こんにちは、くららです。
昨日雪組新人公演の感想を、良かったなと思ったところを中心に書いていました。
すると、「本公演を越えていた?」とか「本公演を越えていたのは誰?」とか聞かれることが今回も、今までもありました。
私が観劇した新人公演で、「本公演を越えた」と思った公演はありません。
どちらかというと、かえって新人公演を通して、本公演の方の素晴らしさ、尊さを感じます。
特に今回の雪組公演は、望海さんの完成した男役の素晴らしさと卓越した歌唱力コンビ「だい・きほ」の尊さを特に感じました。
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望海さんの完成した男役の素晴らしさ
昨日ネット掲載されたの朝日新聞デジタルの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」についての記事で、小池先生は下記のように語っていらっしゃいました。
「円熟の極致だからこそできる役。十何年かけて築いてきたものがフルに発揮されている」と。
1幕ラストのバラの花が敷き詰められた部屋で、デボラへの諦めきれない愛を爆発させる望海のほれぼれする絶唱。危うさと美しさを同居させ、熟練の渋さでみせた。望海が演じると、ふられてやけになっている姿が、不思議と絵になる。
小池は「1ミリ誤ると『みっともない』とか『変なの』となっちゃうかもしれないところを、格好いいとか素敵であると思わせてしまう」
「恋愛における暴走、男の愚かな行動、あられもない心理を、魅力的に演じきるというのはなかなかできない」と太鼓判を押す。引用:朝日新聞デジタル
新人公演では、同じシチュエーションで諏訪さきちゃんが演じていましたが、望海さんの舞台姿をイメージして観ているから違和感は無かったものの、望海さんのヌードルスから受けた印象と少し違いました。
新公の翌日に、この記事が掲載されて、「円熟の極致だからこそ、十何年かけて築いてきたものがフルに発揮されている」と小池先生が仰っている言葉が、ドンピシャリとはまって、新公を観劇した時に、すわっちのヌードルスも良かったけど、この印象の違いは何だろう?と思っていたことの応えが見つかったように感じました。
すわっちのヌードルスは、新人公演としては100点だったと思います。
しかし研7の男役と研17の男役では、男役の極み方が全く違うのです。
特に探求心の鋭い望海さんの男役だからこそ、小池先生の仰るような、ふられてやけになっている姿が「超絶格好良い!」域に達するのでしょう。こんな男役さん、なかなかいないと思います。こういう男役の色気でも唯一無二の望海風斗さん。
この記事に明日海りおさんはこの望海さんの舞台をご覧になって『見ていたら思わず男役魂が燃えた』と仰ったと記されていました。
卓越した歌唱力コンビ「だい・きほ」の尊さ
諏訪さきちゃんの歌唱力は伸びやかで心もこもっていて本当に素晴らしかったです。
潤花ちゃんのデボラの歌は、かなりカットされていて、確か「皇帝と皇后」も無かったと思います。(間違っていたらごめんなさい)
劇中劇の、大階段にピンクのスカートが一杯に広がって、ブロードウェイの女神のデボラが「もしもこの世に天国があったら~」と歌いあげる華やかなシーンは、カットされるだろうと思っていたら、しっかりありました!
