月組『フリューゲル』新人公演感想
こんにちは、くららです。月組『フリューゲル -君がくれた翼-』の新人公演を観劇して来ました。

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新人公演感想

新人公演担当は平松結有先生アドリブ部分や細かい演出が少し変更になっていました。平松先生は宙組『カジノ・ロワイヤル 』新人公演では、2時間半の作品を1時間40分に上手に新編集して、作品をスイスイとスピーディな展開で見せてくださいました。その前は月組で『今夜、ロマンス劇場で』の新人公演を担当されています。

早々にマイクトラブルがあってきよら羽龍さんが登場できずヒヤッとしましたが、瑠皇りあさん& 爽悠季さんの同期でアドリブで繋いで、結局マイクが入らないまま登場したきよら羽龍さん、堂々とした声が劇場内に響いていました。このシーンの終わりに客席から温かい拍手が起こりました。

登場人物が多いので、下級生にいたるまで、一人に何役もついていて大変だったのではと思いますが、みなさん見事に演じられていました。みんなが頑張っている良い新人公演でした。

注目していた研2雅耀さんが3番手の風間柚乃さんのルイス役を演じる事。舞台度胸があって堂々と演じられていて、何よりも華があって、スターだなと感じました。今回のMVPだと思いました。

本公演スターさんにあてがきされていて、それぞれのスターさんの魅力が引き出されているので、今回の新人公演ではそういう面が難しかったろうなと思う部分もありました。

特に月城&海乃コンビは、顔を合わす度に喧嘩をしてしまうような二人の力が拮抗している関係性が魅力です。学年が3期離れた瑠皇さん花妃さんでは、そういう関係性を表現するのは難しかったかなと思いました。10月26日の東京新人公演までの課題でしょうか。

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主な配役4人

ヨナス(月城かなと)……瑠皇りあ(103期)

ラスト新公で主演を射止めた瑠皇さん、開演アナウンスからとっても良い声で、聞き惚れました。

歌もとってもお上手。聞かせてくれます。

そして誠実に丁寧にお芝居をされていました。

何と言っても月城さんに負けない美貌眼力があって、メイクも月城さんに寄せたイケメンで、センターが良く似合っていました。軍服姿が凛々しくて格好良かったです。

はじめは緊張されていたように感じましたが、マイクトラブルできよらさんが出てこれない間をアドリブを繋がれて、その後緊張から解放されていったような印象をもちました。(公演後の取材でもそのように話されたようです)

最後のご挨拶で、「本日は新人公演を~(省略)~ありがとうございました。月組の瑠皇りあです」と仰った時に、客席から温かい拍手が上がって、なかなか鳴り止みませんでした。瑠皇さんの新人公演主演をみんなが待っていたことが伝わってきました。

そして「今日の新人公演良かったよ」の拍手でもあったでしょう。

素晴らしい新人公演でした。瑠皇さんは、しっかりと爪痕を残されたと思います。

新人公演を若い学年で経験する方が多い中、経験を積んで機が熟してのラスト新人公演主演。

瑠皇さんのこれからの可能性が更に開いていきますように。

ナディア(海乃美月)……花妃舞音(106期)

新公ヒロイン2回目。ヒロイン力のある娘役さんだと思います。

本公演では、アナウンサー役を「大人な声」で演じられていて、かわいい声以外も出せるんだ、と思いました。

今回ナディアは、声も大人な感じにして、海乃さんのような大人の女性を演じられるのかなと思っていたら、花妃さんの等身大のナディアのように感じました。

時が経つにつれて、ナディアが柔らかく変化していくためか、本来の花妃さんらしさをより感じるようになりました。

天真爛漫でパワフルで、自分の思ったことを口に出してしまうナディアの人となりは、上手に表現されていました。

歌唱面では、ちょっと苦戦されていたように感じました。キーが合わなかったのか。瑠皇さんとのデュエットも。

花妃さんのナディアを見て、新人公演というのは、本役のように演じることが目的なのか、それても自分色で演じれば良いのか、そのあたりわからなくなってしまいました。

「芝居の月組」なので、その他の役の方も、本役をなぞらず自分色で役をつくりあげている方も沢山いらっしゃいます。

ヘルムート(鳳月杏)……彩路ゆりか(103期)

