花組『鴛鴦歌合戦』新人公演感想
こんにちは、くららです。
花組『鴛鴦歌合戦』の新人公演を観て来ました。

最下の109期生にもセリフや歌があって、出演者全員がイキイキと作り上げた最高の鴛鴦歌合戦でした!

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新人公演担当は、 菅谷元(すがや・はじめ)先生

菅谷元先生は、昨年星組『めぐり会いは再び next generation』で新人公演のデビューされて、今回が2回目だと思います。

2017年まで北海道大学公認・演劇サークル「劇団しろちゃん」(北海道大学のサークル)で演出を担当されていたよう。

進行は本公演と変わりませんでしたが、出演者たちのキャラクターを際立たせる演出が入っていたように感じました。コメディなので、出演者自身それぞれが、自分で考えてやっているのかもしれません。

浅葱役の青騎司さんのオーバーアクションと顔芸が面白くて目立っていました。歌舞伎の見得まで切っていたような。

出演者たちが、それぞれに小芝居を演じていて、目がいくつあっても足らない状態とも感じました。このあたり花組が月組化しているような。

主な役の感想

浅井礼三郎(柚香光)…天城れいん(104期)

天城さんが104期初めての新公主演者です。

現在『Xcalibur エクスカリバー』で大活躍中の同期真白優希さんと同じように、天城さんも落ち着いて十二分に実力を発揮されているように感じました。

柚香さんムシリの鬘が似合っていて、何と言っても和物化粧が綺麗で、キリリとした二枚目。

柚香さんと同じように、客席降りも、大立ち回りも、最後の銀橋での下駄タップまでありました。

台詞や歌が上手なだけでなく、日本物の所作も熱心に研究されたのだろうなと思う程、傘の取り扱い方、刀の使い方など様になっていました。礼三郎は受け身の芝居ですが、しっかり存在感が出せていました。

何をやってもとても器用。ただ、身長172cmということですが、和物では小柄に感じました。ちょっと地味目で、キラキラとしたオーラを放つのは、これからという印象でした。

お春(星風まどか) … 朝葉ことの(103期)

和物のお化粧が綺麗で良く似合っていました。本当に芸達者で、プロローグで皆とただ踊っているだけでも、一人だけ日本舞踊を踊っているような手の使い方や雰囲気。歌も抜群に上手で、芝居の間もよく、何もかも本当にお上手。

配布される新公のプログラムで、朝葉さんがコメントされていましたが、大人っぽい役が多かった朝葉さんには、子どもらしい可愛さのある「お春」を自分がやるとは、驚きだったそうです。タイプの違うので、意外に感じられたのでしょう。

でも、朝葉さんの技術力によって、セリフまわしも可愛くして、チャキチャキした町娘をコメディセンスを発揮して好演されていました。何でも演じることのできる芝居巧者。

ただ宝塚には、何となくヒロインのイメージというものがあります。朝葉さんは、真ん中でヒロインを演じるイメージの方ではないように感じます。ちょっと脇よりで、ピシっと舞台全体を引き締めるタイプの方のような印象です。

天城さん・朝葉さんコンビは、実力派の職人コンビと言うのが一番ふさわしいかな。(私の勝手な主観です)

峰沢丹波守(永久輝せあ)……  美空真瑠(105期)

和物化粧が男前。伸びやかな歌声、滑舌良い台詞、表情豊かなお芝居にコメディセンスが加わって、美空さんも何をやっても上手でした。今回は声を永久輝さんによせていたような。

刀を腰にさす時になかなか入らなくて「んぬぐぐぐっ!」とアドリブを入れて笑い取った対応力も凄かったです。

本役の永久輝さんの場合、普段の2枚目バカ殿とのギャップが見る者に可笑しくて、ドカンドカンと笑いをとっている所もありますが、美空さんはギャップを感じさせる材料がないので、このあたり難しかったろうなと思います。でも大健闘されていました。

秀千代(聖乃あすか)……  鏡星珠(106期)

芝居上手なので、笑いをたくさんとっていました。

きれいな顔をオーバーにくずしての顔芸が印象的でした。

「嫌じゃ嫌じゃ〜」で地団駄踏む所では、本当に嫌そうな顔で、家督を譲ると言われた時は、本当に嬉しそうな顔で。

おとみ(星空美咲) …… 愛蘭みこ(104期)

和化粧が似合っていて、キリッと可愛い。花總まりさん紺野まひるさんの和化粧に似ている印象をもちました。

    おとみの役つくりが本役と違っていて、高飛車でツンっとしていて、あざとさもあるけれど、憎めないお嬢様でした。そして何をやっても可愛い。お春の朝葉さんとの傘バトルも、白熱していました。

    ソロの歌もどれもお上手。お芝居も巧み。可愛くてヒロインタイプなのに、『冬霞の巴里』のエルミーヌ以来、大きな役が巡ってこないのは残念。

    麗姫(春妃うらら)…… 星空美咲(105期)

