「群盗」のキキちゃんの男役度120%!

宙組「群盗」ドラマシティ公演を観劇してきました。くらら独特の観劇記です。途中ネタバレもあります。

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「群盗」のタイトルとポスターに興味はもてなかったけど

「群盗」っていうタイトルは、宝塚には野暮ったく、ポスターの暗い雰囲気から、「重い作品は…」とイメージ先行で生きている私は、この公演にあまり興味がありませんでした。「でもキキちゃんは観たい」と足をびました。

実際に観劇すると「キキちゃんカッコいい!」「感動をありがとう。観れてよかった!」と大感激して帰ってきて、今ブログをを書いています。

「群盗」は宝塚仕様にアレンジされた感動作品

シラー作の「群盗」は、社会的な問題をついた題材で、多くの「命を落とす」ことで結末を迎える重い内容です。

それを宝塚でそのまま上演するとNGなので、小柳奈穂子先生が宝塚風にアレンジされ、本筋のストーリーの重さはあるものの、とても楽しめ&感動できるという作品になっていました。

セリフが文学の香り

原作通りの言葉のままのセリフが所々に取り入れられていて、心地よい調べがあったり、迫力があったり、原作の言葉のエネルギーが伝わってきました。

音楽がきれい

ベートーヴェンの「月光」、第九「喜びの歌」、「テンペスト第3楽章」
「アヴェ・マリア」「故郷を離るる歌」「わが行く道ははるけき彼方」
など聞き覚えのある曲が、とても効果的に趣向を変えて取り入れられていて、音楽が心地よいです。

1幕は、仲間を中心にした、わきあいあいとした少々コメディぽい雰囲気で、のりが良いです。

しかし2幕から、話の筋の通りに、ドーンと悲劇になっていきます。

研1生も出演の若い公演

この公演の特長は、出演者たちが非常に若いことです。昨年入団したばかりの104期生まで、もれなく役と台詞がふりわけられています。その若さで歌い踊り芝居をするのは、さぞ大変だったと思いますが、若さのエネルギーを爆発させて乗り越えようとしている感じです。さらに日々進化しているでしょう。
「若さの爆発」は一途に爆発しているところが良いところでありますが、残念ながら未熟さも当然感じられます。

その分男役12年のキキちゃんは、歌っても踊ってもお芝居をしても全て男役度完璧120%で、キキちゃんの良さが際立っていました。

新公学年で、真ん中で経験積んでいる瑠風輝君と鷹翔千空君も、すでにベテランの域で、瑠風輝君はキキちゃんの敵役で2番手を堂々と演じていました。鷹斗ちあき君は ストーリーテラーで、彼からみた作品という設定になっていて、重要な役どころをわかりやすく演じていました。

キキちゃんの相手役天彩峰里ちゃんも、15歳ほどの若い役からはじまりましたが、超可憐で、声がキレイで歌がお上手なので、ヒロインにピッタリでした。

華妃 まいあちゃんは、気が強い女性でキキちゃんに対して複雑な思いを抱いている難しい役を上手に演じておられました。秀でた演技派の娘役さんです。

真風さんと同期の凛城きらさんは、キキちゃんのお父さん役で、厳格で頑な父でありながら、実は息子への愛情にあふれている複雑な父親像がじわじわと伝わってきました。

「NOW ON STAGE」でキキちゃんが、みんなの若さと熱量に始めは戸惑ったといっていましたが、その若い子たちと仲間として演じるのですから、それは仕方ないことかと。

次第に溶け込めたように思うと言っていましたが、やはりスターはその中に溶け込むことはできません。群衆芝居でも、キキちゃんがいると、キキちゃんににだけ光があたっているようにみえました。これがスターというものですね。

宙組は「博多座組」とこの「キキちゃん組」と「バウコメディ10人」と3組に分かれていますが、「博多座組」にベテラン勢が振り分けられて、特に「キキちゃん組」は、少しのベテランと超若手の組になっています。リンキラさんも男役の長としてまとめ役をされているようです。

