)の背が伸びたように感じました。
『Dream Chaser』の中詰め、珠城りょうさん、鳳月杏さん、ありちゃんの3人が並ぶ所や、『ON THE TOWN』で3人が並んだ時に、3人の身長に差は感じませんでした。

しかし今回は鳳月さんより、ありちゃんの方が高く見えました。何度も見直しましたが、どのシーンでもそうでした。

多分、今までは一人だけ突出した高さにならないように、ヒールの高さで調整されていたのでは?と思います。
今回から人に合わせるのではなく、自分の「売り」を打ち出す方向にしたのかな?と私は勝手に感じました。(私の思い込みだったら、ゴメンナサイ。)

ロケットボーイの演出変更
黄色いスーツのありちゃんが歌って踊って登場して、途中から猫耳と尻尾をつけたロケットの猫たちと絡んだ後、去っていきます。

2日に観た時は無かったと思うのですが、手を差し出して「スウィング キャッツ!」と紹介するシーンが増えて、ロケットボーイらしさがとっても増しました。

(黒い背景で、黒い猫耳と尾っぽをつけた黒い衣装でのロケットなので、せっかくの可愛さが目立たないのが、残念だなと思っています。)

4人の新人さんが、ありちゃんと絡んで踊ります。
真弘漣(104期)、和真あさ乃(106期)、澪花えりさ(107期)、一輝翔琉(107期)
最初にありちゃんと絡んでいるのは、和真あさ乃くんかな?
今年の初詣モデルの一輝翔琉くんも、存在感抜群!

ありちゃんが5分間踊り続ける「ノマド」でも、一輝翔琉くんが最下級生で踊っていました。やはり目が惹かれます。

娘役さんの序列について

フィナーレの娘役の階段降りは
エトワール 白河りり・風間柚乃・きよら羽龍

彩みちる天紫珠李

組替してきた彩みちるちゃんは、銀橋を一人渡りしながら歌っていました。
天紫珠李ちゃんは、白河りりちゃんきよら羽龍ちゃん3人渡りでした。

今回の公演で、白河りりちゃんが路線に復活しました。
芝居で2役がついて、せり上がりをしていたきよら羽龍ちゃんの方が、バウホールのヒロイン経験もあるので、1期上の白河りりちゃんより上でしょう。

並べると下記の順番かな
・彩みちる(99期)
・天紫珠李(101期)
・きよら羽龍(104期)
・白河りり(103期)

ショーで活躍していたのは、彩みちるちゃんより、天紫珠李ちゃんでした。
雪組では、夢白あやちゃんが活躍しているように見えても、フィナーレの並びは彩みちるちゃんと夢白あやちゃんは同格でした。ヒロイン経験の多いみちるちゃんは、何かと良い位置に置かれます。

彩みちるちゃんが月城さんとコンビニなるということは無いと思いますが、お芝居重視の演目の予定があるのかもと思います。

この4人の中で誰が飛びぬけてくるか?と言うと、きよら羽龍ちゃんだと思います。

月城・海乃コンビは添い遂げるのか?お披露目公演を観るとそんな感じがしますが、こればかりはわかりませんね。

一乃凛ちゃん全日程休演
本日、月組公演を休演していた106期の一乃凛さん107期の朝雪薫さん全日程休演が公表されました。
一乃凛ちゃんは怪我のために休演になると12月23日に公表されましたが、既にプログラムの印刷は済んでいたようで、公演プログラムに一乃凛ちゃんのお名前の記載が沢山ありました。

暁千星くんのセンターの「第2景No Rain,No Rainbow」での影ソロ。プロローグとフィナーレのwトリオ。白雪さちかさん、静音ほたるさんとのシンガーズなど、歌のシーンで活躍予定のようでした。
風間さん主演のバウ「LOVE AND ALL THAT JAZZ」でも美しい歌声を聞かせてくれていました。
復帰しての活躍を楽しみにしています。

今回のショーはとってもアップテンポなので、出演者たちはそれに合わせて踊っていて、とてもハードだと思います。ダンスの得意な人たちは、どのシーンでも驚くほど起用されています。
どうか怪我をされることがないように、宝塚でも東京でも無事に千秋楽が迎えられることを願っています。

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