花組『TOP HAT』観劇感想
こんにちは、くららです。
昨日『TOP HAT』を観劇してきました。
梅田芸術劇場にフレッド・アステアがいましたよ!そう柚香光くん!
そして星風まどかちゃんは、もう「まどかちゃん」と書くのが失礼なぐらいジンジャー・ロジャースのような洗練された大女優でした!

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配役の感想

勘違いから始まるドタバタ劇で、ストーリーよりも、バーリンの名曲と主演の二人と花組のダンスを楽しむためのミュージカルと言ってもよいでしょう。

柚香光くんの歌も沢山あって、ミュージカルの中で心情をこめて歌われるので、ノンストレスで、良かったです。
まどかちゃんは難しそうな歌も、心に響いて聞かせてくれました。

なんといっても2人のデュエットダンスが劇中何回もあって、超ハイレベルでお見事の一言につきました。クルクルと回転リフトも何度もあって、それも凄かったです。

劇中のダンスだけでも素晴らしいのに、最後に「ショータイム」というフィナーレがついているところが、宝塚らしいオマケです。

ジェリー……柚香光

ジェリーを演じている柚香光くんが、映画の中のフレッド・アステアのように見えました。
(年齢は違いますが、身のこなし佇まいなど、特にダンスはアステアにも負けていないと思いました)
公演プログラムに写っている数々のれいくんも、アステアが憑依しているよう。

昨日のブログに書きましたが、映画の『TOP HAT』のフレッド・アステアに出会って、れいくんの目指したい男役像が決定したとか。
その尊敬してやまないアステアと同じ役を演じるので、この作品の上演にあたって、何度も何度も映画を見直されたのではないかな?と思います。そのためアステアに雰囲気が似てきたのでは?

そして特筆すべきは、圧巻のタップダンス!
こんな凄いステップのタップを宝塚で見るのは、初めてのような気がしました。

プロローグから、軽やかに難しいステップを披露してくれます。
その他のシーンでもお芝居の延長で実に軽やかに踊られます。
1幕ラストのみんなでのタップも壮観でした。

明朗快活でポジティブでちょっとチャラい、ジェリー役はれいくんにピッタリ。
デイルのまどかちゃんに冷たくあしらわれても、全く気にすることなく愛し続け。
憎めない可愛さが、れいくん演じるジェリーの魅力であり、柚香光くんの魅力だなとも思いました。

デイル……星風まどか

自立したファッションモデルで、タバコを嗜むような大人の女性ですが、思いこみが激しくて、むきになりやすく、考え方がちょっと浅はか。
まどかちゃんがとってもチャーミングに演じていて、素敵なヒロインでした。

3拍子そろった娘役さんですが、なんと言っても、デュエットダンスのロングスカートさばき方が鮮やかで、美しかったです。

初演の実咲凜音さんもスカートさばきがとってもお上手でした。まどかちゃんは初演では最下級生のアンサンブルとして出演していたそうです。下級生時代はずっと実咲凜音さんの下で娘役修業をされていましたが、それが血となり肉となって娘役として無双の現在のまどかちゃんに繋がっているのだなぁと思いました。

ホレス……水美舞斗

熟年プロデューサーで、奥さんのマージ(音くり寿)の尻にしかれている恐妻家。
ヒゲがお似合いのイケおじ。(「元禄バロックロック」のコウズケノスケとは、また別のタイプのイケおじでした)

「しゃべるおじさん」とご自分でナウオンで話されていましたが、ダンスは封印されて、ただひたすらセリフセリフ。出番がとっても多いです。

柚香くんとの息の合ったバディぶりが同期ならでは。
執事のベイツを演じる輝月ゆうまさんも同期で、マイティがボケ的な存在でした。

「人の好いおじさん」というのが、本来の温かい性格のマイティにピッタリで、良い味が醸し出されていました。

今回の勘違い劇で、一番被害をこうむるかわいそうな役ですが、かわいそうであればあるほど、ドカンドカンと笑いをとっていました。
「銀ちゃんの恋」から新境地を開拓中で、役幅が広がっています。

初演では七海ひろきさんが演じられましたが、その時に比べてマイティホレスはとても存在感があったように思いました。

二幕の後半に音くり寿さんマッジとの楽しいかけあいナンバーが良かったです。

名ダンサーなのに、芝居中はやけくそに足音をたてるダンスだけでした。

フィナーレでは、やっとダンス解禁で、音くり寿さんと二人を中心にした群舞があり、最後はキザッと決めポーズで本領発揮していました。もっともっとダンスが観たかったかも。

