「20世紀号に乗って」観劇の感想
「『20世紀号に乗って』は円盤化ができない」という回答がTCAさんから出たそうですね。残念です。

観劇するまでは、「円盤化できないようなブロードウェイミュージカルをどうして選ぶの?」と思っていましたが、実際に観てみるとトップ二人にピッタリすぎる作品だったので、どうしても実力派の二人にやらせたかったのだなと感じました。
円盤化できなくても、スカイステージで放送されるとか、何か別の道が残されているといいですね。

3月26日に2回観劇した感想を記したいと思います。

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オペラグラスを定めるのが難しい舞台

ステージ上の列車の個室でお話が繰り広げられていて、スポットライトがあたっているお部屋がお話の中心ですが、当たっていないお部屋の中でもお芝居をされています。(望海さんや真彩ちゃんにスポットライトが当たっていない時も)
オペラを持っていても、全部追えないので、オペラを手放し肉眼で目をこらして必死にみていました。視力10.0ぐらい欲しかったです。

映像に残すとしても、何分割かが必要になるような、映像化が難しいかなと思えるフリーダムな作品でした。

雪組のコーラスも素敵

望海さんが組替えをされて雪組にいらしてから、雪組のコーラスがメキメキと上達しているのを感じています。
今回もコーラスも良かったです。朝月希和さんや羽織夕夏さんが頑張っていらしたのかな?
役付きのメンバーも彩凪翔君や真那春人君をはじめとして、歌が上達されているのを感じました。
トップコンビが歌でグイグイと引っ張ってくれると、全体に波及するのですね。

二幕が断然楽しい♪

もの凄~く期待して行って、一幕でも笑っていましたが、一幕が終わった時は「なんだ、こんな感じ?!」と少し思いました。ドタバタと展開しただけでした。
しかし二幕はお話にのめりこめ、爆笑の連続でした。

各出演者についての勝手な感想

オスカー・ジャフィ…望海 風斗
髭のある「イケオジ」が似合いすぎ。
一番最初のパロディの通行者を除いて、オスカーの登場まで少し間があるため、初登場した途端ステージ上が一気に熱くなり、望海さんのオーラを凄く感じました。
「横たわるだけ」で、「椅子に後ろ向きに座るだけ」で大笑いになるスターさん。
曲調が急に変わっても、どんな掛け合いの歌になっても、難なくセリフのように歌えるってスゴイことだと思います。
書いていたら「スゴイ」「スゴイ」が連続するだけなので、このへんでやめます。

リリー・ガーランド…真彩 希帆
ブロンドの巻き毛が凄くお似合いで、おぼこい女の子から女優への華麗な転身が素敵でした。真彩ちゃんについても別の所で「スゴイ」「スゴイ」と書きまくっているのでこのへんでやめます。リリーは「真彩希帆」だからこそ、絶賛されるほどに仕上げることができたのだと思います。

ブルース…彩風咲奈さん
咲ちゃんのキャラクター崩壊ぶりが最高でした。
ふわふわの白いスターコート、ピンクのスーツ、スカーフ姿最高!

体当たり演技とは、咲ちゃんのこと
ドアだけでも、どれだけ体にぶつけられているか?
多分ピンクのスーツの下のお体には生傷が絶えないことでしょう。あの長~いおみ足にも!

舞台上ではずっと体を動かしています。果てには腹筋まで。頭のねじが1本いや数本落ちてしまったような。

咲ちゃん大丈夫?と思いましたが、フィナーレナンバーだけは、カッコイイ咲ちゃんが戻ってきました。
キラキラゴールドな衣装で超スタイルの良いイケメンが20世紀号に寄りかかっています。
超イケメン咲ちゃんが歌い、長い足でタップを踏んで、超絶カッコイイ!

