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先日梅田芸術劇場での「ベルサイユのばら45」観劇してきました。日ごとに出演メンバーが違うため、あともう一回観劇予定です。
「ベルサイユのばら」の世界に浸れる素敵な舞台でした。観劇日記をアップしようと思いましたが、それよりもこの公演に対して私が間違った解釈をしていたので、今日はそのことに関して記したいと思います。

とても楽しむことができました。次回の観劇もとても楽しみにしています。おすすめの舞台ですので、そのことだけは間違って捉えないでくださいね。

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「ベルサイユのばら45」浮かれたお祭りにはしたくない

「ベルサイユのバラを楽しめるお祭り」を期待してワクワクと足を運んだのですが、植田紳爾氏はプログラムで、「浮かれたお祭りにはしたくない」と言明されていました。

私がイメージしていた「ベルサイユのバラ祭り」というようなものでも、よくOG公演等にあるコテコテとした「宝塚感」を打ち出したものでも全くありませんでした。

「ベルサイユのばら」のエッセンスを魅せて楽しませてくれながら、サラッと展開していく上品なショーという感じで、上演時間も休憩を入れて2時間半で比較的短い物です。
45年の歴史の中で、「ベルサイユのばら」に対して独特のイメージがついていますが、それを払拭して、「ベルサイユのバラ」をオマージュし、後世に伝えるものとして残したいと言う趣旨があったように感じました。
懐かしくて思い出にふけ感動できる舞台であることには間違いありません。

上品でおしゃれなパンフレット

この公演のおしゃれさ上品さを象徴するのが、2000円で販売されていたプログラム・パンフレットです。
装丁がとても凝っていて、厚みのある豪華な白いカバーに、お洒落な金色のエンボス加工がほどこされていました。

中の用紙も厚手の上質な紙が使われていて、薄い卒業アルバムという感じの趣でした。
内容もご挨拶等と出演者の紹介等が中心でページ数も少なく、今回の出演者の「ベルばら」出演当時の扮装の懐かしいプロマイドと、少しだけ掲載されている厳選されたステージ写真だけが当時を思い起こさせてくれるものでした。
後ろの方に、下記で紹介する植田紳爾氏のインタビュー記事と原作者の池田理代子氏のインタビュー記事が掲載されています。
「ベルサイユのばら」45年の歴史が詳しく詰め込まれたものだろうと期待していたので、あっさりとしたプログラムに少々拍子抜けしてしまいましたが、このパンフレットのあり方が今回の公演内容に通じる「浮かれたお祭りにはしたくない」ものだと感じました。

「ベルサイユのばら45」ポスター、チラシについて

この公演のポスターについても、文字が中心で、出演者の写真も現在のものが小さく並んでいるだけなので、目を惹くものではありませんでした。
ポスターに歴代の出演者たちの当時のものを使い、目に訴えるポスターにしたら、受ける印象も違うだろうと感じていましたが、公演の趣旨がケバケバシサを売りにしたくなかったので、ポスターやチラシもそうだったのだと納得できました。

スターには「変えないでやって」と要求

「ベルサイユのばら」は、大劇場で「1974年1975年の4組」、「平成はじめの4組」「2001年の2組」「2006年の2組」「2013年2014年の3組」と上演されてきました。
集合日に各年代のスターに伝えたことは、上演した当時の空気で、匂いで、動きで、自分が初めて演じた「ベルサイユのばら」を再現して欲しいということだったそうです。
それで時代ごとの違いがわかり、それを歴史の中に残すことも、この公演の狙いだったそうです。

脚本演出家植田紳爾氏の思い (上演プログラムのインタビューより)

宝塚の存亡の危機の中で皆の情熱が終結してつくりあげた「ベルサイユのバラ」

初演当時は、宝塚は客の入りが悪くて、存亡の危機のような時代の中、スタッフもキャストも必死になって、命がけで舞台を作られたそうです。
当時は重みのある生地もブーツもない。かつらも無いため、22時に稽古が終わって、奈良にいる床山さんのところに車で行って、かつらをあつらえてもらったりしていたそうです。
宝塚の存亡にかかる危機感の中での、情熱、熱情みたいなものが、「ベルサイユのバラ」の成功につながった。
当時のスタッフは植田氏以外の方はもうご逝去されているそうで、一人残った最後のスタッフとしてそのことを伝えたかったそうです。

「ベルサイユのバラ」は場当たり的に上演していない

今まで一度も植田氏から、再演をもちかけたことはないそうです。
初演の時に命をかけたように舞台を作ったから、当たったから続けてやろうという気持ちになれなかったとのこと。

「宝塚の記念の年にだけ上演されてきた」という言葉は、公演の中でも強調して話されていました。

「宝塚歌劇75周年&フランス革命200年記念」
「新しい東京宝塚劇場が誕生した際の東西大劇場通年公演記念」
「マリーアントワネット生誕250年記念」
「宝塚100周年記念」

「ベルサイユのバラ」の大劇場での上演は、そんなに頻発して上演されていませんね。

大劇場以外での「ベルサイユのバラ」は、カウントされない

昔「地方公演」、現在は「全国ツアー」と言われる、各地を巡って行われる公演は、「ベルサイユのバラが興業主に喜ばれる」「認知度が高い」という点から上演される回数が多かったです。

