「ロミオとジュリエット」観劇感想
こんにちは、くららです。
本日星組「ロミオとジュリエット」11時公演を観て来ました。

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初日から2日めなのに、完成度がとても高くて、8年ぶりの宝塚の『ロミオとジュリエット』は、とても見応え聴きごたえのある素晴らしい「愛の物語」でした。
物語は悲劇ですが、星組の『ロミオとジュリエット』は悲劇で終わらない、宝塚らしい温かさを残してくれます。
見終わった後、心がホンワカして幸せな気持ちで、劇場を後にしました。
(帰りの電車の中で「星風まどかちゃんの花組組替え」を知りました。土曜日の美風副組長さんの花組組替発表と同時には行わず、2日後の「小出しの発表」も宝塚らしいですね。)

宝塚大劇場の作品で、初日が開いてすぐに、こんなにレベルが高いことは、あまりないことです。
それは、既に完璧な域に達している礼真琴くんの存在が大きいと思います。

礼真琴くんについて

星組初演で「愛」役、2回目で追加で「ベンヴォーリオ」役も。新人公演では主演の「ロミオ」役。
星組のロミジュリの「申し子」とも言える礼真琴君の、満を持したロミオ役が、それまでの舞台人としての集大成の大爆発!といった凄さでした。

まず歌声に深みが増していて、どのナンバーも本当に心に響いてきて、聞きごたえがありました。
歌の表現力が格段にアップしていて、ロミオの心情が歌を聞いているだけで繊細に伝わって来て、技術力も抜群なので、素晴らしいナンバーの世界に陶酔できます。鳥肌がたったナンバーも。

複雑な少年ロミオの心境が、的確な表現力で演じられていました。演技にう~んと深みが増したと思いました。ダンス力も言うに及ばずです。

ビジュアルも「ロミオ」そのもの
ポスターや制作発表での「真ん中分けの髪型(鬘)」やメークが似合っていないと言われていましたが、横分けで左に流したスッキリした鬘で、メイクも自分でしているので、ビジュアルも素敵で輝いていました。
タカラジェンヌは、自分で髪型もメークもつくることが、一番良さを引き出すと思います。
そして、今まで宝塚で演じられてきた「ロミオ」の中で、真琴「ロミオ」が一番リアルな少年に近いと思いました。本当に若々しさにあふれていました。

真琴くんは紅ゆずるさんの下で頑張っていたので、自然にコメディタッチな雰囲気を出すのも得意です。
1幕前半、モンタギューの仲間たちの間で、「クスッ」と笑いが起きるようなシーンが、何か所かありました。
こういう面も少し新しい「ロミオとジュリエット」でした。

斬新な衣装について

衣装のことが何かと批判されていますが、広い舞台で見たら全然気になりませんでした。
青と赤チームのメインの衣装も、新しさもありましたが、見慣れている感じで、昔のものより素材が自然になっているようで、色のトーンというか色彩が揃えられているのが、有村先生らしさだと思いました。
ロミオの衣装について
衣装が「ワークマン」などと言われているようですが、ダボっとしたサイズ感ロミオの衣装が舞台の上では映えて見えました。
スーツなら肩パットなどで補正できますが、ロミオは少年なので、舞台で大きく見せるためには、ダボっとした上着が新鮮で適していたのかな?と勝手に解釈。

ロミオだけでなく、ベンヴォーリオやマーキューシオの衣装にもフードがついていました。
衣装にフードがついていることで、若さを表現しているのかな?と、こちらも勝手に解釈。
ロミオの衣装もシーンごとに変わって、チョーカーも変わっていました。このあたりも拘りなのかな?と。

ジュリエットの衣装も斬新
ジュリエットの衣装も斬新なところがあって、細部まで見たら、「?」は残ります。

バルコニーのグレーの部屋着はヒロインの衣装としては地味ですが、ウエストにキャピュレット色というか赤い革のコルセットのようなベルトをしていて、キャピュレット家に縛られているという意味なのか、衣装に意味を探ってしまいます。

仮面舞踏会の衣装は、白いバルーンのモフモフのミニスカートに、膝までの黒の編み上げがアクセントの白いブーツ。そのブーツの後ろに派手なピンクのリボンがついていました。スタイルが良いので着こなしていましたが、ダサい感じが…。
何かと、ジュリエットの衣装には、リボン付いていたような。

芝居最後の白い衣装と、フィナーレの白いパレードの衣装は特別似合っていて、可愛いかったです。
礼真琴くんのフィナーレの白いパレードの衣装も、おしゃれで凝っていました。

