雪組『f f f』『シルクロード』感想
こんにちは、くららです。
2日の午後の雪組公演を観劇してきました。

『f f f -フォルティッシッシモ-』も『シルクロード~盗賊と宝石~』も、舞台装置や場面転換が見事で、衣装も豪華でクオリティの高い、見応えがある作品でした。
今日は2作品の特に心の残ったとことを、ネタバレしないように走り書きします。

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とても良かった所

望海さんが超カッコ良い!
望海さんのサヨナラ公演なので、「カッコ良い望海さんを堪能したい!」と以前に希望をブログに書いていましたが、それはもう格好良かったですよ。
ベートーヴェンの髪型も、ポスターの髪型よりあか抜けたウェブのかかった金髪で、望海さんに良く似合っていました。「結婚できない男」なのですが、容貌でそんな欠点は全く感じさせなかったです。ベートーヴェン役ということで心配していましたが、杞憂に終わりました。

ショーでも、ターバンを巻いたら、望海さんの右に出るものは無く、ダントツでカッコ良いですね。スチール写真にすれば良かったのに。
昔の生田先生作品『BUND/NEON 上海』の劉衛強を彷彿させる中国マフィアの衣装がとても似合って男前で、やはり望海さんには反社会の衣装がピッタリ?鎖のシーンもありました。

久々に頭の大きな被り物も登場しました。一時期、大きな被り物が通常モードだったのですが、最近はあまり無いですね。(ただし昔に比べたら小さかったかな)

歌が最高
何といっても2作品とも、宝塚史上一番とも言える歌唱力抜群な、望海・真彩コンビが圧倒的な歌唱力で聞かせ続けてくれるので、「歌の感動」の連続!
ショーでは、菅野よう子氏が壮大な素晴らしい楽曲提供をされています。
それ以外の楽曲も素晴らしいものばかりで、お芝居も、ベートーヴェンの楽曲が様々にアレンジもされていて、とても聞きごたえがあります。

だいきほの見せ場がたっぷり
サヨナラ公演として、だいきほファンは、大満足できる演出が満載でした。

デュエットダンスが素敵
真っ白な衣装で手を繋いで大階段を降りてくる時の、真彩ちゃんの笑顔をはじめ、二人の幸せいっぱいのデュエットダンスは、胸キュン幸せポイントが満載。
真彩ちゃんは、「宝塚おとめ」の演じてみたい役に、「白いドレスでのデュエットダンス」と書いていました。夢が最高の形で実現できて、良かったですね。

彩凪翔さんに「羽根」は、ありませんでしたが、お芝居でも素の人柄がにじんでいるような素敵なゲーテで、ショーでも見せ場がいっぱいでした。笙乃茅桜さんも、煌羽レオさんも。

卒業生を大事にする演出は、最近の宝塚の鉄板になりましたね。小川理事長になってからその傾向は強くなっています。今まで頑張ってきてくれたスターさんたちに、最高の花道を用意してくれることは、ファンにとっても嬉しいことですね。

次期彩風咲奈さんへの引継ぎシーンも豊富
お芝居の方では、ベートーヴェンとナポレオンとして、心を割って話すシーンも。
ショーでは、フィナーレの黒燕尾で青い薔薇を渡すシーンをはじめ、二人で踊るシーンも、抱き合うシーンも。
(望海さんおススメの羽山先生の黒燕尾も、素敵です!演出も。)

次期トップコンビ彩風・朝月のデュエットダンスも、2回ありました。
咲ちゃんの包容力満点の希和ちゃんへの優しいまなざしが、次期コンビへの期待を高めてくれました。

私が単純に面白いなと思ったのは、夢のシーンで「ロシアの雪原」が登場したこと。
上田先生は、「ロシアの雪原」がお好きなのだな、と思いました。

新しい感覚の2作品

両作品とも私の受けた印象を漢字であらわすなら、「新!」です。

『f f f』について

上田久美子先生の初めて大劇場作品のショー『BADDY』は、衝撃的な新しさの作品でしたね。『f f f』も、それと同じくらい、私には新鮮で衝撃的で面白かったです。
不運な中でも強靭な前向きなエネルギーに満ちて生きたベートーヴェンの「生きるエネルギーが最後に爆発!」全員が集まって大団円の「喜びの歌」に繋がります。
作中も何度も爆発音がします。そういう音が苦手な方は、少し心しておいた方が良いかもです。

様々なものが詰め込まれていて、一気に最後でまとめるのですが、初日から2日めを観た感想は、まだ消化不良で詰め込みすぎかな?という印象をもちました。
上田先生の作品で、セリフも内容もこんなに詰め込まれたものは、初めてのような。
望海さん率いる雪組なら、日々消化されて素敵になっていくことでしょう。

コロナ禍でともすると後まわしにされる芸術の大切さも、「爆発」の中で訴えられているように感じました。
「生きる」ということを訴えかけている作品です。
弱気になりやすい私は生きなきゃあと励まされました。

