こんにちは、くららです。
今日は京都南座で中村獅童さん&初音ミクさんの九月南座超歌舞伎を観てきました。
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微熱が出ただけでも3日間休演
この公演の主演の中村獅童さんは、9月17日から19日まで微熱のために休演されました。
今日のチケットを持っていたので、明日(26日)が千秋楽ですが、千秋楽まで休演される?と心配したので、20日に復帰されてホッとしたものでした。
獅童さんのフリートークのような時間があって、休演時のことを話されました。
毎朝体温チェックがあって、その時に微熱があったら「三日間は休まなくてはならない」という会社の厳しいガイドラインがあるそうです。
報道ではPCR検査をしても、いつも陰性とのことでした。
通常ならば、少しの微熱があっても公演に出演されますが、コロナ禍なので特別用心されているようです。
獅童さんは、全くお元気なのに、ホテルに籠って3日間を過ごさなければならず、大変だったとお話されていました。
宝塚でも同じようなガイド基準があるのでしょうね。少しの間休演してすぐに復帰される方がいらっしゃるのは、そのためなのでしょう。
誰でもコロナに関係なく、微熱が出ることはあります。
しかし舞台人は、微熱でさえ「休演」になるので、ジェンヌさんたちも日々緊張の中で過ごしていらっしゃるのだろうなと思いました。
定期的なPCR検査、毎朝の検温など、常にドキドキしながら通過されているのでしょうね。
新人公演のような公演について
この公演は「新人公演」のようなお弟子さんが主演の「リミテッドバージョン」も並行して6回上演されていました。
そのため獅童さんが休演されても、代役さんが既に出来上がっていたので、その点のご苦労は最小限だったでしょう。(25分間の『都染戯場彩』舞踊は、本公演のみでした。)
歌舞伎は後進の育成も最近大切にされていて、お弟子さん主演の公演もよく上演されています。チケット代金は半額など、配慮されて販売されています。
宝塚では新人公演は、「夜1回限り」ですが、日中にお芝居だけでも、数回新人公演バージョンを上演してくれたら、新人公演を観たい観客は多いので、喜ばれるのでは?と思いました。多分チケットの売れ行きも良いと思います。
しかし団体客さんには、新人公演はおススメできないでしょうね。このあたりが宝塚の新人公演の難しいところでしょうか?
超歌舞伎とは
2016年の千葉・幕張メッセ「ニコニコ超会議」でスタートした、全く新しい歌舞伎公演です。
「超歌舞伎」の大きな見どころは、NTTの研究所が開発した最新技術をはじめとするテクノロジーを駆使して、今まで無かった夢の空間が創り出されているところです。
中村獅童さんとCGのバーチャルシンガーの初音ミクが夢のコラボをしています!
2016年は、ボーカロイド曲「千本桜」と歌舞伎を代表する作品『義経千本桜』を融合させた独自の演目『今昔饗宴千本桜』でした。
毎年、新鮮な興奮と驚きを与え続けて、作品自体もパワーアップしています。
当初は、ネット世代の若者になじみがある幕張メッセなどで上演されていました。
2019年には、歌舞伎発祥の地・京都の南座で行われました。
今回2年ぶりに京都南座で上演!(9月3日(金)~9月26日(日))
歌舞伎と最新のテクノロジーが融合した“超歌舞伎”は、基本は歌舞伎ですが、全く新しい感覚で、とても活気のある新鮮さでした。
イヤホンガイドは、ネットタレントの百花繚乱さんとイヤホンガイド解説者の高木秀樹さんの対話形式の解説だったので、とってもわかりやすくて、高揚感を増してくれました。
大向う付オリジナルペンライト
ペンライト(サイリウム)を振って演出に参加して、舞台と客席が一体となることが、超歌舞伎ならではの鑑賞スタイルとして定着していました。
コロナ禍で掛け声を出せないことから、今回はペンライトに6種類の音声が付いて販売されていました。