キキちゃんとリンキラさんに「育成をまかしたよ」という意図があるように感じました。そして若手たちは自主稽古を重ね、キキちゃんは次第に若手との距離が近くなっていったことが、嬉しかったそうです。

キキちゃんは、昨年組替えをして宙組にきて、結構人見知りということなので、若手さんたちとの「集団お見合い」のような、今回の「キキちゃん育成組」だったのではないでしょうか。

次の宙組は芹香斗亜の組になるから、今から若手はまかせたよ、的な。また私の勝手な妄想癖が突っ走りだしました。しばらくは真風・芹香のコンビを希望しています。

お芝居の最後にキキちゃんが、「君たちはもう群盗じゃない。これからは一人ひとりとして生きるんだ」っと言います。

「群盗」が千秋楽を迎えたら、ここで学んだことをいかして、一人ひとりがんばって生きていこう」というキキちゃんのメッセージなのかもと、勝手に解釈して。

今回出演のメンバーは、名前を知らない下級生ばっかりだったので「宝塚おとめ」を見ながら、学年と名前の復習をしました。しかし「キキちゃん組」は、総勢28名、先ほど名前を挙げなかった人が22人なので、記憶力に欠ける私には22人を覚えるのは難しいです。バウの10名の選抜メンバーは覚えるのが精いっぱいでした。

でもこうして、新人に活躍の場を与え、ファンも名前を覚えていくのは、良い機会ですね。

フィナーレが素敵!

フィナーレのダンスナンバーで、最初はキキちゃん以外の男役が飾り燕尾で、激しめのダンスを踊ります。
燕尾が初めてという下級生もいたそうですが、やはり初めての人は衣装に着られています。
前に位置している人ほど踊れていて、年長者の凛城きらさんが、一番様になっている!瑠風輝と鷹翔千空君も!
男役歴、新人公演でも主役経験歴とは、こうして形となってでるのだなぁと感心しました。

次の歓喜の歌では、キキちゃん登場で、手振りと歌詞がマッチしていて、パワフルでエネルギーあふれています。真ん中で踊るキキちゃんは、やっぱり目つきから全て男役度が違って、かっこよすぎます。

キキちゃんとみねりちゃんとの、アベマリアの曲でのデュエットダンスは、この世で結ばれなかった2人が天国で再会して結ばれるという、お芝居とリンクしているそうです。
「ドンと来ていいよ」と言われて抱きつきに命をかけていると、みねりちゃんが言っていましたが、二人の息のあった素敵なダンスでした。本編が悲劇だからこそ、この幸せなシーンで救われるという感じです。

みねりちゃんは本当に他の娘役にない可憐さがあって、本公演で「男の子」役で、それを潰してしまうのは、もったいないです。
純粋可憐な雰囲気って、期間限定でしか出せないものなので、その可憐な魅力をはやく花咲かせてあげなければ、もったいないと思っています。

群盗は生きるパワーを感じる公演

とにかく、主演のキキちゃんの魅力があふれ、「生きること」の意味も考えさせられた素敵な公演でした。

キキちゃんは、この公演のあいさつで、
「この公演を通して生きるパワーを感じてもらえたら」と、今日も初日の映像でも話されていました。

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水曜日の梅田芸術劇場はタカラジェンヌにあえる所

宙組の「バウ」組は終わっているので、その人たちに劇場で会えるかな、と思っていたら、花組の方たちがご観劇でした。

期待の娘役舞空瞳ちゃんと男役さん二人はたまたま間地かで遭遇してしまいました。鳳月杏さんと桜咲彩花さんもいらしたそうです。

鳳月杏さんと言えば、キキちゃんと『MY HERO』をドラマシティでやっていましたね。
タカラジェンヌが戦隊もののコスチュームをつけるなんて、と驚いたものです。
あの時の役も素敵でしたが、やはり今回はポスターに大きく一人写りで、キキちゃんの男役としての進化が凄く感じられる公演でした。
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