星組『1789 バスティーユの恋人たち』観劇感想2
こんにちは、くららです。
22日は星組『1789』の新人公演の日でした。宝塚では中止ですが、東京では絶対に上演できますように。
そして今日は千秋楽の10日前。有沙さんをはじめ退団者の方々の化粧前が白く飾られているのですね。千秋楽があっという間にやってきてしまうのは残念です。

21日に観劇した『1789』の感想の続きを書いていきたいと思います。

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革命家たちについて

2幕冒頭の客席からの登場

銀橋には4通路の全てに階段が設置されていました。
上手と下手の扉から、革命家と民衆は客席通路を通って銀橋に結集します。
その先頭は、暁さん極美さん二人だけ一足早く銀橋に上がります

革命家と群衆たちは、客席で歌いながら革命ののろしをあげ、客席のボルテージも最高潮に達します。
そして、舞台に上がるとロックのリズムで舞台を踏みしめるボディパーカッションとなり、舞台も客席も一体感のある熱い空気におおわれていきます。

ロナンの礼さんとオランプの舞空さんの客席降りは、1幕中盤のバスティーユ監獄から脱出する所で、上手花道の階段を降りて、1列目の席の前を走り抜けて銀橋に上がられていました。

「革命の兄弟」「武器を取れ」のナンバー追加

東宝版で歌われていた「革命の兄弟」と「武器を取れ」が、宝塚でも使用されていました。
そしてそれぞれの革命家たちのキャラクターも史実に基づいた東宝寄りに描かれていました。

「革命の兄弟」
ロナン(礼)、デムーラン(暁)、ロベスピエール(極美)が、印刷所で3人で肩を組んで前に歩いて来ながら歌っていました。

「武器を取れ」
デムーラン(暁)がパレ・ロワイヤルで民衆を鼓舞し革命に勢いよく進んでいくソロ曲です。暁さんの力強い存在感が際立っていました。

2曲が追加されたことで、革命に向けての内なる高まりが力強く表現されるようになったと思います。

デムーランの暁千星さん

革命家でジャーナリスト、新聞の論説を執筆、ロナンの友人。誠実で温厚な性格で、ロナンが「同じ平民でも極貧の自分とは違う」と怒りを爆発させても、それを穏やかに包容力をもって受け止める人格者。

スターとしての威圧感というか大きさというか。がっしりめの体格をされていますが、それ以上に舞台の上ではオーラをまとっていて大きく見え、スターの圧があって存在がひと際輝いてしました。
革命を扇動していくデムーランの役が、暁さんの組内での立ち位置とリンクしていて、より観客に訴える力があったように思いました。

そして歌声がひと際力強くて、暁さんの歌唱力のさらなる上達を感じました。

今回、礼さんの3拍子そろった並外れた充実ぶりをヒシヒシと感じましたが、それに続いていこうと頑張っている暁さんの充実ぶりも、ビシバシと感じました。

暁さんと同期の夕渚りょうさんのジャック役[マラーの印刷所の印刷工]のダンスも素晴らしかったです。8年前の月組ではダンスリーダーの宇月颯さんが演じられていました。

婚約者のリュシル(詩ちづる)が隣にいることが多く、手を繋いだり、抱き合ったり、キスをしたり(複数回)、 ほのぼのとする微笑ましいラブラブカップルぶりでした。

リシュルの詩ちづるさん

10歳年下のデムーランの恋人。デムーランに寄り添う可憐なリシュルでした。タカラヅカニュースの稽古場情報Bで、詩さんが下記のように語られていました。

「暁さんが距離をお稽古場から縮めよう、休憩にご飯一緒に食べようと言ってくださったり、でムーラン(暁)の人を思いやる人柄が暁さんとリンクしているなと思って、リュシルとしてもカミーユ・デムーラン(暁)を支えながら、革命にも強くいきたいなと思っております」

「リュシルという役柄は婚約者でもあるんですけど、自立した女性でありたいよねと暁さんとお話しさせていただいて、特に2幕は革命に物語が進んでいく中でも、一人の女性として強くフランス革命に関わっていく姿をお見せできたらと思います」

稽古場から準備していたラブラブ感は、舞台の上で見事に花ひらいていました。そして詩さんは「女性の革命家」として、小桜さんに続いて歌のシーンもありました。

フィナーレでは、初エトワール!安定した美声を轟かせていらっしゃいました。詩さんには肝の座った頼もしさがあります。

ヒロイン続きとイメージガールの先に待っているものは?
本日天飛さんのバウ公演主演『My Last Joke-虚構に生きる-』のヒロインのエドガー・アラン・ポー妻ヴァージニアを詩さんが演じることが発表されました。『1789』の新人公演の2回目のヒロインにも抜擢されています。今年の春は礼真琴さん主演「Le Rouge et le Noir」のダブルヒロインに有沙瞳さんと共に抜擢されていました。

ロビーの看板詩さんはヒガシマル醤油 イメージキャラクターにも選ばれました。岩谷産業のイメージキャラクターの暁さんと共に、宝塚大劇場のロビーに広告が掲載されています。

暁さんと詩さんは舞台で、とてもお似合いでした。小柄な詩さんは、比較的どんな男役さんとも合うタイプだと思います。大柄な暁さんは、身長の高い相手役さんと組む方が全組のバランスとしては良いのかな?

