雪組『双曲線上のカルテ』事前情報
こんにちは、くららです。
雪組『双曲線上のカルテ』は公演時間も公表され、初日の幕が無事にあきます。
スチール写真が公開されました。白衣の和希さん縣さんがとても格好良く、ナースの華純さんがとっても可愛い。開襟の和希さんとネクタイの縣さん。役柄の違いがしっかりスチールにもあらわれています。
スチール

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残念ながら縣千さん休演

昨日縣千さんの休演が発表されて、「ナウオンステージ」が延期になった理由がわかりました。
9月11日の東京公演の初日までには復帰予定なので、「ナウオンステージ」の初回放送が9月12日なのでしょう。
休演はとても残念ですが、お元気に復帰されることを待っています。
ライブ配信&ブルーレイ撮影は9月2日(土)です。
できればその日までに復帰できたら良いと思います。

縣さんの代役は、眞ノ宮るいさんです。
2番手の大役は大変だと思いますが、眞ノ宮さんは健闘されるだろうなと期待しています。

眞ノ宮さんの看護師ルカの代役は、絢月晴斗(107期)さんです。
絢月さんは、元々看護師のマッテオ役でした。
同期の瞳月りくさんが、看護士のマルコ役です。
新たにマッテオ役は発表されていないので、マッテオの部分が絢月さんと瞳月さんに分担されるのかもしれませんね。
男性の看護士役は、初演になかった新しい役です。

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樫畑先生のリメイクに期待大!

スカイステージの新番組で石田先生が語られたこと

スカイステージの新番組「タカラヅカQUEST-宝塚歌劇を創る人たち-#1「演出<芝居>」石田先生へのインタビューがありました。

『双曲線上のカルテ』を樫畑先生に依頼したことについて、次のように語られていました。

★これからの演出家に期待すること
石田「若い人たちの笑いのセンスとか世の中の動きも全然違うし、より新しいものを汲みだせる

★『双曲線上のカルテ』について
石田「樫畑先生には、医療に対する考え方もしっかり二人で大分話したんですよ。癌を告知するのか、しないのか、その人の全体を見てどう治療をするか決める時代になっている。今の樫畑先生たちが持っている感覚というものの中から、命や死を取り上げたメロドラマですけど、新しく構築してもらったらいいのじゃないかなと思って、僕はすごく楽しみですよね」

★大劇場と小劇場の違い
石田「大劇場の方がよりエンターテイナーの娯楽作品で、わかりやすく楽しくもっと乱暴な言い方をしたら、途中寝てても遅刻して途中から入ってきても楽しい作品みたいなものが大劇場かな、それ以外のものが、小劇場ものかなと僕は思っています」

石田先生は、大劇場と小劇場の違いを明確に話されていましたが、『双曲線上のカルテ』については、シリアスな題材を取り扱っているからか、大劇場作品をつくる時の「エンターテイナーの娯楽作品」味を付加されすぎたように私は感じていました。

石田先生の「観客に伝えたい」というサービス精神が、時にストーリーテラーに「作品のテーマ」を語らせたり、やらせすぎに走ってしまって、せっかくの良い所が薄まってしまうような印象をもっています。

今回、石田先生は、11年前の作品を、樫畑先生に若い人のセンスで再構築・リメイクしてもらいたいと思っていらっしゃるようです。「歌劇8月号」でも樫畑先生に潤色・演出をお願いして、石田先生は監修されると話されていました。

主人公のフェルナンドは、女性やお金にだらしないダメ男、石田先生の言葉を借りれば「ダメンズ」代表のような人物。

石田先生は、和希そらさんがどんな風に「ダメンズ」を仕上げてくるか楽しみにされているとのこと。

『夢千鳥』の竹久夢二、『プロミセス、プロミセス』のJ・D・シェルドレイク、『心中・恋の大和路』の亀屋忠兵衛 と、和希さんは数々の「ダメンズ」を好演されてきました。

「ダメンズ」で和希さんより右に出るものはいらっしゃらないでしょう。私もそのあたり、とっても楽しみにしています。

そして今回フェルナンドが「ダメンズ」であることには、深い深い理由があります。

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初演を観た感想

Amazonで7日間のレンタル【料金660円】で、11年前の早霧せいなさん主演『双曲線上のカルテ』を見ることが出来ました。

原作の、渡辺淳一作「無影燈」は、末期医療のあり方を解く教科書ではなく、死にゆく者の気持ちを描いた文学です。そして読む者に深い感動と永遠の問いかけを投げかけてきます。

石田先生の初演の『双曲線上のカルテ』にも、原作と同じものが流れていて、心を打たれました。

ただ、先ほども書きましたが、石田先生のサービス精神が、真髄に流れている医療ヒューマンドラマの良さ消しているように私は感じました。

気になる天使の存在

初演を見て、「絶対にいらない」と思ったのは、二人の天使です。

絵に描いたような白い羽根をつけた可愛い天使が登場して、ちょっとストーリーテラー的な役目を担っています、

「人間って大変ね、恋はハシカとにている」と恋愛解説をして、「恋とハシカはおともだち」と歌います。
そしてまた登場して「死んだら、神様から二つの質問」があると語ります。
「自分自身の人生に喜びを見出せたか?」
「他人の人生に喜びを与えたか?」
二つの質問に「はい」と答えて真実でないと、天国に入れてもらえないそう。
そしてシリアスなお芝居をしていた主人公のフェルナンド(早霧)が天国のイメージの入り口で、天使たちからその質問をされます。
早霧さんはシリアスなお芝居で定評があります。観る者の心をグイグイとわしづかみにしていたのに、「この天使の質問」で、それまでの世界観がこわれてしまったような印象をもちました。
潤色を任された樫畑亜依子先生は天使が配役にありませんでした。良かったと思いました。

