雪組全ツ 朝美絢、永久輝せあ若手の台頭と個性
こんにちは、くららです。

全国ツアーの感想で望海さんのことばかり書いていましたが、次の世代の台頭を確かに感じる公演でした。

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『琥珀色の雨にぬれて/“D”ramatic S!』は、2年前( 2017年8月25日)~ 9月18日)望海風斗&真彩希帆コンビのプレお披露目公演でした。
路線男役は、彩凪翔くんのみ全ツメンバーで、咲ちゃんをはじめ、路線男役、朝美絢、永久輝せあ、縣千、たちは、もれなく「ネモ船長」組。

「だい・きほ・しょう」のフレッシュな顔ぶれの「琥珀色の雨にぬれて」が素敵すぎで、「だい・きほ」の歌のレベルの高さにも圧倒されました。
梅田の初日は、初めてトップ羽根を背負って降りてきた望海さんが、ご挨拶で感極まって涙され、カーテンコールでは「希望」をみんなで連呼した記憶があります。
宝塚史上伝説になるであろう圧倒的歌唱力のだい・きほコンビの誕生でした。
たった2年で、次の世代の台頭を感じる公演になるのは、残念ですが、下から押し上げるように育ってきているのは喜ばしいことです。

それから2年経過した今回の全ツでは、「新しい世代の台頭」を確かに感じるものでした。

2番手 朝美 絢くんについて

プログラムでは、2番手扱いで掲載され、フィナーレでは、白いキラキラスパンコールの豪華な衣装を身に着け、2番手の位置。
しかし残念ながら背負い羽根ではなく、肩羽根でした。
(真ん中3人だけ、キラキラスパンコール衣装なので、トップ二人と同じように、羽根を背負わせてあげれば良いのに…)

お芝居でも、34年前、次期トップの2番手平みちさんが演じたファルコ役
こじらせるほど一途な青年役をやったら、あーさの右に出るものはありません。お芝居上手で勘が鋭く、心理描写が巧みで、表現力が豊か。
ファルコの鬘も長髪ストレートのブロンドなものの、生え際あたりを黒くして、敢えて魅力的な黒い瞳がいきるように工夫されていました。
黒っぽいコスチュームの着こなしも素敵で、ファルコのお芝居はカーテン前のものが多かったのですが、登場するだけでファルコ色に染まります。
そして「声」が良い。
歌も、声量があって歌に厚みと迫力があり、ドンドン上達されていることを感じました。

本来なら「咲ちゃんのJAZZ」のシーンは、あーさが担当すれば最善だったのでしょうが、歌が歌えるので、踊りが抜群に踊れる必要は無いと思います。
あーさは、歌を中心に担当していて、歌とともに魅せるダンスも素敵でした。
更なる歌の成長が楽しみです。

公演ごとにスター性を蓄え、ビジュアル、実力ともにこれからの宝塚を代表する男役としての活躍に期待をせずにはいられません。引用:中村一徳 全国ツアープログラムより

「立場が人をつくる」と言われますが、お芝居、ショーともに二番手という責任ある立場を初めて振られて、その立場にふさわしいスター性を発揮できていました。
美しい目と「きれいな顔」と言われるビジュアルと、「芝居力」と「歌」で、新しい男役像を開拓していけるのではないかな、と期待しています。
月組時代の「グランドホテル」のラファエラも、とても深みと余韻のある好演でした。
お正月公演の『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』のキャロルも、朝美絢ならではの素敵な女役を魅せてくれると思います。

永久輝せあの堂々としたスターぶりにビックリ

私は大劇場の『壬生義士伝/Music Revolution!』を初日から何度か観たものの、東京公演は観ていませんでした。
大劇場ではひとこちゃんが初めて真ん中をつとめた「カノン」について、ラジオ番組に出演した時に、
「真ん中で踊るのでずっと怖く、今までここまでの緊張は無く、何日たっても、慣れること、安心できることは無い」とちょっと弱気で語っていました。
長年のひとこファンとしては、活躍は嬉しいものの「大丈夫?」と心配しながら、いつも「カノン」のフィッテを見守っていました。
しかし「カノン」は、『Music Revolution!』の中でも一番拍手喝さいの多いシーン。日にちの経過とともにひとこちゃんは、慣れて自信をつけていったのでしょう。

