勿体ない思いが増す「Memories of 飛龍つかさ」
こんにちは、くららです。
花組東京公演の初日の幕が無事に上がって本当に良かったです。
9月4日の千秋楽に4名の退団者(飛龍つかさ、若草萌香、音くり寿、芹尚英)が幸せに大階段を降りることができますように。

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路線スター(新人公演主演経験者)の退団

昨日、カレンダーについて記事を書きながら、今年は新人公演の主演経験者の退団が多いことに気づきました。

優波慧さん(96期・花組)、綾凰華さん(98期・雪組)、飛龍つかささん(98期・花組)、留依蒔世さん(97期・宙組)の4名が今年の退団者になります。
雪組の『蒼穹の昴』の集合日は未だですが、雪組から路線スターが退団されることは無いでしょう。

96期以降の路線スター(新人公演主演経験者)の退団は、今年が初めてになります。
95期の路線スターは7名誰も退団されていません。

その95期を乗り越えて96期1名、97期1名、98期2名が退団されることからも、いかに95期がスターとして強いかが、改めてわかりますね。

98期の中でも特別に実力派で、これからの活躍がとっても期待されていた飛龍つかささんの退団は本当に残念です。

一緒に退団される、実力派の音くり寿さんと共に、退団を惜しまれている方々が本当に沢山いらっしゃいます。

「memories of 飛龍つかさ」を見て

一言一言に素直に実直にこたえられていて、誠実なお人柄がヒシヒシと伝わってきました。

宝塚大劇場の千秋楽

楽屋口で花組生が出迎えてくれて、特別な日なのだという実感がやっと湧いて来て、何もかも当たり前でない今の状況の中で、花組生全員揃って千秋楽の朝を迎えることができたことに幸せな気持ちになったそうです。

ショーの後半になるにつれて、「宝塚大劇場ありがとう」という気持ちがこみ上げて来て、自分がしたいご挨拶が出来て幸せだったなと思っていらっしゃるそう。

千秋楽の飛龍つかささんのご挨拶

今、こうして、お客様の前でご挨拶をさせていただけますこと、当たり前ではない奇跡に感謝の気持でいっぱいでございます。世界に一つしかない宝塚が、この夢の舞台が大好きです。

男役を極めることで、その先に夢を見てくださるお客様の笑顔を見ることが大好きです。

それでも振り返れば、決して楽しいことばかりではありませんでした。

悔しくて涙が止まらなかった時も、自信を無くして、前を向けなくなる時もありました。

ですが、私を見つけ、愛し、同じ夢を見てくださったファンの皆様の存在があったから、ここまでまっすぐに、全力で前へ進むことができました。

そして今、すべての経験が愛おしいと感じられるのだと、やはり感謝の気持ちでいっぱいでございます。

最高の舞台を共に創りあげてくださるスタッフの皆さま、諸先生方、大好きな花組の皆さま、かけがえのない大切な自慢の同期、峰果とわ!

そして何より、同じ時間を共有してくださるすべてのお客様へ、心から愛と感謝の気持をこめまして、本当にありがとうございました。

早期抜擢スター「Memories of 飛龍つかさ」

「望海風斗ブリドリNEXT」(研3)
飛龍つかさくんをはじめて知ったのは、「望海風斗ブリドリNEXT」です。
2014年5月から、望海風斗鳳真由飛龍つかさの3名がメインキャストで、全6回、6カ月に渡って放送されました。当時研3でした。

宝塚愛あふれる「ヅカオタ」の鑑のような望海さんは、この番組が大評判となり、大人気スターに昇りつめていかれました。
つかさくんは、性格の良さが画面からにじみ出ていて、私はファンになりました。

組配属初の『愛と革命の詩』で活躍(研2)

初配属の研2で、ルジェという革命政府の要人役でした。
鳳真由さんに向かって吐き捨てるようなセリフを言ったり、主演の蘭寿さんに対して、肖像画を開いて蘭寿さんの顔と一致しているか確認して「確かに」と話したり、植田景子先生にその時しかできないチャンスを与えてもらったそうです。
映像では研2とは思えない堂々とした演技をされていました。

