花組『元禄バロックロック』新人公演感想
こんにちは、くららです。
花組の新人公演『元禄バロックロック』を観て来ました。
「A Fairy Tale」以来2年1か月ぶりの花組新人公演とのこと。
2年と1か月分の新人公演への思いが結集した素晴らしいものでした。

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花組新人公演の状況について

新人公演初経験が2学年
星組の『柳生忍法帖』の新人公演トークで、「研1(107期)研2(106期)が初めての新人公演参加で、てんやわんやだった」と話されていました。花組も同じです。

経験値の無い中でうみ出していく大変さ
更に花組は、新人公演メンバーに、主演経験者(男役)が1人もいません。
さらに、101期(長の期)に新公メインキャストの経験者もいません。
引っ張っていく立場の101期生に、様々な経験値が無いことは大変だろうなと思っていましたが、とっても熱のこもった一生懸命さが伝わってくる舞台でした。

101期の長の咲乃深音さんのご挨拶も、とてもしっかりされていて、頼もしくて素晴らしかったです。

2年1か月の重圧
主演の希波さんはご挨拶で、「悔しい思いもありましたが」という言葉も出されました。
時間の限られたタカラジェンヌ生活の中で新人時代の2年間の空白は大きいと思います。
「はいからさんが通る」では、お稽古を重ねたのに、観客に披露できないという悔しさ苦しさも味合われています。花組生は本当にどれだけの辛酸をなめてこられたか。

希波さんは稽古時間も限られた中での初主演なので、押しつぶされそうになりながらも、上級生の助言や同期や下級生の頑張っている姿に背中を押されて、今日の日を迎えられたと話されていました。

コロナで新人公演のお稽古時間に制限がある上、花組の本公演の芝居、ショー共に新人さんたちも大活躍して燃焼しているため、公演前後に新人公演のお稽古をするのも本当に過酷だったと思います。

それだけ大変な中、新人公演の成功のために、みんなが心ひとつになって頑張ってこられたからこそ、「幸せです」と万感の思いを込めて語っていらっしゃいました。
その幸せが伝わってくる新人公演を観劇できて、私も幸せでした。

新人公演演出は、栗田優香先生

栗田先生は、今年「夢千鳥」でバウ演出家デビューされました。
本公演とは違う演出が沢山ありました。

コウズケノスケ(侑輝)が、ツバキ(稀奈)に足をもまれながらセリ上がってきたり、スリから助けてもらった財布を、クロノスケ(希波)にお礼としてそのまま渡したりなど、いろいろと意表をつかれて笑いが起こっていました。

クロノスケ(希波)とコウズケノスケ(侑輝)の銀橋での立ち回りはありませんでした。危険を回避したのでしょう。
本公演のふたり(柚香・水美)の身体能力が凄すぎますから。

栗田先生もみんなのモチベーションを上げて成功に導く重要な役目を担われていたと思います。

主な配役について

クロノスケ(柚香光)…希波らいと(103期・研5)

開演アナウンスから「ようこそ」の発音にはじける勢いを感じました。
セリフの一つひとつが丁寧で颯爽としていて聞き取りやすかったです。

177cmの長身で小顔ですらっとしている上、髪形とお化粧が新感覚で、新世代の若者というイメージで、「新しいスター誕生」という印象をもちました。
伸びやかな演技で生き生きとクロノスケを体現していて、とても安定感があって、真ん中が似合うスターだなと思いました。歌もお上手でした。

『花より男子』(2019年6~7月)F4の西門総二郎役に大抜擢。(研3)
聖乃あすか主演『PRINCE OF ROSES』(2021年1~2月)ヘンリー・スタッフォード役で、敵か味方か謎のキーマンの役。(2番手級)同期の宙組、亜音有星くんが一歩先に新公主演済。
亜音くんも、希波くんも、中卒一発合格で、音楽学校文化祭のお芝居の主演経験。
将来性を高く買われている二人だと思います。

キラ(星風まどか)…美羽愛(104期・研4)

活舌が良く、雰囲気をとらえてのお芝居がお上手でした。
様々な鬘も似合っていましたが、真ん中の娘役としての華があるかというと、そうではないような。
歌も少し弱いので、そこを伸ばせたら良いと思います。
笑顔の可愛い愛嬌のある雰囲気が魅力だと思います。

2019年秋 音楽学校時代に朝美さんにファンレターを書いていたということで、朝美絢さんの「ファーストフォトブック」に女学生役で起用されました。当時研2で大注目されました。
2020年春『はいからさんが通る』新公ヒロインに抜擢。残念ながら、新人公演上演は中止。
本公演では、星風美咲ちゃんと「ニコイチ」で『Cool Beast!!』の進行役、『元禄バロックロック』のくノ一に抜擢。
聖乃主演バウ『PRINCE OF ROSES』(2021年1~2月)では、2番手娘役の位置。
全国ツアー『哀しみのコルドバ』(2021年8~9月)ではソニア役(柚香光の妹)を好演。

コウズケノスケ(水美舞斗)…侑輝大弥(102期・研6)

端正な顔立ちで目がとてもキレイで「美形男役」として注目していました。
学年が上がると共に痩せてシュッとして、美形に華が加わってきています。

『A Fairy Tale』新公では、庭師のニック役(水美舞斗)を好演されていました。
今回も、水美さんの役で、格好良いイケオジでしたが、華やかさを抑えた役なので、ちょっと地味に感じてしまいました。