そのシーンの潤花ちゃんは華やかなのですが、真彩ちゃんの歌が鮮明に記憶にあるので、どうしても比較してしまいます。他の歌についても。
天使の歌声の真彩ちゃんが素晴らしすぎるから、潤花ちゃんは頑張って歌っていましたが、自信がなさそうに聞こえて、割りをくった結果になったように私は感じています、
今回は「歌姫」という設定だけに、歌の得意な有栖妃華ちゃんや花束ゆめちゃんにデボラを振った方が良かったのではないかな?と思いました。
それは配役が発表された時にも感じていたことです。
もう一人の歌姫、キャロル役の彩みちるちゃんの歌は、あーさと同じだけあってカットされていませんでした。
2015年『星逢一夜』の新人公演初ヒロインから『るろうに剣心』 明神弥彦、新人公演ヒロイン、
『ドン・ジュアン』東上初ヒロインと抜擢コースだったのに足踏み状態になって
2017年『CAPTAIN NEMO』でまた東上ヒロイン、そして前回『壬生義士伝』で新人公演ヒロイン3回目を経験し、
今回は歌のカット無の主要な役で、少し苦手なのかな?と思っていた歌も上達して、キュートで情感がこもっていて、とても存在感がありました。
潤花ちゃんは次期トップ娘役候補だと思いますが、歌唱力の面でまた叩かれそうな気が…
「ハリウッド・ゴシップ」の時は、歌も悪くなかったと思いましたが、やはり真彩ちゃんの歌は難しいのでしょう。
そして本公演で、真彩ちゃんの素晴らしい歌と、今回はだい・きほのデュエット曲が多いので、その歌を聴かせてもらえることが、どんなに素晴らしく特別な事か、あらためて思いました。
寒い中、連日朝早くから当日券に並ばれ、立ち見の方も多いのがわかります。
特に大劇場公演千秋楽後のXデーを思ったら、少しでも素晴らしい歌唱を味わい、記憶にとどめておきたいですものね。
宝塚史上に残る伝説のコンビとなるでしょう。
望海さんの尊い存在
すわっちが望海さんの役を演じるのは、研3の時の『るろうに剣心』の加納惣三郎役以来2度目。これがすわっちの転機になったそう。
以前、望海風斗さんに、いつか新人公演の主役をしたいという私の夢を聞いていただいたことがあります。その時、望海さんは、主役を演じるために私に何が必要か、という大事なことを教えてくださいました。その言葉を片時も忘れずお稽古しています」
そして今回の主演が決まって望海さんに挨拶にいくと、拳を握って小さく振り“がんばれ”とはげましてくれたそうです。引用:ウィズだからづかより
ヌードルスを演じることについても、望海さんの適切なアドバイスを受けて、頑張ったのでしよう。
本当に歌が素晴らしかったです。お芝居も。
新人公演当日もすわっちがずっと緊張していたら、望海さんから「大丈夫。ギャングは緊張しない」と声をかけてもらったそうです。
望海さんは本当に人格者ですね。
順風満帆にトップスターに就任された訳では無く、組み替えも経験し、様々な状況の中で努力を惜しまず研鑽されて、宝塚で必要な実力を兼ね備えるとともに、自然体で柔らかい雰囲気で雪組を牽引されています。
望海さん自身が宝塚を深く愛し、雪組生からは愛され慕われ、結束して勢いのある充実期、円熟期を迎えている雪組。
新人公演が本公演を超えることは多分在りえない!
一般の新人公演の話に戻します。
本公演は経験値のある本役さんが演じていて、脚本も本役に合わせてが書かれています。
お稽古期間も長期期間に渡って積み重ねられていますし、さらに初日の幕が開いて約20日間ほど、生の舞台で客席を感じながら演じられてきています。
新人公演メンバーの実際のお稽古は、初日の幕が開いてから始まり、終演後に夜遅くまでされるようです。
本公演のお稽古中に、自分の役の本役さんの稽古姿に注目したり、セリフを覚えたりはするようですが、実際に動くのは本公演が始まってから、しかも終演後の限られた時間の中なので、どれだけ「時間が無い中」でのお稽古であるかと思います。
そのため、本公演の役の方の模倣をすることが精いっぱいでしょう。
模倣が本公演を超えることはあり得ないでしょうし、男役さんの場合は「男役としての経験値」が大きいので、やすやすと本役を超えられるようなものでは無いと思います。
1日限りの新人公演には、新公メンバーの精一杯な思いとパワーが込められているので、その勢いが「本役超え」を思わせる部分もあるかもしれません。
しかしそれは、ある一面から見ただけの一部分でしかないと思います。
「伝説の新公越え」と言われているのは、霧矢大夢さんが研6の時の『ノバ・ボサ・ノバ』のソール。
その時は本公演でしゃべらないピエロを演じていたので、新人公演で歌える、喋れるという発散できる役だったので思いが爆発したそうです。
3拍子揃った実力者で、若さが強調される役だったので、「伝説の新公越え」と言われたのでしょうが、本役の真琴つばささんのトップとしてのオーラは素晴らしかったので、歌とダンスの実力面だけの評価でしょう。
トータルで、新人公演が本公演を越えるということは、多分無いのではないかなと思います。
それだけ経験を重ねた本役さんは素晴らしいし、宝塚は経験値が大きい所です。
今日は宙組東京公演の新人公演がありますね。
宝塚大劇場で観ましたが、若さ溢れる新公で、ワクワクと楽しめました。
東京でも良い新人公演になるといいですね。
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