雪組『Lilacの夢路』新人公演感想｜宝塚ブログ　くららのビバ宝塚！

雪組『Lilacの夢路』新人公演感想
こんにちは、くららです。
雪組『Lilacの夢路』新人公演を観てきました。
みんなの実力が安定していて、パワーが溢れるイキイキとした新人公演でした。

新人公演担当は、なんと野口幸作先生。
「本公演とどこか違うかな？」とワクワクと観ましたが、大きな変更点は無かった模様。
昨年は宙組の『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』を担当。一応お芝居でした。
お芝居の勉強のために新公を担当されたのか？それとも演出助手不足？
次の野口先生の登板は宝塚大劇場の今年最後の雪組公演『FROZEN HOLIDAY』です。この作品の生徒の下見のため？

今回から103期が長の期。
長の期のトップ娘役の夢白あやさんも、白峰ゆりさんのガレッティー夫人役で出演されていました。

主演のふたり

ハインドリヒ(彩風咲奈)…紀城ゆりや(105期)

105期の連続新人公演主演の３人目です。

声と滑舌が良く、まずハキハキとした開演アナウンスから、とても好感がもてました。
お顔が綺麗で、目がキラキラしているイケメンさん。
貴公子然としていて、豪華な衣装がとても似合っていました。
そして、歌もとってもお上手。何曲も歌いこなされていました。

前回の『蒼穹の昴』では和希そらさんの役。その一つ前の『夢介千両みやげ』では綾鳳華さんの役と、大きな役を経験しないまま、一っ飛びで主演でしたが、彩風さんからは「初めての主演だから、何をしてもいいんだよ」「歴代の主演の方々も、この不安に打ち勝ってきた。だから紀城もできるよ」と励まされたそうです。

一生懸命取り組んでいて、膨大なセリフの量だったと思いますが、最後まで集中力が途切れることなく、頑張っていらっしゃいました。

カーテンコールの主演者のご挨拶は、一歩前に出る前から、涙があふれていました。

「ホッとして、うれしいのも、多くの方が救いの手を差し出してくださり、ありがたいのと…なんとも言えない気持ちで、ぐちゃぐちゃになりました」引用日刊スポーツ

終演後の囲み取材では、涙のあいさつのワケは、客席が見えた時に何とも言えない感情が湧き出てきたからだそうです。無事に終わった安堵感もあったのでしょう。

後ろで、ヒロインを演じた同期の音彩唯さんは、目に涙をいっぱいためて、夢白さんは今にも泣きそうな顔で、紀城さんを見守っていました。

音楽学校の文化祭の主演経験がありますが、突然の主演抜擢は大きなチャレンジだったと思います。
みんなで力を合わせて頑張っている姿を見ると、「新人公演って本当に良いな」と思いました。

エリーゼ(夢白あや)…音彩唯(105期)

新人公演のヒロイン３回目、東上主演のヒロインもすませ、本公演のショーでは、エトワール。いつのまにかスゴイ経験値をもつ娘役さんになっていて、それにふさわしいスター性と実力です。
ドレスの着こなしが素敵で、お人形さんのように可憐。
そして声が良く通って、歌もお上手。何も言うことがない「ザヒロイン」！

今回は本役の夢白さんを見習って、また相手役が同期ということもあってか、寄り添うというより、グイグイと積極的なヒロイン像でした。

主な配役について

次男・フランツ(朝美絢)… 華世京(106期)

さすがの華やかさで、「スターここに居ますよ」と一段と輝いて見えました。音彩さんと華世さんのふたりは「新公レベル」をはるかに超えています。
新人公演主演はまだ１回ですが、既に何度もしたかのような安定感、安心感があります。

こじらせフランツ、難しい役だと思っていましたが、サラッと上手に演じられて、苦悩の心情を吐露する歌をはじめ、どのシーンも良かったです。本当に何でもできる！

ディートリンデ(野々花ひまり)… 愛陽みち(104期)

フランツと同じように難しい役だと思いますが、我儘で、小悪魔っぽさのある可愛くて憎めないディートリンデを好演されていました。
ヒロイン声で、歌も上手で、ダンスも素敵でした。

雪組では、絞った娘役さんしかヒロインに抜擢されませんが、愛陽みちさんにそのチャンスがあれば良いなと思います。

三男・ゲオルグ(和希そら)…聖海由侑(103期)

よく通る綺麗な声、歌唱力、ダイナミックなダンス、的確なお芝居、すべてが安定していました。
お顔も綺麗で軍服も貴族服もお似合いでした。
今回は、和希さんと声や歌声を似せている感じがしました。実力派の和希さんのコピーできるということは、聖海さんも実力派だから。

次が最後の新人公演です。聖海さんに主演のチャンスがまわってきたらと思います。

103期の長の期の「長」としてご挨拶もされました。ご挨拶もよどみなく、安定感抜群でした。

鉄職人アントン(縣千)…苑利香輝(108期)

前回の『蒼穹の昴』で岡圭之介役(久城あす)を流ちょうに演じ、注目の研２さん。
今回も前回を軽く超えて、歌もダンスも安定していて、お芝居が表情豊かで、本当にうまい。滑舌も良い！
少年らしさも漂っていました。

先が楽しみな研２の有望男役さんです。

初抜擢の107期男役さん

五男・ヨーゼフ(華世京)…瞳月りく(107期)
台詞を喋ってお芝居をするのは初めてだと思いますが、とても可愛い弟で、線が細くて儚げな感じがヨーゼフにピッタリでした。お兄さんたちにかわいがられている感じがしました。
スタイルが良くて、美形で、歌もダンスもお芝居も上手。107期の注目の男役さんかなと思いました。

四男・ランドルフ(一禾あお)…乙瀬千晴(107期)
滑舌が良くて、台詞聞き取りやすかったです。スタイルの良いイケメンさん。

男役の抜擢が、107期にもまわってきた感じです。場面を与えられて、ドンドン成長していかれることでしょう。