台湾公演『ベルサイユのばら』で 小公子役(研4)

『ベルサイユのばら』の小公子役は、スターの登竜門とされているので、「絶対頑張らなければ」と一生懸命臨んだそうです。

ショーの黒燕尾のシーンでは、台湾の方たちの熱気に男役さんたちも応えて強いオーラを発せられていたので、自分も絶対に負けない気持ちで臨んでいたそうです。

『Bow Singing Workshop〜花〜』主題歌2曲熱唱(研5)

花男としてショーの主題歌『ル・ポァゾン 愛の媚薬』と、スーツの姿で語れる『 朝日の昇る前に(グレート・ギャツビー)』の主題歌を歌い、この経験が今後の宝塚人生の肥やしになったそう。主題歌を選ぶのは強気の選択だとか。

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『金色の砂漠』本公演と新人公演(研5)

本公演では、鳳月杏さん演じるジャハンギールの少年時代、新人公演では鳳月杏さんの役 ジャハンギール王を演じ、本公演と新人公演で同じ役を演じることを自信に変えて難しい芝居に取り組まれたそう。

『邪馬台国の風』新人公演主演(研6)

ガムシャラに芸事、男役に突き進んでいた時に、新人公演の主演のチャンスを得た。
この1回を自分のものにして次に繋げたい「野心」で一杯で、周りの人に恥ずかしくない男役に成長しなくてはいけないという気持ちでいっぱいだったそう。

しかしこの後、「花組御曹司」聖乃あすかさんが新人公演の主演に抜擢されていきました。飛龍さんが新人公演の主役の時に、聖乃さんは2番手役でした。
次の新人公演『ポーの一族』では、聖乃さんさんが主演、飛龍さんが2番手のアラン役となり、ここから路線スターとして聖乃さんが頭角をあらわしていかれました。

『MESSIAH 異聞・天草四郎-』の不動丸が、宝塚人生の中で、1位2位を争う格好良い役だったと話されていましたが、新公学年超えてから、格好良い役は振られなくなりました。

『邪馬台国の風』の新公主演の「ステージトーク」で、飛龍つかさくんが語っていたエピソードを今でも覚えています。
新人公演の舞台稽古で、主演の明日海さんの鬘をかりて、舞台化粧をしたそうです。
鏡に映る顔が明日海さんと全然違うことに、その時に初めて気づいて、試行錯誤されたことを、面白おかしく話されていたように記憶しています。

つかさくんは凛々しくて整ったお顔だちですが、エラが少しだけはっているので、鬘をつけた時の印象が変わるのでしょう。
宝塚の男役のビジュアル面としては、その点は少し不利だったかもしれません。

新人公演の主演までは、ひたすら前向きに上を目指していたような表現をされていましたが、この後からはそういう強気発言はされなくなりました。

全国ツアー『メランコリック・ジゴロ』『EXCITER!!2018』

お芝居では、3番手のバロット役、ショーでも重要な役を任され、全力で取り組んだものの、お稽古中は自分の実力の無さに打ちのめされたことがあったそう。
花男のショーの在り方に一から取り組んだそうです。

バウ『Dream On!』 メインキャスト

綺城ひか理さんと共に「メインキャスト」と発表されたものの、前半のA日程は水美舞斗さん特別出演されて主演のような感じで、2人がメインとなったのは後半のB日程だけでした。

主演を「おめでとう」とみんなに祝ってもらって幸せで、このご恩は最高のパフォーマンスを届けることでしかお返しできないと、みんなで限界になるまでずっとお稽古をして日々打ち込んでいたそうです。

『マスカレード・ホテル』主演の瀬戸さんの相棒役

稽古中は、谷先生の思い描くようなものが見いだせなくてに挫折していたけれども、芝居の根本と楽しさと言う奥深さを知ることが出来た。
舞台に立ってお客様の前に行って全てのピースが揃うのだと知ったそう。

本公演『はいからさんが通る』 牛五郎

初演メンバーに加わるので、稽古中にかなり苦戦して焦ったけれども、新人公演主演の時の相手役で、縁のあった華優希さんが主役だったので、慕う気持ちをリンクさせてから自分の牛五郎を演じられるようになった。初演の天真さんに良かったと言ってもらった時に安心できた。

