花組『二人だけの戦場』『舞姫-MAIHIME-』雑感
こんにちは、くららです。
花組5月ふたつの別箱について発表されました。

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花組の別箱は二つだけ?

トップコンビ主演の『二人だけの戦場』(梅田芸術劇場メインホール/東京建物 Brillia HALL)

聖乃あすか、バウホール主演『舞姫-MAIHIME-』

今回のこの発表を見て、まず思ったことは、もう一つ追加がありそうと。(勝手な憶測です)

「花組は来年何かが変わる」と思っていたので、現時点の情報だけでは、何も変わらない停滞感が強いです。

星組の別箱も、10月6日ふたつの公演が発表されて1か月後に追加で、11月8日バウ・ワークショップ『Stella Voice』の発表がありました。

先日の花組全国ツアーには、トップコンビに、花組の男役さんの2番手~4番手まで揃って帯同されました。

今回は4番手の聖乃さんはバウ主演なので、トップコンビ主演公演には、また2番手の水美さん、3番手の永久輝さんが帯同するのでしょうか?

前回の全国ツアーで、演目が『フィレンツェに燃える』と発表された時も、2番手までしか大きな役が無く、偏りを感じましたが、今回も同じ思いです。

『二人だけの戦場』について

『二人だけの戦場』『舞姫-MAIHIME-』も再演ですが、どちらも大きな感動を与えてくれる傑作なので、再演にはふさわしいと思います。

『二人だけの戦場』は、正塚晴彦先生の代表作と言ってもよい、「民族問題」や「紛争」などを真っ向から取り扱った、ヒューマニズム溢れる作品です。

1994年一路真輝花總まり主演によってバウホール日本青年館で上演されました。
その8か月後に名古屋特別公演として、愛知厚生年金会館で上演されています。

当時は宝塚での公演東京での公演の間に、別箱公演があったり、変則的でした。

紫ともさんサヨナラ公演の時の作品

一路真輝さんの最初の相手役の紫ともさんのサヨナラ公演『ブルボンの封印』『コート・ダジュール』の宝塚と東京の間に、『二人だけの戦場』がバウホールと青年館で上演されました。

その時、トップ娘役の紫ともさんは、2番手だった高嶺ふぶきさん主演の『ライト&シャドウ』(シアタードラマシティ)に出演されていました。

紫ともさんのサヨナラ公演なのに、お芝居の『ブルボンの封印』もショーの『コート・ダジュール』も、星組から組替して来たばかりの花總さんを優遇して、紫さんの扱いが酷かったことは語り草になっていますが、当時はSNSなどなかったので、それほど騒がれてはいませんでした。

その東西のサヨナラ公演の間の別箱が『二人だけの戦場』でした。

その後、花總さんがトップ娘役に就任した本公演1作目は、一路さんがスカーレットを演じた『風と共に去りぬ』だったため、トップコンビのお披露目ではありませんでした。(大作の場合は、宝塚と東京の間に別箱公演はありませんでした)

次の大劇場トップお披露目公演の前に、愛知厚生年金会館で上演された『二人だけの戦場』が、一路・花總コンビのプレお披露目公演となっています。

理想に燃え、国家と人間との狭間で果敢に立ち向かう青年士官の、民族が異なる娘との許されざる恋と、熱い友情の物語です。

「ジプシー」という呼称には、差別的意味が込められているので「ロマ」という呼称を使います。

【主要な3役】

友情の物語なので、3役が主要な役です。

シンクレア(青年士官)……一路真輝⇒柚香光

ライラ(ロマの踊り子)……花總まり⇒星風まどか

テリジェン(シンクレアの親友の青年士官)……轟悠⇒?

裁判のシーンで、テリジェンがストーリーテラー的な役割を担い、長いセリフがあるので、テリジェンは演技力がとても必要な役だと思います。

【その他の役】

アルヴァ(ライラの兄、過激派の闘志)……和央ようか

シュトロゼック(ライラの父、ルコスタ州の議長)……汝鳥伶

ハウザー大佐(ハト派)……古代みず希

クェイト少佐(タカ派、副司令官)……泉つかさ

ジョクレア(古参兵グループのボス)……矢吹翔

エルサ(カフェの女主人)……小乙女幸

ラシュモア軍曹(エルサの恋人)……葛城七穂

作家……安蘭けい

【簡単なあらすじ】

シンクレアは副司令官のクェイト少佐を混乱の中で射殺してしまいます。

舞台は、シンクレアが作家のインタビューに答えて、自分の半生を振り返るところから始まります。
裁判長の声が聞こえてきて、舞台はシンクレアを裁く軍事法廷の場になります。起訴事実は上官殺害。

この作品は三重構造で、インタビューの中に過去の法廷があり、法廷の中で、さらにそれ以前に起きた上官殺害の経緯が再現されていきます。

作家に自分の半生を語り終えた時に、親友のテリジェンが面会に訪れて、共和国と独立をとげた自治州との間に国交が樹立されたのを機会に、シンクレアが特赦されることになったことを報告して、感動のラストになっていきます。