宙組の真風・潤コンビは「岩谷産業・ヒガシマル醤油」のイメージキャラクター同士でしたが、そういう縛りは全く無いでしょう。

期待の詩さんには今後どんな展開が待っているのか、興味深いですね。

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ロベスピエールの極美慎さん

第三身分出身の三部会の議員で、清廉潔白で真っすぐな人物。力強くのびやかに演じられていて、とても好演がもてました。

バウ主演を経て、ビジュアル抜群のスターとして実力面も成長し続けていらっしゃいます。歌唱もとても上達されていますが、まわりの人たちが上手すぎるため、更なる成長が期待されます。

ロベスピエールは恋人との芝居のシーンがありませんが、サイラモナムールのカップルたちのシーンでは、水乃ゆりさんと踊っていました。

ダントンの 天華えまさん

弁護士で、デムーランの友人。女性好きで、真面目な2人(デムーラン、ロベスピエール)とは少し毛色が違う、自由で力の抜けた軽妙なふるまいのダントンを粋に演じられていました。ワイルドっぽい髪型も格好良い。

生真面目な革命家たちの中で、仲間の争いを軽く仲裁するような柔らかい雰囲気のダントン。天華さんご自身がそういう方なのだろうなと感じるような、魅力的なダントンでした。ソレーヌ(小桜)との恋人ぶりもお似合い。

ソレーヌ[ロナンの妹]の小桜ほのかさん

はじめの農村シーンでは、三つ編みおさげの純真な姿がとても可愛かったです。その後ロナン(礼)を追って、パリに出てからは、化粧もガラリと変わり髪を下ろして大人っぽい娼婦に。そしてダントン(天華)と出会い、ロナン(礼)と再開してからは、昼間の仕事をするようになり、その後革命に身を投じていきます。

その時々の外見の変貌ぶりが見事でしたが、その実ピュアな部分は変わらず、常に一生懸命に生きている姿が伝わって来て、芸達者で魅力的な持ち味の娘役さん。

そして歌が最高に素晴らしく、流石の歌唱力で、もっともっと聞いていたかったです。

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その他の役

秘密警察3人組がコミカルで楽しい
ラマール[アルトワ伯爵の手先]… 碧海さりお(紫門ゆりや)
ロワゼル[ラマールの手下]… 稀惺かずと(朝美絢)
トゥルヌマン[ラマールの手下]… 大希颯(輝月ゆうま)

3人を率いている碧海さんが芸達者で、稀惺さんと大希さんがのびのび演じていました。稀惺・大希の同期コンビは、次の別箱も共に天飛さんのバウ主演『My Last Joke-虚構に生きる-』に出演で、二人のライバル関係はまだまだ続くようです。

白妙さんのポリニャック夫人が最高にはまり役
ドライにそそくさと王妃の元を離れていく姿に、ポリニャック夫人の人となりがよくあらわされていて、情に薄い貴族側の典型として浮き立っていました。

パレードの舞空さんの衣裳が挑戦的

ピンクが基調のフィナーレで、礼さんと娘役さんの群舞だけ黒とシルバーでした。男役群舞になると礼さんがシルバーのジャケットを裏返して着るとピンクになって、ピンクの男役群舞になりました。その変化が面白かったです。

最後のデュエットダンスの衣裳は薄いブラウンのとても抑えた色目でした。

そしてパレードになると、男役さんも娘役さんも白の衣裳に統一されていました。娘役さんには白色ピンク色水色の混じった羽根が付いていました。シャンシャンもフランスの国旗に合わせたピンク・白・水色の組み合わせでした。

礼さんは青が基調で紫の入った豪華な衣装に水色の孔雀付き羽根にナイアガラ部分が水色と黄緑色。とちょっと奇抜な色の組み合わせ

驚いたのは舞空瞳さんの衣裳。ピンクのミニドレスにピンクの大羽根。腰のあたりに黄色のファーがついていて、ミントグリーンの編み上げロングブーツ!

ピンクと水色という組み合わせは、8年前の月組『1789』から使われるようになって見慣れていました。今回もロケットの衣裳がピンクと水色でした。

それがピンク黄色の差し色ミントグリーンの編み上げブーツとは!

「色彩感覚はどうなっているの?」と凡人の私には不思議でしたが、超絶なスタイル良しで何でも着こなせる舞空さんなので、この色合いの衣裳も素敵に可愛く着こなされていました。映像で見るより、実際に舞台で観ると、ピンク+黄色+ミントグリーンという組合わせもしっくりきました。

凡人の概念を覆す、今回の色の組み合わせに挑戦的なものを感じました。宝塚はこれからも既定の枠におさまらない様々なチャレンジをしていくのだろうなと思います。

星組『1789』は、「民衆たちが革命を起こしていくぞ」という革新的なエネルギーに満ちています。再開早々からすごい気迫でしたが、礼さん率いる星組は更にパワー全開に進化しつづけていくのだろうと思います。

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