華のある美形の役の方が合いそうに思います。
今度の『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』のリストはピッタリかも。

リク(華雅りりか)……星空美咲(105期、研3)

本公演では、ツナヨシ役の音くり寿さんが場をかっさらっていますが、新人公演では、星空さんのリクが登場している「クラノスケの長屋」では、星空さんがとんでもない存在感で、ドカンドカンと笑いが起きて、「星空劇場」でした。コメディセンスも抜群。
リクは、ニコニコしている時とキレている時のギャップが最高で、包丁は振り回すは、何をしでかすかわからない狂気さえ感じられました。

先週のタカラヅカニュースの「マイプロフィール」(新人自己紹介コーナー) で、「銀ちゃんの恋」でお芝居が大好きになり、役者として1つの作品の中で様々な面が作られるように、1つ1つのことを大切に努力を怠らずにがんばります、と話されていました。

肝の据わった役者魂を持っていて、どんな役でもこなせる芝居巧者。これからが楽しみです。

今回は歌はありませんでしたが、本公演のショーでは歌でもダンスでも活躍しています。
『PRINCE OF ROSES』(2021年1~2月)でバウ初ヒロイン、『銀ちゃんの恋』で東上ヒロインと別箱ヒロイン続きでしたが、これからもヒロインが巡ってくるでしょう。

ツナヨシ(音くり寿)……愛蘭みこ(104期)

一番大変な役だと思っていましたが、本役の音くり寿さんのコピーでしたが、無難に演じられていました。
音くり寿さんのような強烈なインパクトはありませんが、この役がこなせるだけで、とても実力と度胸とセンスがあると思います。
入団した頃から可愛い娘役さんだなと思っていましたが、なかなか抜擢されてきませんでした。
これから活躍の場が増えていきそうに思います。

クラノスケ(永久輝せあ)……芹尚英(101期)

本公演でもスリ役で目立っています。
永久輝さんのコピーではなく、自分なりの役づくりをされていました。
路線スターでは無いのでキラキラ感はありませんが、芝居のセンスがあって、脇をかためる手堅さがある方だと思いました。

タクミノカミ(聖乃あすか)……天城れいん(104期)

172センチで花組では長身で美形。滑舌が良くて、佇まいに品があって、舞台化粧も上手で華やかでした。しかし本役の聖乃さんは特別華やかで美しいのだと再認識しました。
これからの活躍が楽しみです。

★ヨシヤス(優波 慧)……太凰 旬(102期)
声が良くて、とってもお芝居が上手で安定していて良かったです。

★くノ一カエデ(美羽愛)……都姫ここ(104期)
芝居が上手で艶やかさも可愛さもあって、キュートという言葉が一番ふさわしい娘役さん。これからも活躍してほしいです。

★くノ一ツバキ(星空美咲)……稀奈ゆい(105期) 
美人でそつなく演じられていました。

長の期の101期が脇をかためていた

ケイショウイン(美風 舞良)……咲乃 深音
本公演のショーではエトワールをつとめていらして、とても安定した頼もしさがあって、新人公演でも「長の長」として、全体をまとめていらしたのだと思いました。

★芹尚英さんは、上で記載。

チュウザエモン(高翔 みず希)……愛乃 一真
手堅いお芝居で、重厚さで全体をしめていらっしゃいました。

ケンペル(航琉 ひびき)……龍季 澪
カタコトの日本語は、たぶん本物?とっても存在感がありました。

スラレモン(紅羽 真希)……涼香 希南
お礼にお財布そのものを渡してしまう、軽妙さが良かったです。

イッペイ(舞月 なぎさ)……翼 杏寿
朗らかさが良い味を出していました。

101期の方々には、長の期としての重圧がとてもあったと思いますが、新人公演が成功してほっとされていると思います。まだ東京がありますが、今回の経験を通して、みなさん重みのある芝居力を身につけられたように感じています。お疲れさまでした。

印象に残った人たち

★シミズ(羽立 光来)……海叶あさひ(103期)

★ヒサミチ(和海しょう)……涼葉まれ(103期)

★スラレ(真鳳つぐみ)……二葉 ゆゆ(103期)

★アンズ(春妃うらら)……詩希 すみれ(103期)

104期の姉妹ジェンヌ
スリ(芹尚英)……珀斗星来(104期)
スリとしての出番が多い役を上手にえんじられていました。
・白雪さち花さんの妹

キキョウ(都姫ここ)……美里玲菜(104期)
・華のある美人さん。
・綺咲愛里さんの妹

期待の若手さん

ヤスベエ(飛龍つかさ)……美空真瑠(105期) 
・とても存在感があります。105期のホープさんのよう。

ヨミウリ(希波らいと)……遼 美来(106期) 
・威勢いが良くて男前な新聞売りでした。106期のホープさんかな?

ニザエモン(太凰 旬)……希蘭るね(107期)
・見目麗しい超美形の男役さん。音楽学校の文化祭のお芝居では主演でした。

107期のお小姓の七彩はづきさんも可愛かったです。

感想を書いていたらとっても長くなってしまいました。

コロナ禍の新人公演再開は、月組から始まって今回の花組で全組一巡しました。
どの組でも無事に上演できて本当に良かったです。
そしてどの組でも、熱量の高い感動の新人公演になっていました。
タカラジェンヌは本当に底力がありますね。

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