「端っこにいた自分、でこぼこ道」星組千秋楽感想
星組『GOD OF STARS-食聖-/エクレール ブリアン』の千秋楽をライブビューイングにて見てきました。

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紅ゆずるプロデュースのサヨナラショーが素晴らしい!

「紅ゆずるが、皆さんに笑ってほしいと、考えて作ったサヨナラショーです」と組長さんから紹介がありました。
ファンの観たいが集約されたサヨナラショーでした。
紅さんがファンの心を手に取るように理解されていることが、ドシンと伝わってきました。
そして退団者のシーンを沢山設けて、みんなに花をもたせ、星組のチームワークの良さも。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、2人がトップになる前の作品ですが、ブロードウェイ作品なので音源も映像も残っていません。もう一度聞きたかった作品です。

・ひとかけらの勇気(スカピン)
・オームシャンティオーム 麻央・如月・綺咲から全員
・夢を売る男(オーシャンズ11)
・俺を告訴しろ〜(ガイズ&ドールズ)礼アデレイド&紅ネイサン
・あなたを見つめると(スカピン)綺咲ピンクの衣装で

紅子さん登場

・Killer Rouge 麻央・如月銀橋
・エストレージャス 礼・麻央・如月・蓮月銀橋
・あなたこそ我が家(スカピン)大階段二人白の衣装で
・SevenWonders(キャッチミー)二人で
・GoodBye(キャッチミー) 赤薔薇銀橋から撒きながら
・ありがたや(アナザワールド)華形&汝鳥も
お鈴のチーンで終演

さゆみさんの温かい心を感じれば感じるほど、懐かしいシーンを思い出せば出すほど、涙が出て止まらなくなってしまいました。

紅子さんについて
紅子さんの本名は、「星小路紅子(ほしのこうじ・べにこ)」だそう。
客席係なのに初めて舞台の上に立ったということで、紅子さんは「なんでも触っとこ」と舞台機構をペタペタと手や足で触りながら記念に残していました。
(紅ゆずるさんは、音楽学校の受験の時、そのお部屋の中の全てのものに記念にと触られまくったそう。)
客席いじりの時に、「泣いてんの? 笑ってんの? どっち?」と言うと、「泣いて笑って忙しい!」と客席から反応がありました。

先日瀬央ゆりあさんが、ラジオ出演の時に客席のことを「泣いて笑って忙しい」と表現されて、上手な表現方法だと感心しましたが、綺咲愛里ちゃんもご挨拶の中で使っていました。
星組界隈での流行語のようです。今回の星組の芝居もショーも、サヨナラショーも、まさに客席は「泣いて笑って忙しい!」状態です。

紅子さんは、最後に「今まで応援してくださって、ゆずるちゃんに代わっておれい申し上げます」と舞台上で正座して、頭を下げていました。

客席の反応に対して実にフレキシブルに応答される紅子さん。こんなアドリブ能力のあるスターは、宝塚では初めてだと思います。
この紅子さんキャラ、ここで終わりにせず、外部で活動される時もぜひ活用していただきたい。
紅子さんキャラだけでなく、さゆみさんそのもののコメディセンスも。
お笑い大好きで、コメディに通い続けている私は、紅ゆずるのお笑いセンスは、超一級であることに太鼓判がおせます。
そしてプロデュース力も。「紅5」の時から、その力も特別秀でていると感じています。

クールでなかったあーちゃん

退団記者会見でも、あーちゃん(綺咲 愛里)は一粒の涙も流さず、クールにふるまっていましたが、今回は違いました。
大階段のご挨拶の一言めから、感極まって涙が流れ言葉がなかなか出てきませんでした。
「幸せな気持ちとさびしい気持ちが交互に押し寄せる毎日で、心がとても忙しかったですが、それでも幸せが勝っていたのは、さゆみさん、笑いの絶えない星組のみんな、何よりファンのみなさまのおかげです」

カーテンコールでは
紅さんの「あーちゃんが相手役で良かった!」
という言葉を聞いて、顔をクシャクシャにして号泣していました。

度重なるカーテンコールで(トータル6回)、紅さんからコメントをと言われて
「さゆみさん、大好きです!」とこたえたら、私への言葉で無く、皆さんにと言われて
少し呼吸をおいて、きちんと思いをまとめて、ご挨拶されていました。