ラスト新公で2番手の役。前回の『応天の門』の新人公演でも芝居巧者ぶりを見せてくれましたが、今回も落ち着いた声で、冷たい眼差しのクールな研ぎ澄まされたヘルムートをダークに演じられていました。

ルイス(風間柚乃)……雅耀(108期)

雅さんは本公演でも、セリフのない西ドイツの青年を毎回お芝居を変えながら演じられていて、お芝居が好きなのだろうなと伝わってきます。月城さんも宝塚GRAPHで「芝居好き」と雅さんのことを誉めていらっしゃいました。
出番とセリフが多くて、歌も多い風間さんの役を、ひるむことなく堂々と演じられていました。
銀橋で歌う前に花道で客席に笑顔で拍手をあおるポーズもあり、銀橋では一身に視線を浴びながら、笑顔で歌われていました。歌はお上手ではないけれど、勢いで歌われるので、気になりませんでした。
端正な顔立ちで笑顔が可愛く、立っているだけで格好良い。キラキラとっても華やかで、宝塚のアイドル的なスターの系譜です。
研2で、初めての大きな舞台の大きな役で、ここまで客席に飛び込んでいけるのも、生まれつきのスターだからだと思いました。
ただ、滑舌は気になりました。
音楽学校の頃から気になっていた雅耀さんのこれからが、一層楽しみになりました。

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男役さんの役

トーマ(礼華はる)……七城雅(105期)
ヨナスの部下4人組の1人で、常にダンベル持って鍛えている個性的なムードメーカーのような存在。新公主演まで段階的に経験しているので、その経験値がいきていて、新公の中ではとても安定感があって、トーマの常にエンジンがかかっているような強烈な個性が出せていました。流石だなと思いました。

ゲッツェ(彩海せら)……一輝翔琉(107期)
本役の彩海さんはキラキラした目から、純粋な国を思う心が伝わってきていましたが、一輝さんはポーカーフェイス気味なので、仕草から伝わってきました。

小顔でスタイルが良くて、立っているだけで格好良くて華があるので、どこにいても目立ちます。一輝さんも有力なスター候補であることに間違いないと思いました。

フランツ・クライン(夢奈瑠音)……真弘蓮(104期)
安定、信頼の真弘さん、今回もとっても安心感のある演技でした。ヘルムートになぐられて「歓喜の歌」を、はじめは声を震わせながら、次第にすごい声量で歌いあげていく所は感動でした。厚みのある魂の歌声。

ニコラ・シューバルト(蓮つかさ)…… 槙照斗(105期)
穏やかで優しさにあふれている印象でした。

ピエール・ベック(英かおと)……和真あさ乃(106期)
ヨナスの部下4人組の1人。本役の英さんも真面目な人物として演じられていますが、和真さんは七三分けにメガネで更に堅物の真面目さを強調して演じられていました。いつも徹底的に自分色の役つくりされています。

ヴォーヴァ(佳城葵)……  月乃だい亜(104期)
この役はプーチンかな?と噂されています。愛称から。
月乃さんはやはりお芝居が上手で、顔が良くて、格好良くて色っぽさが増しています。

ボリス・ノイビル(蘭尚樹) …… 水城あおい(105期)
この公演で退団される水城さんは、退団される蘭さんの役。出番も台詞も多い役を好演されていました。水城さんの舞台化粧はお姉さんの聖乃あすかさんと雰囲気がにている感じがしました。