そして東京公演中の8月2日に「花組への組替え発表」。最初は戸惑いや不安もあったでしょうが、スターとしての栄転であることは間違い無し。
「全国ツアー」では、お芝居ではジュリオという3番手の複雑で不安定な人物。
演じるのも難しかったと思いますが、客席に「その人物像」が伝わってきました。望海ヴィットリオと決闘のシーンも印象的。(3年前のドンジュアンを思い出します)
王子様のような貴公子然としていても、悪い部分も黒い部分も、また人間的な部分も演じられる芝居の幅の広さを魅せてくれました。
お芝居が上達したことを感じました。しかし朝美絢くんと比べたら、まだ役を自分のものには出来ていない自信の無さが出てしまうところも。

ショーでは、ダンスのシーンも歌のシーンも増えていて、堂々と光り輝くスターとして存在していて、ビックリ!
歌が公演ごとに上達していますが、大劇場の「カノン」の歌では声量不足を感じていました。

『Music Revolution!』は、ダンスをしながら歌うと、声量が落ちてしまうのかな。きちんと声量が出せていた時とそうでない時の差がありました。これからの課題でしょう。
でも音程がしっかりしているので、まだまだ上達の余地は無限大。ビジュアル、ダンスに秀でているので、歌と芝居が上達すれば怖いものなし。
花組では、ダンスはもちろんのこと、「歌手・永久輝せあ」としても求められているので、この転機にさらにステップアップして大きなスターになって欲しいと思います。

「VISA」のイメージガールは、荷が重すぎるのでは?と心配してブログの記事を書いていました。


しかし、全ツでのひとこちゃんのスターとしての輝きに覚悟のようなものも感じて、もし「VISA」のイメージガールに選ばれても、大丈夫だと思いました。
選ばれるかどうかわかりませんが、もし選ばれたら。

現在はまだ「組替え」前ですが、「組替え」と「3番手としての主要な役どころ」を与えられて、グーンと成長したように感じました。
ショーでは、「早変わり」がとても多かったような。
忙しいであろう早変わりでも、髪型をいろいろと変えていたのは、「流石」でした。

朝美絢くんも永久輝せあくんも、キラキラとスターとして輝いていましたが、全く個性が違います。
違うからこそ、よりその輝きが煌びやかでした。
今回「ハリウッド・ゴシップ」チームの彩風咲奈くんも彩凪翔くんも、全く持ち味が違う、スターです。

望海さん率いる雪組生の個性打ち出し合戦

「エンターザミュージック 宝塚歌劇団特集」10月20日の放送にも、望海・真彩のお二人が出演しました。
その番組の中で流れた、雪組組長・奏乃はるとさんのインタビューの中に、とても興味深いお話があったのでご紹介します。

早霧せいながトップだった時は、雪組生全体が一つにまとまって前へ進んで行こう、というエネルギーがとても感じられていたんですね。そこから、望海・真彩のトップコンビに変わった時に、よりひとり一人が自分の個性を出そうとして来ているなぁという感じがしています。足並みを揃えて、みんなでエネルギーを出していこうというところから、「私はこういう風に魅せたい、私はこういう風に持っていきたい」、とか、自分の持っている個性だったりとか、そういうものを出そうとしていることを感じますね。

紅ゆずるさんと望海さんの共通点
「個性を大切にすること。打ち出すこと」を組子に終始訴えていたのは、元星組トップスター紅ゆずるさんです。
以前のブログで、望海さんと紅さんには、感じる心でご自身が舞台を楽しみながら、客席をも楽しませてくださっている「舞台空間での自由さ」という共通点を感じていることを書きました。

「ヴァンサンカン25ans 12月号 」に朝美絢くんは、「こんなに自由に舞台に存在することもできるのだ」と望海さんを通して学んだことを語っていました。 

望海さんは、舞台に立つ時に全く力が入ってなくて、とことん楽しんで演じていて、その前提に大きな宝塚愛がある!
「心底宝塚が好き」で、その舞台を楽しんでいるから、望海さんのあの熱がお客様に「ドン!」と届いている!とのこと。
これは、全国ツアーで客席の一人として体験したばかりです。

「舞台に自由に立つ」ということは、「自分をいかに魅せるか」自分の個性を出していくことに通じるでしょう。
望海さんの姿勢が雪組生に波及して、雪組生たちが、キラキラ輝くスターになっていっています。