あーちゃんは、トップ娘役になる随分前から見ていますが、紅さんとコンビを組むようになってから、回を重ねるごとに成長されていることを感じます。
今日のサヨナラショーでのマルグリットの歌など、2年前と全然違いました。
話をふられたら、しっかり応えられるようになったことも。

立場が人をつくる』と言われますが、さゆみさんの包容力の中で、共に努力することで、上達し、強くなっていったのでしょう。
本当に「公私ともに最高のコンビ」であり、ラブラブ感が微笑ましく、多くの夢を魅せていただけて、理想のコンビだと思います。

饒舌では無かったさゆみさん

この公演の初日のご挨拶の時から、決まった言葉しか話されず、いつものさゆみさんと違うな、と思っていました。
今日の大階段でのご挨拶も。
はじめは、泣いてしまう事を回避されていたように感じましたが、涙がながれてからは、言葉が少しずつ増えていきました。
カーテンコールで、「『言葉にできない』という小田和正さんの歌がありますが、本当ですね」と感無量という感じで仰っていました。

ただ、「端っこにいた自分、でこぼこ道」という内容を強調されていたことを、サヨナラショーの前に組長さんが代わって読まれたメッセージや、さゆみさんのお話の中から感じました

『私の成績は褒められたものでは無く、舞台のすみが私の定位置。
自分は、いらない子なのではないかと、落ち込んだり。
それをそのままにしておいてくれないのが、星組です。
舞台の隅にいるからこそ、頑張らないでどうする、愛のムチ、自主稽古。
私を見つけてくれるお客様はいると信じていたら、見てくれる人はいました。
お手紙で励まされ、そう思えたことがどれだけ励みになったか。』

「私が今、ここにいるのは、あきらめなかったから。あきらめなければ、夢はかなう。宝塚がそのことを教えてくれました」

この「端っこにいた自分、でこぼこ道」というのは、昨日私が書いたブログの内容に通じます。


さゆみさんが研7の時、星組には88期の同期が7人いましたが、成績の順番はさゆみさんが最後。
「愛するには短すぎる」の新人公演で和涼華さんの役を1度やったものの、それ以外の新人公演は脇役。
調べてみたら、さゆみさんは研6まで、ショーでは、黒燕尾などの男役ダンスでは無く、ロケットに出演されていました。

それが、『THE SCARLET PIMPERNEL』の新公主演のパーシー役の成功によって、スポットライトを浴びる位置になっていきました。

その抜擢後のインタビューで、
「紅ゆずるは100%自主稽古で出来上がっています」ということを語っていらっしゃいました。

星組という熱い組で、練習に練習を重ねて、度胸で乗り越えてこられたのでしょう。
88期星組男役というと、私は麻尋しゅんさんは良く知っていましたが、彼女は『THE SCARLET PIMPERNEL』の新公ではショーヴランを演じ、安蘭けいさんの退団の時に一緒に退団されました。
さゆみさんとの話も、また機会があれば書きたいと思います。

「端っこにいる生徒も見てあげてください」と言う言葉も仰っていました。
96期の朝水りょうさんは、入団時の成績は最下位でしたが、5月の全国ツアー『アルジェの男/ESTRELLAS~星たち~』では、ボランジュ総督やダンスでも活躍され、話題になりました。
今後が注目されています。
「首席」も努力の結果で素晴らしいと思いますが、成績が悪いからと言って、「いらない子」では無いということを、さゆみさんは伝えたかったのだと思います。

タカラジェンヌとしてご自身が「でこぼこだらけ」の道のりを歩まれたからこそ、いつも温かく組子に接してこられ、自然に「端っこにいる生徒も見てあげてください」と言う言葉が出たのだと思います。
今の星組は、本当に個々の関係性がよさそうで、組のまとまりが素晴らしいと思います。
ライブビューイングでは、それぞれの表情が大写しになるので、いきいきとしていたり、涙していたり、よく見ることができて、その表情からも組子の良い関係性を感じることができました。

紅さんのやさしさ、人柄、人間性があってこそ、『GOD OF STARS-食聖-/エクレール ブリアン』の公演が特別素晴らしい作品になっていると思います。

宝塚大劇場公演は終わってしまいましたが、東京公演がますます盛り上がりますように。

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PS 昨日、今日の天気が晴れだと間違ったことを書いてしまって、ごめんなさい。
我が家のお天気研究家の夫に聞いたのですが、間違えていたようです。