『王家に捧ぐ歌』配信感想、Wトップ娘役?
こんにちは、くららです。
宙組『NEVER SAY GOODBYE』が予定通り2月28日に幕が上がりますね。本当によかったです!

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WOWOW“NEVER SAY GOODBYE”特集

本日WOWOWの『宝塚プルミエール』で、“NEVER SAY GOODBYE”の初回が放送されました。
まだ幕が上がっていないのに、「何を放送されるのだろう?」と思っていたら、真風涼帆さん×芹香斗亜さんの『NEVER SAY GOODBYE』トークでした。今までのものと同じ感じ。

この収録は、公演の荒どおし【通し稽古】の時に行われると、以前に紅ゆずるさんが仰っていました。
2月28日の初日に備えて、着々と準備が整っていたので、収録もできたのですね。

宙組の映像はまだ無いので、月組新人公演や星組『王家に捧ぐ歌』の映像がたくさん放送されました。
最後には、一昨年の春の自粛期間に元ラダメスの湖月わたるさん、朝夏まなとさんらでリモート演奏・歌唱された“世界に求む(王家に捧ぐ歌より)”が流れました。
『NEVER SAY GOODBYE』特集というより、もはや『王家に捧ぐ歌』特集でした。

フィナーレの礼真琴・舞空瞳のデュエットダンスの回転リフトも映し出されました。
デュエットダンスは前回の宙組のものと同じ振り付けとのことですが、演者が変われば印象も変わるものだなと思いました。ふわっと宙に浮いているような高速リフトは、ことなこコンビしか魅せることができません。

この放送直後に、星組『王家に捧ぐ歌』の配信が始まったので、期待が高まって配信視聴に突入しました。

『王家に捧ぐ歌』感想

WOWOWのエッセンス的なダイジェストだけでも素敵な舞台だなと思いましたが、やはり全編見ると「感動!」の一言でした。

いろんな感情をもつのも宝塚の楽しみ方

一新されたビジュアルについて、先行画像公開時から、特に初日に、いろいろと話題になって賛否両論ありましたが、私は「良いな」と思いました。

先行画像、ポスター、事前情報と、何かが発信されるたびに「王家に捧ぐ歌」の話題で盛り上がり、関心を集めたので、コロナ禍であっても集客に結びついたのでは?と思います。(チケット入手が本当に難しかったです)

コロナ禍で暗い話題が多い中、興味をもつような話題を提供してくれたことも、振り返れば良い気分転換になったと思います。

がっかりするのも、宝塚を愛しているから。
いろんな感情を味わうのも、宝塚の楽しさの一つだと思います。

昨年の星組『ロミオとジュリエット』でも制作発表の映像などでマイナスな意見があったりしましたが、いざ幕が上がると大絶賛でした。『王家に捧ぐ歌』もそれに近いような。

次は、宙組『HiGH&LOW』が、また興味をそそられる展開をしていきそうです。

ビジュアルがシンプルになったことで、登場人物がわかりやすく見えてきて、ストーリーを深く理解する一助になったように私は思いました。
そしてこの作品は、3人の役者がそろったからこそ、上演されたのではないだろうか?と思っています。

ダブルトップ娘役作品

舞空瞳ちゃんについて(102期・研6)

誤解が生じたらいけないので、まず初めに舞空瞳ちゃんについて書きたいと思います。
一作一作成長しているなこちゃんは、今回も努力を重ねて、素晴らしいアイーダを演じていました。

歌が主体の作品で、主演の礼真琴くんがお稽古の一歩目から大絶賛される中、歌のお稽古をしていくことは、プレッシャーも大きかったと思います。「歌劇誌」の演出の木村先生との鼎談を読んでそう思いました。
「ナウオンステージ」のなこちゃんのお話を聞いて、必死にぶつかりながら自分のものにしていることが伝わってきました。

