身長と男役の関係と蘭世惠翔さん
こんにちは、くららです。
本日宙組次期トップスターとトップ娘役の発表があるかと思っていたらありませんでした。

気になるweb記事が流れていました。
賛否両論あると思いますが、今日は敢えて週刊誌のネタを取り上げてみたいと思っています。

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蘭世惠翔さんについての記事

月組の蘭世惠翔さんは2月4日から宝塚大劇場で始まる『応天の門』『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』で退団されます。退団発表の時はとっても残念に思いました。
でもご本人が決められたことなので、幸せに宝塚を卒業されていくことを願っています。

この記事のタイトルで気になったのは、「蘭世惠翔が宝塚退団 男役から娘役に転向“わずか数cm”の身長差が影響か
身長が退団の原因のようなタイトルのつけ方に、私は違和感を持ちました。

舞台人にとって身長は関係なし!中川晃教さん

『MAKAZE IZM』で東京に遠征した時、予定していた星組『ディミトリ』『ジャガービート』が中止になったため、急遽明治座中川晃教さん主演『チェーザレ 破壊の創造者』を観ました。この公演は2020年の春、開幕目前でコロナの緊急事態宣言で全公演が中止になってしまい、約3年後のリベンジ公演でした。

圧倒的な歌声で日本のミュージカル界を牽引する中川晃教さん!私はまだ中川さんの舞台を観たことが無かったので、中川さん主演ということだけで、チケットを購入しました。

原作は、コミック『チェーザレ ~破壊の創造者~』(昨秋完結)。ルネサンス期のイタリアを舞台にした惣領冬実さん原作の壮大な歴史絵巻
名門ボルジア家の後継者チェーザレボルジアの知と力の戦いの物語が、元宝塚の演出家荻田浩一氏の脚本によって、描かれていました。

宙組『異人たちのルネサンス』の芹香さん演じたロレンツォが、中川晃教さんが演じたチェーザレたちの父親世代。宙組の時期より少しだけ後。

私はコミックを読んだことも無いし、何の知識も無かったので、宝塚より15分長い公演<約3時間15分(休憩30分)>に寝てしまうのでは?と心配しながら足を運びました。

そんな心配は無用でした。明治座に初めてオーケストラが入ったそうで、とにかく中川さんの圧巻の歌唱力。そして他の出演者の歌のレベルも高く、舞台美術や衣装も素晴らしく、ストーリーが面白くて舞台に惹きこまれていって3時間15分があっという間でした。(宝塚の演目より集中しやすかったかも)この公演おススメです。

はじめにチェーザレの母親が少し出てくるだけで、ほとんど男性の出演者たちによってストーリーは進んでいきます。「HiGH & LOW」のような感じの部分もありました。

中川さんは台詞が聞き取りやすく、豊かな表現力と、テクニックに裏打ちされた完璧な歌唱力によって、歌うと舞台の空気が変わります。惹きこまれていきます。何もかも歌でねじ伏せる礼真琴さんの感じと似ています

中川さんは小柄ですが、ものすごい存在感があって、チェーザレが特別な大物になっていく説得力がありました。

中川晃教さんは、多分宝塚の男役さんより小柄だと思います。
なのに共演者は長身な方が多かったです。

次期教皇の座を切望するチェーザレの父ロドリーゴ役の別所哲也さんは186 cm

ロドリーゴと激しく対立しチェーザレの命を狙うジュリアーノ役の岡幸二郎さんは185cm。

ボルジア家と同盟関係にあるメディチ家の当主ロレンツォ(ジョヴァンニの父)の今拓哉さんは180㎝。

チェーザレの腹心の部下ミゲル役のEXILEの橘ケンチさんさんは180 cm。

「神曲」で有名なイタリアの詩人ダンテ役の藤岡正明さんは 171cm。

舞台の上でも中川晃教さんとの身長差はあきらかでしたが、全く違和感は無かったです。中川晃教さんの特別な存在感表現力があるからでしょう。素晴らしい歌唱力は全てをねじふせます。

礼真琴さんも男役としては小柄ですが、舞台の上で全く不利は感じません。

「男役になるためには身長が必要」と言われていますが、宝塚音楽学校に入学できて男役として頑張っている方たちは、ご自分の努力で「身長問題」は克服できるように私は感じています。娘役に転向されるのは、それ以外の理由があるからでしょう。

全般に日本人の平均身長が下降気味で、宝塚の受験希望者も減ってきているので、以前ほど男役さんの身長に拘らなくなっていくようにも思います。

身長に関しての勝手な妄想

週刊誌の記事は間違いが多い

今回の記事を読んで、詳しく調べることもなく、間違ったまま記事にされていることをいろいろと感じました。

宝塚入団後は一学年下に松岡修造(55才)の長女・稀惺かずとが在籍
蘭世さんは102期。稀惺さんは105期。その学年差は3期です。

蘭世さんも稀惺さんも日本女子大学附属高等学校出身ですが、実際の年齢も学年差とそんなに変わらないのでは?と思います。

稀惺かずとは父親譲りの小顔と169cmのすらっとしたスタイルで、新人公演では主演を務めた。

稀惺かずとさんは、まだ新人公演の主演をつとめていません。
稀惺かずとさんの男役としてのスタイルについては、もう少しお父さんに似ればよかったかなと思っているファンの方も多いのでは?
世間一般の女性の中では長身ですが、宝塚の男役の中では長身の類に入らないので。