音声は『萬(よろず)屋』(獅童の屋号)、『初音屋』(初音ミクの屋号)などの掛け声です。
宙組の『Delicieux』のペンライトは、2,500円(税込)ですが、歌舞伎のものは音声が付いている分高くなっていて、4,000円(税込)でした。全14色発光、6種類の音声付き
フリートークの時に、獅童さんが「今日はペンライト率が高い」と喜んでいらっしゃいました。
最後は写真、動画撮影可と案内されるので、写真を撮らせていただきました。
舞踊『都染戯場彩』では、「雪」の場面で、獅童さんと初音ミクさんが、連獅子のような、勇壮な毛振りを披露してくれました。一番最初に御所での花見を雅に表す「花」、次に粋な鳶頭の澤村國矢が踊る「月」がありました。
バーチャルの初音ミクさんですが、回数を重ねるごとに、よりリアルな動きになっているそうです。
芝居『御伽草紙戀姿絵』では、ボーカロイド曲「ロミオとシンデレラ」が採用されていました。
初音ミクが初めて悪役に挑んだということでしたが、悪役に変化するところが、人間が演じるよりとてもわかりやすいです。
普通に歌舞伎の話が展開する中で、初音ミクが登場することにそれほど違和感はありませんでした。
しかしリアルさは、本物の人間とは全く違います。
ニコニコ発の舞台は、ネット世代に人気のようです。
ニコニコ関連の他の舞台を映像で見たら、光や映像の演出など「超歌舞伎」と同じようなものがありました。
全般に舞台演出が派手で、やはりそういうものが若者受けするのだと思いました。
ラストは、獅童さんがペンライトを振ることを積極的に声掛けされ、紙吹雪の中、舞台と客席が一体となって大盛り上がりする演出になっていました。
「電話屋」NTTの研究所開発の最新技術
分身の術で、一番上にいる初音ミクが、下の映像の中にもシンメで溶け込んでいる技術をはじめとして、バーチャルな存在でしか出来ない魅せ方を追求していて、技術的な新しさを随所に感じました。
NTTの技術に感心したら「電話屋」(屋号)と掛け声をかけてと獅童さんが話されていましたが、感心するシーンが沢山ありました。
星組の舞浜アンフィシアター公演「VERDAD!!」では、「NTTドコモ」の最新技術を2種類を使った試験的な配信がされました。
好きなアングルの映像を高画質のままズームできる「8Kウルトラズーム」と、VR映像とマルチアングル映像を自由に切り替えて楽しめる「スーパーインポーズ」です。
この舞台で魅せる新技術と配信の新技術は、全く違う分野のようにも思いますが、NTTは最先端で技術開発を行っているのだなという印象をもちました。
500年の伝統がある歌舞伎専門の劇場である南座で、伝統・古典を残しながら革新を追求している「超歌舞伎」が上演されて、新しいものが好きな私には、とても新鮮で楽しくて感動的でした。
全世界にオンライン配信も
9月12日はライブ映像を国内向けに、20日~26日には、英語字幕を付けて世界11カ国に配信されているそうです。
新しい感覚の「超歌舞伎」は、外国の方に受けいれやすいかもしれませんね。
獅童さんのお話の中に、『ピンチをチャンスに』という言葉がありました。
コロナ禍は本当に最大のピンチをもたらしましたが、それを乗り越えていくことはチャンスに繋がるかもしれませんね。
歌舞伎界はコロナ禍前から、観客動員数が落ちていました。そのため新しい様々な取り組みが行われています。
超歌舞伎は、新しいものを取り入れながらも、歌舞伎の伝統と古典はしっかりと守られています。新しい客層が開拓できて、歌舞伎の発展に繋がっていくことでしょう。
宝塚は、常に新しいものを取り入れていく劇団です。
しかし現在の上演演目選びを見ていると、「チャレンジ」というより「守り」に徹しているように思える面もあります。
歌舞伎と同じように、宝塚も新しいことにも挑戦して、いろいろと楽しませて欲しいなと思います。
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