こんにちは、くららです。
宝塚大劇場では2月21日に月組新人公演が上演されました。
それから約1か月半、配信で今回見た東京の新人公演では、どの人も素晴らしく成長していて、とっても感動しました。
宝塚で1回目を演じて課題を見つけ、2回目の東京で課題をクリアして集大成とすることに本当に意義があるなと思います。
そして「流石芝居の月組!」と思うのは、新人さんたちが本役のコピーではなく、自分の役として、イキイキと演じられていたことです。セリフの言い回しや声色が良くて、聞きやすいのも月組の新人公演の特徴だと思います。
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主な役について
菅原道真(月城かなと)……七城雅(105期)
宝塚の時は、はじめは緊張が伝わってきて、その後良くなっていき最後の歌でとても感動したのを覚えています。今回は最初からとっても堂々として安定していて、成長をとても感じました。
公演プログラムに「宝塚での新人公演の時は、お稽古では出来ていたのに、委縮してしまって出来なかったり、悔しいと思う部分が多くありました」と書かれていましたが、それらが全てリベンジできたのではないでしょうか。
どの役の人とのやりとりにも道真の個性が出ていて、とっても道真の人となりが伝わってきました。
お化粧も上手で、聡明で説得力のある演技で、少年道真が良く合っていました。滑舌も声も良く、伸びやかな歌声もとても心地よかったです。「歌が好き」と仰っていたので、歌はさらに磨かれていくような気がします。
今回、105期生の新公主演一番のりでした。これからも新人公演の主演を何度も重ねていくだろう、3拍子揃った実力派の方だと思います。身長もあって、お顔立ちも整っています。
学年が進むにつれて、頬のお肉が落ちてきたらスター街道まっしぐらのような気がします。
昭姫(海乃美月)……羽音みか(103期)
宝塚の時は羽音さんもはじめは緊張されていて、歌が不安定に感じられた時もありましたが、今回は全てが安定していて、お芝居のセンスが良くて、セリフの言い回しも抜群。「食えない坊ちゃんですこと」など捨て台詞がバッチリ決まっていました。
『Youngプラス#83「瑠皇りあ・羽音みか」』で、海乃さんから羽音さんの優しさ柔らかさが出せたらとアドバイスされていましたが、十分出せていたと思います。セリフに優しさがあふれていて、説教くさく聞こえません。
「長の期」としてみんなを引っ張っていく立場と、姉御肌な気風の良い昭姫がリンクして、地に足の着いた頼りがいがある昭姫でした。2期下の主演の七城さんとの関係性にも、学年差がうまくいかせていたように思います。
羽音さんも本当に「芝居巧者」な方だと思います。「良い女」が似合うとっても素敵な娘役さん。ただ166cmという長身が相手役や役を選んでしまうところが残念なところだと思います。
在原業平(鳳月杏)……一輝翔琉(107期)
映像で見ても、素敵なスターさんでした。化粧映えするお顔立ちに、研3になったばかりとは思えない色気があって、スターオーラがあふれていて、早期抜擢されるのも頷けます。
「新人公演インタビュー」では役を的確に洞察されていて、セリフ回しを聞いていても、芝居のセンスがある方だと思います。声も良い。
芝居の佇み方が宝塚の時に比べて、とても自然な感じになられたと思いました。
課題はやはり「歌」。特に鳳月さんの歌が難しいのかな?とも思いました。
トップスターさんたちの中でも、当初は歌が苦手だった方も、段々と上達されていった例はいくらでもあります。
上達していく期待値を込めての早期抜擢だと思うので、頑張っていって欲しいなと思います。
藤原基経(風間柚乃)……瑠皇りあ(103期)
宝塚での新人公演の時は、ゾクッとするほど美し過ぎる上、芝居が繊細で歌も完璧。瑠皇りあさんの悪役の基経が、大きな話題になりました。
『Youngプラス#83「瑠皇りあ・羽音みか」』に出演した時に、下級生に言葉で伝えるのは苦手なので、「長の期」として下級生に背中から学んでもらいたいと、役に真剣に取り組む姿勢を下級生に提示したと話されていました。
さらに冷血な「基経」役をやるにあたって、「基経が緊張することがある?」と自分に言い聞かせて、緊張から解放されて演じられたそうです。
これらの話を聞いて、並々ならぬ気迫を込めて役に向き合い、大きく脱皮されたような印象を持ちました。