蘭世さんより1年早く男役から転向した天紫珠李さんが次のトップ娘役に近いといわれています。

天紫さんが娘役に転向したのは2017年12月25日付。
蘭世さんが娘役に転向したのは2019年8月22日付。
2年の差があります。

蘭世さんは演技力はあるのですが、ほかにもダンスや歌唱など、トップ娘役になるためにはいくつもポイントがありますからね。強力なライバルの存在も、退団を促したのではないでしょうか」(前出・古くからの宝塚ファン)

蘭世さんは、演技力と同じくらい歌唱力も抜群です。
強力なライバルの存在が蘭世さんの退団を促したとは私には思えません。

ただ、男役としては頭打ちになってきていたんです。彼女の身長は公称167.5cmで、たしかにやや身長が足りなかった。これまでに男役としてトップに立った人たちの中には、170cmを超える長身が多くいましたからね。さらに上を目指すための決断でした」(前出・宝塚関係者)

男役の時と娘役に転向してからでは、公称身長が変わります。過去の「宝塚おとめ」を見れば一目瞭然です。
天紫珠李さん 169cm → 166cm
蘭世惠翔さん 170cm → 167.5cm

そして公称身長は実際の身長と違っていて、願望を含めた身長です。

蘭世さんは、男役の時は公称身長は170cmでした。そのまま男役を続けることに無理がある身長では無かったと思います。そのくらいの身長の男役さんは沢山いらっしゃいます。

勝手に記事の間違っていると思われるいろいろを拾いあげて書きましたが、「週刊誌報道」というものは裏取りもせず(宝塚関係者)の発言として簡単に記していることを思いました。

蘭世惠翔さんについて思うこと

蘭世惠翔さんは、明日海りおさんタイプのフェアリータイプのアイドル的な男役さんだったので、応援していました。

2018年の『エリザベート』では、本公演は子ルドルフ。新人公演では、マダム・ヴォルフ役。
子ルドルフは可愛くて儚くて、とても演技がお上手で心が打たれるルドルフでした。

マダム・ヴォルフは美しさと妖艶さと歌唱力が話題になりました。かつて真彩希帆さんも新人公演でマダム・ヴォルフを演じてとても話題になりました。男役も女役もできる将来性を感じていました。

娘役に転向前のショー『クルンテープ』では、少年デプチャイ役。通し役でショーの開幕に銅鑼を鳴らし、途中まで出番が多かったです。とっても可愛くて印象に残る役でした。

芝居『夢現無双』では、代役で風間柚乃さんが演じていた骨太な辻風黄平を演じました。新人公演では、祗園藤次(本役:輝月ゆうま)

ここで男役を極めるような骨太な男役を演じて何か感じるところがあったのでしょうか。

その後の梅田芸術劇場の先日の梅田の『ON THE TOWN』では、中性的で華やかなお顔と雰囲気で司会者役もコニーアイランドのMCも良かったです。

その後娘役に転向されて、『I AM FROM AUSTRIA』から娘役として出演されています。
新人公演では、海乃美月さん演じるジョージの母役。
「美人ママ」をチャーミングに元男役の迫力も出して素敵に演じられていました。

その次の『出島小宇宙戦争』での風間さんとの絶妙なやりとりのヘレーネ役もとっても良かったです。

いつか新人公演のヒロインがまわってきたら良いなと思っていましたが、残念ながらまわってきませんでした。

Brilliant Dreams#141「暁千星」~personal~

暁千星の「personal」編は、暁さんと彩音さん、結愛さん、蘭世さん、柊木さんがネスタリゾートでグランピングを楽しむ回でした。その中で蘭世さんが「娘役転向」に悩んでいた時に、暁さんが髪飾りを送ってくれた話をされていたと思います。

身長問題とかではなく、自分に男役が合わなかったのでしょう。天紫珠李さんも娘役に転向して、自然体で楽になったことを話されていた記憶があります。

蘭世さんがあのまま男役を続けていたら、スター街道を歩まれたかもとも思いますが、娘役に転向して誰よりも華やかで美しく輝いている姿を見たら、転向されて正解だったのだなと思います。人間自分の気持ちに反して無理を続けるほど精神的にしんどいことはありません。

102期はスターの宝庫

トップ娘役…舞空瞳、潤花
新公主演…天飛、彩海、風色、咲城、侑輝
新公ヒロイン…水乃、花宮、春乃

他の期に比べて、新人公演の主演、ヒロインが多いです。

蘭世さんも1度くらいヒロインを演じられたら良かったのにと思いますが、配属された組事情もあります。
特にコロナで公演や新人公演がストップしてしまったので、そういう影響もあったかもしれません。
残念でした。

あまり詳しくない分野では、週刊誌に書いてあることは、鵜呑みにしやすいですが、今回のように宝塚についてなら、少し予備知識があるので、間違っているなとはっきりわかります。

お母様の君島十和子さんが、蘭世さんの今後について
「これからのことは、彼女が決めることだから……」と仰ったそうです。
これは事実だと思います。有名税と言いますが、こうして週刊誌に取り上げられるのは気の毒だなと思います。十和子さんはずっと娘さんの気持ちに寄り添ってこられたのだと思います。

蘭世さんのサヨナラ公演である月組大劇場公演の幕が来週あがります。
蘭世さんをはじめ7名の方々が幸せに有終の美を飾ることができますように。

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