『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』 デューク

面白くて明るくてハッピーなミュージカルの中で、一際輝いていたいと臨んだ公演で、どの歌を聞いても幸せで、音くり寿さんとのデュエットも幸せだったそう。

この公演では、飛龍つかさくんと音くり寿さんの歌がひと際素晴らしかったです。
その特別歌える二人がもうすぐ退団されてしまうことは、本当に残念です。

『銀ちゃんの恋』ヤス

水美さんで『銀ちゃんの恋』をやると聞いた時から、ヤスをやりたいと思ったので、実際にやれるとなって本当に嬉しくて、比重の重い偉大過ぎる役だったけれど必死についていった。
1幕ラストのセリフがなくて背中でお芝居するシーンを評価してもらうことが多くて、自分の背中に自信が持てた。
ヤスとしての涙がとまらなくて、役者みょうりに尽きる瞬間を毎日経験させてもらった。
幸せだった言葉を超える、役者を愛せた作品になった。

『冬霞の巴里』ギョーム

指田先生の織り成す世界観、歌詞等、好みに刺さり過ぎて、どうしたら主演オクターブの心を動かし、渦の力を生み出すキャラクターになれるのだろうと、考えたり深めていく作業が楽しかった。初めて「役なのか?」「本音なのか?」境目が霞んでいくのがたまらないほどの、役者としての楽しさを味わった。

宝塚人生最後の小劇場作品で、素晴らしい役と出演者たちとめぐり会えて、ここまで頑張って来て良かったなと思える作品になった。

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飛龍つかさくんについて思うこと

もっと本公演でも活躍の場が与えられたら良かったのにと思いました。

本公演の代表作というと『はいからさんが通る』の牛五郎だけです。

別箱公演では実力派スターとして遺憾なくその実力を発揮され続け、毎回「花組に飛龍つかさあり」と証明してくれていました。

そして抜群の良い声と歌唱力をお持ちなのに、花組には4年先輩の羽立さん和海さんがいらっしゃるので、本公演でつかさくんにまで歌の活躍の場がなかなかまわりませんでした。

娘役の音くり寿さんが本公演で大活躍されていたのと比べると、本当に男役さんは番手スター中心なので、出番がないです。

早期に抜擢されて、花男として路線スター街道を走っていたはずだったのに、本公演の代表作が『はいからさんが通る』の牛五郎だけというのも、なんだかとっても残念です。

つかさくんは納得して退団される道を選ばれていますが、端から見る私には、勿体ないという思いが尽きません。

「ビジュアルか」「実力か」というのは、宝塚の永遠のテーマで、絶妙なバランスをとりながら各組の運営がされています。

その中で、花組は5組の中で一番「ビジュアル重視組」になっていったのも、実力派の飛龍つかさくんには不利だったのかもしれません。

バウ『Dream On!』では、綺城ひか理さんと共にメインキャストに選ばれていました。
その後綺城ひか理さんは、星組に組替して活躍の幅が広がって頑張っていらっしゃいます。

飛龍さんも、もし他の組に組替できていたら、本公演での活躍の場が広がっていたのでは?と思います。
「芝居の月組」に組替することなど、出来なかったのでしょうか?
(ご本人が組替を断って「退団」ということもあるので、あまり言及できませんが)

飛龍つかさくんの魅力
私は、“愛すべき人柄”、“素直さ”、“笑顔”など、飛龍さんの人間としての魅力に惹かれているので、「ビジュアルや実力」以外に、そういうところも推しポイントのような気がします。

番組の中で、ファンの方への思いも、まっすぐな言葉で心を込めて語られていて、とっても伝わってきました。
本当にお人柄が良くて、まわりの方々から愛されてこられたのだろうと思います。

『冬霞の巴里』で「役者としての喜び」に出会えたことを興奮して話されていました。
その「役者としての喜び」に出会うために、ご卒業後も外部で活躍されていったら良いなと思っています。別の道を選ばれかもしれませんが。

まず何よりも、これから2週間花組東京公演が無事に上演出来て、幸せにご卒業することができますように。

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