音くり寿……マッジ

二幕から登場ですが、一幕でマッジについてそれぞれ出演者が語っているので、それらを受けて堂々と登場。そして納得の存在感。貫録タップリ。

95期のれいまいコンビと同じく、星風さんとの100期の同期コンビの親友役は息がピッタリ合っていて説得力がありました。

一幕は役として登場していませんが、燕尾服のダンサーとして、センターで活躍されていました。タップもとてもお得意のよう。

ベディーニ……帆純まひろ

初演で愛月ひかるさんが演じて、ファンの度肝をぬいたクセのあるイタリア人デザイナー
前髪をくるっとカールさせた個性の強い髪型で、言動にもイタリア人ぽさが出ていて、体当たりでチャレンジされていました。

元々お芝居が上手なので、浮くことも無くベディーニという人物像が面白かったです。
カタコト言葉は、時に聞きづらかったです。

テーブルに乗って、服を脱いでいく例のワンマンショーもありました。

その下に着ているものは、毎回変わるようで、私の観た回は甲冑のようなロボットの服でした。初演の時の方がもっと生々しい演出だったような気がしました。

みんなオペラを上げて、しっかりご覧になっていました。注目ポイントです。

ロボットの服だったため、帆純さんがロボットのような動きをし、その後も支配人やマイティがロボットの真似をして、笑いが巻き起こっていました。

まだ硬さが感じられたので、日にちを重ねるごとに、柔軟なベディーニになっていって、笑いをさらっていくような気がします。

輝月ゆうま……ホレスの付き人ベイツ

すごい存在感があって、がんこそうでいて実はそうでもなく、わけのわからない奇抜な変装で次々に出て来て、皆をけむに巻くストーリーのキーマンです。
大真面目な芝居が巧みでセンスが素晴らしいです。
いったいどれだけ変装したでしょう。変装をしてもすぐに「まゆぽんだ!」とわかります。

柚香、水美、輝月の「奇跡の95期」という並びを見るのも楽しいです。
劇中は感じませんでしたが、フィナーレの群舞の中央で踊られていたら、頭一つ飛びぬけて高くて目立っていました。

活躍の100期生たち

様々な役……一之瀬 航季
モーリス、ジャン、漁師など数え切れないくらいの役をされていました。
舞台上の人というより、一歩客席に近い位置にいる印象で、様々な役を演じていて親近感がありました。

白いスーツのホテルダンサーとしても活躍されていました。

ホテルダンサーについて
相手役は華雅りりかさん。
海外で『TOP HAT』が上演される時は、名ダンサーたちがこのホテルダンサーを狙っているそう。
長時間、ホテルダンサーのデュエットの見せ場があります。7年前の宙組では、大海亜呼さん&和希そらさんがホテルダンサーとして踊っていました。
和希さんが大柄な亜呼さんをグルグル回転リフトしていて凄かった記憶があります。学年差11年。この時宙組では『New Wave! -宙-』が演じられていました。
路線男役さんたちは、そちらに出演。そらくんが『TOP HAT』チームだったのは残念でしたが、あのダンサーのために、こちらのチームになったのだなと思ったものでした。

御者、ジェリーの影……泉まいら
「ナウオン」で、れいくんが、ジェリーの影として一生懸命お稽古する泉まいらくんのことを、とても誉めていました。まいらくんの頑張りがみんなにも波及していったそう。
泉まいらくんは歌上手としても有名ですが、努力の人なのですね。これからの活躍も楽しみです。

花屋の店員、メイド……糸月 雪羽
可愛くてフワッとした娘役さんですが、「銀ちゃんの恋」の玉美はとっても押し出しが強く印象的でした。
今回の花屋さんも、メイドも間の取り方が上手で、押し出しがあって、注目してしまいます。

その他活躍していた人たち

一幕はヘアメイク、二幕はホテル支配人の航琉ひびきさんは、このチームの最上級生で、役がつくり込まれていて、笑いを誘っていました。

ホテルの歌手として、羽立光来さん
舞台での歌手として若草萌香さん

お二人の安定した歌には、癒し効果があります。

端々までそろったタップダンスの群舞は、力強く素晴らしかったです。
「ダンスの花組」が、『The Fascination!』で復活したと思いましたが、さらに今回その思いを強くしました。

この公演のために柚香光くん中心に、みなさんどれだけ練習を重ねて準備してこられたでしょうか。
その努力が無駄になることなく披露できるように
4月6日(水)の千秋楽までの完走を心より願っています。

ライブ中継とライブ配信は4月3日(日)16:30よりです。

ハッピーで温かい気持ちになれるロマンティックな『TOP HAT』、とっても大好きです。
今日も夕方観劇に行く予定です。

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