濃くなっている「ワンスアポンアタイムインアメリカ」
こんにちは、くららです。
大劇場の雪組公演「ワンスアポンアタイムインアメリカ」の木曜3時公演を観劇して来ました。
シンシンととても冷え込んだ日でしたが、立ち見の方も沢山いらして、雪組の人気の高さを感じました。

1月2日に観劇した初見の時とは違って、とても楽しめ、充足感いっぱいで帰ってきました。

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感想

お正月と比べて、間の取り方などの演出に変更があったようにも感じました。
日々熟成されていることも。
小池先生の作品はキャラクターがしっかり作りこまれているので、日を重ねるごとにキャラがしっかり立って面白くなっていく傾向にあります。
今回もそれが顕著で、宝塚大劇場で1ケ月公演を重ねた頃にいい塩梅に仕上がって、東京公演になるという典型的なパターンだと思います。

そして私側の問題ですが、初見は何もわからない中「従来のザ宝塚」を求めていましたが、この作品はそうではない!
人生の哀愁をノスタルジックな情感で描き上げた新しい感覚のミュージカル作品らしい。
それを理解していることで、受け止め方が全く違いました。初回は「アマポーラ」を求めすぎたことも失敗でした。

注目点

今回は話の流れがわかっているので、物語の細部にも注目しながら観劇出来て楽しかったです。
望海&真彩コンビの超絶歌上手はビンビン心に響いてきます。本当に素晴らしい歌唱すぎて酔いしれます。

スカイステージで初日映像が流れて、歌を何回も耳にしたので、メロディーが耳に残って慣れていることで、より歌に親しめたようにも思います。

彩風咲奈くん彩凪翔くんはじめ、芝居上手でイケメン揃いの雪組男役さんたちから目が離せません。
咲ちゃんマックスのストレートな感情表現が巧みになっていました。そしてやはり脚が長くてスタイルがピカ一。
翔くんジミーの滲み出る黒さ、一筋縄ではいかない男の深みが増していました。

そして女役キャロルの朝美絢くんの妖艶さとキュートさと歌上手も益々磨きがかかっていました。

「ナウオン」でもパッツィー役の縣千君の個性の豊かさ、面白さが語られていましたが、目が離せない愛嬌と大物感が漂っていて舞台上でもついつい注目してしまいます。
ダンスも本当にキレが良くて目を惹く。
フィナーレのロケットは、初日すぐは男らしさ満載でしたが、それが薄れて可愛い笑顔でした。
でも、ちょっと無理を感じる可愛さなので、ロケット中もあがた君に注目していました。
「ハリウッド・ゴシップ」の頃より私は明確なあがたファンになってしまったよう。

他にも注目点はいっぱいですが、書いていたら長くなるので。このあたりにして。

「ナウオン」から感じたこと

やはりこの作品は回を重ねて味が出る作品だなぁと感じました。

「ナウオン」で望海さんが
「お客様と深めていける、見れば見るほど味わいが深まる作品」と、語っていらっしゃいましたが、本当にそうです。

映画と舞台の違い

望海さんは、映画のロバート・デ・ニーロのように淡々と演じ歌い、佇まいたかったそうですが、それでは舞台では全く伝わらないので、感情をのせて舞台版として演じ歌っているそうです。はじめは「映画で描かれたヌードルス」と「感情を豊かにのせる舞台版」とのギャップに苦しまれたようです。
この感情をのせる演技が、初日の頃より深まっているように感じました。歌にのせる感情も。
そしてちゃんと映画のロバート・デ・ニーロの雰囲気が出せていると私は思います!

望海さんの演技力

1幕終わりの、薔薇のシーンの切ない思い、男の色気の迫力と格好良さは、ますます印象的でした。今でもそのシーンが脳裏に焼き付いています。

2幕終わりの白髪交じりの壮年ヌードルスが、全身でむなしさを感じて肩を落として去っていく後姿には何とも言えない男の哀愁が漂っていました。

望海さんのこの演技力って本当に凄すぎると思います。卓越した歌唱力と同じぐらい秀逸な芝居力。声も年齢により使い分けられています。

真彩ちゃんの演技力

真彩ちゃんは映画を見て、成功したいという強い意志をもった「デボラの少女時代の瞳」に注目し表現したいと思ったそうです。
それは舞台では伝わらないので、いかに伝わるよう演技するか、努力しているとおっしゃっていましたが、舞台から他の少女とは違うその強い意思は十分伝わってきていました。
真彩ちゃんも天使のような素晴らしい歌声だけでなく、高い演技力があると思います。

望海さんのプロデュース力

真彩ちゃんの劇中劇のブロードウェイでの大階段いっぱいにピンクのスカートの裾が広がるシーンを、望海さんは「陽の華やかさが無いので、あのシーンが一番映える」と仰りながら、真彩ちゃんに「階段のピンクどんな気持ちで?」と質問されていました。
その様子から、上手に真彩ちゃんの魅せ場をアドバイスしながらプロデュースされていることを感じました。
小池先生の演出力も素晴らしいと思いますが、望海さんの勘の良さからくる導き方が、現在の雪組の舞台の素晴らしさに繋がっていると思います。

この作品の趣旨

原作の映画『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』について、みんなどう受け止めているのだろうと望海さんはいろいろと調べられたようですが、「こたえが無いのが面白い」と受け止められたようです。
「考える時間を与えてくれる余白のある作品」とも。

咲ちゃんは、「ギャング映画と思っていたが、人間ドラマ」と。

そしてこの雪組作品が「人生を考える、前向きに自分の人生を振り返って一歩踏み出すきっかけになれば」と望海さんは仰っていました。

今まで宝塚で上演されることの無かった視点の難しい作品だと思います。
この作品が成功しているのは、高い歌唱力と演技力のだいきほコンビと、みんなをまとめることのできる望海さんがいらっしゃるからこそだと思います。

1月14日に小川理事長は、報道の方々への年頭挨拶で「量より質。駄作を出すと一瞬でよくなくなる。いい成績をキープするのは大変だが、一度落ちたのを戻すのは、もっと大変。一作一作が勝負」と話されたようです。
小川理事長の離される「駄作」というのが何をもって基準にしているのかわかりませんが、今回の「ワンスアポンアタイムインアメリカ」は、望海さんが主演されていなかったら駄作という結果に終わっていたのではないの?と私は勝手に感じています。

駄作であっても生徒たちの力によって、駄作を回避している作品は多くあると思います。演者に駄作をねじ伏せる力がある!
結果がよければ駄作判定にはならないのでしょうか?
今回の理事長のお話に疑問を感じることも多かったので、次回はこのことについて書いていきたいと思います。

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