愛月ひかる×瀬央ゆりあ
こんにちは、くららです。
昨日『ロミオとジュリエット』の後半(3月1日(月)~3月29日(月)千秋楽)の一般前売のチケットが完売されたとのお知らせがありました。

A席やB席の販売もあったので、以前の1階席だけ50%以下の販売ではなく、従来の1列目だけを空けた100%に近い販売だと思います。

コロナ禍で、観劇を控えている方も多く、団体もほとんど入っていない中、宝塚という立地が良くない劇場で、「短時間でチケットが完売」するとは、スゴイことだと思います。

コロナ禍での他の演劇事情

エンタメ界の演劇で、宝塚のチケットほど売れているところは、他に無いと思います。

コロナ禍前より歌舞伎は不調でしたが、現在は、さらに拍車のかかった厳しい状況のようです。
50%以下の規制にあわせて、座席にかなりの空席を設けて販売されていますが、売れ行きがとても悪いようです。
以前から割引チケットの案内は届いていましたが、数日前には、大胆に割引されたチケットのお知らせが届きました。

他のミュージカルなどについても、今まで値引きされることが無かったような公演でも、値引きのお知らせメールが、いろいろと届いています。

そんな状況の中で、チケットが売れ続けている宝塚の底力はスゴイです。
宝塚は5組あって、その5組のトップスターや組子の力をいかした魅力的な演目が限られた日程の中で次々と上演されています。
その演目選びとプロデュース能力が素晴らしく、どの公演も「是非観たい!」と思えるものばかりです。
そして、タカラジェンヌが、お稽古を重ねて全身全霊で舞台に立って、愛や希望や夢を届けてくれています。
この顧客満足度の高さは、コロナ禍の宝塚ならではの強みだと思います。

小池修一郎先生が『ロミオとジュリエット』のステージドアで
「礼真琴が、満を持してロミオとして帰ってきた。舞空瞳という、大変良くできた相手役を迎えて 究極のロミオとジュリエットではないか。と思っている」と仰っていました。
そして今回は、ジュリエットのヒロイン像が、運命に翻弄される女の子から 運命に対して自ら立ち向かい、運命を切り開いていこうとする強めの女の子に変更されていました。ロミオが、そのピュアで真っすぐなジュリエットに翻弄されながら物語が動いていく流れに説得力がありました。、
星組の『ロミオとジュリエット』は、再演5回目にして、究極のロミオとジュリエットが過言で無いほど、現代にマッチした素晴らしい作品だと思います。

愛月ひかるさん×瀬央ゆりあさんの「役替わり」

今回の『ロミオとジュリエット』をさらに面白くしているのは、多くの「役替わり」です。
特に、愛月ひかるさんと、瀬央ゆりあさんの「役替わり」が注目されています。

愛月さんが2番手、瀬央さんが3番手と、序列の差は明確ですが、「新生星組」の新体制から二人の舞台での活躍は拮抗しているように思えていました。

経験値の差があらわれている
『ロミオとジュリエット』では、二人の差が明確になってきているように感じています。
愛月さんと瀬央さんは2期の差です。
しかし、愛月さんは研4から4回新人公演の主演をし、研9でバウホールの主演をしてきた上、その後「色濃い専科」とも言えるほど、幅広い役がらを演じて来ました。
一方瀬央さんは、研7の最後の新人公演で「ガイズ&ドールズ」の主演を果たし、それ以降別箱公演等の役に恵まれて活躍されていますが、愛月さんと瀬央さんは、それまでの経験値が全然違います。その違いが、「役替わり」のある今回の舞台で、出ているように感じます。

A日程

愛月ひかる……ティボルト

愛月ひかるさんの濃さ大柄な体格が今の星組では、特別なオーラを醸し出して輝いています。
宙組時代から、色濃い男役を演じてきた経験値と男役としての引き出しの多さが、この『ロミオとジュリエット』で圧倒的な存在感として、ドーンと花開いたような感じです。