    しっとり大人っぽい役もお上手でした。長い説明セリフも滑舌が良く、わかりやすかったです。本当に声が綺麗。大人な役なので、声色も少し違っていました。

    ちょっと大げさな動きをつける時も、間がとってもよくて、お芝居のセンスが飛びぬけていました。

    道具屋の店員

    本公演では男女ペア(帆純さんと朝葉さん)ですが、今回は娘役の美羽さんと初音夢さんとの娘役ペアでした。

    七緒 (朝葉ことの) ……美羽愛(104期)
    八重(帆純まひろ)…… 初音夢(105期)

    明るく元気いっぱいに、押し売りに勤しむふたり。
    美羽さんは、やはりこういうチャキチャキとした役がお似合いです。
    初音さんの方がおきゃんというか、チャキチャキしすぎた設定のようで、美羽さんが落ち着いてみえました。初音さんの可愛い弾けっぷりが良かったです。

    安心安定の「長の期・103期」

    103期の皆さんが本当にお上手で、新人公演をしっかり支えていらっしゃいました。長の期で挨拶をしたのは、朝葉ことのさん。

    志村狂斎(和海しょう)……  海叶あさひ
    お化粧が雰囲気を出していて、間や抑揚も絶妙で、とぼけた味わいがありました。声がよくて、本役の和海さんのように、大きめの声で美声を轟かされていました。歌唱力は本役の和海さんが上手すぎ。

    道具屋六兵衛(航琉ひびき)…… 涼葉まれ
    表情豊かで、本公演より胡散臭さが増していた印象。

    蘇芳(紫門ゆりや)…… 颯美汐紗
    滑舌がよくて、テンポが良い。

    蓮京院 (京三紗)…… 詩希すみれ
    高齢の女性の声色と声の出し方、落ち着いた演技が見事で、とても説得力がありました。
    ビジュアルも、詩希さんの美しさはそのまま残して、老けていて、品がありました。存在に心が癒される感じがしました。

    玉織姫 (朝葉ことの)…… 二葉ゆゆ
    天風院(美風舞良)…… 二葉ゆゆ
    2役でした。柔らかい娘役さんらしい存在感にひかれます。

    おしづ(凛乃しづか) ……琴美くらら
    白髪の鬘も似合っていて、腰の曲げ方、所作などお上手で、声がとても綺麗。

    その他いろいろ

    印象に残った方たち

    平敦盛(帆純まひろ)…… 遼美来(106期)
    瓦版屋虎三(一之瀬航季)……遼美来(106期)
    遼さんは2役に挑戦。
    切れ長の目の和物化粧が、見目麗しすぎて、ドキリとする程。
    通る良い声で、歌もお上手でした。

    瓦版屋鶴吉(侑輝大弥)……月翔きら(106期)
    月翔さんも綺麗で、同期の遼さんと息の合った瓦版売りでした。

    遠山満右衛門(綺城ひか理) ……夏希真斗(105期)
    歌がとっても上手で、コミカルな演技もお上手。

    空丸(美空真瑠) ……希蘭るね(107期)
    秀千代付きの小姓で、クルクルした大きな目が可愛くて、舞台上では絶えず動いていらして、目がひかれました。歌もお上手ですが、お芝居もお好きなのでしょう。

    花組の歌上手な方たち

    青葉の笛の歌
    湖春ひめ花さん(106期)と花海凛さん(108期)。

    夏祭りの歌手
    月世麗(109期)→夏希真斗(105期)→希蘭るね(107期)→珀斗星来(104期)

    研1の月世麗さん大抜擢です。月世さんは178cmの長身で目立つので、いろんな所でも活躍されていました。

    他にも

    夏祭りのひょっとことおかめの踊り
    涼葉まれさん美羽愛さん

    山寺の子どもたち(礼三郎と剣の稽古)
    本公演は研1生7人ですが、新公は研2生7人でした。
    花海凛、滝みらい、光稀れん、纏涼、美翠せいら、華路らら、輝涼じゅん

    鬘がぬげて転がってしまうハプニングがありましたが、冷静に対処されていました。
    7人が袖に引っ込む時には、客席から拍手が送られていました。

    とってもクオリティの高い新人公演でした。花組も歌上手な人たちが増えています。

    コロナ禍以降、花組は宝塚と東京の両方での新人公演の開催は、実現できていません。

    『鴛鴦歌合戦』は、宝塚では無事に終えることができました。今回の新人公演で見つけた課題を東京で達成するために、みなさん更に頑張っていく決意をされていると思います。

    9月14日の東京の新人公演が必ず開催されることを、花組公演が東西で完走ができることを、心から願っています。

    宝塚の新人公演で課題をみつけて、東京の新人公演でクリアするという、本来あるべき姿の新人公演を体験できますように。

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