その後のご挨拶では、ねじがまた抜けたブルースに戻り、幕が降りるまではっちゃけていました。
今回「押し出しの強さ」を習得されたように思いました。この強さは次の公演から活かされていくと思います。

レティシア・プリムローズ…京三紗さん
キュートでコケティッシュで上品なおばあちゃま。歌のナンバーもあります。
出てくるだけで場をほんわかさせて、良いお味をおもちです。
こんなおばあちゃんになりたいです。

車掌・フラナガン…彩凪 翔
実は「おかしい人」だけど、表面上は一番まともな人設定。
ロング丈の車掌服が似合いすぎて、美しさが一際キラキラと光っていました。最後の白車掌服はさらにイケメン度がアップされた麗人。
翔君が加わるポーターとのタップは2幕の最初だけですが、ポーターの中に翔君がいるだけで、タップ場面がロイヤルになります。
翔君がいるだけで、美しさと上品さが添えられ、場をひきしめてくれるので、雪組になくてはならぬ貴重な方だと思います。

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オスカーと共に「三銃士」と言われる二人の部下
このコンビの良さは最強で、どんな状況でもボス・オスカーについていく2人。
オスカーとの3人の色の濃さの違いが、物語を面白くしています。
オリバー・ウェッブ…真那 春人
メガネをかけて見た目から会計係っぽく、真面目だけどいい加減さもある。
心配性で胃潰瘍持ちの頼りないっぽさが良く出ていて憎めないキャラクター。
まなはる君には色濃いこういうキャラクターが良く似合います。

オーエン・オマリー… 朝美 絢
アル中でも、泥酔しているわけではない。
きれいなお顔を崩して、ひたすら顔芸に徹しておられました。
アル中設定は、長場面の中で打ち出していくには難しかったかも。
「だいもん」、「まなはる」という濃いキャラクターの中では、どんなに顔芸を頑張っても少し薄味。
それはイケメン故に?
色濃い役が続いている同期の月城かなと君と比べたら、そのへんが今一歩かも。

ドクター・ジョンソン…久城 あす
人の良い純朴なキャラクターが良い味を出していました。
出番は少ないけど、一番美味しいところをかっさらったいきました。
あの表情が忘れられません。

グローバー・ロックウッド…透真 かずき
はげかつらに肉布団を巻いて、小太りの中年男性を好演されていました。
スッとしたイケメン男役さんがこういう役をされる意外性が面白いです。

マックス・ジェイコブス…縣 千
出番は最後少しだけですが、劇中で何度も話題になっているので、ジャ~ンと印象的に登場します。
役付きメンバーの中では最下級生なのに、その登場の仕方にふさわしい華があり、大物感があります。
フィナーレの冒頭では娘役4人を連れてセンターでステッキ片手に堂々と踊っていました。
「歌」はこの実力者の中では残念と言う言葉しかないですが、期待の男役として十分アピールできていたと思います。

4人のポーター
ポーターは、4人でタップを踊る場面が多いです。荷物を運んだりも。出番が何かと多い。
タップ(ポーター)…橘 幸
新人公演を卒業してからは注目される機会もなく、『ファントム』では、奏乃はるとの休演に伴い、ジャン・クロードを代役で務められました。笑顔が素敵。
チップ(ポーター)…諏訪 さき
何でもできる優等生だから、タップではリーターのようにみんなをまとめたよう。タップもキレが良くてポーズが決まっていました。
トップ(ポーター)…眞ノ宮 るい
「ファントム」で従者をしていたように、やはりダンスの名手だから、タップもお上手。
ポップ(ポーター)…星加 梨杏
一生懸命タップを踏んでいるのがかわいい。

フィナーレナンバーは、クラシカル
ハチャメチャなお芝居とは、かけ離れた「正統派の宝塚の世界」。
振り幅の広すぎるギャップが、余計にフィナーレナンバーで「ステキ!」と癒されます。

最後のご挨拶
フィナーレナンバーは夢の世界だったのかしら?

また皆ミュージカルの役に戻って、ご挨拶されます。

髭のない望海さんと、髭のあるオスカーの望海さん。
髭ひとつでここまでイメージが変わるのかと、髭マジックにびっくり。
どちらの望海さんも素敵です。

スピーディーに展開するコメディなので、演じている方たちはもちろんのこと、観客側も少々疲れます。
でもその疲れも、「良いものを見せてもらったな」と幸せいっぱいの心地になれます。
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