キレやすく、いつもイライラしているような危ない怖いティボルトですが、その実内面は繊細さがあり、寂しさ悲しみを抱え苦しんでいる屈折した人間性も上手に表現されています。
さらに色気があってとてもセクシー。

「敵役」ですが、圧倒的存在感をもって、キラリと光っているので、物語を面白くしています。

瀬央ゆりあ……ベンヴォーリオ

頬がこけて精悍な顔つきになって、ベリーショートが良く似合い、ビジュアルも良いです。
同期のロミオ役の礼真琴くんとの関係性が、「良きロミオの親友」としてそのままいかされていて、無難な役どころですが、とても良い味のあるベンヴォーリオでした。

しかしティボルトは、大きなチャレンジの役になるでしょう。

がんばって欲しいと思います。

B日程

昨日から愛月さんが「死」、瀬央さんが「ティボルト」のB日程になりました。
私は来週B日程を観劇予定で、まだ観ていません。

昨日観劇した方々からの声は、愛月さんの「死」を絶賛されるものが多かったです。

今まで愛月さんの演じてきた役柄と、大柄な体格から、「死」がピッタリであることは、なんとなく想像できていました。
その想像を上回る素敵さのようです。

小池先生は、「愛月の死は格好良い、これまでの経験からこの世のあるものに対して冥界から見ている迫力がある」と仰っていました。

ナウオンで愛月さんは、下記のように語っていました。
「宙組時代、人と違う雰囲気を出すものが本当に多かったので、その経験がいかせている、死は、やってて楽しい。あまり話さない下級生からみ「死が素敵」と声をかけてもらって嬉しい。」

話さない下級生からも「素敵」と言われるほど、インパクトがあるのですね。

『ロミオとジュリエット』の「死」というと、真風涼帆さんが一番敵役のように思っていましたが、愛ちゃんの「死」は、それを塗り替えてくれるような気配です。来週の観劇が楽しみです。

フィナーレについて

冒頭の「フィナーレA」の歌唱指導は2パターンに別れます。
A日程は、ティボルト役の愛月ひかるさん。
B日程は、ティボルト役の瀬央ゆりあさん。

「フィナーレD」では、愛月さんは、「フィナーレの男AA」表記です。
礼真琴くんが「フィナーレの男S」、瀬央、綺城、天華、極美の4人は「フィナーレの男A」。
愛月さんだけ「A」が重なっています。特別ということでしょう。
愛月さんは、大階段に娘役さんを侍らせて、その真ん中で足を組んで座っていたり、男役さんを引き連れて踊ったり、セクシーな色気が駄々洩れの見せ場がありました。

まだB日程を見ていませんが、このシーン「死」のお化粧のままなのでしょうか?
フィナーレのパレードは、「死」で降りてくると思うので、お化粧がえの時間は無いでしょうね。

A日程では、歌唱指導も愛月さんなので、愛月さん色の濃いフィナーレナンバーでした。
B日程では、どういう印象になるでしょうか?

スカイステージの「ステージドア」も、礼、舞空、愛月と3人だけが出演していました。役替わりの瀬央さんは出演していませんでした。

『ロミオとジュリエット』から、「愛月・瀬央拮抗状態」から愛月さんが頭一つ抜け出てきているように思えています。

次の別箱公演でも、『マノン』東上公演の主演です。

愛月さんと同じ頃に、花組の2番手になった瀬戸かずやさんは7月に退団予定です。
スターカレンダーの2月号には、瀬戸さんと愛月さんがスーツ姿で二人一緒に写っています。
この二人はここ数年、「上級生2番手」に位置して、同じような歩みに見えました。

それ以前は、新人公演主演1回の瀬戸さんと4回の愛月さんは、全然扱いが違いました。

これから愛月さんは更なる上を目指して進んでいかれるのでしょうか?
興味深い今後です。

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