テオ・リヒター(空城ゆう)……澪あゆと(106期)
ちょっとお調子者で愉快なナディアの社長を好演されていました。

ルドルフ・ルーク(彩音星凪)……天つ風朱李(107期)
コミカルな、かわいい表情の演技が印象的でした。

イワン工作員(甲海夏帆)……大瀬いぶき(106期)
良い声でお上手でした。本公演と比べて高笑いは無かったです。

ホテルマンは美颯りひとさん(107期)。本公演では3人が演じているのを、一人で3役されていました。 次から次へとルームサービスを運んでくるのでゼーゼーとしたりの細かい演技が面白かったです。

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娘役さんの役

ミク(彩みちる)……一乃凜(106期)
コードネームは「ちのちのいちの」。パワフルで可愛い女性を楽しく演じられていました。

サーシャ(天紫珠李)……羽音みか(103期)
前回の新人公演で初ヒロインを演じ、今回のラスト新公でも天紫さんの役。高身長なので、天紫さんの役が似合います。ラスト、フリューゲルとなって踊る姿がきれいでした。

ゾフィア(梨花組長)……きよら羽龍(104期)
人民軍人で文化庁の広報部長。威厳のある力強い女性を熱演されていました。何と言ってもきよらさんは、良く通る声が魅力で、本公演でもその声にとても心地良さを感じています。新公の年上の女性の声も力強くて、よく通っていました。

マイクトラブルで、マイクが入っていなくても、ちゃんと声が響き渡っていたのは流石です。そしてトラブルに動じることなく落ち着いて舞台に立っていらしたのも頼もしいなと思いました。

髪型がとても似合っていて、お化粧が上手になられたように感じました。

エミリア(白雪さち花)……白河りり(103期)
ヨナスの母親を熱演されていました。演技が上手でやはり心に響く歌声が素晴らしいです。瑠皇さんとのデュエットもとっても素敵でした。

リン・マイヤー(白河りり)……静音ほたる(105期)
ヨナスの4人の部下の1人で、ポーカーフェイス気味のクールビューティな女の子を今風の髪型と服装とアクセサリーで好演されていました。かわいい。

リア・フィッシャー(羽音みか)…… 澪花えりさ(107期)
本公演でも抜擢されている澪花さん、とってもとっても可愛かったです。「てへっ」も自然で可愛くて、好感がもてました。

ノーラ・ブレーメ(きよら羽龍)……彩姫みみ(108期)
彩姫さんも声が良くて歌が上手。

ヘルガ・ミュラー(菜々野あり)……美海そら(104期)
とってもキュートで、コミカルに演じられていて可愛かったです。

アンジー(桃歌雪)…… 咲彩いちご(104期)
アンゲラ・メルケルの役。落ち着いた演技で力強い女性を好演されていました。歌もとってもお上手。

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109期研1さん

109期生みんなに役がついていました。

アラン(瑠皇りあ)…… 翔ゆり愛(109期)
音楽学校時代から大器の片鱗のある翔ゆり愛さんあっという間の出番でしたが、「翔ゆり愛ここにあり」と印象に残りました。

少年ヨナス(朝香ゆらら)……乃々れいあ(109期)
本公演でも、その美貌が際立っている乃々さん。少年ヨナスもクリクリと目を輝かせてとっても可愛かったです。そしてお花が飛び散った悲しいシーンでの表情も上手。幕開きから登場するのでとっても緊張したと思いますが、そんなことを全然感じませんでした。

記者(和真あさ乃)……飛翔れいや(109期)
華やかな顔立ちで小顔でスタイルが良くて、どこにいても目が惹かれる飛翔さん。

ユダヤ人の母(澪花えりさ)……朱鷺あおい(109期)
かわいいおばあちゃんでした。

新人公演でも、本公演と同じように幕が降りた時の「エンディングの映像」が新人公演バージョンが用意されていて感動しました。

 

ベルリンの壁とタイトルの翼を取り入れて、上手にご挨拶されていました。

「これまで壁にぶつかってきましたが、その壁を壊せるように精進していきたい」

「東京の新人公演に向けて、今日できた課題を克服し、全員で夢という名の翼を広げて、頑張りたい」

東京の新人公演は、10月26日です。配信を楽しみに待ちたいと思います。

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