月組『応天の門』新人公演観劇感想
こんにちは、くららです。
月組『応天の門』新人公演を観劇してきました。

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新人公演について

新人公演担当は、中村真央先生
宙組『シャーロック・ホームズ』(2021年)、花組の『巡礼の年』(2022年)以来、3回目の新人公演担当だと思います。

展開がはやいお芝居ですが、新人公演でも同じテンポで流れていきました。
本公演では随所に笑いが巻き起こりますが、新人公演ではそのあたりは控えめでした。

主演の七城さんも素晴らしかったのですが、私は新人公演の長の期として最高の輝きを放っていた瑠皇りあさんが、一番印象に残りました。
次の新人公演が最後になると思います。次回は瑠皇さん主演で、ラストの新公を飾って欲しいと思っています。

103期は長の期で、白河りりさん、瑠皇りあさん、羽音みかさん、彩路ゆりかさん、まのあ澪さん、爽 悠季さん、毬矢ソナタさんたちが安定した実力を発揮されていました。

主な配役感想

菅原道真(月城かなと)……七城雅(105期)

新公ごとに、3番手の暁さん、2番手の鳳月さん、そして今回主演の月城さんと順調にステップアップをしてきた七城さん。
今回、105期生の新公主演一番のりです

お芝居、歌、滑舌、声、なにもかも安定していて、素晴らしい出来でした!
はじめこそ緊張されていましたが、最後の銀橋での歌声には、心が震えました。
三拍子そろった実力者!(ショーの若手の爆踊りシーンでも目が惹かれます)

そして今回は少年の役だったので、ベビーフェイスが若い道真によく似合っていました。長谷雄との関係も学生らしさがあって、漫画と等身大の道真のように思いました。
多分七城さんがとっても真面目な方だと思うので、すねた道真を演じていても、真面目さが伝わってきました。
表情も研究されていましたが、目つきなどは東京に向けての課題かもしれません。

105期の先陣をきって新人公演の主演に抜擢された実力の高さをヒシヒシと感じました。暁千星さんと似ていると言われていましたが、3拍子揃った実力の高さも似ていますね。

昭姫(海乃美月)……羽音みか(103期)

166cm長身で、鼻筋の通った華やかお顔立ちが、「唐からの異国の人」というイメージにピッタリでした、
『桜嵐記』で海乃さんが演じた「百合」役を新人公演で演じて、今回が2回目かな。海乃さんとタイプは違うけれど、役柄がピッタリはまります。

勝気で姉御肌なキャラの昭姫は、長の期としてみんなを引っ張っていく立場から堂々と演じられていて、地に足の着いた頼りがい感がありました。
主演の七城さんが2期下だったことも、「坊ちゃん」扱いするお姉さんとの関係性にはまっていました。

在原業平(鳳月杏)……一輝翔琉(107期)

研2で大抜擢!やはり92期の大ベテランの鳳月さんの役を15期下の一輝さんがやるには、ちょっとハードルが高かったよう。

でもパッて出てきた瞬間に「スター!」というオーラがあります。そして一輝業平は、鬘の左右の髪が少しだけ垂れていて、とっても色っぽかったです!
表情や声がちなつさんを研究したのだろうなと感じられるところがいろいろあって、研究熱心だなとも感じました。まだ2年目なのに、お芝居、身のこなしなどど、一つを除いては、とっても良く頑張っていらっしゃいました。

一つとは歌かな、課題だと思います。鳳月さんはさらっと歌われているので、新人公演を観て「こんなに歌われていたんだ」と再認識。
月組全国ツアー『ブラックジャック』で、ブラックジャックの影で歌われていた時よりは、上達されていたように思いました。

化粧映えするお顔立ちで、舞台化粧をすると、やはり成瀬こうきさんに似ています。立ってるだけで華があります。とても勘が良さそうなので、宝塚大劇場での経験が、東京での成長に大きく繋がっていきそうな気がしています。

藤原基経(風間柚乃)……瑠皇りあ(103期)

前回に続いて風間さんの役でした。
瑠皇りあさんが演じる基経が2番手と思えるほど、存在感がありました。そして発光していた!

風間さんと同じように赤いルージュが整ったお顔に映えて、なんと格好良い、匂い立つような美男子。
その美貌は明日海りおさんを彷彿させてくれます。お名前も「りあ」と「りお」似ていますね。

本公演の吉祥丸でも素晴らしい歌声を聞かせてくださっていますが、基経の銀橋でのソロは、声量があって、張り詰めたような表情で何とも言えない色気と哀愁が漂っていて、本当に素晴らしかったです。

本公演で、基経が唯一心を寄せる吉祥丸を演じられているので、基経のそのあたりの解釈が深いように感じられ、そういう思いを捨てて敢えてポーカーフェイスを通している基経がより魅力的に感じられました。悪い顔も美しい。目の使い方も。

ビジュアル満点で、歌唱力も、芝居も出来て、ショーの若手の爆踊りシーンでも活躍されています。3拍子揃ってさらにスターオーラにも磨きがかかってきています。これからに期待しかないです。

今回も本公演で少年役で、今までも少年系の役が本当に多かったですが、大人なダークな役もしっかり演じられることが証明されたので、これからは男役としてスター路線を歩んでいって欲しいなと強く思いました。

ご挨拶について

長の期の挨拶は、白河りりさん
「自由に表現していくことを目指し、互いに心に寄り添いあい、東京公演へ向けて努力していきたい」という内容を話されていました。とっても落ち着いたご挨拶に感動しました。

七城さんのカーテンコールでのご挨拶(メモに書き留めていましたが、web記事の方が正確なので引用させていただきます)

カーテンコールで七城は「作品の中でもあるように、巡り会った仲間から理解の仕方などを学び成長することが、今を生きる私たちにとっても大切なことだと実感できました。皆様の心に寄り添える舞台人になれるように精進してまいりたい」と、あいさつした。引用スポーツ報知

七城さんは、月城さんから、「自信を持ってやっていいよ。いってらっしゃい!」と言葉をかけられて、「うれしく、力になりました」と感激されていたそうです。

第105期生では初の新人公演の主演でした。「他の組の同期も活躍している中で、責任のあること。同期に力をもらいながら、私もパワーを届けらるよう、これからも頑張りたい」と話されたそうです。やはり同期が頑張っていることは、互いに作用しあって大きな力になるようです。

105期の新人公演主演の流れは、続いていきそうですね。

他の役の方の感想を書きましたが、長くなりそうなので、次回に分けてご紹介します。一人で何役もやっている方が多くて、全然目が足りない新人公演でした。みなさん本当に輝いていました。

東京宝塚劇場での新人公演は4月6日です。ぜひ配信でご覧ください。

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