『二人だけの戦場』のタイトルの「二人」は、恋人同士を指し、「戦場」とは銃弾の飛び交う場所ではなく、男と女の愛の絆のことで、平和への思いが込められています。

当時のユーゴスラビア紛争を下敷きにして正塚先生は書かれたのだと思いますが、30年近くたった今の国際情勢にも通じるものがあり、身近に感じる内容です。

作曲・編曲が高橋城先生で、素晴らしい楽曲で綴られていました。

一路さんは歌がとてもお上手な方だったので、とても聞きごたえがありました。
歌が進化している柚香さんにとって、また良いチャレンジになることでしょう。

正塚先生再演ブーム中
・宙組「バロンの末裔」
・月組「ブエノスアイレスの風」
・月組「ブラック・ジャック」

永久輝さんについて思うこと

水美さん柚香さん演じるシンクレア親友テリジェンを演じると3番手の役というと和央ようかさんの演じたアルヴァ役になるでしょう。

和央さんは初演当時研6でした。永久輝さんはこの作品の頃には研13になっています。

全国ツアーの『フィレンツェに燃える』の オテロ役は、初演では麻実れいさんが研5で演じていました。永久輝さんは研12でした。

「歌劇11月号」の表紙を飾ったことから、永久輝さんがトップスター候補であることに間違いないと思うのですが、いつまでも順番に役を振っていたら、男役としての大きな役の経験値を重ねることができません。

永久輝さんがディナーショーを開催するとか、何か変化があった方が良いような気がしています。

花組の相変わらずの停滞感には、ちょっとがっかりしています。

『舞姫-MAIHIME-』について

2021年の宙組『Hotel Svizra House 』から登板されていなかった植田景子先生のお名前を久しぶりに見て嬉しかったです。

この作品は愛音羽麗さんの代表作です。
白い軍服が良く似合うフェアリータイプのピュアなイメージの男役さんで、役にピッタリはまっていました。

2007年6月にバウホール公演として上演されて評判が良かったので、2008年3月に日本青年館で再演されました。
愛音さんは当時花組の4番手なので、東上主演公演は全く射程圏内になかったと思うので、とても珍しいケースで、どれだけ素晴らしい作品であったかを物語っていると思います。

相手役の憑依型役者の野々すみ花さんの透明感のある儚げな演技が圧巻で、野々さんの好演があったからこそ、東上公演に繋がった点も大きいと思います。

森鴎外の代表作「舞姫」をミュージカル化して、愛する女性と祖国との板挟みのなか、悲劇へと向かう主人公の心の葛藤が繊細に描かれていて、とても心が揺さぶられる、文学的で完成度の高い感動作品です。

植田景子先生は、小劇場公演でヒット作を多く出していらっしゃいます。
この作品も細部にまでこだわって作り込んでいらっしゃいました。

【主な配役】
太田豊太郎(エリート官僚)……愛音羽麗聖乃あすか

エリス(貧しい踊り子)……野々すみ花星空美咲?
*~*~*
相沢謙吉(豊太郎の友人)……未涼亜希帆純まひろ?

原芳次郎(私費留学生の画家)……華形ひかる⇒?

マリィ(原芳次郎の恋人)……華月由舞⇒?

ヒロインは星空美咲さん?
エリスは、とても演技力が必要な役で、星空美咲さんが似合いそうに思います。
そうすると、『PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-』でも聖乃さんのバウ主演の相手役をしていたので、重なってしまいますが。

初演のヒロイン野々すみ花さんは研3でこの役を演じて、研4で『銀ちゃんの恋』の小夏を演じています。
星空さんは小夏を研3で演じました。

そして野々すみ花さんは、研5で宙組トップ娘役に就任しました。

星空美咲さんもトップ娘役に就任する準備が整いつつあるように思いますが、どんな形でトップ娘役の道が開いていくのでしょうか?

友人の相沢謙吉役は、帆純まひろさん?
2番手の役になります。
とても深みのある役です。未涼さんは、歌がお得意だったので歌もありました。
豊太郎の友人役なので、帆純さんが適任のように思います。

画家の原芳次郎役は?
演技力が必要な役です。
侑輝大弥さん?鏡星珠さん?

聖乃さんは、「漢(男)」なイメージも押し出してこられていますが、プリンス的な愛音羽麗さんのような白いイメージもあるので、豊太郎が合っていると思います。

別箱にSS席設定

梅田芸術劇場メインホールでも、東京建物 Brillia HALLでも、「SS席12,500円 」が新たに設定されるようです。見切れ席が多いBrillia HALLでは、どのあたりがSS席になるのでしょうか?

東京国際フォーラム ホールCは、宙組『MAKAZE IZM』で「SS席12,500円 」の設定があることがわかりました。

名古屋御園座は、雪組の『BONNIE & CLYDE』で「SS席12,500円 」が。

日本青年館ホールは、『Le Rouge et le Noir ~赤と黒~』で「SS席12,500円 」が。しかし梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでは、全席 9,500円に値上がりしていて、「SS席12,500円 」はありませんでした。

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティを除く、どの外箱公演でも「SS席12,500円 」の座席が設定されるようです。

全席が一律で値上げになるよりも、良席が値上げになるのは納得です。

舞浜アンフィシアターや赤坂ACTシアターは他の専用劇場になってしまって、東京で宝塚が使用できる馴染みの劇場が減っているのは残念だと思います。

東京には他にも劇場はあるので、新たな劇場を新規開拓していって頂けたらと思いますが、難しいのでしょうか?

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