私が観劇した日の「トーク&ソング」のコーナーで、榛名百合さん安奈淳さんの花組は、「ベルサイユのばら」ブームの中で、4カ月に渡り八戸から沖縄まで地方公演で各地を巡られたことを語っておられました。
安奈さんは、ご自分がトップの時「ベルサイユのばら」「うつしよ紅葉」の2作品で地方を巡った時のエピソードを語っておられました。
その後も雪組などで「ベルサイユのばら」の地方公演は続けられ、実際に舞台を目にした人がさらに宝塚ファンになっていくというブームを巻き起こしていきました。
今と比べて交通も発達していない、宿泊施設も整っていない、上演施設も整っていない
(安奈さんは函館の体育館で上演した時に光が入ってくるため、暗転の場面が暗くならないのでお客様に丸見えだったり、一番良い場面で呼び出しアナウンスが流れたり、非常ベルが鳴ったりと、当時のことを語っておられました)
並々ならぬ苦労の中で地方巡りは遂行され、ブームがさらにブームを起こし、現在の不動の人気の宝塚があるのでしょう。

宝塚100周年の頃も「ベルサイユのばら」の全国ツアーが多く行われ、台湾でも上演されました。
地方で実際に舞台を観てファンに繋がるということは、現在の宝塚の興行成績の大好調に大きく繋がっていると思います。

そのイメージが宝塚は「ベルサイユのばら」ぱかりやっているということになっていますが、大劇場での上演は限られています。
植田氏は、大劇場での上演回数のみ「ベルサイユのばら」の上演と考えられていて、宝塚は「ベルサイユのばら」ばかり上演しているのではない、ということを強調されています。

そして宝塚ファンの中で「またベルサイユのバラが上演されるのは好ましくない」という雰囲気が蔓延しています。
「ベルサイユのばら」は、皆で情熱を注ぎこんで生み出し宝塚を存亡の危機から救った作品なので、安っぽく見ないで欲しい。
「ベルサイユのばら」は、そんなにたやすく上演できるものではない、と伝えたかったのだと思います。

だから105周年に「ベルサイユのばら」が宝塚で上演されることは無いと思います。

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「ベルサイユのばら」が次のスターを作った

これだけの人が集まるというのは珍しいと思うし、やはり一つの歴史ですよね。宝塚の歴史を背負ってくれた人たちが、よくぞこれだけ出てくれたなと。「ベルサイユのばら」に憧れて宝塚に入団し、スターになっていった子たちがいる。僕たちの作ったものがそういう風に続いていっているということがうれ
しい。宝塚の歴史の中で「ベルサイユのばら」の歴史をも作ることができた、その充実感はありますね。今から45年前、宝塚の歴史の中にはこういうものもあったよという選択肢を置いておかないと。梅田芸術劇場さんがこの機会を作ってくださったことにも感謝ですし、本当に感謝だけですね。

平成のベルばらと言われる「宝塚歌劇75周年&フランス革命200年記念」を記念して4組で行われた作品の主演者のほとんどは、「ベルサイユのバラ」を観て憧れて宝塚に入団した人たちです。
プログラムを見ると、学年が上になる日向薫さんはすでに音楽学校生でしたが、紫苑ゆうさん、杜けあき さん、 涼風真世さん、一路真輝さんらはブームがあったからこそ入団した方たちで、プログラムの各スターたちのコメントにもそのことが記されていました。
それが現在にも続いていて、素敵なスターさんたちがうまれているのだと思います。

『ベルサイユのバラ45』DVDの内容について

どういう内容かわからないので、購入しようかどうか悩んでいましたが、劇場で販売中のプログラムの中に内容が記されていました。

概要:2枚組DVD5月13日発売予定販売価格:10,800円(税込)

Disc1 1970年代ALLバージョン
2月24日(日)12:00公演(千穐楽)全編

Disc2 アンドレバージョン 2月23日(土)17:00公演全編

BONUS TRACK
1月27日(日)14:30公演 ダイジェスト 〔初日トーク・挨拶他〕
2月5日(火)18:30公演 ダイジェスト 〔フィナーレA(緒月遠麻・貴城けい・凰稀かなめ)他〕
2月8日(金)13:30公演 ダイジェスト 〔ソング&トーク(涼風真世・杜けあき・日向薫)他〕
2月18日(月)18:00公演 ダイジェスト 〔フィナーレA(華形ひかる・彩輝なお・壮一帆)他〕

初回限定版DVDは、ミニクリアファイル付きになるようです。
大阪での千秋楽公演と、東京での初日のトーク、また1日しか参加されなかった凰稀かなめさん、涼風真世さん、壮一帆さんが出演されたところなど、一番興味がある内容なので、購入したいと思います。

私が観劇した2月18日は壮一帆さんフェルゼンのフィナーレを観ることができて感激でした。現役の時と変わらない、いやそれ以上に素敵なフェルゼン様でした。

本場である宝塚のファンが、「ベルサイユのばら」に対して食傷気味であることに、植田氏は悲しい思いを抱いておられるかもしれません。
今の宝塚があるのは、「みんなでつくりあげたベルサイユのばら」があったからこそだと、本当に思います。
もっと「ベルサイユのばら」をオマージュしなければなりませんね。
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