樫畑先生の潤色ポイント

「歌劇8月号」で、樫畑先生は「明るくポップな場面は削る」と話されていました。そこに多分「天使たちのシーン」も含まれているのでしょう。
そして、「原作の暗く重い雰囲気、シリアスな印象が強くなる」と。
それでこそ、原作「無影燈」の舞台化だと思います。
「どう生きるか」「どう生死と関わるのか」を問う作品で、ふざけた天使の質問な絶対に不要です。
また、「残すべきところは残して初演にリスペクトして」とも、樫畑先生は語られていました。
初演は、アニータ(希良々)の店で、「小児がんの子どものための」コンサートパーティが開催され、各出演者たちに歌や踊りの楽しい見せ場が沢山ありました。(一種のショーのような部分)
「稽古場レポート」でも、パーティーがあると話されていたので、そのシーンのことだと思います。
出演者に歌ったり踊ったりの出番がある、息抜きのシーンとして、丁度よいのでしょう。
初演では、アイドルニーナが、そのパーティに招かれて歌って踊っていました。そしてフェルナンドとの過去の関りから、その後の話に繋がっていました。
今回はそのアイドルの名前が配役にありませんでした。
でも「マネージャー」の役はあったので、アイドルは登場するのでしょうか? このあたり、樫畑先生がどうリメイクされているか、楽しみです。

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「和希そら」を堪能する作品にもなりそう

舞台は1980年頃のイタリア
前回2回の和希主演作品が「和物」だったので、今回は、西洋が舞台で大人っぽい役をということで、この作品になったそうです。

ミュージカルではなく、歌入り芝居!

ストレートプレイに、歌とダンスがあるいう感じなのでしょう。
「和希さん仕様にしたい」と樫畑先生。
それはシンガーであり、ダンサーの和希さんの魅せ場をいっぱいつくるということかな、と受けとめました。
和希さんが歌う「新曲」が追加されるようです。初演でも早霧さんが主題歌をはじめ何曲も歌われていましたが、「できる限り歌を聴きたい」と先生。たくさん和希さんのイケメンボイスの歌を堪能できそうです。
初演も早霧さんがダンサーだったので、ダンスシーンがいろいろとありました。
今回も、ダンスナンバーで「フェルナンドの苦悩を表現」されるそう。
和希そら一人で踊っている「見たかった」という場面になるとか。
初演でも、悲しいストーリーの中で、そのダンスシーンで救われる思いがしました。そのシーンは今回味付けがちょっと違うそうです。(しつこいようですが、そのシーンの後に初演では天使が出てきました。)
大人の役は『プロミセス、プロミセス』でクリアできていたので、いい意味での抜け感などが表現できたらと樫畑先生は話されていました。

心に影をもつ大人の男性フェルナンドを、和希さんは素敵に魅せてくださることでしょう。

大人のフェルナンドと可愛い新米看護師のモニカの抱擁シーンも何度も出てきます。

初演では、舞台上でフェルナンド先生は眼鏡をかけたり、はずしたりしていました。和希さんもそうされるでしょう。

初演の早霧さんの、白衣の下のシャツの開襟ぐあいも見どころでした。和希さんも。

新しい役

ジョルダーノ ……久城あす
アニータ役の希良々うみさんのお兄さん。

ピザ屋のチェーザレ(桜路)とボーナ(杏野)の息子夫婦と、孫が追加。
末期癌のチェーザレを見守る家族の一面が描かれるようです。

桜路さんが、稽古場レポートで「フェルナンド先生が私にしか見えない和希そらの優しい笑顔が毎日見えている」と自慢されていました。

はじめに書きましたが、看護師(男役)も初演にはありませんでした。

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フィナーレについて

和希そらを魅せるフィナーレ

和希さんの樫畑先生へのリクエストは、「バリバリに格好良いものを」。

宝塚風 → 現代風
宝塚っぽく踊っていて、バッと帽子を脱ぐと、一気に現代っぽく踊るという、和希さんの二面性を魅せてくださるてか。

ラストは、デュエットダンスもあるそうてす。

ヒロインの華純沙那さんは、ダンサーです。

ダンサーの和希&華純ペアも、見ごたえがあるのでは?と思います。

初演の雪組の時は全般に歌唱力が弱い方が多かったです。
その中で抜群に歌が上手だったのは、アニータ役の夢華あみさん
小劇場なのに、みんなのご挨拶の前に夢華さんが「エトワール」を担当され、美声を聞かせてくださっていました。
夢華さんは当時研3でしたが、はすっぱな酒場のマダムのアニータを貫録も見せて好演されていました。
今、振り返っても実力派の娘さんだったと思います。

リアル「デムーランとリシュル」カップル

夢華あみさんは、宝塚退団後則松亜海さんとして活躍されています。

外部の『1789』に2016年、2018年リシュル役で出演されました。相手役のデムーラン役は2016年も2018年も渡辺大輔さん。舞台上での二人のラブラブぶり記憶にありました。
お二人は、2人が演じたデムーランとリシュルの結婚記念日の12月29日にご結婚されました。
初演の宝塚の『1789』ではリシュルは注目されていませんでしたが、星組版では外部と同じように二人のラブラブなシーンが沢山あって、リアルカップル(渡辺&則松)を思い出すことが多かったです。

元々『双曲線上のカルテ』は、原作「無影燈」を土台に、宝塚らしくアレンジされた感動のヒューマンドラマでした。
ただ石田先生のサービス精神が、その感動だけを届ける邪魔をしてしまっていたように私は感じています。
樫畑先生の潤色、演出によって感動的な作品に新しくなっているのでは?と期待しています。

観劇後、また感想を書きたいと思います。

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