舞空瞳ちゃんについて

歌唱力に磨きがかかっていて、高音も綺麗で、安定した歌唱を感動して聞きました。
真琴くんとのデュエットも、素敵に聞かせてくれました。

「ロミオとジュリエット ―Special Edition―CD」発売を記念してのスカイステージの特別番組で、公演自粛中の6月に歌唱の指導を受けながら、懸命に歌の練習に励んでいる光景が流されました。
2月の大劇場公演と8月の東京宝塚劇場公演と比較して、歌が上達したなと思っていたので、公演休止期間に頑張ったのだな、と思っていましたが、その頑張りは格別のものだったのではないかなと思います。

とっても初々しくて可憐な雰囲気の娘役さんですが、短い間に歌唱力が上達したのも、芯がとっても強いからだと思います。
技術的に最高峰に近い礼真琴くんの相手役をするには、高い技術が求められますが、その期待に十分努力でこたえていっています。

昨日ご紹介しましたが、小池先生はそういう芯のある舞空瞳ちゃんに、ロミオのために行動する強さや激しさをもつ、ジュリエットの情念、リアリティを出せる「強い濃いジュリエット」を期待されていたようです

バルコニーのシーンでの、乳母からの声かけに対する返事が、ジュリエットとしては強いので、笑いが起きていました。
運命の流れに流されない、生きようとする鬼気迫るジュリエットを感じました。

そして、最後の天国のシーンのデュエットダンスは、二人が身体いっぱい幸せに満ち溢れていることを表現していて、「二人の死」で終わっていないような錯覚を覚えました。

フィナーレのデュエットダンスは、フラメンコ調の情熱的な大人っぽいダンスで、技術的にとても高度なものだと思いますが、クルクルとスゴイ速度で展開していって、「わあっ」と感動しているうちに終わりました。
礼・舞空コンビにしか出来ないデュエットダンスは、回を重ねるごとに高度になっていて、どこまで上を極めていくのでしょう。
そして、2人の息がぴったり合っていなければ、こんな高度のダンスを続けることは出来ないでしょう。最高のコンビだなと思いました。

他の出演者たちについて

ティボルト……愛月 ひかる
女性関係が豊富で情熱的で、キレやすく、いつもイライラしているような、ちょっとくせのある役をやったら愛ちゃんの右に出る人はいません。
濃い存在感と色気にあふれるティボルトでした。歌唱も迫力がありました。
体格ががっしりしているので、星組の中では映えます。「死」も楽しみ。
娘役さんとのダンスも異常に色っぽくて「愛月ひかる」色が光っていました。

ベンヴォーリオ……瀬央 ゆりあ
短い髪に精悍な顔つきで、良きロミオの親友であり、愛にあふれるモンタギューのリーダーでした。
歌も高い声まで出せて、歌えていましたが、さらに進化されていくことでしょう。

マーキューシオ……極美 慎
ピンクのトサカを立てたロン毛のキラキラなビジュアルで、クレイジーな明るい役がピッタリでした。
歌が多かったので、まだ練習しきれなかったのか、今後の進化に期待です。

パリス伯爵……綺城 ひか理
高貴な「ぼんぼん」感が良かったです。歌は短くても流石の歌唱力でした。

「死」……天華えま
身体の華奢さが存在感を出す「死」には、少し物足りなかったですが、ロミオの影としては合っていました。

「愛」……碧海さりお
スタイルが抜群で、しなやかな見事なダンスで、女性らしさの柔らかさが表現されていました。

乳母……有沙 瞳
声を低くして演じていて、ジュリエットからは「ばあや」と呼ばれますが、少し胴布団をまいているものの、キュートな美しい乳母でした。
ジュリエットへの深い愛が感じられ、ロミオが永久追放されると、途端に掌を反してジュリエットに接しますが、そういうところも丁寧に演じられていました。
そして、何と言っても歌のナンバーが素晴らしく聞かせてくれました。有沙瞳の実力を披露してくれました。

エトワール……小桜ほのか
美しい歌声に高音の迫力もあって素晴らしかったです。影ソロもされていましたが、活躍の場が少ないのは残念に思いました。

桜庭舞ちゃんも、退団公演なのに目立つ所が無く、フィナーレではwトリオでした。娘役さんの活躍の場が少ないので仕方ないですが、残念でした。

星組ならではの熱さを感じる他のメンバーたち
赤チーム、青チーム、それぞれの人たちが個性的でイカシタ型破りな髪型や髪の色をしていて、みんなお洒落で似合っていました。
その中でも、特に朝水りょうさんの一部刈り上げのような髪型がステキでした。

特に感動したのは、ロケットの後、「フィナーレの男」「フィナーレの女」として、配属されたばかりの106期生まで全員出演していたことです。
KAORIaliveさんの難しい振りに挑戦して揃っていたので、頑張ったのだなと思いました。

星組には、やはり特別な「熱さ」があり、みんなで懸命に稽古して仕上げているのだと思います。
その星組の熱さと「ロミオとジュリエット」は、とても相性が良いなと思いました。

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