「正直で真っ直ぐで、自分に嘘がつけないアイーダ」とアイーダ役に一直線で挑んでいるなこちゃんの姿に通じるところが多く、意志の強い眼差しもそうだなと思います。
ソロ、デュエット、コーラスと歌の場面がとても多かったですが、気持ちをのせて歌声がのびていて、努力の成果を感じました。
礼真琴くんと比べたらまだまだですが、トップ娘役としては十分及第点だと思います。

アイーダの衣裳は1着でしたが、大胆なスリットが、よりスタイルの良さを際立たせて、この衣装をあんなに素敵に着こなせるのは、なこちゃんだけです。
髪型もアフリカの編み込み風で雰囲気が出ていて、褐色塗もお顔に似合っていて、このスタイルをつくり上げるまでも、試行錯誤されたのだろうと思います
フィナーレのワンピースなども、マッチした髪型と雰囲気のある着こなしが抜群でした。

研4でトップ娘役に就任して、もうすぐ研7になります。トップ娘役の中では、2番目に長い経歴になります。
なこちゃんはトップ娘役として大健闘されています。何の不足も感じません。

初演時の「王家に捧ぐ歌」

宝塚の作品は、トップスターとトップ娘役の恋愛関係が描かれたものが基本です。
しかし初演のこの作品は違いました。
トップコンビお披露目公演なのに、トップスターとトップ娘役は結ばれませんでした。

初演星組公演
ラダメス ……湖月わたる(トップスター 研15)
アムネリス……檀れい(トップ娘役 研12)
アイーダ ……安蘭けい(2番手 研13)

美貌のアムネリス歌ウマのアイーダ

檀さん演じるアムネリス
ファラオの娘として豪華な衣装と被り物をつけていて、圧倒的な美を表現。
トップ娘役として復活されて、特別な存在感があって、華やかなオーラに包まれていました。
歌が云々は、その前に霞んでしまって無問題。

安蘭さん演じるアイーダ
浅黒く肌を塗って粗末な衣装ながら、目が輝いている美人。
圧倒的な歌唱力でソプラノまで綺麗で、「娘役さんが歌っているの?」と思って舞台を見ると、安蘭さんしかいない。
男役の安蘭さんが演じるアイーダなのでワイルドさもあり、しかも可愛さもあり、素晴らしかったです。

アムネリスは、トップ娘役仕様で描かれていました。
そのため、アムネリスのシーンも、アムネリスとラダメスとのシーンも多くあります。

最後はアムネリスがラダメスの遺志を継いで、平和な世界を目指して「世界に求む」を歌う中、ラダメスとアイーダの命が果てて幕が降ります。

初演は、トップ娘役の檀れいさんと、2番手の安蘭けいさんは、拮抗状態と言えるような配役でした。ふたりの学年も1学年違いでした。

初演は安蘭さんが2番手男役さんなのでダブルトップ娘役体制ではありませんでしたが、アムネリスとアイーダの描かれ方は、どちらもトップ娘役が演じるような要の役でした。

宙組での再演

2015年に宙組で再演されました。
ラダメス  朝夏まなと(トップスター 研14)
アムネリス 伶美うらら(2番手娘役 研7)
アイーダ  実咲凜音(トップ娘役 研7)

この時からアイーダをトップ娘役が。
アムネリスを2番手娘役が演じることになりました。

伶美さんは、池田泉州銀行のイメージガールをつとめていたとても華のある美人さんでした。
この再演が決まった時に、スカイステージで演出の木村先生が、圧倒的に美しい「アムネリス役者」がいなければ、この作品が成り立たない、それまでに「アムネリス役者」がいなかったようなお話をされていたと思います。

アイーダを演じた実咲さんと伶美さんは95期で同期でした。
伶美さんは、美のオーラに満ちたアムネリスを見事に演じられました。

しかし歌がお得意では無かったので、歌に対する批判がいろいろとあったようです。
私は全く気になりませんでしたが、2015年頃は世間で「ミュージカルブーム」が起きて、宝塚にも歌唱力が大切という声が出てくるようになった頃です。