適材適所の配役
歌、ダンス、芝居に秀でている人には、それぞれにふさわしい配役がされていました。
小さな炎」の笙乃茅桜さんが随所に登場して心情がたっぷりこもった美しいダンスを魅せてくれます。退団が惜しまれます。
黒炎」の華蓮エミリさん沙羅アンナさんが大人っぽいダンスを。
ケルビム【天使】は、希良々うみさん羽織夕夏さん有栖妃華さんの歌唱力抜群の3人。
少年のモーツァルト役の彩みちるちゃんの自然な演技が、とても良かったです。

そしてゲルハルト役の朝美絢さんの演技力の高さは配役でもわかります。
ベートーヴェンの少年時代が野々花ひまりちゃん、青年時代が彩海せらさん、そしてそれ以降が望海さんと3人で配役されています。ロールヘンも星南のぞちゃんと朝月希和ちゃんのふたりで配役。
しかしゲルハルトだけは、朝美絢さんの通し役でした。時代のつくりわけを巧みにされていました。歌も良かったです。

上田先生は、生徒の素質を見抜いた配役も見事だと思います。

『シルクロード~盗賊と宝石~』について

この作品は生田大和先生の初めてのショー作品になります。
望海さんと生田先生は入団同期で、生田先生の節目、望海さんの節目に、二人の関りはとても深くありました
望海さんの魅せ所を熟知されているので、素敵な望海さんを堪能できます。
芝居の先生なので、根底にストーリーがあることと、発想が「ショー作品の演出の先生」と違う所に新鮮さ、新しさがありました。

・望海さん出演作品で、生田先生の新人公演演出デビュー。2006年『ファントム』
・望海さん新人公演初主演の演出を生田先生担当。2009年『太王四神記』
・望海さん2番手出演作品で、生田先生バウホールデビュー。『BUND/NEON 上海』 
・望海さん出演作品で、生田先生大劇場公演デビュー。『ラスト・タイクーン』
・望海さん東上主演『ドン・ジュアン』を生田先生が演出。外部でも上演される。
・望海さん大劇場トップお披露目『ひかりふる路』を生田先生が演出。

しかし、衣装や背景は煌びやかなのに、ショー全体として色彩が抑えめな印象で、明るさに少し欠けていたように思いました。
組子の頑張りによって、日々進化していくと思います。
歌唱力抜群の真彩希帆ちゃんですが、ラップは苦手ということで、今は満点とは言えない感じだったので、これからドンドン良くなっていくでしょう。その進化も楽しみです。

宝塚100周年、2014年の作品を思い出した

『眠らない男・ナポレオン』

100周年の第一弾、2014年のお正月公演、星組『眠らない男・ナポレオン』の戴冠式で使われた、ナポレオンとジョセフィーヌの裾の長い超豪華な衣装が、『f f f -フォルティッシッシモ-』で使用されていました。
当時『ナポレオンの戴冠式』の絵画を再現するために、大金を投入した贅沢な衣装だったので、再び日の目を浴びて良かったです。
小池修一郎先生の力の入ったオリジナル作品で、観劇するたびにセリフなど変わっていて、柚希礼音さんをはじめ星組生には苦労の多かった作品です。宝塚で上演されていた時は暗中模索中していたようでしたが、東京公演では良い作品になっていました。

『ラスト・タイクーン』

100周年の2作目が、生田大和先生の大劇場公演デビュー作品で、蘭寿とむさんの退団公演の花組『ラスト・タイクーン』でした。

今やベテランの域に達している生田先生ですが、大劇場デビュー作品は、一部ファンからケチョンケチョンにされていました。
「蘭寿さんのカッコイイ」見せ場はあるものの、脚本が今一歩で、さらに次期トップスターの明日海りおさんに、ヒゲをつけさせて、大学生の娘と愛人がいる、身勝手な感じの役を演じさせました。
美しい明日海さんにヒゲは似合ってはいましたが、全般に気の毒な印象が強かったです。
唯一、望海さんの演じたDVで最低な男のブロンソンは、望海さんの評価が上がりました。

「蘭寿さんの最後なのに…」とファンの方々の嘆きが強かった印象があります。

それ以前に、同じ役で、小池先生が真矢みきさん主演の「失われた楽園」をつくられていて、座付き演出家としての本、宛書きがとても上手だったので、比較で生田先生への批判が強くなったとも思います。

トップスターのサヨナラ公演は、トップスターの集大成で、ファンの思い入れも一番あるので、トップスターとの相性の良いベテランの先生が担当する今のシステムが最善だと思います。
生田先生は、望海さんのサヨナラ公演で、7年前のリベンジが果たせたのではないでしょうか。

100周年の頃の作品に比べたら、今の方が確かにクオリティが高く、ファンの満足度が高いと思います。
特に今回担当された上田先生、生田先生は、これからがとても期待されている先生です。

そして今回のような「オリジナル作品」だと、宝塚大劇場では初日から回を重ねるごとに、ドンドン良くなっていきます。特に雪組は凄まじく良くなっていきます。来週観劇予定なので、その進化も楽しみです。

どうか、雪組公演、4月11日まで無事に駆け抜けていけますように。
東京公演も規制が入らないことを願っています。

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