小川理事長の発言を憂う
こんにちは、くららです。
今日で阪神淡路大震災の日から25年が経ちました。毎年特別な日です。
いつ何が起きるかわからないので、「備蓄」をおすすめします。

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さて、話は変わりまして、今日は毒つきたいと思います。善人ぶっているとご意見頂きまして、私は全く善人ではありません。ただブログでは、生徒さんに対してのマイナス発言は書かないようにと心がけています。でも私の書いた内容で傷ついている方もいらっしゃるかも。それは申し訳ありません。

宝塚の小川理事長に対して、私のようなイチファンが毒ついても問題無いと思いますので。
報道の方々への年頭挨拶の内容、その通りだと思いながらも、ちょっと言いたいことがあるのです。

「駄作を出さない」何をもって駄作?

「駄作」というのは観客側が判断する言葉で、制作する側が発する言葉じゃないと思います。

タカラジェンヌは、皆さん、どんな脚本であろうと「お客様に喜んでいただこう」と誠心誠意、舞台をつとめて魅せてくれています。
タカラジェンヌの力で駄作がねじ伏せられて「楽しめる作品」に仕上がっているものは多くあったと思っています。

現在東京宝塚劇場で上演中の宙組『エル ハポン-イスパニアのサムライ-』もそうだと私は思いました。

観劇の感想というものは主観的なもので、万人が喜ぶ作品など無いでしょう。
私の「エルハポン」に対する思いも一般の方々とは、ずれているかもしれません。
他にも私にとって「今一歩だな」と思える作品であっても、与えられた作品を精一杯頑張って魅せてくれている生徒さんたちのことを思うと、「駄作」という言葉は使いたく無い言葉です。

駄作の反対は、「傑作」です。
私は紅ゆずるさんのファンだったので、『ANOTHER WORLD』や『GOD OF STARS -食聖-』は傑作だと思いますが、人によって違うでしょう。

人それぞれの好みもあり、コメディは嫌いとか、和ものや時代劇は嫌いとか、受け止め方は人それぞれになると思います
宝塚が駄作を恐れてどうする!というのが私の本音です。

駄作を恐れるがために、海外ミュージカルや既存の作品の舞台化、再演もの、旧作のリメイクなどの無難な線に走って、オリジナル新作を控えるのはいただけません。
「エリザベート」や「ファントム」など、VISAも協賛している海外ミュージカルは、特別に見ごたえがあり、心の底から素晴らしいと言えるのは事実です。
しかし「オリジナル新作」を見るワクワク感が私は大好きです。
初日のチケットが手に入れば、その日を指折り数えて楽しみにして足を運びます。
何十年も観ている私には、ガッカリした思い出さえ、良い思い出として刻まれています。(それは、「宝塚バカ」ゆえかも)

宝塚の良さは「オリジナル新作」にあると思います。
「オリジナル作品」を見せられなくなったら宝塚は廃れていくだけだとも。

「駄作を出さない」と守りの姿勢に入ったら、宝塚にしか出来ない新しいチャレンジが無くなって、つまらなくなるように感じています。
宝塚の良さは「新しもん好き」でいち早く新しいことを取り入れていくチャレンジ精神にあると思います。
好奇心旺盛な私は、そういう宝塚に惹かれています。

最初の「ベルサイユのばら」が当たった時に、そこでとどまらず「風と共に去りぬ」に挑戦していきました。
バトラーがひげをつけるか、つけないかという「ひげ論争」が起こり、男役トップスターが本公演でスカーレットを演じるという挑戦もありました。

「ベルばら」の大ヒットの時から柴田先生のあてがきオリジナル作品も次々にヒットしていきました。

死神を主役にした「エリザベート」を上演した新しさも宝塚の息吹を吹き返らせました。

宝塚とは、そういう新しいことにチャレンジしながら夢を紡いでいくところだと思っています。

売上重視の小川理事長には、今までと変わらず、ファンや生徒さんが夢を見られる宝塚であり続けることを、何よりも一番に考えていただきたいです。

駄作を産むのは劇団運営側の問題

小劇場では面白いのに、大劇場になると「今一つの出来上がり」になる演出家の方が多い傾向にあるとも思います。
それだけ、80人程の大人数に番手による見せ場を作りながら、場面もわかりやすく展開させ、2500人の観客にわかりやすく伝える、というのは難しい作業なのだと思います。

参考文献
タカラヅカの謎 300万人を魅了する歌劇団の真実 (朝日新書)森下 信雄 (著)2019/12/13
元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略 森下 信雄 (著) 2015/1/9
宝塚の内部のことは全くわからないので、元・宝塚総支配人をされていた森下 信雄氏の著書を参考にさせていただきました。

宝塚の演出家は終身雇用制だそうです。
スカイステージで「ステージ・ドア」(一つの作品が初日を迎えるまでのメイキング番組)を見ると、他の演出の先生も舞台稽古などで、お手伝いされている光景を見ます。

衣装部さん大道具さんなど、特別な精鋭揃いの方々のようです。その方々の働きに助けられて素晴らしい舞台が出来上がっているようで、そこが105年続いている宝塚の素晴らしさだと思います。