東京公演への課題は、基経の人間的な部分を消すことと話されていました。そういう部分はクリアされていたと思います。
しかし昔の吉祥丸との関係性が描かれた部分は、人間だからこそ思いがあふれる部分で、本公演で吉祥丸を演じていらっしゃるからこそ、余計に伝わってきます。
基経の銀橋でのソロは、低めの迫力ある歌い声で、今回も素晴らしかったです。最後にニヤリと笑っていたような。超絶美形のこの悪い男ぶりに、多くのファンがつきそうな気がします。特に古き宝塚の香りがします。
すごい美形のスターさんなのに、ショーでは発光して見えないのを不思議に感じていました。でもこの新人公演での成功が自信になって、スターとしてキラキラ発光していかれるような気がします。
多くの人が最後の『フリューゲル -君がくれた翼-』の新人公演では主演を見てみたいと思っています。叶うといいですね。
その他の印象に残った役
紀長谷雄(彩海せら)……和真あさ乃(106期)
素朴でお人好しで抜けている感じがよく出ていて、表情がコロコロ変わるのも面白く、味のある弾けた長谷雄でした。滑舌が良くて声も通るし、歌もお上手で、振り切った三枚目演技。和真さんの二枚目も見てみたいです。
白梅(彩みちる)……花妃舞音(106期)
そばかすをいっぱい描いても可愛くて、声もいつもと違って、キャビキャビ存在感がありました。
長谷雄と白梅の106期同期は、息がぴったりで、ほっこりするコンビでした。
藤原高子(天紫珠李)……きよら羽龍(104期)
お芝居に説得力があって空気が引き締まる感じがします。良く通る声に、美しい歌声。とっても安定感があって、安心して見ていることができます。
桂木(梨花ますみ)……白河りり(103期)
最初のナレーションは、滑舌が良いので聞き取りやすくて、声に奥行きをつけていて、厳かな雰囲気でストーリーに誘われました。
桂木の落ち着いた演技と間の取り方、セリフの抑揚など巧みで、老け役も自然体でさらっと演じられていて、器用な方だなと思いました。
清和帝(千海華蘭)……天つ風朱李(107期)
滑舌の良い高めの声が若い帝らしく、高貴な品も感じられる、本役の千海さんとは一味違う帝でした。
大師(結愛かれん)……涼宮蘭奈(106期)
幕開き冒頭では、真弘蓮さんの是則役で業平と共に登場します。髭面が似合っていて、丁寧にお芝居されていました。
大師役は、綺麗でダイナミックに踊られていて、涼宮さんはダンスがとてもお得意なことを知りました。
大きい2役に挑戦の真弘蓮(104期)
蓮つかささんの國道と瑠皇りあさんの吉祥丸、全く違う2役をしっかり演じ分けていらっしゃいました。吉祥丸の歌も素晴らしく、芝居ができるだけでなく歌もお上手。「桜嵐記」の醍醐天皇、「今夜、ロマンス劇場で」の伸太郎、「グレート・ギャツビー」のウィルソン。どんな役でも完璧に演じられる役幅の広さは凄いです。
108期の雅耀さんは、源融(蘭尚樹)役です。髭を付けた雅さんを一瞬拝めたりしましたが、下級生なのでそんなに画面に映し出されることは無かったです。配信映像は、映し出されるものしか見えないので、下級生を見れないのは仕方ないですね。
瑠皇りあさんについて
今回の新人公演で皆さんステップアップされていましたが、一番の収穫は、瑠皇りあさんが、歌も芝居もできるイケメン男役として爪痕を残されたことだと思います。
瑠皇さんはお母様が宝塚ファンだったので、宝塚観劇が当たり前の環境で、宝塚には幼少の時から慣れ親しんでいたそうですが、スポーツに興味があったので「自分が宝塚に」と思うことは無かったそうです。ダンスや歌の稽古事は習っていなくて、ピアノだけは習っていたそうです。
高校生の時に担任の先生から「宝塚を受けたらいいんじゃない」と勧められて、受験されたそうです。瑠皇さんの通われていた高校は、大阪の梅花高校です。昔から宝塚の出身者が多いことで有名な学校で、先生もそういうこともあって華やかなお顔立ちの瑠皇さんに宝塚を勧められたのでしょう。
ちなみに羽音みかさんも梅花高校出身で、二人は学年が違うので話したことは無かったそうですが、お互いに存在は認識していて、音楽学校の入学式の時に「梅花よね」と瑠皇さんが話しかけられたそうです。奇遇ですね。
瑠皇さんの今後の活躍が楽しみですね。
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