望海さんの歌唱力も雪組生に波及

少し前までは「コーラスの宙組」と言われていましたが、最近の雪組は、コーラスも宙組に負けないくらい良くなっています。
望海さんが2番手時代の別箱主演公演『アル・カポネ』『ドン・ジュアン』に、永久輝せあくんが出演していましたが、歌唱力の向上をとても感じました。
プレお披露目「琥珀色の雨にぬれて」彩凪翔くんがルイ役で、望海さんと一緒に歌い合う歌を歌った時も、苦手な歌がとても良くなっていました。
「歌」の指導やアドバイスを望海さんがされているのだろう、と感じました。
トップさんは超お忙しいと聞きますので、2番手の時ほどは現在は歌の指導は出来ないでしょうが、気づいた一言アドバイス等はされていると思います。
そして、望海さんと真彩ちゃんの圧倒的な歌唱力に感化されて、雪組生全体で歌の向上を目指しているでしょうし。

望海さんの存在が客席を楽しませてくれる以上に、雪組生に舞台人として与えている影響は、大きいと思います。
この望海体制の下で、たくさんのスターさんが成長し、開花していくことでしょう。

全ツで輝いていた若手スターたち

ダンスで光っていた綾凰華くん
彩風咲奈くんが踊っていた「JAZZ」の真ん中を、あやなくんが抜擢されて任されていました。精一杯素敵に踊っていました。
しかし超絶スタイルの良い咲ちゃんと同じ衣装だったので、まだ大劇場でのイメージが鮮明に残っている中での再演は、比べてしまいます。
背が高くて手脚が長くて素敵に踊る咲ちゃんはスゴイのだなと、あやなくんのダンスも素敵ながら思ってしまいました。そして結構リズムに合わせてフリーに佇んでいたりするシーンがあったので、そのあたりも経験値の高い咲ちゃんには、5年の差があると及ばないなと感じました。
観劇した日は咲ちゃんご観劇で、あやな君は緊張したけど、より頑張っていたでしょう。

歌。芝居。ダンスがそつなくできる人だと思っていましたが、ダンスが抜きんで出てきた分、歌が今一歩だったように感じました。今回だけなのかな?
97期の永久輝せあ君がいなくなるので、綾凰華くんは活躍を期待されているでしょう。

102期 彩海せらくんが路線スターとして輝いていた
『ファントム』新人公演のフィリップ役、春のバウ「PR×PRINCE」でヴァルテリ王子役と頭角をあらわしてきて、『壬生義士伝』新人公演初主演で望海さんをそのままコピーできる歌・演技の実力に驚愕し、ショー「カノン」のダンスの精鋭メンバーに選ばれていて踊りも達者。
目の大きい整った顔立ちの美人で、華やかなスターオーラもあって。でも身長だけが男役としては足らない…
(本当に宝塚では、全てのものを兼ね備えて持つ人はなかなかいません…)
この1年でいっきに若手路線に入り込んできたので、これからも期待されていくことでしょう。
望海さんのような「圧倒的歌唱力」の男役さんとして台頭していけるかな?
明日海りおさんのようなフェアリータイプの男役さんになれるかな?
100期星加梨杏くんは、ロケットボーイ(ガール?)
『壬生義士伝』新人公演で「斎藤一」役で長身のイケメンで目立っていた「かりあん」。ショーでも星南のぞみちゃんと一緒に何小節か歌っていましたが、ちょっと短すぎ。、「期待の男役さん枠」に入ったのかな?と思いました。
雪組は101期縣千くん、102期彩海せらくんと若手が抜擢されているので100期の男役さんは、これからどこまでいけるか?

日和春磨くんと一禾あおくんがダンスの「JAZZ」と「カノン」のメンバーに抜擢されて、頑張っていました。短いお稽古期間で、大変だったと思いますが、若さのエネルギーを感じました。

花束ゆめちゃんは、舞台稽古の時からお芝居の「霧」のダンサー役の代役
「霧」は、様々なシーンに出てきて4人のチームワークで踊るので、短い間の稽古で本番は大変だったと思いますが、頑張っていました。
フィナーレ最後のデュエットダンスの影ソロも、上手にこなされていました。
本公演の愛すみれさんほど、味わい深い声にはまだまだ及びませんが、愛すみれさんがご観劇だったので、アドバイスをしてもらって、さらに良くなるのでは?
有栖妃華ちゃんが、エトワールとお芝居の中の歌手で頑張っていました。美しい声ですね。

昨年入団した104期生まで、若者たちも沢山出演している公演でしたが、望海さんと一緒に全国ツアーをまわれたことで、とても良い経験になったでしょう。

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