翌年博多座で「王家に捧ぐ歌」が再演された時は、アムネリス役は95期で同期の彩花まりさんになりました。
歌がお上手な方です。
お綺麗な方ですが、それまで大きな役は演じていらっしゃらなかったので、圧倒的な美、華という点では、伶美さんに及ばず、という感じだったと思います。

そしてこの時から、アムネリス役に求められるのは、「圧倒的な美」に「圧倒的な歌唱力」が加わったように私は勝手に思っています。

二つを兼ね備えていた有沙瞳さん(98期・研10)

星組には、「圧倒的な美」と「圧倒的な歌唱力」を兼ね備えている有沙瞳さんがいらっしゃいます。

圧倒的な歌唱力のトップスター、礼真琴くんも。
舞空瞳ちゃんも、トップ娘役として、十分アイーダを演じることができます。
星組のこの3人に3役はピッタリ。

特になかなか該当者のいないアムネリス役者がいたことで、「王家に捧ぐ歌」が星組で実現したのではないかな?と思います。

他の組で「他に誰ができるだろう?」と考えてみましたが、思い浮かびません。

アムネリス役の有沙瞳さん

上向きに斜めに入れた濃いアイラインによって、さらに美しく気高いアムネリス様でした。
前半はアイーダをいじめていましたが、アイーダによってラダメスが成長していったように、アムネリスも次第に成長していきます。
その様を巧みに演技で魅せてくれるので、観客はアムネリスに感情移入していきます。
だからアムネリスはヒロインです。アムネリス役者が演じると輝くヒロインになります。

美しいこと、歌が上手なこと、に加えて確かな演技力もお持ちでした。
有沙アムネリスは、この3点の総合点では、今までで演じられた中で最高でした。

過去の作品と比べて、アムネリスの衣裳も派手派手では無くなっていましたが、それでも華があって美しく輝いていて、流石でした。

宝塚ではダブルトップ娘役も採用しない?

最近「OSK」の話ばかり書いてしまいますが、「OSK」はダブルトップ娘役制度を採用しています。
現在トップ娘役は、ダンスの得意な舞美りらさんと歌が得意な千咲えみさんです。

宝塚の各組で、2番手娘役さんがトップ娘役さんを補っているので、広義にみれば、ダブルトップ娘役的な感じの時もありますが、明確に線がひかれています。

宝塚には座付き演出家がいるので、トップ娘役が1人いれば本をどのようにも書ける、ということでしょうか。
組にトップ娘役が二人になると、ファン同士の無駄な争いが起きるかもしれません。

主演の礼真琴くんについて

衣裳を現代風にして動きやすくなったことは、こっちゃんの持ち味が更にいかされていました。
戦場で高速で動きながら歌っていました。どんなに動いていても、音程が全くぶれません。
『柳生忍法帖』でもそうでしたが、この超人的な業を見て今回も驚くばかりでした。

プレお披露目の『ロックオペラ モーツァルト』のような作品が、こっちゃんの良さを最大限にいかせるように思います。今回の王家を見て何となくテイストが似ていると思いました。

公演を終える度に、代表作が増えていっていますが、「王家に捧ぐ歌」も代表作といって良いでしょう。
しかし上演期間が短すぎたので、できることなら再演で生観劇したいです。

御園座に大階段出現

舞台装置がシンプルになるということでしたが、私はシンプルとは感じませんでした。
前回の月組御園座『赤と黒』に比べたら、舞台装置は豪華になっているとさえ。

何といってもフィナーレに大きな階段がありました!

芝居中は左右に2分割されて、効果的に使用されていました。

芝居中に、左右に分かれた階段を見ながら、もしかしてフィナーレでは、二つが合体して大階段のようになるのかな?と思っていたら、その通りになりました。

「大階段があるかないか」で、華やかさが全然変わります。御園座で大階段が常設になると良いですね。

王家は「戦いは新たな戦いをうむだけ」と平和への祈りを高らかに歌い上げている作品です。
この作品が上演されている間に、今のような情勢になるとは思ってもいませんでした。

「世界に求む」の歌詞です。

戦いに終わりを この地上に喜びを

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