求められるのは、優れた脚本・演出家の先生たち

脚本・演出家の先生も沢山いらっしゃるので、一人の先生だけに委ねず、多くの先生の目を通して経験値を結集して作り上げていくのは、難しい分野なのでしょうか?
特にこれから若い先生を育てていくために、新旧二人の先生がたがチームを組んで新作オリジナルにチャレンジされるなど、新しい作り方もチャレンジされていったらいいのにな、と素人の私は身勝手に思います。

宝塚愛も忘れないで
宝塚ファンは、好きなスターの活躍を観たいから劇場に通うという面も強いです。作品内容よりも。

更にいうと、古くからの『宝塚』の良さは、観客が生徒の成長を見守り、生徒はその期待に応えて成長していくという関係性がありました。
「駄作を出すと一瞬でよくなくなる」という言葉には、今まで築きあげられてきた観客と生徒の関係性は全く無視されています。
駄作でも演れば何でも受け容れられるという考えは甘いと思いますが、他のエンタメ業界とは違う懐の深さが宝塚にはあることが特性だと思います。

時代が変わり、歌劇団も伝統を守りつつ変化していく必要もあるのは、わかります。
宝塚の梅田芸術劇場の作品は、宝塚の公式サイトで案内されると同時に、梅田芸術劇場の公式サイトでも案内されるようになって、宝塚ファンで無い方にも門戸を開いて、幅広い客層をとりこもうとしているのでしょう。

そのために「量より質。駄作を出すと一瞬でよくなくなる」というお考えなのでしょうが、何を基準に駄作というのか。
結局利益、数字という夢の無い話になるのでは、残念な思いになります。「宝塚」は、簡単に割り切れるものでは無い!
さらに「質」を求めるより先に、ずっと思い続けていたことを次に書いていきます。

宝塚愛とビジネス 働き方改革

6年連続で右肩上がりの観客動員数である好況なのは、タカラジェンヌのハードすぎる働き方のおかげだと思います。
東西休みなく本公演があり、その後バウホール公演、別箱公演、全国ツアー、ディナーショーなど、常にスケジュールに追われていて、休息は異動するだけというケースも多いように感じます。
特にトップスターになると、命を削りながらハードスケジュールをこなされているように思います

昔に比べて、公演の数が多すぎで、今は公演を増やせば増やすほど儲かるのでしょうが、「働き方改革が叫ばれている」のに、時代と逆行しています。
休みの無い働き方だけみていると、どこよりもブラック企業に思えます。
生徒さんは宝塚が好きで入っているので、大変でも「プロとして」頑張っていますが、酷使され過ぎだと思います。

「生徒」という言葉と「芸の道」ということで、仕事の線びきが曖昧で、「宝塚愛」という言葉でごまかされているように、外からみている私には思えます。(内情は全く知りません)
充分休養できる時間を設けてあげることも大切だと思います。
それに見合う報酬も支払われているのかな?

人を大切にしない企業に未来はないでしょう。

チケット事情

宝塚公式の宝塚友の会に入会していますが、宝塚人気と相まって、最近またチケットが入手しにくい状況になっています。
「私設ファンクラブ」には余らせる程のチケットがあって、それを消化するのに苦労されているとも聞きます。

森下信雄氏の著書を読むと、歌劇団と「私設ファンクラブ」は、持ちつ持たれつの関係で、すぐに無くすことは難しい状況のように感じとれました。
「私設ファンクラブ」がある限り、流動チケットが存在するので、「転売禁止」を強いるのは難しい問題だと思います。
「お花代」はチケット代金とは全く別物と言い切れるのなら、大丈夫なのでしょうが。
関係者の方々がどうとらえていかれるかでしょう。

「私設ファンクラブ」は、宝塚とファンとの今までの繋がりの中で出来ていったものなので、急に廃止という流れにはならないでしょうが、「チケット不正転売禁止法」を遵守するなら、何らかの変化が求められていくように思います。
ずっと曖昧なまま通していけるのなら、それでいいのでしょうが。
(私は「私設ファンクラブ」の存在は否定していません。)

多くの観たい人にチケットがなかな行き渡らないような現在のチケットの販売方法では、質の高い舞台を通して新規の顧客を獲得できたとしても、次にチケットがとれないなら、リピーターにはなれません。
今の宝塚バブルは、現在のチケットがとりにくい事情が続くなら、「作品云々」ということより先に、崩壊してしまうような気もします。

「駄作を出したらおしまい」という前に、チケット事情を改善する方が先だと思います。

既にOGさんの「夢組」もあります


つい先日もOGさんの公演で、オーラの素晴らしさを感じたばかりなので、2025年の大阪万博でOGさんが活躍される舞台を企画されることに期待しますが、話のついでに「夢組」という言葉を使われたことは軽はずみに感じました。
阪急旅行が出してる宝塚鑑賞ツアー『夢組』がありますし、「夢組」の名称は既にはやみ甲ダンスカンパニーHKDCが使用されています。もう20年近く使用され、OSKのOGさんや宝塚OGさんも出演されています。

絶好調なら、他の面での改革もしていただきたいものです。

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